柿崎だったり
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2018/05/22 (火) 23:31:37
サヤが食堂を見渡す。
長い、何十人と並べそうなテーブルが座る人を失った部屋は、それだけで不気味さがあった。
「うーむ」
リカも見えないのか困ったような声を上げる。目をパチパチしている。
「どこにも見当たりませんね」
何度か出入りしてみたり、一人だけで食堂に入ってみたり試したものの、サヤは諦めた。
「まあ、こんな騒がしいですし、仕方がないのかもしれません」
「楽しいから出てくればいいのに」
食堂から出るとサヤが階段へ向かう。
「次は二階の幽霊ですね。えっと……あ、ゴースはムクちゃんにまかせてください」
部屋の一つの前にサヤが立つ。二階の奥には部屋が並んでいるが、右端から二番目がうわさの部屋のようだ。
「この部屋に出るというわけではないんです。出るのはこの右の部屋だといいます。この部屋に入ると隣の部屋から人が出る気配がして、急いで廊下に出ても幽霊とは会えない」
「ふーむ。なのに『少女の霊』?」
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凍結されています。