ポケモンにまつわる怖い話を集めようというトピック。 実話も創作も伝聞も感想もOK。
さて、遅くなり過ぎても帰って来られるか心配なので、昼のうちに出発した。 ムクちゃんに乗ってまずはゆっくりと飛んでもらう。 「調べて気がついたけど、お墓って意外と少ないね」 「ええ、小さいお墓なら森の中にあったりするけど、大きな墓地はロストタワーくらいしかないですね」 わたしの問いにサヤが答えた。 けど、それだけじゃない。 「それもそうだけど、人のお墓って無いのかな」 と口にする。これがわたしのもう一つの疑問だ。 死者へ祈る気持ちはポケモンだけに向けられるものではない。 「だって、人が死んだらゴーストタイプのポケモンになるじゃん」 と言うのはリカである。 「ううむ、本当にそうなのかな」 とうなりながらも、わたしは嫌なものを想像してしまった。 この世をさまよう霊であると、成仏のため火にかけられるゴースト。 死者の本体として墓に納められるゲンガー。
悪霊を払うように頭を振ると、リカが笑って言う。 「それにほら、骨を川に流すと肉をつけて帰ってくるんでしょ」 わたしはふらりと倒れそうになった。 墓なんかよりもおまえの方が怖い。しかしそんなリカにサヤがふふ、と笑い 「その昔話は姿を変えるポケモンから生まれたといわれているんですよ」 初めて耳にする話だった。神話の研究は盛んだというが、サヤもよく調べるものである。 「ただ、シンオウには不思議がたくさんありますからね、もしかしたら本当にそんなこともあるのかも。その姿を変えるポケモンはドラゴン、ゴーストタイプと言われているんですよ」 ゴーストタイプ……背筋が凍った。 「ん、ナユタ怖いの?」 青ざめるわたしにリカが笑っている。 「怖いに決まっている」 二人のせいじゃないか。なぜこうも肝を冷やす話を繰り広げられるのか。 だけど、それが楽しみだった。 向こう見ずで突き進むリカと、オカルト知識の豊富なサヤ。 もしかしたら、怖い世界を進むうち、なにか想像もしない新しいものに出会えるような。そんな冒険心。 「こっちで大丈夫みたいですね、よしムクちゃん!」 の一言で速さが増して、一瞬でソノオを囲む花畑が遠ざかった。
しばらくすると、テンガンざんが見えてきた。 「ようやくテンガンざんかー」 「いくらムクちゃんが速くてもシンオウは広いですからね。でも、テンガンざんをこえたらすぐそこですよ」 ようやくヨスガシティにたどり着いた頃には三人ともへとへとで、元気そうなのはムクちゃんだけである。さすがムクホークだ。 休憩にヨスガのポケモンセンターに寄るが、ゆっくりはしていられない。夏の長い日も暮れかけている。 歩き、ときどきムクちゃんに乗りながら道を進むことしばし。ヨスガの東、209ばんどうろの途中にその建物はある。 「さっそくはいってみますか!」 ロストタワーへの階段を下りるわたしたちの前に家族と思しき二人組が現れる。リカのテンションで忘れてしまいそうになるが、ここは墓場だ。今しがたお参りをしてきたのか、はたまた埋葬をしてきたのか。親は沈んだ表情で、違うの、違うのと涙声で繰り返す子を慰めながらロストタワーから去っていった。 いったい、なにが違ったのだろう。 「……行こう」 沈黙のなかわたしが言うと、リカも元気を取り戻した様子でロストタワーへと入っていった。
薄暗い部屋に墓が並ぶ。そんな空間を想像していたわたしは面食らった。明るい。妖気を帯び、ゴーストタイプの気配もあるが、夜にもかかわらず部屋は明るく、ひとけもある。一言でいうと怖くない。 案外こっちのほうが死んだポケモンにもいいのかもしれない。 床には草が植わっていて、いろどりを部屋に与えている。サヤによるとこの草の吐く水分により冬には霧が立ち込めるという。 「これってなにが埋まっているんだろう」 二階に進むと、リカが興味深そうにお墓の並ぶ部屋を見わたす。 「骨じゃないの?」 「うーん。骨がないやつもいるじゃん?」 たしかに。 不意にゴースがとびだしてくる。こいつだっていつか死ぬのだ。 やせいのポケモンから逃げ、ときにサヤのムクホークに戦ってもらいながら、順調に上へ進む。 あっさりと最上階に着いた。 「うーん、あんまり肝試しってかんじじゃなかったね」 「いいことじゃないですか。ここなら亡くなったポケモンたちも安らかに眠れそうです」 実はさっきのリカの疑問が気になっていた。この墓にはいったい何が納めてあるというのか。
ふと、部屋にスーツ姿の人がいることに気がつき、声をかける。 「ここのお方ですか?」 その人はええ、とうなずくと、ここで手伝いをしていると話してくれた。 「お墓には一体なにが納められているんです?」 少し迷いながらわたしはきいた。 「そうだね、だいたいは亡くなったポケモンを火葬して遺骨を納めるか、からだをそのままひつぎに納めて地面の下に埋めるね。そうそう、だからここは床が土なんだよ」 なるほど、とうなずきながらお墓に目をやる。ふと、一つのお墓にモンスターボールがお供えされていることに気がついた。生前入っていたボールだろうか。 「ああ、そうそう。そのこの思い入れのあるものを納めるってこともあるね。寝ていたベッドや愛用のもちもの、それにモンスターボール」 感傷にひたりながら聞いていたわたしは最後の言葉にぞくりとした。 モンスターボール……。主を失い閉じたままのモンスターボール。土の下に閉じ込められた中身のわからないモンスターボール。あるいは……。 二人に目をやると、同じものを想像してしまったのか顔を凍りつかせている。 ロストタワーへの入り際ですれ違った親子を思い出す。 むくろが見つからないってこともあるからなあ、と言う職員に軽く礼を言って足早に下の階へ向かう。 屋上のどうぐ目当てらしき二人組が傍らを駆け抜ける。彼らをよけつつ、わたしは悪寒に耐えていた。 階段を下りても下りても、頭の中の「違うの」の声が鳴りやまない。いったい、なにが違ったのか、考えたくなかった。
