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203
村雨の夫 2017/03/31 (金) 20:56:43

「もう四月」
「早いですよね、ほんと」
「ね。…ん、おいしい」
三月末日、あいにくの雨。冷えるというほどでこそないが、まだ暖気は遠い。未だ来ぬ春を補うように暖かな夕食。

「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る…」
「おさるさん?」
「いなくなっちゃう、ってこと」
何気なく口にした言葉に、娘たちが反応する。春休みは宿題がないとはいえ、バタバタの半年だったからには、この春少しは予習復習してほしい…と口を酸っぱくしてきた甲斐があったかな。

「そうそう。朝霜、よく知ってるねぇ」
「……このくらい、フツーだし」
「あら?じゃあ六年生は普通にいい成績期待しちゃおうかしら」
「なぁっ!」
相変わらず、村雨ちゃんは隙がない。そんなところも勿論好き。
「パパは?目標」
こちらにその砲口がむけられたとしても、だ。

「あー…そうだなぁ」
「お正月のぼんやりの繰り返しはダメよ?」
はぐらかしても意味は薄く、朝霜はしびれを切らして次をも見ている。
「睦月もちゃんと考えとけよ、次来るぞ」
「にゃっ!」
「ね・ぇ?パ・パ・は?」
「皆と幸せに、かな」
視線の先で、村雨ちゃんが赤くなる。僕もきっと赤い。現実の本心だけど、夢みたいな言葉で、まっすぐ目を見て言うにはなかなか気恥ずかしい。けれど、夢を見なきゃ生きちゃいらないよね。

「さ、睦月は?」
「う~ん、おっきくなる!」
「おっきく?」
「ママやパパや、お姉ちゃんや、お姉ちゃんたちみたいに!」
出会いは彼女を大きくした、と思ったが、それ以上に大きくなる糧になっているらしい。まったく喜ばしい。ママの方が先に出るのは…まぁ、いっか。些細なことだ。
「ふふ、いい心がけじゃねえか」
「朝霜は、ちょっと言葉遣い治しましょうね?」
「立派なお姉ちゃんじゃないと追い越されるよ」
「うぐっ……わかった、よ」
そしてひとつ、笑い声。あんまり強制も矯正もしたくないんだけど、そろそろ目に余るしなぁ。自分のためにも睦月のためにも、頼むよ。

23
kso提督 452a3edfb2 2017/03/19 (日) 18:17:56 6949b@852ad

こんなところがあったのか

202
村雨の夫 2017/03/05 (日) 23:23:47

春麗らかなる三月五日、村雨ちゃんはお休みの日。

艦娘としての力の代償なのだろうか。逆に、宿命があるから艦娘になったのだろうか?彼女たちは「艦船」の運命に足を取られることがある。その原因は、当時の誰にも答えは出せなかった。深海との戦争が終結し、残党狩りや海上護衛のため運用されている今でも、明確な答えは出ていないらしい。一介の退役軍人である僕には知りようがない。
卵が先であろうと、鶏が先であろうと、彼女たちが苦しむことには変わりはない。僕にできるのは、精々休みを作ったり、紅茶を淹れたり、今は家事を請け負ったり。その程度だ。
原因がわかったら教えてもらえるように在軍の知り合いには言ってあるが、はてさて。

症状が出たり出なかったり、年と人によって違ったりするのだけど、今年は残念ながら、朝から起きれないほどにブルー。終戦後これほどになるのは何年ぶりだろう。義姉さんたちも他の仲間たちも、勿論村雨ちゃんも終戦後……艤装に触れなくなってから滅多に重く出ないって言ってたんだけどな。

三月も書き入れ時である以上、わざわざ白露家からひとを呼ぶことはできない。暖かくなってきた季節、どうも様子がおかしいことに勘づいたようで、一日家の手伝いをしてくれていた。外で遊びたかろうに、悪いなぁ。
ママに憧れる睦月、ライバルに火をつけられた朝霜。二人で手伝ってくれた家事は、村雨ちゃんどころか僕にすら及ばないけれど、ありがたい、ありがたい。すぐに上達してくれるだろう。

ちぐはぐなようで、平穏な一日が終わる。娘たちはママの心配をしつつ、いつも通りの時間で消灯。
村雨ちゃんは結局、ずっとローテンションだった。娘たちに笑顔を見せてはくれたけれど、身体がついてこない。本当に、戦時中くらいの重さだった。
「ほんと、やになっちゃう」
「まぁまぁ、明日になったら元気になる…はずだよ」
「そうなんだけどね…あなた、はやくこっちきてよ」
「はいはーい。本当、大変なもの背負っちゃったよね…背負わせちゃったのかな」
「……あったかい」
「こちらこそ。体は大丈夫なんだよね?」
「たぶん」
「……三人目、じゃないよね」
「うーん、ちがうとおもう。かんじがちがうもの。ざんねん?」
「ちょっとね」
「うふふ。わたしも」
「そりゃ嬉しいな。……君も、二人も、もし三人目を授かっても。頑張って護るから」
「ありがと」
もう一度、笑顔。ゆっくり撫でて、おやすみなさい。
柔らかな髪。優美な輪郭。暖かな体と心。大好きな人。

201
村雨の夫 2017/03/04 (土) 10:23:14 修正

三月三日、雛祭り。
女児の健やかな未来を願う桃の節句が今年もやってきた。

朝霜も睦月も、健やかに育ってきた。と節目の度に思うけれど、雛祭りならば特に「女性として」が話題に出る。女性として、ねぇ。まだ子供、と思っていても気が付けば朝霜は立派になっているし、睦月も僕らの後ろに隠れているだけじゃないし。淑女になっていくのだな。
あの子たちにとっては幸か不幸かわからないけれど(きっと幸だと信じているけれど)、僕らの周りには女性が多い。友達、家族、仕事仲間、そして退役艦娘が本当に多い。文字通り、部隊を組んで作戦行動が出来るほどいる。加えてこの一年は特に、演劇を通じた出会いもあった。タイプも様々な人の中から、それぞれの良さを学び取っていってくれているはず。二人とも不安はあるけど(言葉遣いとか)、何とかなってくれるだろう。

