本日はアベ・ピエール氏(ピエール神父)の命日であります。
アベ・ピエール氏(本名:アンリ・アントワーヌ・グルエ氏)は、
フランスのカトリック教会司祭、慈善活動家でいらっしゃいます。
アベ(Abbé)は「在俗神父に与えられる称号」であり、
「ピエール神父」と表記される事もあります。
1912年8月5日、リヨンにて裕福な生糸商人の5番目の子供として
お生まれになり、18歳の時に父親の遺産を慈善事業に寄贈され、
清貧を旨とする托鉢修道会、カプチン・フランシスコ修道会に入られました。
1938年に司祭に叙階され、1939年に修道会を出られて
グルノーブルの助任司祭に就任されました。第二次大戦中はナチスによる
占領下でのフランスにてユダヤ人の方々を助けられ、
また、レジスタンスの方々と共に闘われました。
戦後は政治活動を選ばれ、1951年に辞職されるまで
ムルト=エ=モゼル県選出の議員を務められました。
また、議員手当てを最初の救援活動センターにつぎ込まれました。
1949年に自身の資金でホームレスの方々など何らかの理由で
社会に適合できなくなった人々を救済するための協会
「エマウス Mouvement Emmaüs」を設立されました。
全国で回収された不用品をリサイクルして販売するという
独特な資金調達法でも有名なこの協会は、現在フランスに115拠点、
世界41カ国にネットワークが広がる大きな活動となっております。
1954年2月1日ラジオ・リュクセンブール局からホームレス救援を要請され、
前代未聞の反応を得られた経験からメディアの重要性を理解されました。
1980年代には、当時のフランスの有名なコメディアンの
コリューシュ氏が貧困者救済事業として始められた
「レスト・デュ・クー"Resto(Restaurants) du coeur"(心のレストラン)」
を支持されて再び脚光を浴びられ、1994年には貧困層向けの公団住宅を
建設しない大都市の市長を批判されました。
しかし、1996年には修正主義者である哲学者のロジェ・ガロディ氏を
擁護された事で批判に晒され、後に撤回されております。
ピエール神父は亡くなられる直前まで、生涯にわたって
現役として社会的弱者の味方として尽力されましたが、
2007年1月22日朝、肺感染症のため94年の生涯を閉じられました。
同月26日にはノートルダム寺院にて国葬が営まれ、
シラク大統領、ジスカール・デスタン元大統領、
ド・ビルパン首相をはじめとする政府要人の他、
人種や宗教などを超えて多くのフランス人の方々が参加されました。
ジャパリパークにお住まいのフレンズの方々は
性格の違いこそあれど心優しい方々ばかりでありますが、
中でも印象深いのは、やはりみんみ様でありましょうか。
困っておられる方々に手を差し伸べられ、共に良い方向へ向かわれるべく
積極的に行動される御姿は、私達にとっても見習うべき姿勢であります。
この世界は全ての方々が平等であるとは言えないのが現状であり、
立場の弱い方々に関する問題は資本主義ならではのものであります。
しかし、命というものに立場の違いは関係なく、
まして、たった一人で世の中を生きる事など不可能であり、
どこかでどなたかの助けが必要なのは、いつの世も同様であります。
助けて助けられて、世の中は回っているのであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。