ここはジャパリパーク、さばんなちほー
その地を守護せし不動明王は今、最大の危機に陥っていた。
「あっれー?どこにやっったっけなぁ…」
必死に探す不動明王の後姿を、
猫型ロボットのフレンズ(トラブルメーカー)と生まれたばかりのフレンズ「ワイト」
二人のフレンズが見ていた。
ワイト
「あいつまた物失くしたのか…」
トラブルメーカー
「取り寄せバッグ~
あなたが探してるのはコレだね?」(弓と矢を手渡す)
一方そのころ、セルリアンハンター(ヒグマ、キンシコウ、リカオン)は苦戦していた。
「くそっ不動明王のあれがあればこんな奴に手こずらないんだが・・・」
彼女らの前に立ちはだかるのは、あやとりが得意なセルリアンだった。
攻撃を巧みに絡めとるセルリアン相手にハンター達は攻めあぐねていた。
そんなハンターたちの前にピンクのドアが突如現れた。
ドアを開けて出てきたのは不動明王だ。
不動明王の瞬間移動により、ヒグマ達はセルリアンの攻撃を紙一重の差で躱せた。
「助かる! あれは見つかったか!? あれならこんなやつ・・・」
不動明王
「ああ待たせたな! トラブルメーカーが持っきた武器さえあればあんなヤt…」
ギィー
「待て! トラブルメーカー、まだ話終わってな…」バタン
トラブルメーカー
「もう!! 勝手にしろ、ふんだ!!」 (しかし、あれには弱点があるんだよな・・・ どうしよう…)
キンシコウ
「不動明王さん、その武器はどうやって使うんですか?」
不動明王
「ああ、明王アローをこの弓で放つんだが一つ弱点があって、超ぶかぶかだから射るのに時間が掛かってしまうんだ」
ヒグマ
「問題ない!それを貸せ! うおおおおおおおおお! あっ」
刹那、セルリアンに ぶかぶかの弦をあやとりに利用されてしまったのだった。
サハンナシマシマオオナメクジ
「あ、ブカブカの弦とセルリアンやんけ。 食ったれ」
サバンナシマシマオオナメクジとセルリアンが取っ組み合っている!?
これはチャンス!
そのときなんと・・・
ナメクジとセルリアンが一体化し始めた!
そこにさらになつみのDNAが混入!
それが後に大量発生するナメリアンの第1号だった。
その日のうちにナメリアンはパーク中を埋め尽くした。
ーが、意外とナメリアンは優しかった。
しかしナメリアンはじゃぱりまんが主食だったのだ。
増殖したナメリアンによりじゃぱりまんの数がどんどん少なくなっていった。
需要供給バランスの変化に困ったボスたちは急遽、製造スタッフ募集をかけ供給能力の増大を図った。
しかし、いくら増産してもキリが無い、そこでボスは具材のかわりに大量の塩を詰めた。
アクシスジカ
「お、もーらい」
その瞬間アクシスジカに衝撃走るー!
ナメリアン達はたちまち溶け、アクシスジカに舐め取られていった。
アクシスジカを筆頭に、パークに高血圧のフレンズが急増した。
そんな状況に例のトラブルメーカーが、ついうっかりナメリアンにバイバインをかけてしまった。
無限に増殖するナメリアンを止めるために、高血圧のフレンズ達は水分を求めてナメリアンをなめなめしだした。
しかしナメリアンの増殖を止めることはできなかった…
高血圧のフレンズ
「どうすれば、いいのだ」
クロちゃん
「ガルッ」
ヒグマ
「クロが焼き払うってさ」
リカオン
「いつの間にクロちゃんの言語を完全理解してるんですかヒグマさん」
クロの尾から熱線が放たれた。
蒸発していくナメリアンたち・・・訪れる静寂。
誰ともなく言った。「これで良かったのかな・・・」
ヒグマ
「正解なんて誰にもわからないさ、ただ一つ言えることはここでやらなければパークは滅んでいた」
不動明王
「・・・」
不動明王は突如として爆発した。
生き残っていたナメリアンが、サイコキネシスで爆破したのだ。
リカオン
「ああ 不動明王がやられた」
キンシコウ
「許さん…よくも、よくも…!」
その時!爆散した不動明王の体とナメリアンの蒸気が一点に集約し始めた。
それが新しい不動産王を生み出した。
この新たな支配者はパークの土地を全て掌握したのだ・・・
ー完ー