本日は世界マヌルネコの日であります。
国際マヌルネコの日とも呼ばれており、
マヌルネコ保全同盟(PICA)によって2019年に制定されました。
「マヌルネコの事を知り、その保全や住環境について
興味を持ってもらう」事を目的としております。
・マヌルネコは哺乳綱食肉目ネコ科Otocolobus属に分類される食肉類で、
本種のみでOtocolobus属を構成しております。
また、モウコヤマネコという別名で呼ばれる事もあります。
現在の主な生息地はアフガニスタン/イラン/インド(ヒマラヤ山脈)/
カザフスタン/キルギス/中華人民共和国/ネパール/パキスタン/
ブータン/モンゴル/ロシア南部となっております。
1960年代以前にはウズベキスタンやタジキスタンでも報告例があり、
現在においても分布している可能性があります。
以前は、イエネコの長毛種ペルシャの原種と考えられておりましたが、
後にイエネコの含まれる系統のうちクロアシネコやジャングルキャット、
スナネコなどよりも、初期に分岐した種とみなされるようになりました。
ベンガルヤマネコ属の共通祖先とは590万年前に分岐したと推定されております。
マヌルネコの特徴は様々な資料にて示されておりますが、
その中でも際立ったものを幾つか挙げてみますと、
・体毛が長く、密集して生えているので丸々と太った立派な体型に見える。
また、この厚い毛のおかげで、雪の上や凍った地面の上で
腹ばいになった場合でも体を冷やさずに済む。
・体は橙みを帯びた灰色、腹面は白っぽい灰色、四肢は黄土色、
腰に茶色の横縞がある。個体によってはこの横縞が厚い毛のせいで
判別できない事もある。尾には5~6本の黒い縞模様が入り、先端は黒い。
頬は白色で長い毛があり、目の端から頬に黒色の縞がある。
顎から喉にかけても白色で、体下面では密集した灰色がかった毛になる。
季節が移ると毛が生え変わる。冬毛は夏毛より灰色みが強くなり、
夏毛の時に目立っていた模様が不鮮明となる。
・目の位置が高いところにあるので、額は高く、
丸い耳が低く離れた位置に付いているように見える。
目の位置が高いのは、身を隠せる場所の少ない平坦な砂漠やステップで、
岩陰に臥せて岩の上から目だけを出して
獲物を狙うのに適しているからだと考えられている。
虹彩は黄色で、瞳孔は丸く収縮する。
・他のネコ科の動物と比べると足や爪が短く、特に爪は非常に短い。
・体の大きさに対して臀部がやや大きい。
・標高450~5073mにある、岩場の多い草原やステップや
半砂漠などに生息する。昼夜を問わず活動するが、
捕食者などを避けるため狩りは主に薄明薄暮時に行う。
危険を感じると動かずに身をかがめて地面に腹這いになる。
・片方の上唇を釣り上げて震わせながら、
大きな犬歯をむき出しにする独特の威嚇を行う。
以上の事だけでも、マヌルネコの特徴が際立っております。
けものフレンズにはマヌルネコのフレンズがいらっしゃいます。
初出は2017年2月の吉崎観音氏のツイートであり、
その後、アニメ一期のガイドブック2巻に登場されております。
現在はけものフレンズ3にて活躍していらっしゃいます。
マヌルネコはその特徴的な外見などもあり、非常に愛らしい動物でありますが、
一方で、農地開発や牧草地への転換・過放牧・採掘などによる
生息地の破壊および分断化、違法な狩猟やマーモット類と誤っての
狩猟や罠による混獲、過放牧によって増加した牧羊犬や
野犬による捕食などにより生息数が減少しております。
また、元々の生息地が高地のため病原菌が少ないせいか免疫力が低く、
感染症の影響を受けやすいため、飼育下での繁殖は困難とされておりました。
しかし、現在では動物園での繁殖が試みられており、
様々な動物園が世界的に連携しております。
日本でも複数の動物園がマヌルネコの繁殖に力を入れております。
マヌルネコが暮らす世の中がこれから先も素晴らしいものとするために、
私達の日々の取り組みの積み重ねがますます重要となるのであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。