シンオウ怖い話/墓
もう一つ投下します。
「肝試し、その2!!」 と、親友が言ったのが始まりである。 「はあ、今度はどこに行くんです」 と言う、もう一人の親友は疲れ切った顔をしている。 結局、この前の肝試しはその日のうちに帰るのを諦め、ポケセンで夜を過ごした。次の日にムクホークに乗って帰ろうとしたわけだが、これがまあ天気の悪い日で、テンガンざんに落っこちそうになりながらもなんとか近くの街に降り立ち、風が止むのを待ったら次の日になってしまった。当然着替えもなく、特にムクホークのトレーナーのサヤは疲れ果てていた。 「もちろん、もりのようかん!」 さすがにリカも懲りたのか、近い場所を選んだようだ。単純に有名な場所だからかもしれないが。 しかし、もりのようかんである。
「あそこって、本当に出るっていう……」 サヤに目をやると彼女はうなずき、 「ええ、怖いもの好き方面ではカントーのポケモンタワー並みに有名な場所です」 「ポケモンタワー?」 リカが興味深そうにサヤにきく。 「ロストタワーのような墓地ですが、段違いに怖い場所……だったといわれています。もうないんですけどね」 リカはええーと本当に残念そうにしている。ポケモンタワーがまだあったら、すぐにでも飛び出して行ってしまいそうだ。 「ええと、ホウエンにも怖い場所があるんですよ、おくりびやまっていって……」 「どこどこどこ?」 「もりのようかんに行くんじゃなかったのか」 ホウエン旅行になりつつある流れを元に戻す。 「わすれてたわすれてた。本当に出るか見に行かなきゃねー」 もりのようかん。一部では有名な館だが見たことはない。旅の経験があるというサヤも一人で入るのは怖かったようで、前を通り過ぎただけだという。 いわく、老人と少女の霊が出る館。死しても部屋の中で逃げ続けている霊。 これはうわさが本当か見定めねばなるまい。肝試しにはぴったりといえる。
「今日行くの?」 「あったりまえでしょ」 即答である。 「ハクタイのもりの中でも向こう側なので少し遠いですが、暗くなっても帰ってこられると思います。少なくとも、もりのようかんで夜を越す必要はないでしょう」 もりのようかんで……夜を越す……。尋常じゃないことをさもあり得た展開かのようにさらっと言うな。 「なにそれ! 今までやった人居ないんじゃない?」 「どうでしょうかね。でも興味深くはあります」 全く興味深くない。一晩中悪夢を見そうだ。 「寝るんなら二人で寝てきてくれ」 「もーなにそれ」 「つれませんね」 え、マジでやる気なの? この二人の底知れない度胸なのか、それともある種のジョークセンスなのか。一緒にいるだけで何かが同調というか共鳴というか共振というかなんかして寿命が縮みそうだ。 「まあそれは冗談としてさっそく行きますかー。ムクちゃん元気?」 「元気ですよ」 「待て、出すなよ、ここで出すなよ、またわたしの家を散らかされたらこまるんだあばっ」 かくして、わたしたちはもりのようかんへ飛び立った。
「ここらへんですかね」 ムクちゃんの上からハクタイのもりの出口らへんを見下ろす。 「あれじゃない?」 リカが指をさす。 木々の間の切り開かれた土地。まばらにくさむらが茂り、その向こうに建物が見える。 見るからに寂れた、暗く沈んだ雰囲気。まだ日は出ているというのに。 「ちょっと早く来すぎちゃったね」 「出るころには夕方くらいになってるだろうし、一応肝試しにはなるんじゃない」 木々のひらけた森の出口近くに下りて少し歩き、もりのようかんの柵の前に立つ。左右には岡が切り立ち、日を遮っている。柵の入り口の木々をわたしたちが通れる分だけなぎ、その向こうの生えっぱなしのくさむらをムクちゃんに守られながら進むと、あれほど遠くに沈んでいるように見えた建物が目の前に待ち構えているのであった。 「おお……」 とリカから声が漏れる。 「は、入りますよ」 きしむ扉に手をかけて……開けた。 妖気……と呼べるだろう。やせいのポケモンだろうか、ゴーストタイプのポケモンのにおいがする。家の中なのに。開けた隙間から、扉越しでも感じられた妖気があふれ出てくる。日中にも関わらず薄暗く、陰の中を見渡すかのようだ。
「やばいやばいやばい」 サヤに続いてリカとわたしが陰の中へと侵入する。 さてまずは食堂だったか。 「食堂でおじいさんの霊が現れるそうです。どこでしょうかね」 エントランスホールを三人で歩き回っていると、闇からゴースがとびだす。 「ここはわたしがやっちゃろう」 とリカがモンスターボールを投げる。ポッタイシがボロボロの床に着地する。 「ポっちゃん! メタルクロー!」 ナイトヘッドの幻影を切り裂き本体に迫り、そのままゴースに翼がたたきつけられる。 「よっし、続けて!」 反対側の翼がすかさずゴースをとらえる。 リカがふらついたゴースにモンスターボールを投げると見事捕まった。 「いよっし」 「ここが食堂みたいですね」 「おい、こら先に行くな」 駆け寄ってくるリカ。 「ポっちゃんポッタイシになったんだね」 「そうそう、このまえ進化したんだ。ゴースちゃんも早くゴーストにならないかな」 「それより幽霊ですよ……出ませんね」
サヤが食堂を見渡す。 長い、何十人と並べそうなテーブルが座る人を失った部屋は、それだけで不気味さがあった。 「うーむ」 リカも見えないのか困ったような声を上げる。目をパチパチしている。 「どこにも見当たりませんね」 何度か出入りしてみたり、一人だけで食堂に入ってみたり試したものの、サヤは諦めた。 「まあ、こんな騒がしいですし、仕方がないのかもしれません」 「楽しいから出てくればいいのに」 食堂から出るとサヤが階段へ向かう。 「次は二階の幽霊ですね。えっと……あ、ゴースはムクちゃんにまかせてください」 部屋の一つの前にサヤが立つ。二階の奥には部屋が並んでいるが、右端から二番目がうわさの部屋のようだ。 「この部屋に出るというわけではないんです。出るのはこの右の部屋だといいます。この部屋に入ると隣の部屋から人が出る気配がして、急いで廊下に出ても幽霊とは会えない」 「ふーむ。なのに『少女の霊』?」
