さっき翻訳小説の『三体』読み終えました。
とにかくびっくりしました。この本はいわゆる「異星人コンタクトもの」なんですけど、冒頭が文化大革命時代の血みどろの内部抗争のシーンから始まるので……。
『三体』の著者、劉慈欣さんに現地の記者が話を聞いてくれました。文化大革命のこと、小松左京への思い……。これほど王道のSFがなぜ書かれたのか。
— 高津祐典 (@yusuketakatsu) July 14, 2019
ロングインタビューを、あす15日午後7時に朝日新聞デジタルで公開する予定です。 pic.twitter.com/XB3tTDJCiO
この本にはサスペンス的なシーンとか宇宙人のシーンもあるんですけど、そっちはむしろ息抜きパートに近いです。それ以上に、文革による科学の迫害と近代 現代(近代は古すぎました)の環境破壊によって、主人公の一人が人類に絶望する過程こそがこの本の本流に思えます。たぶんけものフレンズや生物が好きな人にとっても興味深い本だと思います。
この本を読むと、どうしても今の現実と『三体』に描かれる人類の過ちとを照らし合わせたくなります。しかしあとがきによると、あくまで小説とはフィクションで、現実への批判がメインではないと著者も考えているようなので、そこは注意が必要です。ただ、この本の登場人物の人類への「絶望」にはつい共感してしまいます。
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