いやあ、エグイところを切り込んできましたね……3話。
野生個体ではなく飼育個体がフレンズ化したらどうなるのか。
ヒトの飼育、調教は動物の行動にどれほどの影響を及ぼすのか…………それを見せつけられた3話でした。
ご褒美が必要でないだろう友達同士の遊びで意味のないご褒美の与えあい。
ご褒美がないからお願いの続きを断ったにしては変に催促もしないし、そもそもお腹がすいていたわけでもなく、海に落ちたサーバルを普通に助ける位には友好的。
そして、帰り際の「行ってくれないと(手を振るのを)やめられないんです」という発言。
こうやって二人の行動を紐解いていくと妙な制限がかかっていることに気づきませんか?
これ、アシカやイルカショーでの開幕の挨拶⇒ご褒美の餌⇒芸⇒ご褒美の餌⇒芸⇒……⇒終了の挨拶の流れを忠実に守ってるんだと思います。ご褒美の餌は単に芸に対する報酬だけでなく、勝手に次の芸に移らないためのストッパーの役割も持っています。
つまり、ご褒美がないのなら次に何かをやる『必要がない』のではなく、
ご褒美を貰わないと次に何かをやっては『いけない』という思考回路。
それをおそらくバンドウイルカとカリフォルニアアシカは飼育個体であっただろうフレンズ化前からこの思考回路をしていて、フレンズ化した後もそれに倣って行動していた。というのがあの二人の真実だと思います。
総評すると3話は、水族館でショーをしていた飼育動物がフレンズ化して、ヒトがいるからこそ成立していたルールをヒトがいなくなり、自分達もヒトを忘れてしまったのに、それに縛られ続けている置き去りにされたうみのけものの話なのでしょう。
そして、当人を含めた誰一人それを理解していないというのがまたエグイ。
こういうのを待ってたんですよ、こういうのを。
考察もはかどりますし個人的には大満足の3話でしたね。