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「降参だ」
彼は執行部隊に囲まれた中で両手を上げた。ナイフなど武器を地面へと落としリーダーらしき人の方を向いた。
「…時、テロリスト、月夜仁を確保。被害なし。本部応答されたし」
『こちら本部、同伴の軍部隊と合流後、身柄を軍へと引き渡し撤退せよ。合流地点はー、』
「…了解」
突如エンジンの轟きと共に一筋の光が夜の細道を駆け抜け、彼とこれを取り囲む執行部隊を照らした。あまりのまぶしさに片手で光を遮る。細道の奥、ちょっとした広場に砂を巻き上げながらZ-152が着陸する。明らかに警察用というには過剰なような、黒く塗装された横には帝国の警察機構の白いロゴが刻まれている。
横のハッチが上下に展開し、彼らは”テロリスト”を連れて乗り込むと足早に飛び立った。
ーーー
何時間経っただろうか。
確かにヘリに載せられたところまでは覚えている。だがそこからの記憶はない。
白い壁に変哲もおしゃれのかけらもない簡易的な机や鉄製のベッド、照明がより部屋の白さを際立たせている。
机にはナイフと拳銃など、傭兵の彼には馴染み深いであろう武器が並べられていた。ただの模型などではなく、きちんと実銃の質量を感じさせる。
「ここは…」
まるでボス戦前の休憩部屋のようだ。
窓もなく、狭い空気取入口を除いて無機質な部屋から出るには目の前の鉄扉しかない。
『戦闘だ』
「なるほどね」
ボス戦前の準備と気持ちの整理を一通り行ったあと扉の取手に手を掛け、手前へと引っ張る。気圧の差からか、部屋へかすかに風が流れ込んでくるように感じる。テニスコート数個分の広大な空間が目の前に広がったが、これもまた室内のようだ。白い壁と床は部屋の向こうにも続いていた。ただ違うのは、白い髪の女性…が、SFにでも出てきそうなメカメカしい部品を回りに纏わせていること。それと明らかに形状が銃身のものを彼の方へ向けていることだ。
「…ピッ"ー、状況開始"…ッー」
「…まっず!?」
直観に従って咄嗟に体を動かした。その瞬間、彼女の目の部分を覆うVRゴーグルのようなものが赤く光ったと思えば2基のガトリングから火を噴きだし、銃弾の雨が彼のいた場所の光景を醜いものに変えていった。
走り出した彼を銃弾の雨が止まず追いかける。
「あんなの人が振り回せるもんなの!?」
『あれは人ではない。何かかはわからないが』
接近しないことにはあの雨はやむことはないだろう。掃射が途切れた一瞬の隙を見て慣れた手つきでライフルを構え機械じかけの彼女へ発砲する。確かな発砲の感触。しかし、彼女はこちらを見ていないが銃弾が届く前に、アームがシールドを構え銃弾が防がれた。再度ガトリングが彼を捉えたと思えば、急速に彼へと接近し大きくブレードを振りかざす。
幸い振り下ろされたブレードに掠れるだけで回避し咄嗟にハンドガンを片手に構えたが、ブレードの振り上げに拳銃を取られ天井付近まで吹き飛ばされてしまった。
シールドのアーム2つ、大きなブレードとガトリング、グレネードランチャーらしきものがまとめられたとても一般の人間には片手で振り回せるようなものではないであろう2つの武器、それらを軽快かつ正確に操り息切れも見せない。冷却のためか、何かを射出した際など動きが鈍くなる隙を狙うが、4本腕の連携が巧みにその隙を埋められてしまう。何か作戦を立てなければ押し切られてしまうのは目に見えている。
「なんでもありか…」
『俺が変わりにやろう』
…、「それに賭けようか。任せる」
…、…、
空気が変わった。体が軽い。ロングソードを構え地面をけり上げる。変化を感じ取ったか機械じかけの魔女は、前方へむけて容赦なくガトリングを掃射する。同じように彼女の周りをまわるように駆け抜けつつ徐々に接近し、ロングソードを彼女目掛けてお返しと言わんばかりに振り下ろした。咄嗟に武器を構えたが、ロングソードの刃は片方のガトリングの銃身を捻じ曲げ、武器をでかいだけのスクラップへ変えた。一瞬だけゴーグル越しに彼女の表情に驚きが見られる。
「…ピッ"ー、はいじょ…、脅威は排除。排除、?"…する…ッー」
『…』
言葉の意味を考える間もなく片方の武器がパージされ、彼に向けて射出する。想定外の動きか、彼はガラクタと共に壁際へと突き飛ばされ地響きのような音を立てて地面へと落ちた。残りのガトリングでガラクタまとめて銃弾を掃射し、ガラクタは次々と弾痕を増やし黒く形状もわからなくなっていく。ガラクタが更にぼろくなっていくのを横に、黒い影がガラクタから高速で動き出し赤い光を纏って接近するのを捉え、シールドは本体を守らんとアームの節々にあるアクチュエータを急稼働させる。シールドは人の質量をギリギリで抑えて、片方のブレードを質量目掛け薙ぎ払うが構えられたナイフによって火柱を散らしながら軌道を反らされた。
彼の顔は口角を上げて、ブレードの刃と刃を合わせ反らした勢いのままナイフを突き立てゴーグル本体を抉った。抉られたゴーグルは傷跡から小さな稲妻を散らし配線の焦がす臭いを実験室に漂わせる。
「…ピッ"ー、テロリスト…、制圧…、排除…ッー」
いつの間にか傷ついた肌から青い血を垂らす。魔女は意識の混濁の中で、ゴーグルの中で、目を見開き黄色い眼で正確に敵を捉える。武装は奮い立ち、アクチュエータはプログラム通りに、魔女の脳通りに動作を続ける。
狼と機械仕掛けの海物の実験は始まったばかりである。
とりあえずあとちょっと戦闘②書いて終わらせて後日談にしようかと。リュー仁茶番です。想像と脳死で書いてるのでわかりづらい部分や解釈違いだったら申し訳ない。
?なんでリューさんいつにもまして会話変なの?
AMSCISで、負荷軽減器の影響で意識が混濁状態のため。言葉ごとに色が違うのはそれを現したかっただけです()
・Mechanica pythonissam
ラテン語で「機械仕掛けの魔女」という意味。
執務室にやってきた4人の男は、楊のデスクの周りに並んだ黒革のソファへゆっくりと掛けた。 札儀のひとつも感じさせない傲慢な男たちからは、楊に対する軽蔑の念がにじみ出ていた。
連合王国から来たミューレンバーグに引き続き、長江の翁敬黎 、SECのハイゼン・チョン、そしてルコラの榊貞一。人呼んで「広東の3頭」。彼らこそが広東に君臨する大企業の長たちであり、数少ない行政長官に口出しできる男たちであった。
「行政長官どの、いったい何のつもりです?」
榊が嫌味たらしく尋ねる。
「ここは起業家の街ですよ。 私たちのような者が、政府にあれこれ言われることなく、好きに商売をするための場所のはずでしょう? まぁ、これまでも方のような長官はいましたがね。 きっと、"次"もそうでしょうな」
「長官どのはいつものように我々にお灸を据えに来たのでしょう。ですが、これだけは忘れないように。我々のやり方があります」
楊を横目に見ながら、ハイゼンは言った。
「当然です。政府もそれに関して何か言うつもりはありません」
本当ならば手元の書類を榊の顔に思い切り投げつけてやりたかったが、必死に衝動を抑え、楊は静かに言った。
「ですが、あなた方とてここが連合王国の勢力下にあることはご存知でしょう?臣民としての最低限の節度は守って頂きたい」
翁は何も言わない、奇炒な男だ。楊は思った。「広東のからくり師」と呼ばれたこの男は、2022年に突然姿を消した。2024年、再び表舞台に姿を現した翁は、「仲間」たちを引き連れており、香港ではその名を知らぬ者はいないほどの大物となっていた。その場をとりなすように、ミューレンバーグが割って入った。銀行家らしい過敏な感度だ。
「皆さんどうか落ち着いて。楊煌明どのはエリート中のエリート、元中華連邦財務大臣なのですよ。そんな方が長官として来て下さったのですから、私たちも気を引き締めなくては」
社長たちは眉を吊り上げた。そんな4人に、楊は笑顔を見せた。
「ではみなさま、今後ともよろしくお願い致します」
・ミューレンバーグ

ヘンリー・フランシス・ミューレンバーグさん
連合王国の実業家で、楊煌明に続き本国から企業たちの統制のため呼び寄せられた男。一応楊煌明に味方しているが、コイツもコイツで利益至上主義。
彼女はにやにやしながら「御名刹」と期待の眼差しを向ける。
テキーラを注いだコップを手首で揺らし、カラカラと氷の音を立てながら彼女は興味深そうに首を傾げた。
「ご長寿なあなたに面白い話ができるとは思いませんけど…、彼女のように激動感動ロマンティックな物語は語れませんよ?私のプロフィールなんてネット調べればいくらでも出てくるでしょう。宰相府のホームページにも書いてありますし」
『寿命が長いと暇つぶしにも一苦労でな、一応気になるだろ?目の前に性質の違うバケモンがいたらな?あとな、あんたのプロフィールはリューディアの情報よりは大量に出てくるがな。なんか嘘くさいんだよ。あんたがバケモンであることを知ってる私にはな、そう見えたんだ』
「…化け物とは…、あなたも人外でしょう。どちらかといえばカッルとかと同類でしょうね」
「あと、こう見えても母はフランス人、父は日本人のただのハーフの人間ですよ。そこにエーギルが加わっただけの話です」
『モルトラヴィスどころかスペイン関係ねぇのかよ?なんでモルトラヴィスの大宰相なんかやってんだ?異国だと揉めそうだなぁ』
