本日は1883年にオランダ領東インド(現在のインドネシア)の
クラカタウ島にて大噴火が発生した日であります。
・クラカタウは、インドネシアのジャワ島とスマトラ島の中間、
スンダ海峡にある火山島の総称であります。ランプン州に属しており、
全体がウジュン・クロン国立公園の一部となっております。
名称に関しては「クラカタウ(Krakatau)」と
「クラカトア(Krakatoa)」の2種類の呼び名がありますが、
インドネシアでの名称はクラカタウが一般的であります。
・およそ6万年前まで、この海域には「古クラカタウ」ともいうべき
直径15km弱の火山島がありましたが大噴火によって消滅し、
その後、ラカタ島/セルトゥン島/ラング島(現在のラカタ・クチル島)
に分かれる形となり、それがクラカタウの総称となりました。
・535年に発生した大規模な噴火はインドネシアの文明に
歴史的な断絶を引き起こすほどのものでありました。
5世紀からジャワ島西部に栄えたカラタンと呼ばれた
高度の文明が姿を消しただけでなく、世界各地に異常気象をもたらしました。
その痕跡は樹木の年輪や極地の火山灰の堆積のような物的なものから
歴史文書に至るまで広範囲に亘っております。
・1883年の大噴火は5月10日の微々たる揺れから始まりました。
5月20日にはラカタ島で水蒸気爆発を伴う噴火が発生し、
8月11日には同島の3つの火山の噴火が発生し、
8月27日の現地時間9時58分に大噴火が発生しました。
これはラカタ島の土地の3分の2を消滅させる凄まじい噴火で、
噴火で発生した大規模な火砕流は海上40kmを越え、
噴火により発生した津波が周辺の島を洗い流し、
36417人もの犠牲者を出す結果となってしまいました。
これは地質学史上、第5番目の爆発規模と考えられております。
噴煙の高さは成層圏に達する38000m(48800mの説も有り)まで上り、
その影響で北半球全体の平均気温が0.5℃から0.8℃降下した記録があります。
爆発音は4776km先のインド洋のロドリゲス島まで届き、
人間が遠く離れた場所で発生した音を直接聞いた最長距離となりました。
噴火によって発生した衝撃波は15日かけて地球を7周し、
5863km離れた東京で1.45hPaの気圧上昇が記録されております。
津波は、日本では鹿児島市の甲突川にも押し寄せ、
17000km離れたフランスのビスケー湾の験潮儀にも記録されております。
また、その後数年にわたって異様な色の夕焼けが観測されており、
イギリスの画家William Ashcroft氏が記録に残されております。
・1927年1月26日にラカタ島北部の海中で噴火が始まり、
火山島アナク・クラカタウが誕生した後は、1928年2月3日正午から24時間で
11791回と桁外れの爆発回数によって新たな島の誕生や浸食が繰り返され、
2018年の12月下旬にも大規模噴火で山体崩壊が発生するなど、
アナク・クラカタウは現在も噴火活動を続けております。
既に知られている通り、ジャパリパークは海底火山の噴火によって
出現した島をそのまま動物園とした非常に大規模な施設であります。
広さそのものがどれ程のものかは判然としておりませんが、
バスでの移動が必須となる程の広さの島が出現する規模となると、
かつてない規模の大噴火であった可能性が考えられます。
ここのところ、様々に変わり続ける気象が注目されておりますが、
地球の内部も絶えず活動を続けております。
私達は地球という巨大な生き物のサイクルの中で生きております。
この日を機に、改めて地球内部について考えるのも良いかもしれません。
本日もお祈りいたします、みんみー。