本日は初虚空蔵であります。
毎月13日は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の縁日とされており、
一年の最初の縁日である1月13日は初虚空蔵として、
各地の関連寺社にて催事が行われております。
・虚空蔵菩薩は仏教における信仰対象である菩薩の一尊であります。
「明けの明星」は虚空蔵菩薩の化身または象徴とされ、
「明星天子」や「大明星天王」とも呼ばれております。
また、知恵の菩薩として、人々に知恵を授けるともいわれております。
・三昧耶形(さんまやぎょう/さまやぎょう・
密教にて仏を表す象徴物)は宝剣と如意宝珠、
種字(しゅじ・密教にて仏尊を象徴する一音節の呪文)はタラーク(त्राः、Trāḥ)、
真言は「オン バザラ アラタンノウ オンタラク ソワカ」や、
「ノウボウ アキャシャキャラバヤ オンアリキャ マリボリソワカ」等であります。
「虚空蔵」は梵名アーカーシャガルバ(虚空の母胎)の漢訳で、虚空蔵菩薩とは
「広大な宇宙のような無限の智恵と慈悲を持った菩薩」という意味であるため、
智恵や知識、記憶といった面での利益をもたらす菩薩として信仰されております。
その修法「虚空蔵求聞持法」は、一定の作法に則って真言を百日間かけて
百万回唱えるというもので、これを修められた行者はあらゆる経典を記憶され、
理解して忘れる事がなくなるといわれております。曼陀羅の一種である
胎蔵曼荼羅の虚空蔵院の主尊であり、密教でも重視されております。
元々は地蔵菩薩の地蔵と虚空蔵は対になっていたと思われておりましたが、
虚空の空の要素は他の諸仏にとって変わられたようで、また、
地蔵菩薩の独自の信仰もあり、対で祀られる事はほぼ無いとされております。
空海氏が室戸岬の洞窟、御厨人窟に籠られて虚空蔵求聞持法を修められたという
伝説はよく知られており、日蓮氏も12歳の時、仏道を志されるにあたって
虚空蔵菩薩に21日間の祈願を行われたといわれております。
また、京都嵐山の法輪寺では、13歳となられた少年少女の方々が
虚空蔵菩薩に智恵を授かりに行く「十三詣り」という行事が行われております。
・虚空蔵菩薩像容は、右手に宝剣、左手に如意宝珠を持つものや、
法界定印の掌中に五輪塔を持つもの、右手は掌を見せて下げる
与願印(よがんいん)の印相とし左手に如意宝珠を持つものなどがあります。
三つ目の像容は求聞持法の本尊で、東京国立博物館に収蔵されている
国宝の画像はこれに該当します。
彫像の代表例としては、奈良県大和郡山市の額安寺像、
京都市の広隆寺講堂像などが挙げられます。奈良県斑鳩町・法輪寺の
木造虚空蔵菩薩立像は7世紀にまで遡る古像でありますが、
当初から虚空蔵菩薩と呼ばれていたかどうかは定かではありません。
また、法隆寺の百済観音像は、宝冠が見つかる明治時代前半までは
その墨蹟銘から「虚空蔵菩薩像」と呼ばれておりました。
私達みんみ教徒が崇拝する「みんみ様」は慈愛と寛容の象徴として知られており、
「広大な宇宙のような無限の智恵と慈悲」をお持ちでいらっしゃる
虚空蔵菩薩様の精神に通ずる部分があるとも言えます。
余談ではありますが、虚空蔵菩薩様の縁日である毎月十三日、
観音菩薩様の別身である三十三観音、みんみの日である三月三日と、
信仰には「三」という数字に縁がある事例が見受けられるようであります。
科学が進んだ世界においても、世の中は信仰によって支えられている部分があり、
それは人々の心の動きそのものを表しているとも考えられます。
心の拠り所である信仰は世の中の平穏のために願うものであり、
それはこれから先も続いていくのであります。
世界にみんみ様の御加護のあらん事を……。
本日もお祈りいたします、みんみー。