「最初から大宰相なわけでもないですから、ただ私が連邦内戦中にたまたま参加した軍閥がスペインを掌握して帝国になった。そしてキャリアを地道に積んで今こうして国民から大宰相として選ばれて皇帝陛下から国を預かっているのです。帝国はスペイン人が多いですが、連邦内戦中に東方の人々などが移住し皇帝権で活躍した人々の功績が認められてこうして同等の権利を持っていられるのですよ」
語る口調こそ何かと誇らしげだが、時々目を見ればそこには喜怒哀楽もなく、無気力で化け物が人間のふりをしているような感覚を覚える。ただ、彼女が化け物であることを最も知っている龍人はそれを違和感とは思わないだろうが、国だとか国民だとかを背負う彼女は、それらをどうでもいいように思っているように見えてくる。
「家族のことやらエーギルになったときはよく覚えてませんから…、おそらくリューディアも自身がエーギルになったときは覚えてないでしょう?」
『そうだな、確かそんなん言っていたな。エーギルってのはそういうもんなのか?』
「さあ、私にもさっぱり。エーギルついての研究は帝国のお家芸といえるでしょうが、性質故に本質的な革新には至っていません。それか、研究機構が開示したがらないかのどちらかでしょうね。エーギルについて聞きたいならカッルを訪ねてみてはいかがですか。…彼?彼女?…まぁあれは擬態もできますし人間ではないですから話が合うのでは?」
『あー、いや、カッルは…、なんつーか掴みどころがないっていうか、な?』
「わからなくはないですよ、あれは特殊ですから」
「帝国…というよりは企業はエーギル研究に熱心ですから、いずれあなたにも協力の要請がくるでしょう」
『んー、私はエーギルでもないんだが…まぁ暇だからいいが…、めんどくさいのはやめてくれよ?』
「それは帝国政府と企業、海洋研究機構が決めることなので私にもなんとも」
「それと、仁くんに会いたいなら場所は教えますけど…、私は忙しいので移動手段までは手配しませんからね」
『なんとなく想像ついてるけどな…、とりあえず聞いておくが…どこだ?』
「フォルメンテラ海洋研究所」
『…あそこまで泳いでけってか…、それかインペリアルネイビーが乗せてってくれんのか?』
やや困り顔、どちらかといえば困惑がやや混じっているのを見て、彼女はクスクスと軽く笑いを漏らす。
「ははは、冗談ですよ。マドリードのANH資本の病院に搬送される予定です。早朝にでも訪れてみるといいでしょう。エレクシアからなら高速鉄道がマドリードに続いてますからそちらを利用するといいでしょうね」
おまたせしました
特筆すべき設定はないです()
-記録開始-
(背後でSH-25Nが発艦準備をしている。)
リポーター:こちらは今、ISAF海軍のδ2級強襲揚陸艦、「ブラッドレー」の甲板上にいます。
アナウンサー:そちらの近況はどうですか?
リポーター:はい、昨日から今日の朝にかけて、戦闘機が空母から複数発艦しており、事態が戦闘開始に向けて既に動いているんだなという印象を受けました。
アナウンサー:乗員、パイロットの様子はどうですか?
リポーター:(数秒のノイズ)すみません、通信状況が悪く(数秒のノイズと共に通信が途切れる)
アナウンサー:えぇと、どうやら通信が繋がらないようです。回線が復帰次第お伝えします。
-記録終了-
フレデリック・リーは、座席に寄りかかって、まるで人生の頂点にいるような、それでいてもっと上を目指したいと思っているような雰囲気を醸し出していた。 楊に『どうぞ』と声をかけ、隣の席に座るように合図をした。リーの視線は、窓ガラスの向こうの街路樹の上に交差する鮮やかなネオンの看板に注がれた。
「広東は、私の長年の旅の中で、最も浮き浮きしているところです。私の経験では、人は旅をすればするほど故郷を知ることになるのですが、限界や伝統を越えて不可能を可能にしょうとする旺盛な意欲は、ここでしか見られません。皮肉なもので、福江は不可能を可能にする都市であるにもかかわらず、人々は絶え問ない欲望に身を投じているのです」
『なるほど』
楊は息を呑んだ。リーの言葉の速さに、よく分かっていながら、うなずきたくなる自分がいた。話の流れを変えようとすると、リーが割り込れできた。
「この気力の使い方を知っている者は私以外誰一人としておりません。私はこの土地と、その欲望と恐怖に他の誰にも真似できない形で同調することができるんです。この土地で成功しようとするならば、大なり小なり私の助けが必要でしょう」
リーは満面の笑みで脅威を覆い隠したが、それには楊が嫌々うなずいていた。
「そして、もしあなたが許してくれるなら我々はとても友好的な関係になれると思うのですよ、行政長官」
楊は、ネクタイを緩めたい衝動と戦いながら、リーのあまりの手際の良さに苛立ちをだせなかった。 楊は今日一日、襟を立てて過ごすことになりそうだ。
親切な、しかし危険な男だ。
張魏訂の執務室は、行政長官にとって自身の部屋より身近な環境であった。白茶色を基調とした柔らかい色味に、深みのある革張りの椅子が置かれている。この部屋なら取引ができると、楊は思った。目の前に座った、部屋の様子と同様に実務的な男に目をやると、その考えはさらに強固なものとなった。
「行政長官様、お会いできて光栄です」
「私も同じですよ、張さん。それでは、広東の将来についてお話しましょう」
「どうも漠然とした話題ですな。より具体性のあるお話にしたほうが良いのではないでしょうか。まず、私の事業内容についてはよくご存じのことと思いますが」
楊は、張がさらに話すのを許した。横井もそれには十二分に気づいていた。「それについて意見を交わすために、この場にいるのではありませんか」
「もちろん私は、張さんのおっしゃる"事業"をただ続けさせることはできません。もっとも忌まわしい慣習は最低限にとどめておかねばならないのですよ」
「それはよく理解しております」
発せられた言葉に、楊は控えめに戸惑って眉をひそめた。
「貴政権の管理体制には、同僚共々よく満足しております。ただ、もし広東での仕事に支障をきたすような状況になれば、職員の基準を引き下げなければならない、とだけ言わせていただきましょう」
「もちろん、張さんが約束を守ってくださるのなら、私もあなたの好みを尊重するよう努めます」
楊の期待していた通り、明快な会談だった。張の悪行を認識しながらも、その考えは揺るがなかった。この男は、楊が対処しなければならない人物の一人に過ぎないのだ。立場に害が及ばない限り、その行為には何の関心もない。
約束を守った方が身のためだ。
まず先手を打ったのは狐の方だった。切断されたのとは別のガトリングガンの管制レーダーが狐に照準を合わせる前に素早く走り出し、火を纏ったロングソードを両手に握り一気に接近し魔女へと振り下ろす。ロングソードの刃はブレードに防がれて纏う火を散らした。その直後体に大きな衝撃と冷たく硬い鉄の感触が伝わったかと思うと体は空中を舞った。数コンマにも満たない中でシールドバッシュを喰らったと理解した頃に視界がとらえたのは彼に向けられたガトリングガンの砲身であった。
束ねられた砲身が唸り回転し始めようとしたとき、彼は落下する体をそのままにしっかりと握っていたロングソードを突き立て、ガトリングガンの砲身をそのまま使い物にならないほどに引き裂いた。
花びらのごとく別れた砲身からは何度かの小規模な爆発が起こり、魔女は驚いたような表情の変化を見せ咄嗟にシールドを前面へと展開し防御を図ったかと思えば2基のグレネードランチャーを構え、彼の方へ向けてぶっ放す。当然のように彼はそれを回避するが、爆発は熱を伴うものでなく大量の白い煙を部屋中に充満させた。
(発煙弾か)
白い煙が立ち込め部屋の様子を容易にとらえることはできなくなり、あたりには久々に静寂が戻る。
だが、静寂を貫くように深い霧を、鋼のブレードが彼目掛けて刺突される。ギリギリのところでロングソードを構え突っ込んできたブレードの刃と合わせ上へといなした。そのままブレードの根本の方向へロングソードの刃を滑らせ霧の向こうへと振るった。ロングソードの刃はブレードの根本、壊れたガトリングガンやグレネードランチャーを束ねた機械の外装を切った。感触を確かに、そのまま奥へ突き出すが、機械に触った感触もシールドに突っかかった感触もない。違和感を胸に剣を引き、切りつけた機械を見る。そこにあったのは武装ユニットだけであり魔女の姿はなかった。
徐々に発煙弾による霧が晴れ、室内の光景を鮮明に映し出す。
立ち位置は最初の間合いに自然と戻っており、機械の魔女は片方の武装ユニットをパージした状態で呼吸を荒くし、目のあたりについていたユニットを外れている。彼女の背後から何かが射出され、すぐに燃え尽きた。そのあとに片方の武装ユニットは乱暴に落下し彼女も膝から崩れるようにへたり込む。
「もう終わりか」
ロングソードを握る力を強め魔女へと歩みを進める。
ーーー
時に、望まない形でエーギルとなって以降より脳波を解析し機械での言語化を通して言葉を介するの通常である彼女が自らの喉から「声」を出すのは固く禁止されている。彼女の共鳴者の力、機械の制御はその副産物に過ぎずこれらはあくまでも近年見出された利用法に過ぎない。なら本来彼女が使う力の本領は?この力を生物へと使った場合は__?
