2019年 9月12日(木)23時01分42秒
れはたった一枚の紙で始まりました。
札幌の天候が悪く運航しません。
って「札幌の」かい!
確かに台風15号は成田空港に迫っております。
ただ天気予報では、予定便の離陸は午後7時15分、予想風速は4mほど勿論のこと雨なしでまあ飛ぶに際してのネガティブ要素はどこを探しても見当たりません。
百歩否二百歩譲って、「成田の天候が悪く」とした理由ならあたしも納得はしましょうとも・・・。
嫁に電話して「札幌の天気ってそんなに悪いの」「いや全く問題ないよー」
兎に角、「運休なんです」と、これがわかったのが午後5時過ぎ、当然ですが皆考えることは一緒です、すでに遅い便の方は保険で空港周辺のホテルの予約を取っているので、いまさらそれが取れる筈も有りません。
あたしゃー、「今日は帰れない」と腹は括って、明日の飛行機の確保を試みました、ANA20時確保に成功しました。
ただこれが後に分かったのですが、悶絶の往生を生む、羽田発でした。
日付が変わる寸前、成田の時間調整者が待機できる待合所にて、「子供さんに良かったらどうぞ」何とかキープしていた座席を幼い子供連れの親子に泣く泣く譲った刹那、携帯が鳴ります。
「管理人さん、もしかして予定便飛ばなかったんじゃないですか?」「えっ、いやまあはいそうなんですよね」「実は迎えに来てますので我が家に泊まりませんか」
今回の三名湖への旅程で、車で成田のピストンをしてくれた浅草へら研究会のHさんからの電話でした。
いやー自業自得ですから甘んじてこの環境を・・・、と言えるほど管理人は若くなく「そうですか~じゃ甘えてもいいかなー」「いいともー」
有り難い申し出に、譲る神あれば拾う神もあるんだなーと心から思わされました。
「じゃおじさんはお友達の家に泊めてもらうけど、明日また会おうねー」なんて言葉をその子と交わし、バイバイキーン・・・。
そして朝方4時頃から物凄いことになりました、管理人の経験では一度も味わったことのない、濠風です。
Hさんの鉄筋の家も揺れるほどの風で、しかもテレビで情報収集中・・・「あっ停電した」。
実は明け方の5時前ごろここからの1時間は、それまでの豪風がそよ風に感じるほどの更なるそれが打ち付けます。
正直、窓はいつ破れても不思議ではないほど、屋根が壁が・・・。
ただ唯一幸いだったのは、超コンパクト台風といったことで、この時間が約1時間弱と大変に短かったことが翌朝を迎えることが出来た大きな要因でした。
兎にも角にも、夜は明けて同氏のご自宅で昼近くまで待機させていただき、お昼頃成田空港に送っていただきました。
そしてまたあの待合室に・・・。気丈な子供は空港内のベンチの一人分で夜を明かしたとのこと、ご両親にはものすごく感謝されましたが、ごめんねおじさんだけ布団で寝てしまって・・・。
まあ実質3時間ぐらいしか寝れなかったけど、そんなことここで言ったらひっぱたかれるよね・・・。
まずはメシ、って空港内のお食事場は長蛇の列で凄いことになってます。
平素でも、並んでまでメシを食うことが嫌いな管理人にあっては、コンビニでパンとコーヒーを買い込みクーラーが効いている空港内のベンチに空きなど有る訳もなく、フェーン現象でうだるような暑さで陽に炙られている外のベンチに腰掛け、モグモグタイムです。
空いているとはいえ、パラパラと外国人は座っています、おそらくその浅黒い肌から、きっと熱帯に住まいを持っているのであろう、「慣れてる」ひとの中にあって、寒帯寄りの温帯に住む管理人は酷く不釣り合いだったでしょうともハイ。
モグモグ途中で、暑さで尋常ならざる汗を抱きながら、クラーの効いている空港内に戻り、さて問題はどうやって羽田へ行こうかです。
ネットでは陸の孤島とかやってるし、情報では都内でタクシーを捕まえた人が、成田に入るのに9時間かかったとかやっています。
この時午後1時頃9時間を足すと午後10時ですから、兎に角「タクシーだけは無いな」といった結論に達しました。
しかして成田から羽田へうーん。
ここで吉報が、平素から管理人は航空券の関係は妻の弟に丸投げしています、羽田20時もその彼がキープしてくれていました。
「兄貴、とりあえず成田発ANA17時55分にキャンセルが一席キープできたから第一ターミナルに移動して免許証を提示してくれ」です。
神!!どうやらあの子に席を譲ってから、自身を取り巻く潮目が変わったのかツキが回ってきました。
あたしゃー循環バスに飛び乗り第一ターミナルに移動しました。
ANAの搭乗手続きのポイントに向かうと途方もないほどの人でごった返しています。
「ここかな」、エイヤーと並んで1時間半ほどが経ちました、人波を徘徊してあれこれと差配をしているANAの職員さんが「いやーお客様実はこの手続きは本来であればお隣の列に・・・」「はいはい、勿論当然ですあたしゃー隣の最後尾に向かいますよー出発時間まで4時間以上あるしねー」爽やかに何事もなかったように移動したあたしに彼は面食らったようです。
ここでブーブーは、紳士のすることではありません、寧ろ周りの範たる立ち居振る舞いこそクールというものであります。