毎月23日は乳酸菌の日であります。
「乳(2)酸(3)」の語呂合わせに因んで、カゴメ株式会社によって制定されました。
体に良い乳酸菌を活用した商品で元気になってもらうのが目的であり、
スーパーマーケットなどの店頭での販売促進を
通年で行うため毎月23日としております。
また、2月3日も「乳酸菌の日」として制定されております。
カゴメ株式会社については以前に書き込みをさせていただいております。
・乳酸菌は代謝により乳酸を産生する細菌類の総称で、
生育の為には糖類/アミノ酸/ビタミンB群/
ミネラル(Mn/Mg/Fe等の金属)が必要な細菌類であります。
ヨーグルト/乳酸菌飲料/漬け物など食品の発酵に寄与する細菌類でもあります。
乳酸菌という名称は、細菌の生物学的な分類上にて特定の菌種を
指すものではなく、その性状に対して名付けられたものであります。
発酵によって糖類から多量の乳酸を産生し、かつ、悪臭の原因になるような
腐敗物質を作らないものが、一般に乳酸菌と呼ばれております。
一部の乳酸菌は腸などの消化管(腸内細菌)や膣に常在しており、
他の微生物と共生あるいは拮抗する事によって
腸内環境の恒常性維持に役立っていると考えられております。
・食品においては、様々な発酵食品の製造に用いられており、主なものとしては
ヨーグルトや乳酸飲料などの発酵乳製品、キムチや一部の漬物、
ピクルス/ザワークラウト/テンペ/味噌などの発酵植物製品、
塩辛、鮒寿司などのなれ寿司などが挙げられます。乳酸菌による発酵は、
これらの食品に酸味を主体とした味や香りの変化を与えると共に、
乳酸によって食品のpHが酸性側に偏る事で、腐敗や食中毒の原因になる
他の微生物の繁殖を抑えて食品の長期保存を可能にしております。
また、乳酸菌は発酵の際にビタミンCも産生する菌株があり、
馬乳酒などは発酵前の生乳等のビタミンCよりも濃度が高まります。
なお、牛乳にはビタミンCがほとんど含まれておりません。
それは、子牛は自らの体内でビタミンCを合成する事ができるので
牛乳から摂取する必要がないからであります。また、牛乳を発酵して作った
ヨーグルトには微量ながらビタミンCが含まれております。
・一方、他の発酵食品の製造過程においては、
乳酸菌が雑菌として混入する事が問題となる場合もあります。
例えば、ラクトバシラス属のアルコールに強い乳酸菌は、
酒類の醸造において発酵中での混入や増殖によって
異臭や酸味を生じてしまい、商品価値を失わせてしまいます。
日本酒醸造の現場においてはこれを「火落ち」または「腐造」と言い、
これらの菌は「火落ち菌」として造り酒屋から恐れられる存在であります。
その対策として、火落ちにより混入した乳酸菌によって醸造後に
腐敗する事を防止するための手法が経験的に編み出され行われております。
それは「火入れ」と呼ばれる低温殺菌法で、醸造した酒を65℃の温度で
23秒間加熱すればこれらの菌を不活化する事ができます。
この火入れは江戸時代頃から行われております。
ワインにおいても同様に保存中に乳酸菌発酵によって
異臭や酸味を生じる事があり、その原因を究明しようとされた
ルイ・パスツール氏の研究によって食物が腐敗するメカニズムが解明され、
「パスチャライゼーション」と呼ばれる低温殺菌法の発明に繋がっております。
L. lactisはナイシンと呼ばれる抗菌ペプチド(バクテリオシン)を生産し、
ナイシンは黄色ブドウ球菌やリステリア菌などの
食品腐敗菌に対して高い抗菌活性を有しているため、
その抗菌作用を期待して食品添加物として世界中で広く用いられております。
ジャパリパークにお住まいのフレンズの皆様は、
ジャパリまんによって栄養バランスや体内環境が整えられております。
その考えぬかれた栄養バランスはとりわけ腸内環境の向上にも寄与しており、
そこには乳酸菌などの細菌類も有効に働いている事が想像できます。
日々の健康は日々の取り組みの積み重ねであり、
それは体内環境への細かなケアがあってこそであります。
身体の声に耳を傾け、この寒い季節を乗り切りましょう。
本日もお祈りいたします、みんみー。