『ーー(人ならざる声)ーーーーー!!』
「!?」
突如機械音声ではない別の声、人の女性のしたたかな声のかすかに混じる化け物のような咆哮が室内へと響き渡る。
これまで魔女が閉ざしていた口を開いたかと思えばその瞬間に異変は起こった。突如頭に走る激痛、確かに数秒前まで正確に室内を捉えていたのに生じためまい。急激な吐き気が同時多発的に彼を襲う。
テレビの砂嵐を瞳にそのまま投影されたようになり、歩みを止め地面へと膝から崩れ落ちると同時に"彼"との同期を失い、違う"彼"が強制的に目覚めさせる。
ーーー
本来の体の持ち主である"彼"が目を覚ますころ、既に数十分ほどの時間が経ったであろう室内は損傷した魔女の機械と、機械から解き放たれ湯気を立てつつ青い血をところどころから流す魔女の姿、地面に印をつけたり色々と騒がしい白衣の人たちの姿を目に移した。
「急に呼び出してすまなかったね。シナノ氏は最近の動きで忙しいそうであなたを頼るしかなかったんだ」
『…ピッ"ー、了解。今日は帰れせてもらう。それでいいな"…ッー』
「んー、あぁ、傷もあるだろう。治療していかないのか?それに体力も…」
『…ピッ"あなたに私の何がわかる"…ッー』
「いやー、…そのだね」
初老の男の静止を振り切って患者服の魔女は、施錠されていたはずに自動ドアから室外へと出ていった。男は困ったように頭を軽く掻きつつ傾げたが、起きた彼に気づくと足早に近づいて手を差し伸べた。
「起きたか、私はジェレミー・クラーク。帝国海洋研究機構エーギr…、っと。まぁ生物学者でね。このプロジェクトで責任者をやってるんだ」
「…あ、…どうも」
「研究に協力してくれて感謝してるよ。後、君は本土に移送するけどその前にちょっとだけ検査をさせてほしい。一応君は"テロリスト"っていう名目だから、帝国政府に検体を提出しなきゃいけないんだ。じゃないとUES加盟国どころか帝国外に出れないからね」
「いや僕テロリストじゃないんだけど…、あと警察にも追っかけられたし」
「あぁ、わかってるとも。別に検体の採取を平和的にさせてくれれば自由の身さ。あと、ここでの出来事を話しちゃだめだからね。次は本気で首とか臓物が吹き飛ぶから気を付けるんだよ。帝国の監視社会は怖いからねぇ…、」
男はそんなことをけらけらと笑いながら語る。彼としてはたまったものではないが。
「…わかったよ。死なない程度で自由に採取してくれ」
「協力に感謝しよう。あと申し訳ないが、ここは結構特殊でね。次に目が覚めるのはマドリードの国立病院のベットさ。さて早速で悪いが採取を始めよう。なに、麻酔はちゃんと打つから起きたころにはすべて終わっているよ」
「あー、そうそう。君と戦った彼女は半エーギルのリューディア…、いやアデリーナか。アデリーナ・エラストヴナ・ヴラジーミロヴァという。彼女はああいって出ていったしまったがおそらく君と同じ病院に搬送されるだろう。覚えていたら顔でも改めて見てみるといい。シナノ氏よりは平和主義者さ」
おまたせしました。
・ジェレミー・クラーク
特に関係のない陽気なおっさん。
・アデリーナ
アデリーナ・エラストヴナ・ヴラジーミロヴァ。リューディアの偽名
・何採取したんや…
血とか皮膚とか諸々。体は絆創膏やら点滴など治療してお返しします()
すごい...凄すぎて何を言うべきか分からん()
後日談はこちらでも書きますけどいいでしょうか?
okですぜ
そう言ってもらえて光栄ですな()
「副長、この艦の乗り心地はどうだ?」
『はい、巨艦故の居住性、潜水艦とは思えない極上です』
「それは何より。潜水航空巡洋艦での経験もあると聞いている。期待しているぞ」
広い艦橋、中央にあるイスを背に仁王立ちする、顎鬚を立派に整えた中年の男はそれを聞いたときやや口角を上げた。
「辺境の艦隊への配属、これを恒例の左遷だという者もいたが…、否。これは好機である」
『といいますと…、?確かにオーンスタイン級は他国には見られない唯一といえる潜水航空戦艦です』
「いや、もし麗しきサビーネ陛下へ牙をむく愚か者がいたのなら本艦の武装をもって叩き潰せるのだ…。忌まわしきガリア、この艦が当時にいたのなら戦闘は2日で終結したことだろう」
顎に手を当てながらぶつぶつと語る彼を副長は顔色を変えず見守る。
彼、デュドネ・バシュラールはそういう人なのである。砲術の天才であり、潜水航空戦艦オーンスタイン以下潜水艦隊の艦長兼司令官であり、
…現皇帝を敬愛してやまない狂信者である。
「本国司令部はなんと?」
『指定海域において訓練を実施せよとのことです。過度な露出はさけよ…と』
デュドネ・バシュラール
クレタ紛争時、クレタ海戦において旗艦ゾフィーで艦長を務めた。艦隊は壊滅したものの適格な退艦指示とダメコン制御により被害を最小限に収めた。勲章授与式の際にサビーネ帝に会ったことをきっかけに性格が激変し、親衛隊へと入隊し親衛隊海軍で副司令官を務める。なんやかんやあり親衛隊での問題行為が露呈し除隊、海軍へと復帰するが左遷が連続し「最速左遷のパシュラール」という異名がついた。
《分からんか!分からんか100万人だぞ!》
《ウワッハハハハハハハハハ!!!ヒヒッ、ヒャハハハハハハハ…》
【国防省記者会見・2025年4月11日 午後2時00分(EST)】
場所:UNA国防省・記者会見室(ワシントンD.C.)
