本日はピンタゾウガメの「ロンサム・ジョージ」の命日であります。
ロンサム・ジョージは1971年にガラパゴス諸島の
ピンタ島で発見されたピンタゾウガメで、
生存が確認されていたピンタゾウガメ最後の個体でもありました。
ピンタゾウガメは食用肉として乱獲され、人為的に移入されたヤギとブタが
ピンタ島の植生を破壊した事で絶滅したと考えられておりましたが、
1971年12月1日、ピンタ島でカタツムリの研究をされていた
ハンガリーの生物学者József Vágvölgyi氏が1頭のカメを発見され、
港に戻られて報告されました。翌年春、ガラパゴス国立公園のレンジャーは
このカメをサンタ・クルス島のチャールズ・ダーウィン研究所に移されました。
このカメの発見当時の年齢は約60歳だと推定されております。
このカメはアメリカのコメディアンのジョージ・ゴベル氏の呼び名から
「ロンサム・ジョージ」と呼ばれるようになりました。
日本語では「孤独なジョージ」「独りぼっちのジョージ」などと翻訳され、
種の保存のための繁殖計画が成功せず、雌を寄せ付けなかった事から
この呼び名が付いたといわれております。
絶滅したと考えられていたピンタゾウガメが発見された事から、
ガラパゴス国立公園管理局は繁殖計画が実施される事となりました。
1990年、イサベラ島からロンサム・ジョージと交配させるために
2頭の近縁種の雌が連れてこられましたが20年近く明確な成果はなく、
たまに奇形の卵が産まれていた程度でありましたが、2008年7月20日に
メスの片方が巣を掘って9個の卵を出産した事が確認されました。
しかし、最終的に16個の卵が回収されて人工孵卵器に移されたものの、
全て無精卵であり孵化は実現しませんでした。
2012年6月24日、ロンサム・ジョージは水飲み場に向けて体を伸ばした状態で
事切れており、ジョージの世話をされていたガラパゴス国立公園のレンジャー、
ファウスト・ジェレナ氏によって発見されました。
生涯を閉じた時の年齢は100歳を超えていたと推定されており、
ジョージの死によりピンタゾウガメは絶滅したと考えられており、
ガラパゴス諸島に生息しているカメは10種に減少したとされております。
検死を行われた獣医はジョージの死因を自然死と判断され、
また、培養用として皮膚の細胞のサンプルが採取され冷凍保存されました。
ジョージの遺骸はアメリカ自然史博物館で剥製に加工され、
2014年9月から2015年1月まで博物館で展示されました。
2017年2月17日、剥製はエクアドルの軍用機で
ガラパゴス諸島サンタ・クルス島のプエルト・アヨラに輸送され、
23日からガラパゴス国立公園で展示される事となりました。
けものフレンズにはカメのフレンズの方々がいらっしゃいますが、
ゾウガメに限定すると現在のところガラパゴスゾウガメ様のみであります。
とてものんびり、そしておっとりとされた性格は、
実際のゾウガメと同じく大らかと言えるものであります。
動物の絶滅の話題に触れるたび心が痛みます。
昨日と同じ事になりますが、全ての動物達がその生涯を
思うままに生きる事のできる世の中となる事を願っております。
本日もお祈りいたします、みんみー。