勝手にコラボ。4/8 ラストの挿絵ー。ポニテお沢様ー。片手抱っこー。すきー。
描いたものが伝わってるのわかって嬉しい…😊 https://t.co/9opza1PMa1— 秋田ＬＶ３＠漫画ビューワ付きHPを配るwiki管理人 (@osLV3) July 19, 2020
描いたものが伝わってるのわかって嬉しい…😊 https://t.co/9opza1PMa1
神セカクイズをいただいたのでみんなも遊んでみて～ https://kentei.cc/k/1560215/t16yugl
==神セカ検定（ネタバレ有）の受検結果==不合格全10問中 8問正解全国4位／全受検者数：12人あなたは『ミヨシレベル』です。索敵範囲内のことはすべて知っているあなたはミヨシです。 #けんてーごっこ https://t.co/lH6FlJ3fiO @kentei_ccより くやしい— 融(あきら) (@meltyhip) July 19, 2020
==神セカ検定（ネタバレ有）の受検結果==不合格全10問中 8問正解全国4位／全受検者数：12人あなたは『ミヨシレベル』です。索敵範囲内のことはすべて知っているあなたはミヨシです。 #けんてーごっこ https://t.co/lH6FlJ3fiO @kentei_ccより くやしい
ＢＢＡさんより検定をいただきました！更新のない今だからこそ是非～==神セカ検定（ネタバレ有）の受検結果==合格全10問中 10問正解全国1位／全受検者数：4人あなたは『ヤエレベル』です。すべてを見通す知の力！あなたはヤエです。 #けんてーごっこ https://t.co/6gcWMYQjxy @kentei_ccより— 秋田ＬＶ３＠漫画ビューワ付きHPを配るwiki管理人 (@osLV3) July 19, 2020
ＢＢＡさんより検定をいただきました！更新のない今だからこそ是非～==神セカ検定（ネタバレ有）の受検結果==合格全10問中 10問正解全国1位／全受検者数：4人あなたは『ヤエレベル』です。すべてを見通す知の力！あなたはヤエです。 #けんてーごっこ https://t.co/6gcWMYQjxy @kentei_ccより
ＢＢＡ結婚してくれさん、循環器に良さそうなの２つと相殺するもの１つな退院祝いありがとうございます！！今日はまだ塩分1.0ｇも取ってないので悪い方からいただいてます！ pic.twitter.com/4jE1nJGdUi— 秋田ＬＶ３＠漫画ビューワ付きHPを配るwiki管理人 (@osLV3) July 19, 2020
ＢＢＡ結婚してくれさん、循環器に良さそうなの２つと相殺するもの１つな退院祝いありがとうございます！！今日はまだ塩分1.0ｇも取ってないので悪い方からいただいてます！ pic.twitter.com/4jE1nJGdUi
例の如くパラレルですが、今回は、初期案から今のスタイルに変遷したなら どんな感じだろう、というのを出発点に夢想してみました。
最近の本編の展開は、全く反映されていません。 お沢とアグリコに抱いていたイメージは、以前コメントした通り。 そのせいで、天涯孤独のアグリコがお沢親分に見初められた みたいな雰囲気がただよっていますｗ
与次郎討伐なんて想像もしていなかったので、この話の与次郎は、 祀られて浄化された後、ただの気の良い兄ちゃんになっています。 どうも失礼致しました。
「厳格なところ、あなたらしいわ。でも」 アグリコは、自分の髪留めを外した。 そして、お沢の前髪をかき分け、その髪留めを付けてやった。 「忘れないで、私たちが側にいるってことを」
お沢は両目をぱちくりとさせて、髪留めに手を触れた。 視界が開けたような気分だった。 少年と与次郎もうなずいた。