登壇者:
マーカス・ホルト(北米独立国家連合 国防副長官)
司会進行:エイミー・カルドナ(国防省広報官)
(カメラライトとシャッター音。司会のカルドナ広報官が演台横に立ち、記者団を見渡す)
エイミー・カルドナ(広報官):
「皆様、ご着席をお願いいたします。午後のブリーフィングを開始いたします。
まず副長官より発表がございます。質疑応答はその後、挙手制で、1人1問まででお願いします。記者の方は、所属メディア名と氏名を名乗ってからご質問ください。では、マーカス・ホルト副長官、お願いいたします。」
(拍手と共にホルト副長官登壇、簡潔にマイク前に立つ)
ホルト副長官:
「皆さん、こんにちは。国防副長官のマーカス・ホルトです。
本日、北米独立国家連合政府は、3つの主要な民間軍事請負企業、すなわちラインアーク・マーセナリーズ社、OAEディフェンス・インダストリー社、そしてマクナイト&デュラント社と、コンゴ民主共和国における安定化支援任務に関する契約を正式に締結いたしました。
この任務は、治安の確保、重要施設の防衛、ISAF部隊の後方支援を目的としており、我々の『タスクフォース・キーパー』の一環として実行されます。
また、PMC各社はISAF指揮下で行動し、現地監督官による監視下で活動を行います。」
(少し間を置いてからうなずくカルドナ広報官)
カルドナ広報官:
「では、ここから質疑応答に入ります。挙手をお願いします…そちら、青いジャケットの方、どうぞ。」
レベッカ・リード(World24):
「ありがとうございます。World24のレベッカ・リードです。
副長官、過去の事例では、PMCが民間人との摩擦を引き起こしたこともあります。今回の契約で、UNA政府はどのように行動規制や人道的ガイドラインの遵守を保証するのでしょうか?」
ホルト副長官:
「いい質問ですね、リード記者。
今回、ISAF第9戦域指令部の下にPMC調整局(CPMC)が新設され、すべての民間戦力の行動を監督します。
また、現地に派遣されるPMCにはISAF軍監督官が随伴し、国際人道法に準拠した行動規範が義務付けられています。違反が確認された場合は即時契約解除、国内法に基づく処罰が行われます。」
カルドナ広報官:
「次、そちら中央の列、手を挙げている眼鏡の方。どうぞ。」
ジャスティン・モーガン(The Atlantic Post):
「The Atlantic Postのジャスティン・モーガンです。
このようなPMC導入は、正規軍の戦力縮小政策と連動しているのではないでしょうか?民間戦力への依存が常態化する危険性は?」
ホルト副長官:
「ご心配は理解しますが、これは戦術的柔軟性を得るための一時的措置です。
正規軍の縮小方針とは一切関係ありません。我々は依然として、ISAF部隊の展開能力と信頼性に全幅の信頼を置いています。PMCはそのサポートに過ぎません。」
カルドナ広報官:
「では最後に、後方の女性記者の方、お願いします。」
アミーナ・シャヒーン(Al-Tariq通信):
「Al-Tariq通信、アミーナ・シャヒーンです。
報道によれば、一部PMCが現地で検問所を設置し、武装展開しているとの未確認情報があります。政府として把握されていますか?」
ホルト副長官:
「はい、その報告については現在事実確認中です。
いかなる場合でも、PMCが独自に武力展開することは認められていません。確認され次第、現地司令部を通じて是正措置を講じます。必要であれば契約の再検討も視野に入れています。」
カルドナ広報官(マイクに向かって):
「これで本日の会見は終了です。皆様、ご協力ありがとうございました。」
(ざわつく記者団の中、副長官が立ち去る。レベッカは控えめにマイクを外し、メモを取る。各局速報準備)
カーテンの閉められた病室の中。一人の青年がテレビを見ながらため息をついていた。
「暇だ」
それだけ呟く。
『これで何度目だ?もう少し言葉のレパートリーというのはないのか?』
「ない」
顔を布団に埋めながら答える。検体採取されて以降、彼はずっと無気力だった。それもそのはず、元から少ない血液がさらに減ったんだ。
「誰か話し相手になってくれぇ」
『俺はダメか?』
「お前はすぐに罵倒するからパスで」
仁が死んでから2年が経った。あいつは37歳だった。原因は持病の悪化。それを言われた時、初めてあいつには持病があることを知った。
コト...
主人のいなくなったデスクはシャットダウンされたPCとラテが一杯だけ置かれていた。もう誰も飲まないのに、毎朝そこに置かれていた。
「変わったな...」
あいつが死んでから色んなことが起こった。連合王国では人種隔離が進み、一部の国では良い方のお祭り騒ぎとなっていた。
「ったく...この世界に疑問を大量に残して死にやがって。まだ聞きたいことあったのに」
主治医曰く、彼は長くても40歳を乗り越えることはできないそうだ。そして持病は狂犬病の一種だったようだ。
「バンパー、いくら呼んでももう戻ってこないよ」
普通狂犬病なら、暴れ狂って死ぬとのこと。でもあいつは怖いほど穏やかだった。まるでそういう運命だと知ったかのようだ。
「バンパー。さっき諸外国からーー」
「そんなのはどうでもいい。俺には分かる。何一つ心のこもったのはないってことが」
あいつが嫌われてるってことは俺にも分かる。でも、それとこれとは全く違うんだ
トントントン
足音が鳴り止むと同時に病棟の廊下にリズムよく響き渡り、その音で目が覚める。看護師かとも思ったが、中にいる"彼"は違うと主張する。
「よお、元気してたか?」
『暇で暇で仕方なかったよ!やっとまともな話し相手が来た』
林檎が入ったカゴを置き、尻尾で器用に椅子を寄せると、足を組んで座る。
「そういやおめーなんか実験に付き合わされてたんだよな?たしか担当はリュー…いや、アデリーナか?」
『そうだね、確かそう言ってたはず』
「なら良かったな、吉だ。私ん時はシナノだったからまだおめーは運がいい方だぞ」
『素直に喜んでいいのか…』
《…続いてのニュースですーーー》
木の葉が風でなびくのを感じる。
「それはそうと、一つ話があってな」
『何?』
「…お前が台湾で暴れてから、こっちの方だと色々あった」
《ー英国国内ではアジア人を対象に差別運動が続いており、ディーコン英副首相はーーー》
「ま、別におめーがなんて言おうが私には関係ねーけどよ」
「私が知る限りでもイングランドじゃこれがきっかけでアジア人差別が続いてるって聞く、確かお前ここでもテロリスト認定されてたんだろ?まぁ、ただの口実かもしれないけどな」
『……じゃあ、僕は一体どうすれば?』
「さぁ?傭兵続けるにしても客を選んだり、あとはどっかの軍隊にでも入るとか…、もしかして、お前誰も殺さない方が向いてるんじゃないか?」
『…』
「…ただな」
『?』
「私の知る限りこういう類の奴で人間っぽさを保ってんのはお前だけだ」
「そのまま人間のフリし続けてもらえると助かるぜ」
別に私の本音でも何でもないです()
もしも広東行政長官が…人外と出会ったら。
翁「ここはやはり良い場所ですね。大学生の頃、貴国に留学していたのを思い出します。」
シナノ「帝国の中で最も大きく、また先進的な都市を気に入っていただけて嬉しいです。ところであなたの国のコウシュウやホンコンと言った都市もここみたく美しい場所なのですか?」
翁「そうだと言いたいのですが…珠江の汚さを見るに綺麗だとは言い切れません。」
ハイゼン「…紳士淑女の皆様方、ご清聴ありがとうございます。今後シンガポール・エレクトロニクス・コーポレーションはユナイテッドコンチネンタル株式会社との提携に基づきアルゴン第三帝国へ進出し、現地に工場が建設され雇用が増加する見通しでありー」
(心の声)「アイヒホルンのやつ、あっちの方で変な女と話をしているな。頼むからアイヒホルン、お義父さんもいるんだから何も問題を起こさないでくれよ…」
月夜「榊さん、連休までに3万ページもの書類を仕上げる事なんて到底不可能ですよ!」
榊「不可能?お前は人間よりも優れているのでは無かったのか?」
月夜「だからといってこれは流石に…」
榊「黙れ!それでも言うのなら休日を使ってでも仕上げろ!」
坂下「ここの人外は新北の物、お前らの土地は俺の物、そしてお前らの資源も俺の物。俺こそが偉大なる坂下栄一郎行政長官様だ!」
- 坂下栄一郎帝王/広東及びジナビア行政長官
(ジナビアに対しクーデターを起こした場合)
