~ジャパリホテル~
サーバル
「あ…」
避難を始めるフレンズたち。
サーバルは崩れ行くホテルで呆然と佇むアムールトラを見つけた。
サーバル
「アムールトラ! あなたも早く逃g…」
ガラガラッ
キュルル
「危ない!」
カラカル
「何、ぼーっとしてんのよ!」
地面が崩れ、サーバルとアムールトラを大きな裂け目が隔てた。
サーバル
「アム-ルトラが取り残されてる! 助けなきゃ…」
カラカル
「また あんたは・・・
助けたところで その後は? また私たちが襲われるかもしれないのよ?」
サーバル
「それでも・・・」
キュルル
「それ以前に危ないよ」
サーバル
「大丈夫! これくらいの溝なら、ひょいっと」
キュルル
「そりゃサーバルなら ひとっ飛びだろうけど、また地面が崩れるかもしれない。
戻ってこれるかも・・・
何か他の手を考えよう」
カラカル
「・・・まったくあんたたちは…
言っとくけど、あまり時間は無いわよ」
サーバル
「こんな時・・・・ゃんなら…」
キュルル
「え…?」
サーバル
「そうだ! 火の付いた紙飛行機で!」
カラカル
「そうか! かばんさんがやってた誘導ね。
あんたにしては冴えてるじゃない」
サーバル
「も~ 素直に褒められないの?」
キュルル
「でも結構 距離があるよ。
よほど遠くに飛ばさなきゃ・・・
隊長
「ミライさん、今度は遠くまで飛ばせる紙飛行機の折り方を教えてください」
ミライ
「言っておきますけど、ギネスの69.14mほどじゃないですよ?」
隊長
「いや、そこまでは求めてませんから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
くるむ
「出来たよ」
イエイヌ
「出来ました」
隊長
「出来ました!」
イエイヌ
「ふふ…w」
隊長
「・・・」
イエイヌ
「ごめんなさい。
でもご主人って案外 不器用なんですね」
ミライ
「確かに・・・w
くるむくんの方が上手いじゃないですか」
隊長
「だからミライさんに教えて欲しかったんですよ。
それに・・・ もしかしたら将来、何か役に立つかもしれませんし…」
ミライ
「前にもそう言って・・・
役に立ったことありましたっけ?」
隊長
「・・・」
ミライ
「ま、まだチャンスはありますって… 💦
えいっ!」」
ひゅーーー〜〜〜
くるむ
「わぁ!」
イエイヌ
「すごいですぅ!」
サーバル
「…ルル? キュルル!?
カラカル
「なに ぼーっとしてるの!?」
キュルル
「いや・・・」
キュルルはスケッチブックから1枚を破り取る。
キュルル
「いけそうだ。 すぐに折るよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キュルル
「出来たよ」
カラカル
「早っ!
でもどうやって火を付けるの?」
サーバル
「マッチ… は無いよね」
ボス
「僕の体を使って。 虫眼鏡のレンズ機能もあるんだ」
サーバル
「そうか! カラカル、お願い!」
キュルル
「はい、カラカル」
キュルルは腕からボスウォッチを外すとカラカルに。
サーバルには折った紙飛行機を手渡す。
カラカル
「え? 私、そんなのやったことないわよ?」
サーバルはいつでも投げれるように紙飛行機を構えている。
ボス
「僕が指示するよ。
角度をもう少し前に傾けて…
もう少し紙から離して…
いいよ。 そのままで・・・」
🔥
着いた!
「行くよ! アムールトラーー!」
ひゅーーー〜〜〜
紙飛行機は真っ直ぐアムールトラを目掛けて飛ぶ。
#カラカル「バカ! 笑ってないで紙飛行機を追い掛けなさい!」
紙飛行機はアムールトラを掠めて、そのまま飛び去る・・・
ガラガラッ!
サーバル
「危ない!」
キュルルの足元が大きく崩れる。
サーバルが捕まえたおかげで落下は免れたが・・・
キュルル
「あ、帽子が・・・」
サーバル
「アムールトラは!?」
カラカル
「そんなこと言ってる場合!?
もう、これ以上は危険よ。
早く逃げましょう」
キュルルたちは仕方なく避難を始めた。
一方、キュルルの帽子は風に乗り、瓦礫の中へ消えてゆく。
ひとかけらのサンドスターと共に・・・
ボス
「 #ア…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かばんさん
「いいチームじゃない」
かばんさんはサーバルたちの様子を見ながら、そう呟いた。
一方、瓦礫の中からは眩い光が漏れていた。
かばんさん
「もしかすると、僕も ああやって生まれたのかな…?」
かばん
「・・・」
かばんさんはホテルをあとにした・・・