リカの疑問はもっともである。なぜ見えないはずの幽霊が少女であるといわれているのか。 「ってことは、誰かが見たってことだね」 「よし、わたしが隣の部屋の前で待ち構えているか」 「でもまずはみんなで入ってみましょう?」 サヤに従って、三人で部屋に入る。 「……」 「なんか音した?」 「なにもしませんね」 「もう一回やりましょう」 三人で出て、入る。 「ううん?」 「もう一回です」 再び出て、入る。 「今度はわたしが外で見ていよう」 とリカが言い、わたしとサヤだけで入る。 「……うーん」 サヤが首をかしげる。 「リカ、なにか出た?」 「ううん、なにも」 廊下から顔を出したリカが残念そうに答えた。
そのあとは不気味な絵だとかテレビだとか銅像だとかを楽しんで帰ることにした。 「幽霊出なかったね」 「残念でした」 わたしは壁にかかる絵を眺める。草原と森林、湖に映る青空。なんだか逆に恐ろしい。ここで何があったのかはわからない。しかし、この絵の中にしか自然を知らない人のことを想像する。この絵だけが明るさをくれる生活を想像する。 「でもまあ、肝試しにはなったな」 サヤが扉を開け、リカと一緒に外に出た。 「おじゃましました」 とお辞儀をする二人にわたしは言う。 「ちょっとまっててね、すぐ行くから」 「はーい」 扉が閉じる。 「ねえ、幽霊って信じる?」 「ふふっ」 わたしは笑った。
「やっぱり見えるんだね」 「うん、ずっと見えてた」 「不思議だよね、幽霊って」 「ゴーストタイプのポケモンがいるくらいだし、ありえてもいいんじゃないの」 傍らに背の低い少女が立っていて、前を向いたままわたしと話している。幽霊が幽霊を疑う話を。 そして、少女は自らの手を見つめて言った。 「ヒトはモノでしかない。ヒトが死んだって、モノがモノになるだけ」 「でも実際にここにいる」 「うん、だから不思議……わたしというモノはとっくに死んで、それだけ。それだけなのにな」 そんな彼女にわたしは首を振って、 「なんだか似ているな、人間と」 「そう?」 「うん。同じみたい」 少女は少し考えると、 「『むかしはひともポケモンもおなじだったからふつうのことだった』。 もしかすると、わたしは人という皮を被ったポケモンから、幽霊という皮を被ったポケモンになったのかも」 それを言うなら、もっとわかりやすい浸透した概念があるじゃないか。 「それはポケモンをほかの単語でも言い換えられる。例えば……」 「魂じゃない!」 彼女は強くそう言った。 「魂なんていうものじゃない。もっと物質的なものだ。これは、わたしはモノだ」 冷静に話す彼女は、そう言い終えると少しほほえんだ。 わたしも笑い返す。
「うわさだと上の部屋で出るって聞いたけど、ここまで来られるんだ」 わたしが言うと、彼女はやや胸を張ってからわたしの前を歩く。 「がんばってここまで歩いてきたんだ。もう家の中ならどこでも行ける。 今は外に出る練習中」 「そっか」 わたしは扉を開けてこっちをみるサヤに気が付いた。 「じゃあね」 わたしは手を振って、扉の外に出る。 「おじゃましました」 扉を閉じた。
「もう、幽霊と話してたんですか? 教えてくださいよ」 歩き出すなり、ちょっと不機嫌そうなサヤが言った。 「ずっと隣で見てたよ、教えてもわからなかったでしょ」 わたしがそう言うとサヤは悔しそうにしたが、すぐ笑顔を浮かべた。 「でも、幽霊さんが元気そうでよかったです」 「幽霊にも元気とかあるのかなあ」 リカがポっちゃんをなでながらつぶやく。 「あそこだとさみしそうですし」 「たまに来てあげよっか」 「それいいかもしれませんね」 「今度は寝てみよう」 二人で話が進んでいる。でも、悪い気はしない。 「じゃあムクちゃんお願い」 わたしたちは夕焼け空に飛び立った。
その後、「ハクタイのもりに少女の幽霊が出る」といううわさがまことしやかに語られるようになったのはまた別のお話。
シンオウ怖い話/人の幽霊
投下終わり。
少年はヤンヤンマを潰すのが日課だった。
学校で嫌なことがあった日は 下校中にヤンヤンマを 踏み潰す。
こうすることによってストレスを解消していた。
そんなある日 少年はヤンヤンマを踏み殺していたことが先生にバレてしまった
先生が言うには同級生が踏んでいるところを見ていたらしい。
少年は先生にそのことについて問い詰められた。
先生「ヤンヤンマを踏んでいたそうだね?」
少年「……いえ……踏んでいませ」
先生「嘘をつくんじゃナイ……キミハヤンヤンマを踏んだダロ?」
少年「い…いや!!!踏んでなんか」
先生「貴様は確かにフンダ」
少年「ひぇ!!!」
一瞬 先生がヤンヤンマの塊に見えた。
先生「ドウシタンダイ?」
少年「な……なんでもないです」
頭に直接語りかけるような声に少年は怯えた。
先生「フンダヨネ?」
また先生がヤンヤンマの塊に見えた
少年「ごめんなさい!!!!!」
少年は叫んだ
先生「ヤッパリ……キミニハ『オシオキ』ヲシナケレバナ」
先生の体が緑と赤に染まりバラバラになった
こわ
少年「ひぃぃぃ!!!!」タタタ
少年は駆け出した
「ニガサナイ!!!」
「コロシテヤル!!!!」
少年「ひぃぃぃぃい!!!!!!」
少年は学校を飛び出し 家路に向かった
しかし
「ニゲラレナイヨ」
「ボクタチカラニゲルナンテデキナイヨ…」
「ボクノカゾクヲカエセ!!!!!」
少年「………………」
「ナニモイエナイヨウダナ」
「サッサトコロソウヨ」
少年「…………ごめんなさい!!!!!!もう潰したりしない!!!」