見渡す限りの草原とでこぼこの道路を迷彩柄の車列が走り抜けている。日の丸が描かれた汎用車とトラックの車列はガタゴトと揺れながら兵士たちを運んでいく。座り心地の悪い座席に揺られながら朝島3尉は偵察班から送られた写真をにらんでいた。一見するとただの農村、しかし民家に偽装された見張り小屋と不審な倉庫、AKやどこから入手したかわからないボディアーマーを着込むカルテルたちの姿が写っている。これから制圧するいくつかの農村の中でも朝島の第1小隊が担当するものは比較的規模が大きく、30~40ほどの民兵が確認されている。
「朝島3尉、もうすぐで作戦予定地に到着します。」
『1小隊、下車戦闘準備。完了後報告』
無線から各部隊の完了報告が聞こえる。しばらくして汎用車が停止すると朝島はドアを開けて外へ出た。
しばらく歩くと目的の農村が見えてきた。ギリギリまで近づいて照準を定め、その時が来るのを待つ。
『中隊本部から各小隊へ、作戦開始。』
「射撃開始!」
銃声が響く。一つの分隊が見張り小屋へ制圧射撃を行う間に朝島達が小屋へ接近、小屋からは散発的な反撃が飛んでくるが部隊に被弾したものはでていない。
『こちら2分隊小屋へ到達!室内の制圧を開始!』
『3分隊前進!LAVは村入り口へ移動、1,2分隊は小屋周辺を制圧次第集合して村内部へ!』
無線に指示を飛ばしながら銃を構える民兵に狙いを定め撃つ。質のいいボディアーマーを着ているのか被弾した民兵のうち何人かが立ち上がって反撃を試みている。ただ練度は確実にこちらの方が高く数分で見張り小屋とその周辺が制圧、制圧射撃を行っていた3分隊も合流しともに村の内部へ踏み入れていく。
「小隊長、見てくださいよこれ。そこらの民兵が手に入るようなボディアーマーじゃないですよ。」
「これは...たぶんどこかの軍の横流しだろうな。うちの規格で3くらいじゃないか?」
死体が持っている武器を見るとAK以外にも最新型の小銃がいくつかあり、中には自分たちと同じ23式がある。どこの部隊から流れたのだろう、16師か海外派遣隊か。そんなことに思考を巡らせながら朝島は農村の調査を続けた。
作戦:ベネズエラ奥地の山の近くにある農村に擬態したカルテル拠点の破壊。重火器と迫撃砲は別の拠点の制圧に回されたため第1小隊はLAVと数両の汎用車で制圧する。
規格:日本軍で使われている防弾装備の規格。JBE規格と呼ばれる。レベル3は7.62x39弾ほどの防弾性能をもつ。
「ー以上のことより、連合王国は中央アフリカ戦争への軍事介入を控えるべきであると進言致します。首相閣下」
トレント外相にとって、テイラーのこのような表情を見るのは初めてだった。怒りとも悲しみとも言えない、複雑な感情。ディーコン副首相も同じだった、そしてメイ内務相もフォレスタル国防相も。
「……連合王国は、いえ我が大英帝国は、それほどまでに威厳を失ったというのですか?」
「そうとは言っておりません」
ディーコンが立ち上がって言う。
「我々には多くの内政問題があります。公民権問題が控えている以上、現時点でこの戦争に介入してしまえば、支持率の減少は必然でしょう」
人道主義者の彼らしい物言いだった。元自由民主党党員にして、"偉大な社会"の提唱者。国家よりも国民を優先する男。それがロバート・ディーコンだ。それに続きトレントが再びテイラーに話す
「また外交面での問題も多々あります」
「残念ながら、我々には友人もおらず、われわれは孤立しています。信頼できるのはごく少数のみ。連合王国はこれ以上孤立してするわけにはいかないのです」
「特に首相の言う…」
「中立主義の維持のためには?」
トレントがそれに頷くとテイラーの表情はさらに険しいものとなった。閣僚たちは互いに顔を見合わせる。数秒間黙った後、テイラーは再び自信を取り戻したかのように話し出した。
「…わかりました。中央アフリカへの介入は避けましょう。しかしディーコン、トレント」
「はい、首相」
「あなたたちは今自分たちが言った問題を解決するために最善を尽くしなさい。我々はかつての栄光を、帝国と世界を二分し影響力と信頼のある大英帝国を再建するのです」
「そしてそれは、労働党にも、ましてや保守党にも出来ない、我々にしか出来ないことなのです」
オペレーション・バビロン1万字超えようとしてるんだが...
どういう投稿体制にしようか迷うなぁ...
【セーフハウス - 00:13 A.M. / ニューヨーク市ブルックリン区】
蛍光灯の光は貧血気味に明滅していた。低予算の不動産をかき集めて改装した、GIB標準規格のセーフハウス。カーテンはない。鉄製の雨戸が内側から閉じられ、かろうじて隙間から覗くネオンが、部屋の壁を夜の色に染めていた。
部屋の中央には、古ぼけたテーブルと二脚の椅子。向かい合って座るのは、GIB中央部門政治局付きケースオフィサーのヘイル・ベネットと、彼女の現地補佐官として選ばれたカリス・ローウェル。どちらも制服は着ておらず、どこから見ても民間人だ。ただし、視線と沈黙だけは、正規の情報機関員だった。
「やつ、まだ眠ってねぇな。」
ヘイルは低く呟く。彼女の視線の先には、古いブラウン管のモニター。時代錯誤な映像機器だが、かえって傍受や遠隔妨害には強い。マンハッタン中心部に設けられた観察用のアパート。その一室に住まう“やつ”――コンスタンティ・ヴォルコフ。監視対象の男だ。
「0時13分、机で書類を破ってる。リズムがいい、3拍子。よほど余裕があるか、壊れてるか。」
ヘイルがあくび混じりに言う。だがその目は、モニターから逸れない。明らかに訓練された目だった。
「あるいは――両方かも。」
カリスは小さく笑った。それは疲れを帯びた笑いだった。冷蔵庫から取り出したウォーターサーバーの水を紙コップに注ぎながら、話を続ける。
「本名:コンスタンティ・ヴォルコフ。登録上の職業:ISAF陸軍大尉。現在の任務:在雲北米渉外担当官事務所の駐在武官。肩書きだけ見れば真面目な軍人だが、実際の任務は――《観測と交渉》だろう。」
「番犬ですか。」
カリスが鼻で笑う。
「いや、犬ってのはもっと従順なもんだ。ヴォルコフは、あれだ。飼われるふりをして、主人の留守に皿を舐め尽くす狐だよ。中央部門は去年から奴を疑っていたが、証拠は出なかった。ずっと泳がされていた。だがな――」
ヘイルは紙コップをくしゃりと潰し、ゴミ箱に投げ入れた。まっすぐに入らず、床を転がる。
「今夜、奴が“泳ぎ切った”可能性がある。」
沈黙が部屋を包む。ヴォルコフはモニターの向こうでタバコに火をつけ、煙を吐き出していた。その表情は読めない。だが――冷たく、鋭い。
カリスは膝の上のファイルを開いた。印字された文字の上に、彼女の細い指が滑る。
「GIB中央部門は、なぜ私たちに“彼”を監視させてるんでしょうか。中央は何を知っているんです?」
ヘイルが笑う。
「それを訊くなら、俺もあんたに訊き返したい。中央の選んだ現地補佐官ってのは、いつから情報を上に渡すより先に懐に隠す役割になったんだ?」
カリスは一瞬だけ、わずかに口元を緩めた。皮肉だ。互いの腹の探り合いは、任務の副作用のようなものだった。
「なぜですかね。気がついたらそうなってました。」
「なるほど。じゃあ俺も見習うべきだな。」
壁際の通信端末が小さく鳴った。2人は即座に動く。ヘイルが受話器を取り、黙って聞く。表情が変わる。
「逸脱性殺人だ。被害者はISAF空軍情報部の幹部。死体が出た。」
カリスが眉をひそめる。
「場所は?」
「マンハッタン、キャナル・ストリート近くの路地。DIRUが既に現場封鎖。NOMANのリエゾン名義で現場入りするぞ。今から15分で出る。」
カリスはファイルを閉じ、コートを羽織った。
「これで、狐狩りが始まるかもですか。」
「――始まるのか、それに狩るのが誰かは、まだ決まってない。」
ヘイルの声は、ひどく静かだった。まるで、夜の終わりを疑っているかのように。
コートの襟を立てたカリスがタクシーから降りると、濡れた路面に赤と青の点滅灯が滲んだ。夜霧の奥、白と黒のパトカーが列をなし、黄のバリケードテープが小さな中庭のような路地を包囲していた。傍らのヘイルは煙草を咥えたまま、無言で周囲を観察している。
「DIRUの奴らは随分と念が入ってるな。」
ヘイルは口を歪めた。
「逸脱性を正常世界に露見させないという気概はありますね。」
黄線の手前、黒いジャケットを羽織った男が二人に気づき、無言で視線を送ってきた。ベテランの風貌、頬に古傷、白髪混じりの坊主頭──DIRUの刑事だ。
「NOMANのリエゾンと、GIBの分析官だと?」
声にしては低すぎる声。男は懐からIDを取り出す二人を一瞥し、それが“精巧な偽物”だとすぐに見抜いた顔をしたが、何も言わなかった。
カリスが口を開く。
「刑事…名前を聞いても?」
