本日はみかんの日であります。
「いい(1・1)(1×2)み(3)かん」の語呂合わせに因んで、
全国果実生産出荷安定協議会と農林水産省によって制定されました。
なお、前述の2種類の語呂合わせから、
11月3日と12月3日の両日に制定されております。
・ウンシュウミカンはミカン科の常緑低木またはその果実の事であります。
現代において「みかん」とは通常、ウンシュウミカンの事を指しております。
和名ウンシュウミカンの名称は、江戸時代の後半に蜜柑の産地として
有名だった中国浙江省の温州市から名付けられ、温州から入った種子を
日本で蒔いてできた品種であるとの俗説がある事に由来しておりますが、
本種の原産地は日本の薩摩地方であると考えられており、
必ずしも温州から伝来したというわけではないとされております。
日本の不知火海沿岸が原産と推定され、農学博士の田中長三郎氏は
文献調査および現地調査から鹿児島県長島(現在の鹿児島県出水郡長島町)が
ウンシュウミカンの原生地との説を唱えられております。
鹿児島県長島は小ミカンが伝来した八代にも近く、
戦国時代以前は八代と同じく肥後国であった事、
1936年に当地で推定樹齢300年の古木が発見された事から、
この説が最も有力とされております。発見された木は接ぎ木されており、
最初の原木は400~500年前に発生したと推察されております。
「みかん」がウンシュウミカンを指すようになったのは明治以後であります。
江戸時代に普及していたのは本種より小型のキシュウミカン(紀州蜜柑)であり、
この時代の「みかん」といえばキシュウミカンの事でありました。
2010年代に行われた遺伝研究により、母系種はキシュウミカン、
父系種はクネンボという事が明らかとなっております。
・主に関東以南の暖地で栽培され、温暖な気候を好みますが、
柑橘類の中では比較的寒さに強いのも特徴となっております。
常緑小高木で高さ3~4メートルほどにまで成長し、花期は5月頃であります。
果実が結実して収穫するのは通常は秋頃でありますが品種によって異なり、
極早生温州の各品種が9月~10月頃にかけて、
早生温州の各品種が10月~12月にかけて、中生温州の各品種が11月~12月頃に、
普通温州の各品種が11月下旬~12月に収穫されます。
日本以外では、世界最大の産地である中国浙江省の寧波市/奉化市/寧海市、
他にアメリカのアラバマ州、スペイン、トルコ、クロアチア、
韓国の済州島、ペルーなどでも栽培されております。
・果肉にはプロビタミンA化合物の一種であるβ-クリプトキサンチンが
他の柑橘類に比べて非常に多く含まれており、この成分には
強力な発ガン抑制効果があるとの報告が果樹試験場(現在の果樹研究所)や
京都府医大などの共同研究グループによってなされ、近年注目されております。
オレンジ色の色素であるβ-クリプトキサンチンなどのカロテノイドは
脂肪に付着するため、ミカンを大量に食べると皮膚が黄色く変色する
「柑皮症」という状態となります。柑皮症の症状は一時的なもので、
身体の健康に悪影響を与えるものではありません。その他にもクエン酸や
食物繊維などが多く含まれます。白い筋にはヘスペリジンが含まれており、
動脈硬化やコレステロール血症に効果があるとされております。
・公益財団法人 中央果実協会は、果実基金制度の実施を目的とする他
果樹に関する行政施策と密接な連携の下に、生産から流通/加工/消費に至る
各種事業を総合的に実施している公益財団法人であります。
主な業務は、果樹経営に対する支援/新品目や新品種の導入に対する支援/
果樹優良苗木の供給体制整備に対する支援/
被害果実の利用促進等に対する支援/果実の流通加工の改善に対する支援/
パインアップル産地の構造改革/果実の消費拡大と食育の推進/
内外の果樹産業に関する調査や情報の提供/
国産青果物の輸出を促進する取組等への支援となっております。
1972年9月に(財)中央加工原料用果実価格安定基金協会
及び(社)県加工原料用果実価格安定基金協会(13県)を設立。
1975年9月に(財)中央果実生産出荷安定基金協会
(中央果実基金)に改組充実(府県段階も同時に)、
全国及び府県に「果実生産出荷安定協議会」を設置。
1978年12月・1984年4月に日米合意によりオレンジや
オレンジ果汁の輸入枠を拡大。
1985年7月に果樹農業振興特別措置法が改正され、
「特定果実」にウンシュウミカンを指定。生産出荷安定指針による
計画生産出荷促進事業や調整保管事業を規定、
中央果実基金がこれらの事業を全国的に実施する指定法人となる。
1988年6月~10月に日米合意により自由化(パインアップル調製品1990年、
オレンジ1991年、オレンジ果汁1992年等)及び
自由化までの輸入枠/自由化に伴う国内対策骨子を決定。
ならびに原料価格安定制度を改正、果汁工場を合理化、
緊急特別対策資金を造成。
1993年12月・1995年4月にGATTウルグアイラウンドにて農業交渉合意
(果実及び加工品の関税の段階的引き下げ)。
同合意対策として、果樹等緊急対策資金の造成と
みかん等果樹園転換等を開始。
1999年7月に「農業基本法」に替わる新たな「食料・農業・農村基本法」が成立。
2001年4月にウンシュウミカン及びリンゴについて、
生果を対象として価格補てんを行う経営安定対策等を開始。
8月に「果物のある食生活推進全国協議会」を設置し、
「毎日くだもの200グラム運動」を開始。
2007年4月に優良品目や品種への転換、園地整備、
新技術の導入などの取組を支援する果樹経営支援対策事業を開始。
2010年4月に果樹対策事業は中央果実基金に積み立てた基金による
事業から単年度の補助金による事業に変更。
2011年4月に優良品目・品種への改植後の未収益期間を支援する
果樹未収益期間支援事業を開始。
2012年4月に新公益法人制度による公益財団法人中央果実協会へと移行。
2015年4月に果樹経営支援対策事業等が国の公募事業となる。
2015年補正として、外食産業等と連携した需要拡大対策事業
(新商品の開発/青果物対象)を開始。
2018年7月に国産青果物の輸出を促進する取組等を支援する事業を開始。
前日にも書き込みをさせていただいた通り、
ジャパリパークでは様々な農作物が生産されております。
果物の中で最も身近な存在の一つであるミカンは、含まれる成分や
栄養価などの面から考えても、ジャパリまんの原料として数多く生産され、
ジャパリまんの構成要素として大いに活用されているであろうと思われます。
寒い時期の日本ならではの風物詩として、
家の中でゆっくり「こたつでミカン」という過ごし方が定着しております。
前述の通り、ミカンには様々な栄養価や効果があり、
身体をゆっくりと暖めながらミカンを食べる事は実に効果的なのであります。
ミカンを頬張りながらゆっくりと過ごす冬も乙なものであります…♪
本日もお祈りいたします、みんみー。