かつてアグリコに説いたことを、お沢は忘れていた。 この場にいる者たちを見回した。 自分は、一人ではない。 皆、いるではないか。
「並んで走ることはできなくても、ちゃんとついて行くから…」 アグリコが、気恥ずかしそうに笑った。 暗く険しい道を、お沢はこれからも進み続ける。 アグリコは、先駆けするお沢を見失うまいと決めたのだ。
お沢は、まっすぐアグリコの方を向いた。 いつもの不敵な笑みではない、柔らかな微笑を浮かべていた。 「あア、よろしくなアグリコ。いや…アグリコ稲荷」
五日目に、お沢が目を覚ました。 「ココハ…？」 口から、自分でも驚くほどのガラガラ声が出た。 体を起こすと、アグリコが横から支えた。
「よかった、気がついて…白髭様の薬が効いたのかしら」 久しぶりに会う親友が、ほっとした顔をしている。 周りには眷属と少年、与次郎の姿もある。 お沢は状況を察した。
「迷惑ヲかけた。すまナイ」 お沢が頭を下げると、伸びた前髪が垂れ下がった。 「迷惑だなんて、水臭いわよ」 アグリコは、努めて明るく言った。
「いヤ」 お沢が、険しい顔つきになった。 「己の実力ヲ、私は過信してイタ。その挙句がこのザマだ。 私は規律を守ルために、もっと強クならねばならナイ！」
やはりそうか、とアグリコは思った。 お沢は一人で、責務を背負いこんでいる。 それだけ自分たちが、お沢に頼りきりだったということだ。
戻ってからというもの、アグリコはひたすら看護を続けた。 智恵を借りようと、思兼神が祀られる神社を訪ねたこともある。 良薬があると聞けば、眷属や与次郎に走ってもらった。
とりわけ、一人の少年が熱心に手伝ってくれた。 まだ修行中の身だが、ここ最近はよくお沢の側に控えていた。 相討ちとなった師を必死に山まで運んだのも、この少年らしい。
三日目の早朝、力水の前で、少年が昏倒していた。 「休息はきちんと取ること。いいわね？」 アグリコに叱られ、少年は神妙な顔でうなずいた。 当のアグリコは、ほとんど不眠不休だった。
容体そのものは、かなり安定してきた。 遠からず、動けるようにもなるはずである。 しかし、このままでいる方が、お沢には幸せなのではないか。 アグリコは、そんな思いを禁じ得ない。
生き延びたお沢は、やがてまた戦い、傷つくだろう。 「ずっと…繰り返すの？」 そうつぶやくと、アグリコはお沢の横で仮眠を取った。
二ヶ月後、アグリコは伏見からの帰途にあった。 村人たちの協力を得て、無事に正一位を賜ることができた。 当初は、京をゆっくり見物してから帰るつもりでいたが、 やがて、早く故郷に錦を飾りたい気持ちが勝るようになった。
越後と出羽の境で、道の向かいから長身の男が駆けて来た。 アグリコの見知った相手だった。 「あら、与次郎ちゃん。迎えに来てくれたの？」 「た、大変だよ！」
健脚の与次郎稲荷に背負われ、アグリコは古館山へ向かった。 社で目にしたのは、意識を失い横たわるお沢だった。 首に巻かれた包帯は、赤い染みができている。 治療を行うために、後ろ髪がばっさりと切られていた。
「どうしてこんなことに…」 アグリコは顔を青ざめ、全身を震わせた。 お沢の眷属や近隣の神々から、話を聞くことができた。
前日、お沢は熊の妖と戦っていた。 激戦の果てにとどめを刺した瞬間、妖が最期の力で反撃した。 長く鋭い爪が、お沢の首を貫いたという。
八つ当たりのようだと、自分でもわかっていた。 それでも言わずにはいられなかった。 抑圧していた悩み、苛立ち、思いを聞いてもらいたかった。 いつしか、目の前が滲んで見えていた。
しばらく黙っていたお沢が、口を開いた。 「村の者を頼ってはどうだ。肝煎に話せ」 アグリコは首を振る。 「私はずっと人間で通してきたし、こんな話、信じないわよ」
「夢枕に立つんだ。霊験を示せば、信じるだろう」 アグリコが、はじかれるように顔を上げた。 お沢は、穏やかな目をしていた。
