本日はシーラカンスの日であります。
1952年のこの日、コモロ諸島のアンジュアン島でシーラカンスが捕獲され、
学術調査が行われた事に由来しております。
・シーラカンスはシーラカンス目(または管椎(かんつい)目)に属する魚類で、
化石種も現生種も含めた総称であります。
白亜紀を最後に化石が途絶え、1938年に至るまで現生種が確認されなかった事、
化石種と現生種の間で形態的な差異がほとんど見られない事などから、
「生きている化石」と呼ばれる魚類でもあります
・シーラカンス目の中で最初に発見/分類された化石種は、
属名としてCoelacanthusの名を与えられました。
これは古代ギリシア語koilos「からっぽの」と
akantha「(植物の)棘、魚の骨」を合わせた合成語で、
尾びれの鰭条が中空の構造を持つ事による命名であったとされ、
また、国際動物命名規約によりここから科名Coelacanthidaeが作られ、
目名Coelacanthiformesが命名されました。
通称名としては、同目に属する様々な魚を指して英語で
coelacanth(シーラカンス)と呼ばれ、日本語でもこれに倣っております。
中でも、後に発見され一躍有名になったラティメリア属(Latimeria)の
現生種は、「シーラカンス」の名を担う看板的な存在となっております。
日本語の分類名としてはCoelacanthiformesをシーラカンス目、
Coelacanthidaeをシーラカンス科と呼ぶのに対し、属名Coelacanthusは
いわゆるラテン語風にコエラカントゥス(属)と呼ぶ事が多いとされております。
また、かつての日本での通称は「シーラカンサス」でありました。
・シーラカンス目は多くの化石種によって存在が知られており、
古生代デボン紀に出現して広く世界の水域に生息しておりましたが、
約6550万年前(中生代白亜紀末)の大量絶滅(K-Pg境界)を境に
全て絶滅したものと考えられておりましたが、1938年に南アフリカの
北東海岸のチャルムナ川沖にて現生種の存在が確認され、
学界だけでなく世界を騒然とさせました。
この種はシーラカンスの代名詞的存在でありますが、生物学上の名称は
ラティメリア・カルムナエ(Latimeria chalumnae)であります。
その後、1952年12月20日にはインド洋コモロ諸島で同じくカルムナエ種が、
1997年にはインドネシアのスラウェシ島近海で別種の
ラティメリア・メナドエンシス(Latimeria menadoensis)の現生が
確認されました。後者は日本語では生息地域の名を採って
「インドネシア・シーラカンス」とも呼ばれております。
・シーラカンスは8つのひれを持ち、骨格は脊柱を含め殆ど軟骨で出来ており、
肋骨が存在しません。また、浮き袋には空気ではなく脂肪が満たされており、
鱗は硬鱗であり粘液を放出しております。
シーラカンス目は卵胎生であると化石から推測されておりましたが、
現生種の解剖で証明されております。雄の外性器は未だに見つかっておらず、
交尾については依然不明であります。鱗を観察/研究した結果、
妊娠期間は少なくとも5年、寿命は100年と推測される結果が出ております。
シーラカンスの肉には油/尿素/ワックスエステルなどの化合物があり、
人間の消化能力では消化できない物質が多く含まれており、
味が非常に不味いだけでなく下痢を引き起こす恐れがあるなど、
人体に悪影響を与えるため、少なくとも人間の食料としては不適切であります。
また、鱗からは粘液を放出し、体から分泌される過剰な油と合わさって
体表面がとてもヌルヌルとしている特徴を持っております。
けものフレンズでは人面魚様を除いて基本的に魚類は扱っておりませんので、
シーラカンスのフレンズも公式には存在しておりません。
しかし、古代生物および「生きている化石」と呼ばれる動物といえば、
ヒラコテリウム様やオカピ様あたりが思い浮かぶかもしれません。
絶滅したと長らく思われていながら後にシーラカンスが発見された事から、
地球上にはまだまだ知られざる生物が存在し、
また、生物だけでなく多くの謎が秘められているのかもしれません。
本日もお祈りいたします、みんみー。
こちらをツイッターで紹介させてもらってもよろしいですか?
よろしくお願いいたします!