「マグレガー。お前らはどこの部屋の差し金か知らんが、こんな夜中にマンハッタンの血塗れた路地にやってくるコートってのは、いつだって碌な理由じゃねえ。だから俺も深くは聞かん。俺の首が飛ぶだけだからな」
「賢明ですね」とカリス。
「ただし、勝手は許さん。ここはDIRUの現場だ。そいつはあんたらのバッジじゃ開かない」
マグレガーは路地の中へと視線を向けた。灯りに照らされた中庭の片隅、黒いビニールシートが風に煽られていた。
「──一撃だった。遺体はISAF空軍情報部のアンドリュー・リーヴス大佐。脳幹部を中心に何かしらの“崩壊”が起きていた。銃痕も刃物もない。あえて言えば、情報そのものに頭を焼かれたような……そんな感じだ」
「“崩壊”……情報災害か?」
「そう睨んでる。すでにデブリを持ち込んだ。サイト・エコーの監視官も呼んだよ。現場の空間座標にはズレが出てる。だが、未だに何が起きたかは断言できない」
「彼の所持品は?」
マグレガーは顎をしゃくった。
「エージェント級の身分証、そして……未登録の“電子ペンダント”。解析班が回収したが、あれはNOMANの登録にもなかった」
ヘイルが眉をひそめた。
「で、何故GIBに通報が?」
「してねえよ。勝手に来たのはお前らだろうが。──だがまあ……この件にNOMANのリエゾンが首を突っ込んだ時点で、ただの殺しじゃないって確信は得た」
マグレガーは苦笑ともつかぬ顔で煙草に火をつけた。
「ひとつ言っとくがな。この路地、まるごと一つDIRUの空中監視でカバーしてる。お前らが何か仕掛けてもログは取られてるし、出口も把握してる。監視が切れないうちは、大人しくしてな」
「俺たちはただ、アレが“何を知っていたのか”を知りたいだけだ。」
「お前らが“彼に何を喋らせたかったのか”じゃなくか?」
その言葉にヘイルは一瞬だけ返答をためらったが、すぐに仮面を貼り直すように頷いた。
「アレの死が、誰かにとって“静寂”を意味するんなら──俺らにとっては“空白”さ。」
マグレガーは黙って煙を吐いた。わずかな間の後、彼は首を横に振った。
「5分だけやる。遺体に触れるな。証拠を持ち帰るな。俺の部下がついてくる。少しでも変な素振りを見せたら……その時は、“君たちのバッジ”じゃ止められん」
「感謝します、刑事」
カリスは頭を軽く下げた。一方ヘイルは舌打ちをする。
「感謝するなら、俺の給料に上乗せしてくれ」
彼は言い捨てて、バリケードの奥へと歩き出した。
そして二人は──血の匂いと鉄の気配が入り混じる夜のマンハッタン、その路地の奥へと足を踏み入れた。
セーフハウスに戻る途中、冷たい風が二人を迎えた。マンハッタンの夜は例によって冷え込んでいて、目の前に見えるビル群の光が、雪のように降り積もる暗闇の中でぼんやりと輝いている。カリス・ローウェルは暗い通りを歩きながら、手帳を開いていた。そこには今回の事件に関する情報が書き込まれているが、彼女の目線はその先、どこか遠くの暗闇に向けられている。
ヘイル・ベネットはその後ろに続いていた。足音が重く響く。彼女の顔には無表情な疲れがにじんでいる。カリスがペンを止めると、ヘイルが口を開いた。
「それにしても、あの刑事たち、よくあんなふうに付き合えるよな。」
「我々の仕事に誠実さを求めるのは、無駄だと思います。」
カリスは軽く肩をすくめ、ペンで手帳の端を軽く叩いた。
「あれはただの業務です。情報はできるだけ効率よく抜き取らなければ。」
「いや、効率じゃなくて、あの目だ。あいつら、俺たちを信用してなさそうだったろ。完全に疑ってた。『お前ら、何か知らないか』って顔で見てたし。」
カリスはヘイルに一瞥をくれると、少し笑った。「君も反応していたじゃないですか。いつも顔に出るから、いちいち面倒です。」
「俺は反応しないタイプだ。顔に出てるのは、ただの疲れだ。」ヘイルは目を閉じて息をついた。「でもあのDIRUの刑事、あれでただの警察官か?」
「いえ。彼もまた、ただの駒に過ぎません。」カリスは軽く顔をしかめた。「彼の上はただ情報を持っていますが、それを明かさない。私たちも彼と変わらない。ただし、こちらは最低限も渡しちゃくれませんが。」
「お前もお前だな。」ヘイルはにやりとしたが、すぐにその表情を消した。「まぁ、俺たちも結局、上からの指示を受けるだけの犬だろ。だけど、今回は違う。今回は、中央がなんの情報もくれなかった。」
「ええ、そこです。」カリスの声に少しだけ鋭さがこもる。
「ヴォルコフの監視がなぜ私たちに回されている理由はまぁわかります。あなた暇そうですし。ただ、あの事件現場に回された理由と、私があなたの補佐になったことがわかりません。」
ヘイルは立ち止まり、足元のゴミを蹴りながら、真剣な顔で言った。
「ヴォルコフがやったってのか?」
「可能性は。」
「じゃあ俺たちの仕事は、ヴォルコフがなんなのか、そしてウエットワークをやったのはやつなのか、そして誰が指示したのか。それを調べることだ。」
カリスは立ち止まり、ヘイルを見つめる。
「上の連中は何も教えちゃくれないが、そりゃ何も情報を持っていないことの裏返しなんじゃないのか?俺たちが勘ぐりすぎてるだけかもな。」
ヘイルは不愉快そうに吐き出した。
カリスはといえば無言で歩き出すと途中でふと立ち止まり、ヘイルに背を向けて言った。
「どこか、オープンソースでもいいので情報を持っている人間を探す必要があります」
「分かってる。」
ヘイルは短く返事をした。軋む階段を上り切る。
「人間じゃあないが、確実に情報を持っているだろうよ。あれならな。」
二人はドアを開け、静かなセーフハウスの中へと足を踏み入れる。
NOMAN:北米正常性維持協力機構。GIB、国防総省内のDIAやDEVWARCOM、UBCI内のDIRUなどが構成している。内ゲバすぎで草
UBCI:FBI的なの。
DIRU:UBCIの逸脱性事案対応課。
これ何?:唐突なポリティカル・サスペンス
「…」
この国は大火の後、急速に国内の改革を進めている。アースリング体制、産業への大規模投資、統治機構の改造…、この帝国は大国としてのメンツを保っていけるだろう。ただ、こうして数か月間も執務室の机の前に縛り付けられるのは体がなまってしまってしょうがない。それに面白味もない。まだ外務宰相だった時の方が気楽で面白かった。半エーギルに睡眠はそこまで重要ではない、人は毎日寝るが、半エーギルは5日に1回寝れば済むから活動できる時間は多い。だからといいて彼女にとってはデメリットでしかない。
「はぁ…、ここ最近は仕事詰めだ…。やっぱ狼猟に参加すべきだったか…」
手をパキパキと鳴らしながら彼女はちょっとした後悔の念をつぶやく。息抜きに体を動かしたい。企業とかが指定してくる実験に参加するのもいいだろうがそれでは面白味はないし、かといって民間で親しまれている何かしらのスポーツに手を付けるには時間も意欲もない。手短かつ駆け引きなど面白味のあって、体を動かせること…
「…その手があったか、ふふっ」
彼女は思わず笑みをこぼす。久々に楽しみを思いついた。これなら体を動かせるし、場所にも困らない、情報が洩れることもないはず。更に手短で面白味もある。すべていいとこ取りだ。
『何一人で笑ってんだ?』
声の方向を見れば、ルェンが扉を開けて執務室へと入ってきていた。今日は幸運な日だと、彼女は心の中でほくそ笑んだ。できる限り漏れ出た笑みを引っ込め、ルェンの方へと体を向ける。
「あぁ、いや。面白いことを思いついただけです。ルェン、近頃予定空いてますか?」
『予定?おめぇの護衛任務以外に特になんもないが』
「よかった。なら、私の息抜きに付き合ってください。」
『私は全然いいが…、仕事はいいのか?』
「ほとんど重要な仕事は終わらせてます。それにほとんど休んでなかったですから、たまにはいいでしょう」
心底楽しそうな様子を見せる彼女にルェンは首をかしげる。こんなにウキウキとしている大宰相は見たことがない。そして、大体彼女の考えることは一般人の考えから相当かけ離れている。それに付き合ってみるのも暇つぶしとしては一興だろう。
『楽しそうなのはいいことだが、息抜きって何やるんだ?』
「ただの運動ですよ。では、フォルメンテラに行きましょうか。」
・半エーギルは5日に1回寝れば済む
半エーギルは基本的に丈夫なので、シナノの場合は5日に1回2時間程度寝れば活動できます。なお大きく損傷した場合などは丸一日寝ることもあります(シナノ・ミーナ茶番後など)。
・予定
フォルメンテラで実験室を借りて殺し合います(迫真)シナノはSAN値0の狂人なので運動程度に考えてます()
はじめに
The first time I ever saw a jet, I shot it down.