「お前は、皆を信じろ。それとも」 また不敵に笑った。 「お前が苦楽を共にした連中は、そんなに薄情なのか？」
優しい婆様、剽軽な若者、話好きな娘…次々と顔が浮かぶ。 アグリコは、答える代わりに、お沢に飛びついた。 お沢は、左腕で軽々とアグリコを抱え上げた。
数日前、アグリコは夜鷹に扮し、旅の男に誘いかけた。 しかし寸前になって怖じ気づき、這う這うの体で逃げ出した。 お沢の耳に入るとは誤算だった。 変化していたし、人目もなかったので、油断していた。
「規律を乱す者は斬る。わけがあるなら言ってみろ」 お沢は、もう笑ってはいなかった。 アグリコは誤魔化すこともできず、うつむきながら話し始めた。
村の人々に尽くしてきた徳が、伏見に認められたこと。 正一位を賜ると決まったが、そのために莫大な金が必要なこと。 金策に走り回ったものの、どうしても十両ほど足りないこと。 全ての事情を説明した。
お沢が、ふうっと溜息をついた。 「そんなことで自分の身を…」 「そんなことって何よ！」 アグリコが、語気を強めた。
「あなたはいいわよ！ずっと昔から、稲荷だったんだから！」 「私みたいな神が伏見の目に留まるのは、大変なこと！」 「やっと認められた、報われたのよ！」 「こんな機会、私には、もうないもの…」
正徳の頃、杉宮の地に、アグリコはふらりと現れた。 それ以来、村の家々を助けて回り、非常に喜ばれていた。 村人たちと生活を共にして、もう五年になる。
一介の神に過ぎぬアグリコにとって、お沢は頼れる頭だった。 杉宮に居座った理由は、その膝元という点が大きい。 お沢もアグリコの評判を聞き、目をかけていた。 そうして、二人は親しくなった。
ただ、付き合いを続ける中で、お沢への印象が変わってきた。 荒事となれば、お沢は誰よりも先に飛び込んで行く。 ゆえに生傷が絶えず、時にはひどい怪我を負うこともある。 その度に忠告するのだが、行動を改めようとしない。
まるで自分の外見どころか、命にすら頓着がないようだった。 このままでは、いつか大変なことになるのではないか。 アグリコは、気が気でなかった。
「とにかく、もう危ない真似はよして」 そう言ったアグリコに、お沢は詰め寄った。 「体を売るのは危なくない、とでも言うつもりか？」 アグリコが、はっと息を呑んだ。
「また傷が増えたわね」 村の外れで、女が眉をひそめて言った。 前髪に付けた髪留めが、西日を受けて輝いた。
相手は、お沢稲荷。 古館山を拠点に、雄勝一帯を統べる女である。 左目の周りと右肩に、包帯が巻かれている。 妖を退治した際に受けた傷だった。
そうでなくとも、精悍な体のあちこちに傷跡がある。 しかし、本人は外見など気にしていない。 元々切り揃えられていたであろう髪はぼさぼさで、 長い後ろ髪を、後頭部で一つにまとめていた。
お沢が不敵に笑った。 鋭い右目で、不安げな女の顔を見つめている。
「いつものことだ。心配するなアグリコ」 「いつもだから心配するのよ」 “亜久利子”と呼ばれた女も、土着の神であった。
ヨシ！（現場猫 ではいきます。「亜久利子異聞」
この方々のお話です。
より謎が深まった…
今日の午後にでも投下します…！ 題材かぶりで気が引けてたけど、 しっかり休んで復活して頂くに当たっての 露払いというか、ささやかな埋め草にでもなれば…
源じいが秋田の八郎潟の能力者。
軽く調べてみたけれどどこに八郎潟要素が…気になる～～～～
いつものではないおまけ神様セカンドライフおまけだべ「心筋梗塞レポ漫画とこれからのこと」https://t.co/Y8ZZKSEZFN pic.twitter.com/pOEKbElGAo— 秋田ＬＶ３＠漫画ビューワ付きHPを配るwiki管理人 (@osLV3) July 18, 2020
