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ポケモン怖い話総合トピック / 13

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柿崎だったり 2018/05/22 (火) 23:29:44

「ここらへんですかね」
 ムクちゃんの上からハクタイのもりの出口らへんを見下ろす。
「あれじゃない?」
 リカが指をさす。
 木々の間の切り開かれた土地。まばらにくさむらが茂り、その向こうに建物が見える。
 見るからに寂れた、暗く沈んだ雰囲気。まだ日は出ているというのに。
「ちょっと早く来すぎちゃったね」
「出るころには夕方くらいになってるだろうし、一応肝試しにはなるんじゃない」
 木々のひらけた森の出口近くに下りて少し歩き、もりのようかんの柵の前に立つ。左右には岡が切り立ち、日を遮っている。柵の入り口の木々をわたしたちが通れる分だけなぎ、その向こうの生えっぱなしのくさむらをムクちゃんに守られながら進むと、あれほど遠くに沈んでいるように見えた建物が目の前に待ち構えているのであった。
「おお……」
 とリカから声が漏れる。
「は、入りますよ」
 きしむ扉に手をかけて……開けた。
 妖気……と呼べるだろう。やせいのポケモンだろうか、ゴーストタイプのポケモンのにおいがする。家の中なのに。開けた隙間から、扉越しでも感じられた妖気があふれ出てくる。日中にも関わらず薄暗く、陰の中を見渡すかのようだ。

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