本日はハロウィンであります。
現在のところウイルスの影響は少なくなりつつありますが、
以前のように大勢の方々が集まられるのは未だ難しいようであります。
しかし、ハロウィンは本来穏やかな行事でありますので、
家庭にてゆっくりと過ごされるのも一興かと思われます。
本日は1977年に自然環境における天然痘の
最後の感染事例が報告された日であります。
・天然痘は天然痘ウイルスを病原体とする感染症の一つであります。
疱瘡(ほうそう)または痘瘡(とうそう)とも呼ばれ、
医学界では一般に痘瘡の語が用いられておりました。
疱瘡の語は平安時代、痘瘡の語は室町時代、
天然痘の語は1830年の大村藩の医師の文書が初出であります。
・ヒトに対して非常に強い感染力を持ち、全身に膿疱を生じます。
致死率が平均で約20%から50%と非常に高く、
仮に治癒しても瘢痕(一般的に「あばた」と呼ぶ)を残すのも特徴であります。
天然痘ウイルスは、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に属する
DNAウイルスで、直径は200nmと最も大型の部類のウイルスであります。
天然痘の原型となるウイルスはラクダから人類へと入って変化を起こし、
天然痘ウイルスが成立した可能性が高いと考えられております。
ヒトのみに感染/発病させますが、膿疱内容をウサギの角膜に移植すると
パッシェン小体と呼ばれる封入体が形成され、
これが天然痘ウイルスの本体と考えられております。
また、牛痘やサル痘、ラクダ痘といった近縁種の病気が存在します。
サル痘はしばしば重篤化して人命を脅かす事がありますが、
牛痘やラクダ痘などほかの近縁種の病気は人類に感染しても
軽い発熱や水疱が出る程度と非常に軽い症状で済む上に、
できた免疫は天然痘と共通するものとなっております。
この性質を利用して、牛痘をあらかじめ人類に接種する種痘法が確立され、
天然痘の撲滅が達成される事となりました。
・大まかな症状と経過は次のとおりであります。
・飛沫感染や接触感染により感染し、7~16日の潜伏期間を経て発症する。
・40℃前後の高熱、頭痛・腰痛などの初期症状がある。
・発熱後3~4日目に一旦解熱して以降、頭部や顔面を中心に
皮膚色と同じまたはやや白色の豆粒状の丘疹が生じ、全身に広がっていく。
・7~9日目に再度40℃以上の高熱になる。これは発疹が化膿して
膿疱となる事によるが、天然痘による病変は体表面だけでなく、
呼吸器・消化器などの内臓にも同じように現われ、
それによる肺の損傷に伴って呼吸困難等を併発。
重篤な呼吸不全によって、最悪の場合は死に至る。
・2~3週目には膿疱は瘢痕を残して治癒に向かう。
・治癒後は免疫抗体ができるため、二度とかかる事はないとされる。
天然痘ウイルスの感染力は非常に強く、患者のかさぶたが落下したものでも
感染力が1年以上も持続します。天然痘の予防は「種痘」という
ワクチン接種が唯一の方法でありますが、
種痘の有効期間は5年から10年程度とされております。
けものフレンズにおいて病気で思い浮かぶものといえば、
旧アプリ版における「ガオガオ病」かもしれません。
ナカベチホーにおいてサーバル様とトキ様がガオガオ病にかかられましたが、
ギンギツネ様が開発されたワクチンによって治す事に成功しております。
ガオガオ病の原因は巨大セルリアンの虹色の粘液であるとされ、
ギンギツネ様はそこからワクチンを開発されたのかもしれません。
現在、こちらの世界でも感染が続いている新型ウイルスは
天然痘ほどの感染力や重篤化率ではないにせよ、
現在において最も気をつけなくてはならない感染症となっております。
ワクチンは有効な手立ての一つであり接種はもちろん重要ですが、
手洗いやマスク等の基本的な感染対策も引き続き行う必要があります。
1日も早く気兼ねなく過ごせる状況に戻る事を願っております。
本日もお祈りいたします、みんみー。
天然痘ワクチンが牛痘に感染した牛の細胞を元に作られた
→ワクチンの語源は「(雌)牛」なんですよね