いつものではないおまけ神様セカンドライフおまけだべ「心筋梗塞レポ漫画とこれからのこと」https://t.co/Y8ZZKSEZFN pic.twitter.com/pOEKbElGAo
LV3さんの心筋梗塞レポ漫画記事。ふええ、大変だあ……と思いつつ、イケ先生の「（生きるのを諦めるのは）オレがいる限り無理ですね」のかっこよさに草生えちゃった。 https://t.co/AVzxadhLwP— リラ (@dettalant) July 18, 2020
LV3さんの心筋梗塞レポ漫画記事。ふええ、大変だあ……と思いつつ、イケ先生の「（生きるのを諦めるのは）オレがいる限り無理ですね」のかっこよさに草生えちゃった。 https://t.co/AVzxadhLwP
ほんとごめんなさい～ ﾒｰﾄﾙ単位の移動制限とﾈｯﾄへの接続手段が絶たれていて連絡することすら出来んかったのー
[報告]心筋梗塞で入院してました（ﾋｭｰ！！色んな偶然が重なって、入院中に外に発信できる手段が一切なくたくさんの方にご心配をかけてしまい申し訳ありませんでした。 pic.twitter.com/PUehhvFc0g— 秋田ＬＶ３＠漫画ビューワ付きHPを配るwiki管理人 (@osLV3) July 16, 2020
[報告]心筋梗塞で入院してました（ﾋｭｰ！！色んな偶然が重なって、入院中に外に発信できる手段が一切なくたくさんの方にご心配をかけてしまい申し訳ありませんでした。 pic.twitter.com/PUehhvFc0g
昨日神様セカンドライフの更新なかったけれど何かトラブルでもあったのかしら。— サルリーノ (@sarulino36) July 11, 2020
昨日神様セカンドライフの更新なかったけれど何かトラブルでもあったのかしら。
いま秋田県立近代美術館でミュシャ展やってるん…。赤沼と雪見先輩の背景を描かなきゃとは思ってる…。復活神頼みちう。#神様セカンドライフhttps://t.co/o6ojnFMPGM— 玲子@タマノス (@reikorin265) July 12, 2020
いま秋田県立近代美術館でミュシャ展やってるん…。赤沼と雪見先輩の背景を描かなきゃとは思ってる…。復活神頼みちう。#神様セカンドライフhttps://t.co/o6ojnFMPGM
心筋梗塞かヒエー。 命あっての物種、お大事にして下さい。
キタ！もう、心配したんだから（涙目
簡潔に言うと心筋梗塞で入院してました。 詳細は記事にてきっちり報告しますのでもう少しおまち下さいまし～～
「偉大なる、しゅららぼん」って映画をみてたのだけど、ここの漫画のおかげで説明なしの八郎潟の話が分かってしまった。 楽しかった。
大丈夫？何か問題あった？
下2枚は無料連載されてる神道系漫画神様セカンドライフのファンアートなのでみんな読んでくれ 男キャラも女キャラも人外もボーイッシュもロリババアも異色肌もきつねも豊作だぞい あと読んだら神道についての知識が無理なくスッと入ってくるから賢くなるぞhttps://t.co/3JPeuhfKfV— 融(あきら) (@meltyhip) July 4, 2020
下2枚は無料連載されてる神道系漫画神様セカンドライフのファンアートなのでみんな読んでくれ 男キャラも女キャラも人外もボーイッシュもロリババアも異色肌もきつねも豊作だぞい あと読んだら神道についての知識が無理なくスッと入ってくるから賢くなるぞhttps://t.co/3JPeuhfKfV
与次が可愛い…可愛い！(おかしい自覚はあるw)でも、お沢さん側から見れば、ただただ『コイツメンドクセ(›´A`‹ )』でしかないなぁ(^^;それでも見捨てるって選択がない辺り、イイ人(人？)だー！ https://t.co/3No2mWHgAy— Shisen (@Shisen_kitayama) July 5, 2020