「私が最初にジェット機を見た時は、撃墜してやったさ。」
- チャック・イェーガー、米空軍エース・パイロット
プロローグ:2025年1月1日 ハノイ ザーラム空港
「いいか、落ちついて操縦桿を握れ!
焦らずゆっくりでいい!」
ああ、畜生!
管制官のエドムント・ベイチェクは、
マイクを握りしめながら必死で指示を出していた。
少なくとも、30分前まではまともなフライトだった。
老年の熟練パイロットが孫娘を喜ばせるために
セスナ機に載ってハノイ上空を遊覧飛行していたし、
そんなこと空港では当たり前のことだった。
しかし今は違う。
…一つ選択を間違えただけで、1人の老人と少女が死ぬのだから。
「操縦桿を握ったな?
それじゃ、出力と機首を下げてくれ…」
「は、はい!」
ほんの3分前の事だった。
フライトを終えて滑走路に着陸する寸前、
突然パイロットが意識を失った。
幸いにもその事は即座に管制塔へと伝わり―
そして今、無線だけでどうにか彼女を
無事に着陸させなければいけないのである。
セスナ機が滑走路に向かって、高度を下げながら突入していく。
だが速度は少しだけ落ちただけで、とても着陸できそうにない。
…このままでは衝突する。彼は直感的にそう思った。
「駄目だ早すぎる!」
…次の瞬間、彼女は本能的に操縦桿を動かしていた。
一瞬にして機体が80度傾き、
そのままゆっくりと機首を元に戻しながら
急速に速度を落としながら着陸する。
完璧なコブラ機動だった。
エドムント・ベイチェクはほんの数秒だけではあったが、
その光景に完全に目を奪われた。
何せそれは、アクロバットショーや
アクション映画の中でしか見たことのない動きだったからである。
しかしすぐに正気に戻り、
即座に滑走路に待機している車両隊に向かって命令を下した。
滑走路に向かい、猛スピードで救急車や消防車が走っていく。
当のセスナ機はまるで何事もなかったのかのように、
滑走路の上で静かに止まっていた。
2
30分後、
セスナ機を操縦していた張本人…
ラトカ・マトウショヴァーは飛行場の一室に座っていた。
自分でも何をしたのかは分からなかったが、
とにかく絶対にあり得ないようなことを
行ったことだけはなんとなく理解して。
「なあ、お嬢さん」
「…はい?」
顔を上げると、知らない老人がいた。
腰には拳銃を入れたホルスターを付け、
胸にはチェコ空軍旗が縫い付けられている。
「少し聞きたいんだが、ボリス・マトウシュ君―
君のおじいさんの容態はどうだったんだね?」
「さっき救急車で搬送されて行きましたが、
もう大丈夫らしいです」
「そうか…
生きててよかったよ」
そう言って彼は安堵の表情を浮かべ、
彼女はこの男は誰なのかと首をかしげた。
「…ところで、あなたは一体?」
「マルツェル・クバーセク。彼の元同僚だよ」
そんな風に、彼は笑って答えた。
彼女はそんなことも気にせず、そのまま話を続ける。
「貴方はおじいさんについて何か知っているんですか?」
そう聞くと、彼は遠い目になって
どこか遠くにいる人に語り掛けるように言った。
「彼は第二次インドシナ戦争の英雄だった男だ…
B-52やF-100、F-4だって落とせた」
「B-52? F-4? …一体なんなんですか、それ?」
一般人には訳の分からない単語の羅列を聞いて
彼女は少し混乱し、
彼は一瞬だけ驚いたような表情を浮かべた。
「…いや、別に知らなくていい。
世の中にはそういう事もある。」
「ところで、コブラ機動をしたそうじゃないか。
本当なのか?」
彼は話を変え、気になっていたことを彼女に聞いてみた。
彼女がまた首をかしげる。
「こぶらきどー?」
「…驚いたな。
あの軌道ができるのに、その名前が分からないなんて」
「えーと、ただ感覚に任せてやっただけなので…」
「そうか。素晴らしい操縦だったよ。
将来の夢はパイロットかい?」
「うん。 今度は私が飛行機を操縦して、
おじいちゃんを楽しませてあげたいな」
そう嬉しそうに言うと、彼女は満面の笑みを浮かべた。
「…そうか。
それなら、一ついいニュースがあるぞ」
「え?」
「航空省に私の友人がいるんだ。
頼めば、フライトシュミレーターぐらいは
させてもらえるかもしれん」
こうして彼は、ほんの善意と少しの好奇心で
その友人に短い電話を掛けた。
…その男が研究の為なら安全すらないがしろにするほどの科学者であることと、
その結果彼女の操縦能力をとんでもないことに使う事も知らずに。
???「また見てたのか、、まったく、他人の死なんて見て何になるんだ?」
真っ白な空間の中で一人の が声を掛ける。
???? 「面白いじゃない?様々な物語の始まりから、終わりまで、みな一様に違う、、、、、でもまあ、この世界じゃまだバッドエンドしか見れてないけど。」
???「まったく、、、、、物好きめ、、仕方ない、私も見よう、、、(どうせ暇だし)」
座標 合衆国 首都 パリ 地下 階
国外における人外活動調査の報告、方針決定の会議。
20**年 月日 21時53分22秒
ルーカス [アーサー、今日も残業か?]
同僚がいつものようにコーヒーを机に置きながら訪ねてくる。
アーサー 「ええ、そんなところ、ここの所人外の殺人事件やら、国内のテロ対策なんかの資料作成が多くて、、、、」
ルーカス 「そのことなんだが」
アーサー 「?」
ルーカス 「”仁” が死んだそうだ。」
アーサー 「、、、、、、、、、、、そう」
ルーカス 「驚かないのか?」
アーサー 「内心凄いビックリしてる、、、、まさか死ぬとはね、、、」
ルーカス 「持病を患ってたらしいな、、、気の毒なこった、、妹?もいたらしいしなぁ、、、ん?アーサー?」
アーサーは珍しく黙り込んでいる。
アーサー 「あっ?、、、ごめんなさい。少し考え事、、、」
ルーカス 「珍しいな、何考えてた?」
アーサー 「あまり人の考えを詮索しないでくれる、、、って、この際、、もういいか、、もし、もしも、、彼が死なない世界線があるとしたら、、、彼に一度会って話してみたかった、、、ってだけよ。」
ルーカス 「お前が会いたがるなんて、第三帝国で知り合った嬢ちゃん以来じゃないか?」
アーサー 「ただ、、興味があっただけよ。取り敢えず、彼のことはリストから削除、今後一切口外は無用よ。」
ルーカス 「分かったよ、、、、アーサー」
アーサー 「ルーカス、、、」
ルーカス 「? なんだ?」
アーサー 「いつもありがと」
ルーカス 「なんだ?気持ち悪いな、、礼はいつも言ってるが仕事で返しやがれ。」
アーサー 「そうね、、、そうする。」
農村は事前情報の通りカルテルの麻薬製造拠点だった。民家のいくつかには麻薬の加工設備が置かれ不審な倉庫の中には精製された麻薬が保存されている。村に保存されている麻薬の量は1台のトラックに載せきれる量ではなく、村にある畑はどれも小さな規模であり麻薬用ではない農作物畑だった。
「小隊長、村から離れたところに麻薬畑があると捕らえた構成員が吐きました。」
「なら3分隊は村に待機、1,2分隊で畑の制圧へ。手早く終わらせて基地へ帰ろう。」
合流した1,2分隊は山奥へ続く谷底の道を進んでいく。先頭を走るのは重機関銃を携えたLAV、その後ろを2個の分隊が追従していく。途中にあった無人の小屋を調査してしばらく谷底を進むと開けた畑が見えてきた。
『LAVは入口まで前進し停止、1,2分隊で農場の制圧を行う。』
『入口横の小屋、倉庫を制圧。どれも無人です。』
『小隊長、農場の奥の方に負傷者がいます。おそらく民間人ですが...どうしますか?』
「どうって...助けるほかないだろう。LAVは農場中心まで前進!」
朝島と分隊は農場の奥まで進むと、地面に倒れている人が見えた。血が流れ地面に小さな血だまりを作っているが、かすかにうめき声が聞こえまだ息があることがわかる。負傷者を治療するために衛生兵が駆け寄り止血しようとする。
突如として衛生兵の頭が爆ぜた。少し遅れて発砲音が聞こえる。それを合図に朝島達は弾丸の雨に襲われた。
「全員後退!LAVまで下がれ!おい佐々木ぃ!戻れ!」
隊の全員がLAVにむけて走る中、一人の陸曹が負傷者に向けて駆けだす。負傷者を担ぎLAVに向けて走るが運悪く弾丸が陸曹の足を貫き、追い打ちのように倒れる陸曹の体を撃ちぬく。担がれていた負傷者は陸曹によって朝島に向けて投げ出される。朝島は負傷者を担ぎLAVの影に隠れるが、集中砲火を受けるLAVは遮蔽物にはなりそうにはない。
『全員離脱しろ!LAVは撤退援」
言い終わるより早く飛来したRPGがLAVに直撃し爆発を起こす。爆風で倒れた体を起こして農場から離脱しようと走るが、銃弾は次々と隊員を撃ちぬいてく。
無事農場を出られたのは朝島含めた5人だけだった。
状況:カルテルの支配下にある農村を制圧して調査したけど麻薬畑がない!なんかちょっと離れたところにあるらしい!いこう!なんか人倒れてる!助けようとしたら罠だった!まずい!
