コイシマル【小石丸】のフレンズです。
鱗翅目 カイコガ科 カイコガ属 カイコガ種
コイシマル
Koishimaru
保全状況
UK:不明
学名 Bombyx mori: Koishimaru
漢字では「小石丸」と表記されるこのカイコガは、日本古来の地理的品種で、カイコガの地理的品種は特に、各地域外の品種が隔離され交雑が大凡不可能な状態が保たれてきている為、地理学的種概念の議論の場に持ち出される事もあります。
コイシマルは、信州、即ち現在の長野県で18世紀に発見されたカイコガの日本在来の地理的品種であり、その歴史を遡れば、8世紀、日本の奈良時代の品種に辿り着く、日本古来のカイコガです。
10個の繭糸より成る1本の生糸は約19Dと極細でありながらも、伸縮性に優れ切れ難く、毛羽立ちも僅かで光沢の強い滑らかな純白の糸は、括れのある俵形の繭を形成しています。
強い繭の為に糸が解け難く、1つの繭から取れる糸は多くとも400~500m程と、典型的なカイコガの半量以下であり、又、病弱で産卵数が少ない為、繊維産業の革新にて経済性に欠けるという理由により、昭和期には皇居内でのみの飼育にまで減り、更に飼育の中止が検討され絶滅の危機を迎えました。
後には、上代裂からの古代裂の修繕や、日本古来の伝統の継承、良質な糸の遺伝資源の保存、そして産業動物も含めた生物多様性の保全等を目的に、日本の各地で飼育が為される様になっています。
「機織りが好きなの。とっても丈夫な衣装が作れるの。……私のプチ自慢、聞いて欲しいな」
〈メタな御話〉
コイシマルは、繭と糸に特徴が出易い事、日本在来の地理的品種である事も踏まえて、デザインしてみようと思いました。
繭には括れがあり、それは光沢の強い滑らかな純白の糸で形成される事から、そのイメージを、奈良時代の女性貴族の服装にある翳【さしは】や背子【はいし】の形に反映させてみました。
但し、現代迄続いている種類であり、その時々で異なる注目のされ方をしてきた歴史から、服装を奈良時代のみには縛り付けない様にしました。
特に、首から下は終齢に近い幼虫を意識しています。
例えば、首元の襟巻は大きな目を持つ頭部、胸の辺りは眼状紋、スカートの側面近くには半月紋といった、コイシマルの幼虫の背側視点の特徴をその儘、前面に反映させてみました。
幼虫の尾角は、枝の棘に欺く隠蔽的擬態、有危険性昆虫に欺くベイツ型擬態に役立つとされている為、糸を紡ぐ意匠を施した鑓にデザインを落とし込んでみました。
コイシマルに特徴的な、極細で柔軟で強力な糸と、それが取れる頑丈な繭から、この鑓は甚だしく強化されています。
後ろ髪を長く伸ばして、後方で留め膨らませた部分を形成して縞模様を付けたのは、コイシマルの成虫のふっくらとした腹部を体節も含めて表現したかった為です。
太めの流れる様な眉は、奈良時代に流行した引眉の外観だけを模している感じでして、又、櫛形で大きく発達した感覚器官たる触覚のイメージも、頭上の触覚とは別に、イメージに落とし込んでみました。
頑丈な繭を作る事や、古くからヒトの衣服等にその糸が用いられて来た所から、機織り好きや衣装好きとしまして、その出来上がった織物も迚も丈夫であるという設定を附加しました。
細くても伸縮性に優れて切れ難い糸を生成する事から、ちょっぴり受け身で謙虚だけど、芯の強い感じの性格にしてみました。
毛羽立たない糸から滑らかな肌触りの生地が作られる所も、摩擦が起き難いという事で、競うのは少し苦手だというイメージに成っています。
一時的に絶滅を余儀無くされましたが、様々な理由により日本各地に広まった為、得意な分野やピンチに成った時程、より強化される感じです。
でも、病弱な特徴も持つので、強化は一過性で、後は再びチャンスを狙う感じをイメージしています。
因みに単位記号がDのデニールは、繊度、即ち糸の太さの単位で、1Dは、長さ450m当たり重さ50mgである糸の太さを表します。
(カイコガの地理的品種ですが、現段階では学名表記出来ない為、コロン以下に地理的品種名を記しました。)
小石丸ってカイコの品種のひとつなんですね
優雅かつふわっと感がとってもかわいいなぁ
しかしamamas氏はデザインに関してすごい熱心に考えてていつも感心しちゃう
アイテム一つ一つがちゃんと原作に纏わってるからすごい
私は殆ど直観で適当にやってるだけだから(笑
>> 642
有り難う御座います!
原作の小石丸の可愛さとか歴史とかの魅力を、少しでも表現出来たらなぁ、と思いまして…。
私も殆ど直感です。
ネタ帳にメモるのも、思い付いても忘れっぽいから、というのも理由でして(汗)
後、連想しての設定は、その時の直感です!
毎回情報量多くて凄いですよホントに…
日本の蚕の祖先てきな存在ですね。
>> 654
有り難う御座います!
日本在来カイコガの中でも、非常に古い品種ですし、末永く生き残っていって欲しいです。
毎度毎度なんて為になるのでしょう。
>> 655
有り難う御座います!
「ここすき」をいっぱい絵に詰め込んでいきたいです♪