与次が可愛い…可愛い！(おかしい自覚はあるw)でも、お沢さん側から見れば、ただただ『コイツメンドクセ(›´A`‹ )』でしかないなぁ(^^;それでも見捨てるって選択がない辺り、イイ人(人？)だー！ https://t.co/3No2mWHgAy
サンキューボス！
武将風雲録？
今回のお話を読んでですね。つくづく思ったんですよ。組織のトップ張ってる人は、仕事の成否、勝敗以上のことを考えてるんだなと。神様セカンドライフ１１３話「お沢稲荷の戦い」前半お沢の真価が問われる https://t.co/AXLiwchPqi— 御宗銀砂 (@mimuneshiraisa) June 27, 2020
今回のお話を読んでですね。つくづく思ったんですよ。組織のトップ張ってる人は、仕事の成否、勝敗以上のことを考えてるんだなと。神様セカンドライフ１１３話「お沢稲荷の戦い」前半お沢の真価が問われる https://t.co/AXLiwchPqi
みんな神様セカンドライフを読もう！ https://t.co/q8l39faazD— みみみと天使(Lv2.+Lv0.) (@ogn3e) June 27, 2020
みんな神様セカンドライフを読もう！ https://t.co/q8l39faazD
殿の名前を聞いて正気に戻る与次郎。でも戦いはまだ終わらないのね。過去話に入ってから初めてヨジー喋ったけどこの時は一人称オイラじゃなかったのか。— サルリーノ (@sarulino36) June 26, 2020
殿の名前を聞いて正気に戻る与次郎。でも戦いはまだ終わらないのね。過去話に入ってから初めてヨジー喋ったけどこの時は一人称オイラじゃなかったのか。
かっこいいー！ナンパおちゃらけキャラの元は武士道の極みとかってかっこよすぎ！ https://t.co/gk0X4Zw6Q2— 道化師KJ (@Rubeylard) June 26, 2020
かっこいいー！ナンパおちゃらけキャラの元は武士道の極みとかってかっこよすぎ！ https://t.co/gk0X4Zw6Q2
頭に血が上って自分の何より大事なものをめちゃくちゃにしてしまったことに気付いて絶望するの大変たまらん— 融(あきら) (@meltyhip) June 26, 2020
頭に血が上って自分の何より大事なものをめちゃくちゃにしてしまったことに気付いて絶望するの大変たまらん
勝手にコラボ。4/8 ラストの挿絵ー。ポニテお沢様ー。片手抱っこー。すきー。
神セカクイズをいただいたのでみんなも遊んでみて～
https://kentei.cc/k/1560215/t16yugl
例の如くパラレルですが、今回は、初期案から今のスタイルに変遷したなら
どんな感じだろう、というのを出発点に夢想してみました。
最近の本編の展開は、全く反映されていません。
お沢とアグリコに抱いていたイメージは、以前コメントした通り。
そのせいで、天涯孤独のアグリコがお沢親分に見初められた
みたいな雰囲気がただよっていますｗ
与次郎討伐なんて想像もしていなかったので、この話の与次郎は、
祀られて浄化された後、ただの気の良い兄ちゃんになっています。
どうも失礼致しました。
「厳格なところ、あなたらしいわ。でも」
アグリコは、自分の髪留めを外した。
そして、お沢の前髪をかき分け、その髪留めを付けてやった。
「忘れないで、私たちが側にいるってことを」
お沢は両目をぱちくりとさせて、髪留めに手を触れた。
視界が開けたような気分だった。
少年と与次郎もうなずいた。
かつてアグリコに説いたことを、お沢は忘れていた。
この場にいる者たちを見回した。
自分は、一人ではない。
皆、いるではないか。