ヤンヤンマ達が会話をしている中に割り込み 少年は謝罪した
少年がやったことは許されることではない
それでも少年はせめてものお詫びの気持ちとして謝罪した
ヤンヤンマA「……………」
ヤンヤンマB「……………」
その場が静まり返った
その時 どのヤンヤンマかはわからなかったがこう言った
「ユルセナイ……カゾクノイノチヲウバッテオイテ……オマエガイキテイルナンテ……」
その声に同調するかのように他のヤンヤンマもこう言った
「ソウダ……」
「コロサナイトイケナインダ……」
「……コロス……」
ヤンヤンマ達が少年に近づく
しかし少年は動くことができなかった
ヤンヤンマ達は少年の体に引っ付き 少年を食べ始めた
少年を食い尽くすと 人の形に群れていた血まみれのヤンヤンマ達はバラバラになり 飛んで行った
その姿はとても美しかったという
bbsにはこの後の話も貼ったけど完全なる蛇足だったので省略。
投下終わり
あれは涼しい夏のことだった……
ゴースト「ふぅ……トイレも済ませたしそろそろ寝るか。」
コンコン
「すみませ~ん」
ゴースト「ん?こんな時間に誰だ?」ガチャ
玄関の扉を開けるが、そこには誰もいない。
ゴースト「な……なんだよ!いたずらか……?」
扉を閉め鍵をかける。 ゴースト「さて、そろそろ寝るか……」
布団に入ったはいいが、なかなか眠ることができない。
ゴースト「くそ……眠れないぞ!仕方ねぇメリープでも数えるか……」
メリープが一匹 メリープが二匹 メリープが三匹……
三匹数えたところでゴーストはやっと眠りにつくことができた。
ゴースト「だからこれ以上いらないって……ムニャムニャ」
「そう言わずに……もっとあ・げ・る♡」
ゴースト「やめろって……ん?誰だ!!」
ゴーストは布団をガバッと蹴り飛び上がる。
しかし、もう誰もいなかった。
ゴースト「おかしいなぁ……誰かの声が聞こえたはずなのに……気のせいか?」
布団を整え再び眠りにつくゴースト。
「ふふっ……可愛い……このまま私のモノにしたいくらいよ……」
ゴーストに近づく声の主。
ガシッ
「!?」
ゴースト「かかったな!くらえ催眠術!」
「いやぁああああ!!!……Zzz」
ゴーストは声の主の首を掴み、すかさず催眠術を打つ。
ゴースト「手が離れている って意外と便利だなぁ……さてこいつは何者だ?」
俺は部屋の電気をつけ、腕が掴んでいるポケモンの正体を突き止めた。
なんとユキメノコだったんだ!
ゴースト「ほぅ……ユキメノコか。こんな可愛い嬢ちゃんがなぜ俺のところに……」
ゴーストは寝顔の可愛さのあまり腕を離す。
ユキメノコ「……Zzz……はっ!気づかれてしまった!どうしよどうしよ!」
ユキメノコは起きた途端、あわあわ と騒ぎ立てる。
ゴースト「騒ぐな!聞きたいことが山ほどあるんだ。」
ユキメノコ「バレては仕方ない。聞きたいことを何でも教えましょう。」
ゴースト「ノックして逃げたのはお前か?」
ユキメノコ「えぇ。」
ゴースト「俺が寝てる時に変なことを呟いたのも」
ユキメノコ「私ですわ。」
ゴースト「なぜそんなことをした。」
ユキメノコ「からかうのが楽しいからよ。」
ゴースト「初対面の相手に?」
ユキメノコ「えぇ。なんなら『おっお化け~!!』とか叫んで欲しかったな~」
ゴースト「……」
ユキメノコ「あっ、あなたもお化けだったわね。ふふふ……」
ユキメノコ「……ごめんなさいね。さて、そろそろ帰ろうかな。」
ゴーストがユキメノコの腕を掴む。
ユキメノコ「?」
ゴースト「ちょうど一人で寂しかったんだ!一緒に寝てくれ。」
ユキメノコ「わかったわ……私も泊めてくれないかな~って思ってたし。」
ゴースト「そこまで計算済みなのかよ……とりあえず寝るか!」
ユキメノコ「え?誰が寝ていいって言ったかしら?」
ゴースト「え?」
ユキメノコ「今夜は寝かせてあーげないっ!」
ユキメノコはゴーストの腕を振り払い押し倒す。
ゴースト「えっ!?ちょっ……誰か!誰か助けてくれぇぇぇ!!!」
「……まぁそんなわけで俺は、変態ユキメノコに襲われたんですよ。いやーまさかあんなことになるとは。」
カゲボウズ「それ怖い話じゃない気がするんだけど。」
おしまい
ユキメノコかわいい
ある夏の日だった。 「旅行しましょう」 サヤがわたしたち二人にそう言うと、三日ほど泊まるから準備してと言うのだ。 「どこに行くの?」 唐突なサヤに驚いたリカが、あぐらをかきながらきく。 「この時期に面白いお祭りをするところがあるんだそうです。場所はずっと東です。リッシこって知ってます?」 「リッシこって……ノモセより東じゃないか」 驚いた。また遠出か。 「そこからさらに東に洞窟があります。そのあたりの集落です」 ため息が出た。こいつも筋金入りだな。 「でもお祭りかー。楽しそうだなあ」 「いったいなにをするんだ?」 「祠の周りで踊ったりするらしいです。見て帰るだけというのも失礼な気がするので、一緒に踊りましょう」
「祠? 踊り?」 リカが目を輝かせてる。 「確かに、こっちだとあまりそういうお祭りとかないからなあ」 ここソノオでは、花を届けてくれたポケモンたちへの感謝祭はあれど、ハクタイやカンナギであったりなかったりするような神に対するお祭りはない。せいぜい神棚にお詣りする程度だ。同じシンオウの中でも文化にはばらつきがある。 ……と考えてるうちにいくつか疑問が浮かんできた。 「それで、どう面白い祭りなんだ?」 まさか、サヤが面白い祭りと誘っておいて、それだけではないだろう。 ええ、とサヤは話を続けた。 「この家には神棚がありますよね。あれはどういう神様か知ってますか?」 サヤは部屋の隅の神棚を見た。左右に対をなす木彫りの神が立っている。 「時空の神様だろ。『はじまりのはなし』だ」
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「艦隊これくしょん -艦これ- 攻略 Wiki」の避難所です。
