ルェン「こりゃしばらく起きなさそうだな……、どうしたものか」
ルイス『どうするもこうするも、私達でなんとか運ぶしかないわね…、それか誰かに迎えに来てもらうか』
ルェン「それだ!それがいい。たしかコイツ兄貴がどうたらこうたらって話さっきしてただろ?そいつに迎えに来てもらおう」
ルイス『これまた随分勝手ね…』
ルェン「ダンマパダにも“善を為すのを急げ”って書いてあんだから心配すんな、ほら仁、おめーのスマホ借りるぞー」
ガサ
ルェン「もしもし?」
ルェン「あぁ?コイツの知人だ。名前?後でコイツから聞いてくれ、あんま知り合いを作るのは好きじゃなくてな」
ルェン「単刀直入に言っちまえばコイツ酔い潰れちまってな、残念なことに私達“非力”な女性2人組じゃコイツを背負って行くのはかなり難しい。ってわけだ、コイツを迎えに来てくれねぇか?」
ルェン「…よし、それでいい。流石はコイツの兄貴だけあって随分と物分かりがいいな。車かなんか用意しといて待っておけ、待ち合わせ場所は送っとk」
仁「ん〜」グイッ
ルェン「こら尻尾を引っ張るな!今おめーの兄ちゃんに連絡してやってんだ、じっとしてろ!」
仁「むにゃむにゃ……」
ルイス『…まだ寝てるわね』
ルェン「傭兵だからあんま普段寝ないんだろ。ナバラとかを除いて帝国は平和な部類に入るからな、今のうち平和を味わっとけ」
ルェン「それとコイツの兄貴が迎えに来るだとよ、さっさと会計済まして行っちまおう。…私もう眠いぜ」
ルイス『ちょっと、一つ忘れてることない?』
ルェン「…勝負のことか?引き分けだ、引き分け!コイツはすっかり寝ちまったし私達で割り勘ってことでいいだろ…ぁ、そうだ」
ルイス『?』
ルェン「全体の半分はコイツに払わせよう」
ルイス『相変わらずろくでもない事を…』
ルェン「そうと決まればさっさとやっちまおう…、どうせエリートとかつぅんだから金持ってるだろ」
ルイス『…、』
ルェン「よし、さっさと行くぞ」
ルイス『それにしても、良かったの?勝手にお金使っちゃって』
ルェン「まぁ大丈夫だろ、なんかあったら送料ってことにしときゃいい」
ルイス『最近だとたまに送料無料のとこない?』
ルェン「12時過ぎにわざわざ歩いて配達してやってんだ。随分良心的なもんだぞ」
ルイス『あなたが勝手にそうしてるだけでしょ』
ルェン「どっちでもいいだろ、兎も角待ち合わせ場所はもう少し行った先の駅のとこだ。私が帰る方向とは真逆なのが気に食わんが……」
2週間ぶりです。遅れてしまいすみません…
・ダンマパダ
法典の一つ。仏教の教えを短い詩節の形で伝えたもののこと。
閉めをありがとうございました。無事に仁君も酔いつぶれてしまってね…
えっと、おっしゃる通り仁君は結構金持ちなほうです。ただ、装備代や弾薬代で結構な出費をかさむことがあります(弾薬代だけで年間110万行くか行かないか)