小隊状況
1分隊:生存3死傷者6
2分隊:生存2死傷者7
3分隊:生存8負傷者1
…目が覚めたら足が青黒く変色していた。
ここはどこ?体は頑なに動かず、頭を上げて周囲を確認する。白い部屋、その中央で私はベットにベルトで縛り付けられている。なんで?
記憶がない?
痛い。
「やぁ、体調はどうかな?(削除済み)さん」
誰?
「私かい?ここのお医者さんさ。君を治すためにここいるのさ。そうだな、クラークとでも呼んでくれ」
足が痛いよ。記憶もない。お医者さんなら治してくれるんだよね?
「あぁ、勿論。氷見野くんから借りたサンプルを足に植え込んである。もう反応は出てるようだからもうじき大丈夫になるだろうね」
青黒い部分が肌を浸食して徐々に迫り上がってくる。怖い。怖いよ。まるで私の者ではなくなるような感覚が
お医者さん、助けて、お願い
「私たちは科学の発展には犠牲は付き物だと考えていてね。海の神秘は素晴らしい。広大で、こんな近くにあるのに謎が多い」
嫌、助け…て、まだ…、死にた…くない…
青黒い浸食が辛うじて動く首へと達し、変色した皮膚は赤い血が滲み出しながらグジュグジュと音を立てる。
「私は暴きたいんだよ。一片の余りなく海の神秘をね。だがね。私は被検体になることは禁止されていてね。だから君たちに願いを託したんだ。共に…、海の深淵を覗こう!」
ぁ゙、あぁ゙ぁ゙!!
意識が引き剥がされるように、"彼女"は終わりを迎えた。
サーバー内に残された記録。
半エーギル化の過程にある人の脳波を計測し言語化したもののようだ。目がとらえた状況も言葉として付け足されている。
補足∶ジェレミー・クラーク博士、被検体への過度な接触は危険です。今後このようなことがないようにしてください。Dr.Himino
追記∶申し訳ない。つい癖が出てしまったよ。
夜の海は、ひたすらに静かだった。
『輸送船べレナ』は、五隻からなる小さな船団のひとつとして、闇の中を進んでいた。薄暗い闇の中にぼんやりとした光と船影はかろうじて見えるか見えないか。互いの存在を確かめるのは、無線と経験に頼るしかなかった。
ちょっとした小国の海軍上がりのヨナスは経験を積んだ中堅船乗りとして輸送船団の一角を担う、輸送船「べレナ」を指揮していた。
ここ最近コンゴの方がきな臭くなってきたとはいえ、海の上はまだまだ平和で静かなものだ。
昼間、通り過ぎていく他国の軍艦に手を振ったことを思い出しながらヨナスは双眼鏡を手に、前方の暗闇を睨んでいた。船団の先頭を行く『リューゲン号』の微かな輪郭が、波間にかすれながら見え隠れしている。
突然、その『リューゲン号』の船影が大きく揺れた。
「何だ...ッ!?」
その一声に操舵室にいた船員たちが一斉に顔を上げる。
背筋に薄ら寒いものを感じつつ、『リューゲン号』へ無線を繋げる。
(今日の波はそこまで高くないはずだ...。それにあの揺れ方は明らかに普通では無いッ!)
「『リューゲン号』『リューゲン号』こちら『輸送船べレナ』状況を確認したい」
『こちらリューゲン号。何か大きなものにぶつかったようだ。そこまで水深の浅い海域では無いし、恐らくクジラか何かかとは思うのだが。今、状況を確認中だ...。海賊の襲撃であることも考えられる以上、サーチライトを使って探し出し、放水の用意を...。何ッ?!』
無線機から突如聞こえてきた怒声に操舵室内は静まり返る。
『今、被害状況を確認させたのだが...。大規模な浸水が起きている。このままだと沈むかもしれない』
即座に放棄を決定せざるを得ない程の浸水被害...。となると悠長に待っていては、『リューゲン号』の船員はあっという間に海の下だろう。
「こちら『輸送船べレナ』。了解した。これより『リューゲン号』の救助活動を...」
「なんだ...、アレは」
操舵室のすぐ横側にあるデッキに備え付けられたサーチライトを操作していたその船員のつぶやきは、消えそうな程小さかったのにも関わらず、やけに大きく操舵室内へと響き渡った。
その声に窓際へと駆け寄っていった船員達は、そのありえない光景に驚愕することとなる。
「サメ...か?それにしては大きすぎるし、早すぎるッ!!」
サーチライトの照らす先。そこには輸送船の船体程の高さのある''背ビレ''を持った巨大なナニかが悠々と泳いでいた。
「『セントルイス号』の方に突っ込んでいくぞ!!」
『輸送船べレナ』から見て左側を航行する『セントルイス号』も回避行動を取ってはいるものの、それを遥かに凌駕する速度で接近するソレに対応しきれずにいた。
「ぶつかる!!」
誰かがそう叫んだ瞬間。
ガーンッ!!ギギギィイイイイイイ...ッ!!
金属同士が衝突したような凄まじい破砕音とともに『セントルイス号』の船体が引き裂かれていく。
その光景を見たヨナスの中で疑念は核心へと変わる。
「潜水艦だ...」
「えっ...?」
「潜水艦の攻撃だッ!!我々は潜水艦に襲われている!!」
鋼鉄で出来た船体をいとも容易く引き裂く存在が生き物のはずかない。そして年中貧乏な海賊共に輸送船に対して一発で致命傷を与えられる武器が買えるかといえば怪しいところだ。第一海賊共であれば沈めずにこちらの船を拿捕しようとするはず。
(であれば、敵はそれをする必要のない相手ということに...)
誰かが叫んだ。
「何かがこっちに向かってくる!!」
ヨナスがその声に反応し、海面を確認した途端。
背筋に冷たいものが走った。
「魚雷だッ?!」
潜水艦で衝角攻撃!?
一次大戦の時にドレッドノートが体当たりでUボートを沈めたけど、
まさかその逆やるとは思ってなかった()
爆縮不可避()区画が壊れて意味なしてなさそう。
??? 「敵の潜水艦を発見!」
ふっふっふ…。

そのためにショックアブソーバー付きのご立派な衝角がついているのですッ!!バァアアアン
ジュール・ベルヌ?知らない人ですね()ラムアタック、ガトリング、ミサイル。男の子の好きそうなものをめいっぱい詰め込んでみました()
『…おい、シナノ』
「どうしました。何かありましたか?」
フォルメンテラB棟の地下、SF映画から飛び出してきたかのような質素で靴音のみが響くような廊下を2人の女が歩いている。実験フロアへと続くその空間は、2人いるにもかかわらずどこか空虚な雰囲気が漂っている。まるで人間がいないかのように。
『いい加減教えろよ、運動つったって具体的に何やんだ?』
「何って…、本当にただの運動ですよ?ただ軽く私に付き合ってくれればいいだけです」
『ほぉ。要するに、2年前の焼き直しってもんか?』
「まぁそうなりますね。そこまで大層なものではありませんが。」
『随分手荒な息抜きだな?それならリューディアの代わりに仁と戦った方が良かったんじゃねぇのか?』
「あの時は改革途中で多忙な時期でして、それに、あなたも最近身体を動かしていないでしょう?訓練の一環とでも思ってください。」
「そう言ってるうちに…ほら、着きましたよ。」
彼女が手をかざすと扉が開きテニスコートくらい広さの実験フロアが姿を現す。白一色の壁にはところどころ刻まれたような傷がついており、2年前の記憶が呼び起こされた。
「武器は何かいります?必要ならば用意させますが。」
『いらねーよ、さっさと始めようぜ』
お待たせしました、基本的にルェンはピンチにならない限り疲れるので火は使いません。剣と格闘術のみで頑張ってきます。
死ななければどれほどボロボロになろうとかまいません、どうせ治るので()