「並んで走ることはできなくても、ちゃんとついて行くから…」
アグリコが、気恥ずかしそうに笑った。
暗く険しい道を、お沢はこれからも進み続ける。
アグリコは、先駆けするお沢を見失うまいと決めたのだ。
お沢は、まっすぐアグリコの方を向いた。
いつもの不敵な笑みではない、柔らかな微笑を浮かべていた。
「あア、よろしくなアグリコ。いや…アグリコ稲荷」
五日目に、お沢が目を覚ました。
「ココハ…？」
口から、自分でも驚くほどのガラガラ声が出た。
体を起こすと、アグリコが横から支えた。
「よかった、気がついて…白髭様の薬が効いたのかしら」
久しぶりに会う親友が、ほっとした顔をしている。
周りには眷属と少年、与次郎の姿もある。
お沢は状況を察した。
「迷惑ヲかけた。すまナイ」
お沢が頭を下げると、伸びた前髪が垂れ下がった。
「迷惑だなんて、水臭いわよ」
アグリコは、努めて明るく言った。
「いヤ」
お沢が、険しい顔つきになった。
「己の実力ヲ、私は過信してイタ。その挙句がこのザマだ。
私は規律を守ルために、もっと強クならねばならナイ！」
やはりそうか、とアグリコは思った。
お沢は一人で、責務を背負いこんでいる。
それだけ自分たちが、お沢に頼りきりだったということだ。
戻ってからというもの、アグリコはひたすら看護を続けた。
智恵を借りようと、思兼神が祀られる神社を訪ねたこともある。
良薬があると聞けば、眷属や与次郎に走ってもらった。
とりわけ、一人の少年が熱心に手伝ってくれた。
まだ修行中の身だが、ここ最近はよくお沢の側に控えていた。
相討ちとなった師を必死に山まで運んだのも、この少年らしい。
三日目の早朝、力水の前で、少年が昏倒していた。
「休息はきちんと取ること。いいわね？」
アグリコに叱られ、少年は神妙な顔でうなずいた。
当のアグリコは、ほとんど不眠不休だった。
容体そのものは、かなり安定してきた。
遠からず、動けるようにもなるはずである。
しかし、このままでいる方が、お沢には幸せなのではないか。
アグリコは、そんな思いを禁じ得ない。
生き延びたお沢は、やがてまた戦い、傷つくだろう。
「ずっと…繰り返すの？」
そうつぶやくと、アグリコはお沢の横で仮眠を取った。
二ヶ月後、アグリコは伏見からの帰途にあった。
村人たちの協力を得て、無事に正一位を賜ることができた。
当初は、京をゆっくり見物してから帰るつもりでいたが、
やがて、早く故郷に錦を飾りたい気持ちが勝るようになった。
越後と出羽の境で、道の向かいから長身の男が駆けて来た。
アグリコの見知った相手だった。
「あら、与次郎ちゃん。迎えに来てくれたの？」
「た、大変だよ！」
健脚の与次郎稲荷に背負われ、アグリコは古館山へ向かった。
社で目にしたのは、意識を失い横たわるお沢だった。
首に巻かれた包帯は、赤い染みができている。
治療を行うために、後ろ髪がばっさりと切られていた。
「どうしてこんなことに…」
アグリコは顔を青ざめ、全身を震わせた。
お沢の眷属や近隣の神々から、話を聞くことができた。
前日、お沢は熊の妖と戦っていた。
激戦の果てにとどめを刺した瞬間、妖が最期の力で反撃した。
長く鋭い爪が、お沢の首を貫いたという。
八つ当たりのようだと、自分でもわかっていた。
それでも言わずにはいられなかった。
抑圧していた悩み、苛立ち、思いを聞いてもらいたかった。
いつしか、目の前が滲んで見えていた。
しばらく黙っていたお沢が、口を開いた。
「村の者を頼ってはどうだ。肝煎に話せ」
アグリコは首を振る。
「私はずっと人間で通してきたし、こんな話、信じないわよ」
「夢枕に立つんだ。霊験を示せば、信じるだろう」
アグリコが、はじかれるように顔を上げた。
お沢は、穏やかな目をしていた。
「お前は、皆を信じろ。それとも」
また不敵に笑った。
