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みんみ教徒の集い / 3132

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流浪のみんみ教徒 2021/12/13 (月) 00:03:03 457e0@b56eb

本日は2006年に中国の長江流域の大規模な調査の結果、
ヨウスコウカワイルカが「ほぼ絶滅」と宣言された日であります。
・ヨウスコウカワイルカは、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目とする説もあり)
 ヨウスコウカワイルカ科ヨウスコウカワイルカ属に分類される動物で、
 世界で確認される4種の淡水生息のイルカのうちの1種であります。
 (他の3種はアマゾンカワイルカ/ラプラタカワイルカ/インドカワイルカ)
 中国の伝統的な物語においてヨウスコウカワイルカは、
 想いを寄せていない男性との結婚を拒否されたが故に、家族によって
 溺死させられてしまった姫の生まれ変わりとして描かれております。
 また、平和と繁栄の象徴と考えられている動物でもあり、
 「長江女神」即ち「長江の女神」の愛称でも呼ばれております。
 以前は長江の河口から宜昌にかけての1700kmの範囲と、
 洞庭湖や富春江下流域に分布しておりましたが、
 近年では生息域は数百kmにまで減少し、主に付属湖である洞庭湖と
 鄱陽湖の間にある中流域の長江本流に限られております。
 ヨウスコウカワイルカの特徴は様々な資料にて示されておりますが、
 その中でも際立ったものを幾つか挙げてみますと、
 ・祖先は約2500万年前には存在し、約2000万年前に海を離れて
  長江に移り住んだ事が化石から判明している。
 ・成体の体長は雄で約2.3m/雌で約2.5m、確認された最大の個体は約2.7m。
  体重はおよそ135~230kg。野生下での寿命は約24年と見られている。
 ・遊泳速度は通常10~15km/hほどであるが、
  危険からの回避など緊急の場合には60km/hに達する。
 ・視覚が弱いため、主なコミュニケーションの方法は
  ソナーによるエコーロケーションとなっている。
 以上の事だけでも、ヨウスコウカワイルカの特徴が際立っております。
 ヨウスコウカワイルカは紀元前3世紀頃に編纂された中国の辞典
 「爾雅」にも記述があり、当時の生息数は約5000頭と推定されており、
 1950年代の個体数はおよそ6000頭だったと見られておりましたが、
 中国の工業化/魚類の乱獲/船舶による水上輸送/水力発電(ダム建設)
 などの影響により、1970年代には数百頭の減少に留まったものの、
 1980年代には生息数が400頭まで減少し、1993年に着工した三峡ダムの建設は
 生息環境に対し致命的な被害を与えており、ヨウスコウカワイルカに対する
 本格的な調査が行われた1997年には僅か13頭にまで減少しておりました。
 本種を保護する努力は継続されておりますが、2006年の大規模な調査でも
 生息の確認はできなかったため、同年12月13日に絶滅が宣言されました。
 1979年にワシントン条約附属書Iにて絶滅危惧に指定されておりましたが、
 2007年9月12日にはIUCNも絶滅した可能性があると発表されております。
 2010年代に入って、長江にてヨウスコウカワイルカの可能性がある動物が
 目撃されておりますが、種の維持には最低でも50頭程度が必要と言われており、
 ヨウスコウカワイルカが危機的状況にある事に変わりはありません。
けものフレンズにおいてイルカのフレンズの方々といえば、
マイルカ様/バンドウイルカ様/シナウスイロイルカ様が挙げられますが、
ヨウスコウカワイルカは公式にフレンズ化されておりません。
是非とも公式にフレンズの仲間入りをさせてほしく思います。
ヨウスコウカワイルカの生息の危機は人類の活動による悪影響の典型例であり、
周辺の環境や生物への影響を省みない開発は、
いとも簡単に動物達の生息域を危機に陥れてしまう事を思い知らされます。
人類の活動は地球環境のほんのごく一部に過ぎず、
それは本来、健全な地球環境と共にあって然るべきであり、
まして、母なる地球に悪影響を与えるなどもってのほかであります。
私達もそれを肝に銘じておきたいものであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。

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