Splatoon3- スプラトゥーン3 攻略&検証 Wikiの附属掲示板です。
さて、遅くなり過ぎても帰って来られるか心配なので、昼のうちに出発した。
ムクちゃんに乗ってまずはゆっくりと飛んでもらう。
「調べて気がついたけど、お墓って意外と少ないね」
「ええ、小さいお墓なら森の中にあったりするけど、大きな墓地はロストタワーくらいしかないですね」
わたしの問いにサヤが答えた。
けど、それだけじゃない。
「それもそうだけど、人のお墓って無いのかな」
と口にする。これがわたしのもう一つの疑問だ。
死者へ祈る気持ちはポケモンだけに向けられるものではない。
「だって、人が死んだらゴーストタイプのポケモンになるじゃん」
と言うのはリカである。
「ううむ、本当にそうなのかな」
とうなりながらも、わたしは嫌なものを想像してしまった。
この世をさまよう霊であると、成仏のため火にかけられるゴースト。
死者の本体として墓に納められるゲンガー。
悪霊を払うように頭を振ると、リカが笑って言う。
「それにほら、骨を川に流すと肉をつけて帰ってくるんでしょ」
わたしはふらりと倒れそうになった。
墓なんかよりもおまえの方が怖い。しかしそんなリカにサヤがふふ、と笑い
「その昔話は姿を変えるポケモンから生まれたといわれているんですよ」
初めて耳にする話だった。神話の研究は盛んだというが、サヤもよく調べるものである。
「ただ、シンオウには不思議がたくさんありますからね、もしかしたら本当にそんなこともあるのかも。その姿を変えるポケモンはドラゴン、ゴーストタイプと言われているんですよ」
ゴーストタイプ……背筋が凍った。
「ん、ナユタ怖いの?」
青ざめるわたしにリカが笑っている。
「怖いに決まっている」
二人のせいじゃないか。なぜこうも肝を冷やす話を繰り広げられるのか。
だけど、それが楽しみだった。
向こう見ずで突き進むリカと、オカルト知識の豊富なサヤ。
もしかしたら、怖い世界を進むうち、なにか想像もしない新しいものに出会えるような。そんな冒険心。
「こっちで大丈夫みたいですね、よしムクちゃん!」
の一言で速さが増して、一瞬でソノオを囲む花畑が遠ざかった。
しばらくすると、テンガンざんが見えてきた。
「ようやくテンガンざんかー」
「いくらムクちゃんが速くてもシンオウは広いですからね。でも、テンガンざんをこえたらすぐそこですよ」
ようやくヨスガシティにたどり着いた頃には三人ともへとへとで、元気そうなのはムクちゃんだけである。さすがムクホークだ。
休憩にヨスガのポケモンセンターに寄るが、ゆっくりはしていられない。夏の長い日も暮れかけている。
歩き、ときどきムクちゃんに乗りながら道を進むことしばし。ヨスガの東、209ばんどうろの途中にその建物はある。
「さっそくはいってみますか!」
ロストタワーへの階段を下りるわたしたちの前に家族と思しき二人組が現れる。リカのテンションで忘れてしまいそうになるが、ここは墓場だ。今しがたお参りをしてきたのか、はたまた埋葬をしてきたのか。親は沈んだ表情で、違うの、違うのと涙声で繰り返す子を慰めながらロストタワーから去っていった。
いったい、なにが違ったのだろう。
「……行こう」
沈黙のなかわたしが言うと、リカも元気を取り戻した様子でロストタワーへと入っていった。
薄暗い部屋に墓が並ぶ。そんな空間を想像していたわたしは面食らった。明るい。妖気を帯び、ゴーストタイプの気配もあるが、夜にもかかわらず部屋は明るく、ひとけもある。一言でいうと怖くない。
案外こっちのほうが死んだポケモンにもいいのかもしれない。
床には草が植わっていて、いろどりを部屋に与えている。サヤによるとこの草の吐く水分により冬には霧が立ち込めるという。
「これってなにが埋まっているんだろう」
二階に進むと、リカが興味深そうにお墓の並ぶ部屋を見わたす。
「骨じゃないの?」
「うーん。骨がないやつもいるじゃん?」
たしかに。
不意にゴースがとびだしてくる。こいつだっていつか死ぬのだ。
やせいのポケモンから逃げ、ときにサヤのムクホークに戦ってもらいながら、順調に上へ進む。
あっさりと最上階に着いた。
「うーん、あんまり肝試しってかんじじゃなかったね」
「いいことじゃないですか。ここなら亡くなったポケモンたちも安らかに眠れそうです」
実はさっきのリカの疑問が気になっていた。この墓にはいったい何が納めてあるというのか。
ふと、部屋にスーツ姿の人がいることに気がつき、声をかける。
「ここのお方ですか?」
その人はええ、とうなずくと、ここで手伝いをしていると話してくれた。
「お墓には一体なにが納められているんです?」
少し迷いながらわたしはきいた。
「そうだね、だいたいは亡くなったポケモンを火葬して遺骨を納めるか、からだをそのままひつぎに納めて地面の下に埋めるね。そうそう、だからここは床が土なんだよ」
なるほど、とうなずきながらお墓に目をやる。ふと、一つのお墓にモンスターボールがお供えされていることに気がついた。生前入っていたボールだろうか。
「ああ、そうそう。そのこの思い入れのあるものを納めるってこともあるね。寝ていたベッドや愛用のもちもの、それにモンスターボール」
感傷にひたりながら聞いていたわたしは最後の言葉にぞくりとした。
モンスターボール……。主を失い閉じたままのモンスターボール。土の下に閉じ込められた中身のわからないモンスターボール。あるいは……。
二人に目をやると、同じものを想像してしまったのか顔を凍りつかせている。
ロストタワーへの入り際ですれ違った親子を思い出す。
むくろが見つからないってこともあるからなあ、と言う職員に軽く礼を言って足早に下の階へ向かう。
屋上のどうぐ目当てらしき二人組が傍らを駆け抜ける。彼らをよけつつ、わたしは悪寒に耐えていた。
