本日は1907年にグリエルモ・マルコーニ氏がカナダとアイルランドの間にて、
世界初の商用大陸間無線通信業務を開始された日であります。
グリエルモ・ジョヴァンニ・マリア・マルコーニ氏は、
無線電信の開発で知られるイタリアの発明家/起業家でいらっしゃいます。
1874年4月25日にボローニャの裕福な家庭のお生まれになり、
多くの家庭教師によるマンツーマン指導を受けられたため、
学校に殆ど通われる事なく数学/物理/化学等を学ばれました。
特に、ニッコリーニ高校の教諭ヴィンツェンツォ・ローザ氏や、
ボローニャ大学のアウグスト・リーギ教授の存在が大きいとされております。
マルコーニ氏は科学、特に電気に興味を持たれており、
自宅の屋根裏にて装置を自前で作成されて実験を開始されました。
その目標は電波を使った無線電信の実用的システムを完成させ、
電線を使わずに電信のメッセージを遠隔地に伝送する事でありました。
1895年夏には屋外にて約1.5kmの距離の通信実験に成功されましたが、
イタリアではマルコーニ氏の成果に興味を持たれる方が少なかったため、
翌年に母親と共にロンドンに赴かれて支援の約束を取りつけられ、
パラボラ反射鏡付き送受信機のデモンストレーションを行われました。
これがタイムス紙に取り上げられた事により全英に知られる事となり、
更に1896年10月にアメリカの科学雑誌でも取り上げられた事によって
アメリカでも知られる事となりました。その後も公開実験を繰り返され、
マルコーニ氏は国際的にも更に注目される事となりました。
この無線技術は国際ヨットレースのアメリカズカップにも用いられました。
その頃、陸上には既に電信線が張り巡らされ、またドーバー海峡や
大西洋には海底ケーブルが敷設されていたため、マルコーニ氏は
船舶を対象とした遠距離無線通信サービスへの参入を考えられました。
その後、様々な海上無線通信の実験を繰り返されると共に
海上公衆通信の商用化を目的とする会社を設立され、
1900年5月15日より電報サービスの営業を開始された事により、
恒久施設による海上公衆通信のビジネス化を実現されました。
大西洋横断電信ケーブルに対抗すべくマルコーニ氏は実験を開始され、
1901年12月12日にコーンウォールのポルドゥーから発信した信号を
ニューファンドランド島セントジョンズのシグナルヒルで受信する
約3500kmの遠距離通信に成功したと発表されたものの、
成功を疑問視する懐疑的な見解が示された事により、
更に体系的で文書も整えた実験を繰り返されました。
1902年12月17日には北米側からの初の大西洋横断無線通信に成功され、
翌年1月18日にはセオドア・ルーズベルト大統領から
イギリス国王エドワード7世へのメッセージの発信を実現しております。
その後、マルコーニ氏は高出力の無線局を大西洋の両岸に建設され、
1907年10月17日には大西洋を横断する無線電信サービスを確立されました。
1909年には一連の無線通信の研究が評価され、
ノーベル物理学賞を受賞されております。
その後、1913年には真空管式無線電話の研究開発に着手され、
1920年1月15日には真空管式6kW送信機によるイギリス初の
娯楽ラジオ放送の試験を開始されましたが、イギリス空軍の無線システムへ
混信を与える事が問題となった事で同年秋に放送は中止されました。
その後、ラジオ放送再開を求める陳情が繰り返された事から、
出力を制限した上での放送が許可されましたが、ラジオ放送は
1922年10月18日に誕生させた英国放送会社(BBC)に移管されました。
その後は、第一次大戦におけるイタリア軍従軍時の「ビーム通信」の研究など、
以前に用いられていた短波の研究を本格的に行われ、
パラボラ反射器の研究やそれを用いた電波灯台の実験を行われました。
1933年にはUHF(500MHz帯)を用いた同時通話式の
無線電話回線の公式運用を開始しております。
なお、遠距離通信の研究は英国電気学会(IEE)にて発表されております。
晩年のマルコーニ氏はファシズムの熱心な信奉者となられ、
1935年に勃発した第二次エチオピア戦争において影響を及ぼされました。
1937年7月20日、心筋梗塞によりローマにて63年の生涯を閉じられ、
イタリアでは国葬が執り行われました。
けものフレンズにおいて無線通信で思い浮かぶ場面といえば、
アニメ一期のラッキービースト様かもしれません。
黒い大型セルリアンからみんみ様を救出された後に、
みんみ様を守られるためにかばん様はセルリアンの前に残られました。
その際、ヒグマ様が抱えられるラッキービースト様から信号が発信され、
他のラッキービースト様に伝えられた場面が印象的でありました。
これが、フレンズの皆様によるかばん様の救出作戦に繋がる事となります。
今や世界の様々な活動において無線通信は不可欠であり、
その技術はますます高度なものとなっていく事でありましょう。
マルコーニ氏を含めた多くの技術者の方々には頭が下がります。
本日もお祈りいたします、みんみー。