柿崎だったり
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2018/05/22 (火) 23:32:54
そのあとは不気味な絵だとかテレビだとか銅像だとかを楽しんで帰ることにした。
「幽霊出なかったね」
「残念でした」
わたしは壁にかかる絵を眺める。草原と森林、湖に映る青空。なんだか逆に恐ろしい。ここで何があったのかはわからない。しかし、この絵の中にしか自然を知らない人のことを想像する。この絵だけが明るさをくれる生活を想像する。
「でもまあ、肝試しにはなったな」
サヤが扉を開け、リカと一緒に外に出た。
「おじゃましました」
とお辞儀をする二人にわたしは言う。
「ちょっとまっててね、すぐ行くから」
「はーい」
扉が閉じる。
「ねえ、幽霊って信じる?」
「ふふっ」
わたしは笑った。
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