階段を下りても下りても、頭の中の「違うの」の声が鳴りやまない。いったい、なにが違ったのか、考えたくなかった。
シンオウ怖い話/墓
もう一つ投下します。
「肝試し、その2!!」
と、親友が言ったのが始まりである。
「はあ、今度はどこに行くんです」
と言う、もう一人の親友は疲れ切った顔をしている。
結局、この前の肝試しはその日のうちに帰るのを諦め、ポケセンで夜を過ごした。次の日にムクホークに乗って帰ろうとしたわけだが、これがまあ天気の悪い日で、テンガンざんに落っこちそうになりながらもなんとか近くの街に降り立ち、風が止むのを待ったら次の日になってしまった。当然着替えもなく、特にムクホークのトレーナーのサヤは疲れ果てていた。
「もちろん、もりのようかん!」
さすがにリカも懲りたのか、近い場所を選んだようだ。単純に有名な場所だからかもしれないが。
しかし、もりのようかんである。
「あそこって、本当に出るっていう……」
サヤに目をやると彼女はうなずき、
「ええ、怖いもの好き方面ではカントーのポケモンタワー並みに有名な場所です」
「ポケモンタワー?」
リカが興味深そうにサヤにきく。
「ロストタワーのような墓地ですが、段違いに怖い場所……だったといわれています。もうないんですけどね」
リカはええーと本当に残念そうにしている。ポケモンタワーがまだあったら、すぐにでも飛び出して行ってしまいそうだ。
「ええと、ホウエンにも怖い場所があるんですよ、おくりびやまっていって……」
「どこどこどこ?」
「もりのようかんに行くんじゃなかったのか」
ホウエン旅行になりつつある流れを元に戻す。
「わすれてたわすれてた。本当に出るか見に行かなきゃねー」
もりのようかん。一部では有名な館だが見たことはない。旅の経験があるというサヤも一人で入るのは怖かったようで、前を通り過ぎただけだという。
いわく、老人と少女の霊が出る館。死しても部屋の中で逃げ続けている霊。
これはうわさが本当か見定めねばなるまい。肝試しにはぴったりといえる。
「今日行くの?」
「あったりまえでしょ」
即答である。
「ハクタイのもりの中でも向こう側なので少し遠いですが、暗くなっても帰ってこられると思います。少なくとも、もりのようかんで夜を越す必要はないでしょう」
もりのようかんで……夜を越す……。尋常じゃないことをさもあり得た展開かのようにさらっと言うな。
「なにそれ! 今までやった人居ないんじゃない?」
「どうでしょうかね。でも興味深くはあります」
全く興味深くない。一晩中悪夢を見そうだ。
「寝るんなら二人で寝てきてくれ」
「もーなにそれ」
「つれませんね」
え、マジでやる気なの?
この二人の底知れない度胸なのか、それともある種のジョークセンスなのか。一緒にいるだけで何かが同調というか共鳴というか共振というかなんかして寿命が縮みそうだ。
「まあそれは冗談としてさっそく行きますかー。ムクちゃん元気?」
「元気ですよ」
「待て、出すなよ、ここで出すなよ、またわたしの家を散らかされたらこまるんだあばっ」
かくして、わたしたちはもりのようかんへ飛び立った。
「ここらへんですかね」
ムクちゃんの上からハクタイのもりの出口らへんを見下ろす。
「あれじゃない?」
リカが指をさす。
木々の間の切り開かれた土地。まばらにくさむらが茂り、その向こうに建物が見える。
見るからに寂れた、暗く沈んだ雰囲気。まだ日は出ているというのに。
「ちょっと早く来すぎちゃったね」
「出るころには夕方くらいになってるだろうし、一応肝試しにはなるんじゃない」
木々のひらけた森の出口近くに下りて少し歩き、もりのようかんの柵の前に立つ。左右には岡が切り立ち、日を遮っている。柵の入り口の木々をわたしたちが通れる分だけなぎ、その向こうの生えっぱなしのくさむらをムクちゃんに守られながら進むと、あれほど遠くに沈んでいるように見えた建物が目の前に待ち構えているのであった。
「おお……」
とリカから声が漏れる。
「は、入りますよ」
きしむ扉に手をかけて……開けた。
妖気……と呼べるだろう。やせいのポケモンだろうか、ゴーストタイプのポケモンのにおいがする。家の中なのに。開けた隙間から、扉越しでも感じられた妖気があふれ出てくる。日中にも関わらず薄暗く、陰の中を見渡すかのようだ。
「やばいやばいやばい」
サヤに続いてリカとわたしが陰の中へと侵入する。
さてまずは食堂だったか。
「食堂でおじいさんの霊が現れるそうです。どこでしょうかね」
エントランスホールを三人で歩き回っていると、闇からゴースがとびだす。
「ここはわたしがやっちゃろう」
とリカがモンスターボールを投げる。ポッタイシがボロボロの床に着地する。
「ポっちゃん! メタルクロー!」
ナイトヘッドの幻影を切り裂き本体に迫り、そのままゴースに翼がたたきつけられる。
「よっし、続けて!」
反対側の翼がすかさずゴースをとらえる。
リカがふらついたゴースにモンスターボールを投げると見事捕まった。
「いよっし」
「ここが食堂みたいですね」
「おい、こら先に行くな」
駆け寄ってくるリカ。
「ポっちゃんポッタイシになったんだね」
「そうそう、このまえ進化したんだ。ゴースちゃんも早くゴーストにならないかな」
「それより幽霊ですよ……出ませんね」
サヤが食堂を見渡す。
長い、何十人と並べそうなテーブルが座る人を失った部屋は、それだけで不気味さがあった。
「うーむ」
リカも見えないのか困ったような声を上げる。目をパチパチしている。
「どこにも見当たりませんね」
何度か出入りしてみたり、一人だけで食堂に入ってみたり試したものの、サヤは諦めた。
「まあ、こんな騒がしいですし、仕方がないのかもしれません」
「楽しいから出てくればいいのに」
食堂から出るとサヤが階段へ向かう。