「お前が苦楽を共にした連中は、そんなに薄情なのか？」
優しい婆様、剽軽な若者、話好きな娘…次々と顔が浮かぶ。
アグリコは、答える代わりに、お沢に飛びついた。
お沢は、左腕で軽々とアグリコを抱え上げた。
数日前、アグリコは夜鷹に扮し、旅の男に誘いかけた。
しかし寸前になって怖じ気づき、這う這うの体で逃げ出した。
お沢の耳に入るとは誤算だった。
変化していたし、人目もなかったので、油断していた。
「規律を乱す者は斬る。わけがあるなら言ってみろ」
お沢は、もう笑ってはいなかった。
アグリコは誤魔化すこともできず、うつむきながら話し始めた。
村の人々に尽くしてきた徳が、伏見に認められたこと。
正一位を賜ると決まったが、そのために莫大な金が必要なこと。
金策に走り回ったものの、どうしても十両ほど足りないこと。
全ての事情を説明した。
お沢が、ふうっと溜息をついた。
「そんなことで自分の身を…」
「そんなことって何よ！」
アグリコが、語気を強めた。
「あなたはいいわよ！ずっと昔から、稲荷だったんだから！」
「私みたいな神が伏見の目に留まるのは、大変なこと！」
「やっと認められた、報われたのよ！」
「こんな機会、私には、もうないもの…」
正徳の頃、杉宮の地に、アグリコはふらりと現れた。
それ以来、村の家々を助けて回り、非常に喜ばれていた。
村人たちと生活を共にして、もう五年になる。
一介の神に過ぎぬアグリコにとって、お沢は頼れる頭だった。
杉宮に居座った理由は、その膝元という点が大きい。
お沢もアグリコの評判を聞き、目をかけていた。
そうして、二人は親しくなった。
ただ、付き合いを続ける中で、お沢への印象が変わってきた。
荒事となれば、お沢は誰よりも先に飛び込んで行く。
ゆえに生傷が絶えず、時にはひどい怪我を負うこともある。
その度に忠告するのだが、行動を改めようとしない。
まるで自分の外見どころか、命にすら頓着がないようだった。
このままでは、いつか大変なことになるのではないか。
アグリコは、気が気でなかった。
「とにかく、もう危ない真似はよして」
そう言ったアグリコに、お沢は詰め寄った。
「体を売るのは危なくない、とでも言うつもりか？」
アグリコが、はっと息を呑んだ。
「また傷が増えたわね」
村の外れで、女が眉をひそめて言った。
前髪に付けた髪留めが、西日を受けて輝いた。
相手は、お沢稲荷。
古館山を拠点に、雄勝一帯を統べる女である。
左目の周りと右肩に、包帯が巻かれている。
妖を退治した際に受けた傷だった。
そうでなくとも、精悍な体のあちこちに傷跡がある。
しかし、本人は外見など気にしていない。
元々切り揃えられていたであろう髪はぼさぼさで、
長い後ろ髪を、後頭部で一つにまとめていた。
お沢が不敵に笑った。
鋭い右目で、不安げな女の顔を見つめている。
「いつものことだ。心配するなアグリコ」
「いつもだから心配するのよ」
“亜久利子”と呼ばれた女も、土着の神であった。
ヨシ！（現場猫
ではいきます。「亜久利子異聞」
この方々のお話です。
より謎が深まった…
今日の午後にでも投下します…！
題材かぶりで気が引けてたけど、
しっかり休んで復活して頂くに当たっての
露払いというか、ささやかな埋め草にでもなれば…
源じいが秋田の八郎潟の能力者。
軽く調べてみたけれどどこに八郎潟要素が…気になる～～～～
ほんとごめんなさい～
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心筋梗塞かヒエー。
命あっての物種、お大事にして下さい。
キタ！もう、心配したんだから（涙目
簡潔に言うと心筋梗塞で入院してました。
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