柿崎だったり
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2018/05/22 (火) 23:29:08
「今日行くの?」
「あったりまえでしょ」
即答である。
「ハクタイのもりの中でも向こう側なので少し遠いですが、暗くなっても帰ってこられると思います。少なくとも、もりのようかんで夜を越す必要はないでしょう」
もりのようかんで……夜を越す……。尋常じゃないことをさもあり得た展開かのようにさらっと言うな。
「なにそれ! 今までやった人居ないんじゃない?」
「どうでしょうかね。でも興味深くはあります」
全く興味深くない。一晩中悪夢を見そうだ。
「寝るんなら二人で寝てきてくれ」
「もーなにそれ」
「つれませんね」
え、マジでやる気なの?
この二人の底知れない度胸なのか、それともある種のジョークセンスなのか。一緒にいるだけで何かが同調というか共鳴というか共振というかなんかして寿命が縮みそうだ。
「まあそれは冗談としてさっそく行きますかー。ムクちゃん元気?」
「元気ですよ」
「待て、出すなよ、ここで出すなよ、またわたしの家を散らかされたらこまるんだあばっ」
かくして、わたしたちはもりのようかんへ飛び立った。
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