「次は二階の幽霊ですね。えっと……あ、ゴースはムクちゃんにまかせてください」
部屋の一つの前にサヤが立つ。二階の奥には部屋が並んでいるが、右端から二番目がうわさの部屋のようだ。
「この部屋に出るというわけではないんです。出るのはこの右の部屋だといいます。この部屋に入ると隣の部屋から人が出る気配がして、急いで廊下に出ても幽霊とは会えない」
「ふーむ。なのに『少女の霊』?」
リカの疑問はもっともである。なぜ見えないはずの幽霊が少女であるといわれているのか。
「ってことは、誰かが見たってことだね」
「よし、わたしが隣の部屋の前で待ち構えているか」
「でもまずはみんなで入ってみましょう?」
サヤに従って、三人で部屋に入る。
「……」
「なんか音した?」
「なにもしませんね」
「もう一回やりましょう」
三人で出て、入る。
「ううん?」
「もう一回です」
再び出て、入る。
「今度はわたしが外で見ていよう」
とリカが言い、わたしとサヤだけで入る。
「……うーん」
サヤが首をかしげる。
「リカ、なにか出た?」
「ううん、なにも」
廊下から顔を出したリカが残念そうに答えた。
そのあとは不気味な絵だとかテレビだとか銅像だとかを楽しんで帰ることにした。
「幽霊出なかったね」
「残念でした」
わたしは壁にかかる絵を眺める。草原と森林、湖に映る青空。なんだか逆に恐ろしい。ここで何があったのかはわからない。しかし、この絵の中にしか自然を知らない人のことを想像する。この絵だけが明るさをくれる生活を想像する。
「でもまあ、肝試しにはなったな」
サヤが扉を開け、リカと一緒に外に出た。
「おじゃましました」
とお辞儀をする二人にわたしは言う。
「ちょっとまっててね、すぐ行くから」
「はーい」
扉が閉じる。
「ねえ、幽霊って信じる?」
「ふふっ」
わたしは笑った。
「やっぱり見えるんだね」
「うん、ずっと見えてた」
「不思議だよね、幽霊って」
「ゴーストタイプのポケモンがいるくらいだし、ありえてもいいんじゃないの」
傍らに背の低い少女が立っていて、前を向いたままわたしと話している。幽霊が幽霊を疑う話を。
そして、少女は自らの手を見つめて言った。
「ヒトはモノでしかない。ヒトが死んだって、モノがモノになるだけ」
「でも実際にここにいる」
「うん、だから不思議……わたしというモノはとっくに死んで、それだけ。それだけなのにな」
そんな彼女にわたしは首を振って、
「なんだか似ているな、人間と」
「そう?」
「うん。同じみたい」
少女は少し考えると、
「『むかしはひともポケモンもおなじだったからふつうのことだった』。
もしかすると、わたしは人という皮を被ったポケモンから、幽霊という皮を被ったポケモンになったのかも」
それを言うなら、もっとわかりやすい浸透した概念があるじゃないか。
「それはポケモンをほかの単語でも言い換えられる。例えば……」
「魂じゃない!」
彼女は強くそう言った。
「魂なんていうものじゃない。もっと物質的なものだ。これは、わたしはモノだ」
冷静に話す彼女は、そう言い終えると少しほほえんだ。
わたしも笑い返す。
「うわさだと上の部屋で出るって聞いたけど、ここまで来られるんだ」
わたしが言うと、彼女はやや胸を張ってからわたしの前を歩く。
「がんばってここまで歩いてきたんだ。もう家の中ならどこでも行ける。
今は外に出る練習中」
「そっか」
わたしは扉を開けてこっちをみるサヤに気が付いた。
「じゃあね」
わたしは手を振って、扉の外に出る。
「おじゃましました」
扉を閉じた。
「もう、幽霊と話してたんですか? 教えてくださいよ」
歩き出すなり、ちょっと不機嫌そうなサヤが言った。
「ずっと隣で見てたよ、教えてもわからなかったでしょ」
わたしがそう言うとサヤは悔しそうにしたが、すぐ笑顔を浮かべた。
「でも、幽霊さんが元気そうでよかったです」
「幽霊にも元気とかあるのかなあ」
リカがポっちゃんをなでながらつぶやく。
「あそこだとさみしそうですし」
「たまに来てあげよっか」
「それいいかもしれませんね」
「今度は寝てみよう」
二人で話が進んでいる。でも、悪い気はしない。
「じゃあムクちゃんお願い」
わたしたちは夕焼け空に飛び立った。
その後、「ハクタイのもりに少女の幽霊が出る」といううわさがまことしやかに語られるようになったのはまた別のお話。
シンオウ怖い話/人の幽霊
投下終わり。
少年はヤンヤンマを潰すのが日課だった。
学校で嫌なことがあった日は 下校中にヤンヤンマを 踏み潰す。
こうすることによってストレスを解消していた。
そんなある日 少年はヤンヤンマを踏み殺していたことが先生にバレてしまった
先生が言うには同級生が踏んでいるところを見ていたらしい。
少年は先生にそのことについて問い詰められた。
先生「ヤンヤンマを踏んでいたそうだね?」
少年「……いえ……踏んでいませ」
先生「嘘をつくんじゃナイ……キミハヤンヤンマを踏んだダロ?」
少年「い…いや!!!踏んでなんか」
先生「貴様は確かにフンダ」
少年「ひぇ!!!」
一瞬 先生がヤンヤンマの塊に見えた。
先生「ドウシタンダイ?」
少年「な……なんでもないです」
頭に直接語りかけるような声に少年は怯えた。
先生「フンダヨネ?」
また先生がヤンヤンマの塊に見えた
少年「ごめんなさい!!!!!」
少年は叫んだ
先生「ヤッパリ……キミニハ『オシオキ』ヲシナケレバナ」
先生の体が緑と赤に染まりバラバラになった
こわ
少年「ひぃぃぃ!!!!」タタタ
少年は駆け出した
「ニガサナイ!!!」
「コロシテヤル!!!!」
少年「ひぃぃぃぃい!!!!!!」
少年は学校を飛び出し 家路に向かった
しかし
「ニゲラレナイヨ」
「ボクタチカラニゲルナンテデキナイヨ…」
「ボクノカゾクヲカエセ!!!!!」
少年「………………」
「ナニモイエナイヨウダナ」
「サッサトコロソウヨ」
