本日はラブラドール・レトリバーの雌の盲導犬「アロマ」の命日であります。
・アロマは2001年3月31日、福岡県大野城市にある
繁殖ボランティアの家庭で誕生したラブラドール・レトリバーであります。
「アロマ」の名前は、かつて福岡盲導犬協会から「功労犬」に認定された
同名の祖母に似ているとの事から名付けられたものであります。
2001年5月に鹿児島県のパピーウォーカーの家庭に引き取られて育った後、
2002年5月に福岡盲導犬協会に移って盲導犬の訓練を受け、
同年11月17日に行われた長崎ライオンズクラブ設立45周年の
記念式典において視覚障害者である演歌歌手の岸川美好氏に貸与されました。
2003年1月16日に佐賀県嬉野町(現在の嬉野市)から「アロマ」に対して、
人間以外へは日本初となる特別住民票が交付されました。
当時の町長の谷口太一郎氏は次のように述べられております。
『町民に一生を尽くす盲導犬は町民と同様だと思う。
生き物や動物を大切にする心を町民により育んでもらうためにも、
喜んで“町民”と認定することにした』
2003年6月16日より「アロマ」と飼い主の岸川夫妻は盲導犬普及へ向けた活動と、
2002年10月1日に施行された「身体障害者補助犬法」の周知のため、
47都道府県の庁舎を表敬訪問する約2か月間の旅を敢行されました。
また、2004年の6月16日からは、約4か月をかけて佐賀県の当時の
49市町村を巡られて各首長と面会されました。
2011年5月16日に行われた引退式をもって8年半の務めを終え、
同日に「アロマ」は九州盲導犬協会から「功労犬」として表彰されました。
引退後は鹿児島県のパピーウォーカーの元へ戻って余生を過ごし、
2012年10月2日におよそ11年半の生涯を閉じました。
・岸川美好氏らによる前述の全国行脚の中で、庁舎の表敬訪問と並行して
各地で街頭募金を実施されたところ多くの募金が寄せられた事から、
本格的に募金活動を行うために岸川氏を代表者とする組織
「盲導犬育成支援の会・アロマ基金」(通称「アロマ基金」)が設立されました。
この基金は2006年にはNPO法人化しております。
「アロマ基金」の主な活動内容は、盲導犬に対する理解や「身体障害者補助犬法」の
広報を目的とした行政機関/学校/ボランティア団体などへの訪問や、
盲導犬の贈呈や育成のための資金を集める募金などでありました。
こうした取り組みが評価されて2008年には「アロマ基金」が
「第2回佐賀県ユニバーサルデザイン大賞」の優秀賞を受賞しております。
2011年5月までの時点で10頭の盲導犬が
この「アロマ基金」から視覚障害者へ贈られております。
その後、2012年12月15日をもって「アロマ基金」は清算結了となりました。
けものフレンズにおけるイヌまたはイヌ科のフレンズの皆様は、
様々な性格を持ち合わせておられる個性豊かな方々であります。
その中には盲導犬や介助犬のような献身的な方々もおられ、
アニメ二期におけるイエイヌ様がイメージしやすいかもしれません。
盲導犬や介助犬などの動物は命を支えてくれる大切な仲間であり、
彼らも私達と同じ住民である事を忘れてはなりません。
そしてこれは、ペットや人から離れて暮らす動物も同じなのであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。