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みんみ教徒の集い / 2992

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流浪のみんみ教徒 2021/08/30 (月) 00:03:03 457e0@14784

本日は1909年にチャールズ・ウォルコット氏が
バージェス頁岩(けつがん)の化石を発見された日であります。
 チャールズ・ドゥーリトル・ウォルコット氏はアメリカの古生物学者で、
 無脊椎動物の研究やカンブリア紀の化石群の発見でも知られております。
 1850年3月31日にニューヨーク州北部のオナイダにお生まれになり、
 大学で博物学に関心を持たれて化石の他昆虫採集なども行われましたが、
 19歳の時に大学を中退され、金物屋の事務員を2年間経験されました。
 21歳の時に仕事でインディアナポリスに出かけられた際に、
 そこでの炭田にて働いておられる地質学者に出逢われた事が
 生涯を地質学に向けられるきっかけとなり、これを契機に地元の
 オルドビス紀の石灰岩の調査と化石の採集/研究を始められました。
 一方この頃、スイス出身の生物学者/地質学者のルイ・アガシー氏が
 ハーバード大学の比較動物学博物館を創設されるために
 スイスから招かれており、ウォルコット氏はアガシー氏の元で
 化石の研究を行われる事を申し入れられましたが、
 その直前にアガシー氏が亡くなられてしまい、実現には至りませんでした。
 しかし、その後もウォルコット氏は独学で研究を続けられました。
 1876年にニューヨークの地質学者のジェームズ・ホール氏の助手となられ、
 アメリカ科学振興協会(AAAS)の会員にもなられました。
 1879年にアメリカ地質調査所に入所され、1894年に所長に昇進されました。
 そこでの業務において、特に米国内にあるカンブリア層の調査を行われ、
 多くの調査旅行をこなされ、収集された化石を岩石の年代と連携されました。
 その成果は、地質学に貢献する重要な業績となっております。
 1896年に全米科学アカデミーの会長に選ばれ、
 1902年にはカーネギー鉄鋼会社の創設者であり
 慈善家としても有名なアンドリュー・カーネギー氏を説得され、
 ワシントンにカーネギー研究所を創設された後に理事長に就任されました。
 1907年にスミソニアン協会の会長に就任され、
 アメリカ地質調査所の所長も引き続き務められました。
 1909年8月30日にバージェス頁岩にカンブリア紀の化石を発見され、
 その翌年に2人のご子息と共にその地域にて、
 化石が発見された頁岩のある地点より上の尾根の地層を調査され、
 化石を含む地層帯を事実上発見されました。その後、1919年から1924年の間に
 何度もその地に足を運ばれ、65000点以上もの化石を収集されました。
 後にこの場所は「ウォルコット石切場」と名付けられております。
 1927年2月9日、ウォルコット氏は76年の生涯を閉じられました。
 その後、ウォルコット氏の資料/写真/記録は1960年代後半の世代の
 古生物学者の方々が興味を寄せられるまでスミソニアン協会に保管され、
 やがて、ウォルコット氏の解釈の多くが訂正される事となりました。
 1989年にアメリカの古生物学者のスティーヴン・ジェイ・グールド氏が
 著書「ワンダフルライフ」の中でウォルコット氏について記述されており、
 これがウォルコット氏が一般に知られるきっかけとなっております。
 その後、バージェス山の一つの頂上にウォルコット氏の名前が付けられ、
 また、前カンブリア紀とカンブリア紀の
 古生物学分野での優れた業績に対して表彰する
 「チャールズ・ドゥーリトル・ウォルコット賞」が設けられております。
・バージェス頁岩とは、約5億500万年前の古生代カンブリア紀中期に
 生息していた海棲動物の化石を有するカナダの化石地層の通称であります。
 それまで発見された事のなかった海棲動物の化石が
 軟体組織まで鮮明に保存された状態で大量に出土した事で有名であり、
 そこから発見されたアノマロカリス/オパビニア/ハルキゲニア/
 マーレラなどの動物群は「バージェス動物群」もしくは
 「バージェス頁岩動物群」と称され、現在も発掘や研究が続けられております。
 極めて古い時代の動物化石が集中して発見される数少ない場所として
 当初から注目を集めておりましたが、発見された当時は節足動物と思われた
 かなり奇妙な化石小動物が既存の分類体系に適合しないため、
 それをどのように説明するかで広汎な議論を呼びました。
 1989年、アメリカの古生物学者のスティーヴン・ジェイ・グールド氏の著書
 「ワンダフルライフ」によって広く一般にも知られる事となりました。
 発見者名に因んで呼ばれる「ウォルコット採石場」は、
 バージェス頁岩(スティーブン層)化石の模式地となっております。
 関連するものとして、バージェス動物群とほぼ同じ生物層の化石は
 中国・雲南省の澄江(チェンジャン)の地層からも発見され、
 これは「澄江生物群」(澄江動物群)と呼ばれております。
 また、オーストラリアではバージェス動物群や澄江生物群が属する
 カンブリア紀よりも更に時代が古い隠生代新原生代後期のエディアカラ紀に
 属していると見られる地層から、「エディアカラ生物群」が発見されております。
 バージェス頁岩累層は国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の世界自然遺産、
 「カナディアン・ロッキー山脈自然公園群」の登録区域に含まれております。
 1980年にバージェス頁岩累層が単独で登録されておりましたが、
 1984年にこの累層を含む「カナディアン・ロッキー山脈自然公園群」が
 新たに登録されたと同時に単独物件としての記載は削除されております。
けものフレンズに登場されるフレンズの方々の元となる動物は、
複雑な行程を辿った進化の行き着いた結果の一つであります。
その多くは海洋における微生物などから長い時間をかけて進化を続けており、
バージェス動物群などの大部分は現生の動物群や
その初期系統に属する基盤的な種として理解されている見解もあります。
生物は環境に対応して進化を果たした種類があれば、環境に対応できなかった、
或いはその他の要因で絶滅してしまった種類もあります。
私自身、古代生物も私達と全く関わりのない生物では決してないと考えており、
手前味噌な話ではありますが、こちらにも書き込みをさせていただいております。
こういった生物の話題に触れるたび、生物の可能性の大きさに驚いております。
この先、生物がどのような進化を続けるのか、興味が尽きないところであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。

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