少年「…………ごめんなさい!!!!!!もう潰したりしない!!!」
ヤンヤンマ達が会話をしている中に割り込み 少年は謝罪した
少年がやったことは許されることではない
それでも少年はせめてものお詫びの気持ちとして謝罪した
ヤンヤンマA「……………」
ヤンヤンマB「……………」
その場が静まり返った
その時 どのヤンヤンマかはわからなかったがこう言った
「ユルセナイ……カゾクノイノチヲウバッテオイテ……オマエガイキテイルナンテ……」
その声に同調するかのように他のヤンヤンマもこう言った
「ソウダ……」
「コロサナイトイケナインダ……」
「……コロス……」
ヤンヤンマ達が少年に近づく
しかし少年は動くことができなかった
ヤンヤンマ達は少年の体に引っ付き 少年を食べ始めた
少年を食い尽くすと 人の形に群れていた血まみれのヤンヤンマ達はバラバラになり 飛んで行った
その姿はとても美しかったという
bbsにはこの後の話も貼ったけど完全なる蛇足だったので省略。
投下終わり
あれは涼しい夏のことだった……
ゴースト「ふぅ……トイレも済ませたしそろそろ寝るか。」
コンコン
「すみませ~ん」
ゴースト「ん?こんな時間に誰だ?」ガチャ
玄関の扉を開けるが、そこには誰もいない。
ゴースト「な……なんだよ!いたずらか……?」
扉を閉め鍵をかける。
ゴースト「さて、そろそろ寝るか……」
布団に入ったはいいが、なかなか眠ることができない。
ゴースト「くそ……眠れないぞ!仕方ねぇメリープでも数えるか……」
メリープが一匹 メリープが二匹 メリープが三匹……
三匹数えたところでゴーストはやっと眠りにつくことができた。
ゴースト「だからこれ以上いらないって……ムニャムニャ」
「そう言わずに……もっとあ・げ・る♡」
ゴースト「やめろって……ん?誰だ!!」
ゴーストは布団をガバッと蹴り飛び上がる。
しかし、もう誰もいなかった。
ゴースト「おかしいなぁ……誰かの声が聞こえたはずなのに……気のせいか?」
布団を整え再び眠りにつくゴースト。
「ふふっ……可愛い……このまま私のモノにしたいくらいよ……」
ゴーストに近づく声の主。
ガシッ
「!?」
ゴースト「かかったな!くらえ催眠術!」
「いやぁああああ!!!……Zzz」
ゴーストは声の主の首を掴み、すかさず催眠術を打つ。
ゴースト「手が離れている って意外と便利だなぁ……さてこいつは何者だ?」
俺は部屋の電気をつけ、腕が掴んでいるポケモンの正体を突き止めた。
なんとユキメノコだったんだ!
ゴースト「ほぅ……ユキメノコか。こんな可愛い嬢ちゃんがなぜ俺のところに……」
ゴーストは寝顔の可愛さのあまり腕を離す。
ユキメノコ「……Zzz……はっ!気づかれてしまった!どうしよどうしよ!」
ユキメノコは起きた途端、あわあわ と騒ぎ立てる。
ゴースト「騒ぐな!聞きたいことが山ほどあるんだ。」
ユキメノコ「バレては仕方ない。聞きたいことを何でも教えましょう。」
ゴースト「ノックして逃げたのはお前か?」
ユキメノコ「えぇ。」
ゴースト「俺が寝てる時に変なことを呟いたのも」
ユキメノコ「私ですわ。」
ゴースト「なぜそんなことをした。」
ユキメノコ「からかうのが楽しいからよ。」
ゴースト「初対面の相手に?」
ユキメノコ「えぇ。なんなら『おっお化け~!!』とか叫んで欲しかったな~」
ゴースト「……」
ユキメノコ「あっ、あなたもお化けだったわね。ふふふ……」
ゴースト「……」
ユキメノコ「……ごめんなさいね。さて、そろそろ帰ろうかな。」
ゴーストがユキメノコの腕を掴む。
ユキメノコ「?」
ゴースト「ちょうど一人で寂しかったんだ!一緒に寝てくれ。」
ユキメノコ「わかったわ……私も泊めてくれないかな~って思ってたし。」
ゴースト「そこまで計算済みなのかよ……とりあえず寝るか!」
ユキメノコ「え?誰が寝ていいって言ったかしら?」
ゴースト「え?」
ユキメノコ「今夜は寝かせてあーげないっ!」
ユキメノコはゴーストの腕を振り払い押し倒す。
ゴースト「えっ!?ちょっ……誰か!誰か助けてくれぇぇぇ!!!」
「……まぁそんなわけで俺は、変態ユキメノコに襲われたんですよ。いやーまさかあんなことになるとは。」
カゲボウズ「それ怖い話じゃない気がするんだけど。」
ゴースト「え?」
おしまい
ユキメノコかわいい
ある夏の日だった。
「旅行しましょう」
サヤがわたしたち二人にそう言うと、三日ほど泊まるから準備してと言うのだ。
「どこに行くの?」
唐突なサヤに驚いたリカが、あぐらをかきながらきく。
「この時期に面白いお祭りをするところがあるんだそうです。場所はずっと東です。リッシこって知ってます?」
「リッシこって……ノモセより東じゃないか」
驚いた。また遠出か。
「そこからさらに東に洞窟があります。そのあたりの集落です」
ため息が出た。こいつも筋金入りだな。
「でもお祭りかー。楽しそうだなあ」
「いったいなにをするんだ?」
「祠の周りで踊ったりするらしいです。見て帰るだけというのも失礼な気がするので、一緒に踊りましょう」
「祠? 踊り?」
リカが目を輝かせてる。
「確かに、こっちだとあまりそういうお祭りとかないからなあ」
ここソノオでは、花を届けてくれたポケモンたちへの感謝祭はあれど、ハクタイやカンナギであったりなかったりするような神に対するお祭りはない。せいぜい神棚にお詣りする程度だ。同じシンオウの中でも文化にはばらつきがある。
……と考えてるうちにいくつか疑問が浮かんできた。
「それで、どう面白い祭りなんだ?」
まさか、サヤが面白い祭りと誘っておいて、それだけではないだろう。
ええ、とサヤは話を続けた。
「この家には神棚がありますよね。あれはどういう神様か知ってますか?」
サヤは部屋の隅の神棚を見た。左右に対をなす木彫りの神が立っている。
「時空の神様だろ。『はじまりのはなし』だ」