それになんと言っても、村雨ちゃんがいるから心配はない。何か変な踏み間違いはするまいや。勿論、彼女だけに任せやしない。僕もちゃんと見守っていきます。

……なんてことを考えてることは、雛ケーキを食べる子達は気付くことはないだろう。
10年後、15年後のお内裏様に厳戒していることも、気付かれたくないな。

200
村雨の夫 2017/02/20 (月) 21:51:08 112d2@e1a59

ホワイトデー、どうしようかな。

199
村雨の夫 2017/02/15 (水) 00:57:30 112d2@e1a59 >> 197

そんなこんながあって、バレンタイン当日。村雨ちゃんと娘たち、白露家連名からチョコをもらって、しあわせ。
花の女子大生はサークルとか研究室で配ってるんだろうか。山雲ちゃん、朝雲ちゃんもお父さんにちゃんと渡せたんだろうな。
朝霜に聞いたところによると、清霜ちゃんは「憧れ」として、ある意味本命のチョコを雲龍さんに(朝雲ちゃん経由で)贈ったそうな。……てことは、今僕の手元にある如月ちゃんのチョコもそういう意味だろうか。なんか買いかぶられてる気がするし、憧れるなら村雨ちゃんじゃないのかね、と聞いたら、妻子に睨まれてしまった。なぜだ。睦月の影に隠れるほかない。

何はともあれ、今はチョコを楽しむばかり。増えるかもしれない贈り物と、お返しのことは気にしない。家族からの愛を味わって、歯を磨き。ちょっと苦くてとっても甘い彼女を抱き寄せて、眠る。

198
村雨の夫 2017/02/15 (水) 00:55:56 112d2@e1a59 >> 197

日曜日。小学生チーム+αが家に集まってお菓子作り教室。2月でお菓子と言えば、甘いアレですね。
睦月と山雲ちゃんはいつも通り和やか。その二人を支えるのは村雨ちゃん…ではなく、鹿島ちゃんと由良ちゃん。今年で大学卒業する彼女たちとの、最後の思い出作りというやつだ。……二人してこの町の小学校に赴任するのが決まっているのは、まだ秘密なんだそうだ。
朝霜は今回で朝雲ちゃんに二敗目。聞けばビスケットとかも作れるらしく、大差をつけられてるっぽい。敗、と剣呑な表現をしたものの、教えあって助け合える新しい友達になれそうで喜ばしい。もちろん、いつもの清霜ちゃん、如月ちゃんも一緒で賑やかな四人組。

……というのを、総監督村雨ちゃんにあとから聞いた。バレンタイン準備は男子禁制。僕は劇のサイドストーリー本を部屋で書いていたわけである。さみしかった。解散の時に試作チョコを頂けたのでまぁ、いいんだけど。

197
村雨の夫 2017/02/15 (水) 00:52:09 修正 112d2@e1a59

この土日も大騒ぎ。単純に言って大騒ぎが三週目。公演、公演ときて、遊びの週だ。
もちろん連日連夜の酒池肉林ではなく、土曜の夜にレストランで大人中心のパーティをし、日曜は子供たちの集まりって感じ。

~~

慣れない余所行きの正装で浮足立つ僕ら四人。村雨ちゃんはいつも通り綺麗。だけど、僕は立派な席に慣れてないし、朝霜と睦月は初めてってレベル。あまり堅苦しく、ドレスコードを気にしたりはしなくていい……と言われはしたけど、それはそれ。変なところはなかったかな、と気にする一方、三人の美しい姿を観れるいい機会だった。
そんな僕らと違って、迎えるグラーフご一家は画になってる。そもそも手配したのは彼女らだし、場所にも慣れてるのか。ドレスもよくお似合いですこと。なんというか、住む世界の色が違うとでも言えばいいのか。
同じく洋装に慣れてない、と失礼にも勝手に思っていた雲龍さんご一家も、グラーフさんとこ同様立派に決まっている。酒蔵の職人さんと聞いていたから和風の家だと思っていたが、妹さんにサラトガ先生と洋風文化に触れる機会も多いらしい。
ウォースパイトは、今更言うまでもない。クイーンだもの。並ぶ劇団メンバーもまた然り。
青葉、お衣、飛龍さんもこの手のパーティの対応はバッチリ。……らしいんだけど、青衣はどうも普段のイメージとの乖離が激しい…。
ともかく、不思議なレストランにて、みんなで成功を祝いましたとさ。家族で笑って、子供は初体験して、父同士、母同士も憩う。もちろん家族の垣根を超えた交流も。よきかな、よきかな。

196
お酒作り 2017/02/14 (火) 23:36:20 29bdb@3f6d3

「うん、よくできた! これがいい!」
「そう、良かった……」
「あー安心したら飲みたくなってきたなあ、ねえー飲んでもいい?」
「今年の新酒持ってくるから待ってて」
「やーりー!」
「飛龍、出版社には帰らなくていいの?」
「今日は今年初の一杯を飲むために半休にしたし、バス乗ってきたからいいの!」
「ならいいわ、あなたお願い」

はいはい……。
疲れたあとのお酒は美味しいけれど、娘たちやサラが帰ってくるから程々にすること。

新春の演劇公演、成功して本当に良かったなと思う冬の昼間。
日差しも仄かに暖かくなってきた、そろそろ春も近いかな。

195
お酒作り 2017/02/14 (火) 23:30:34 29bdb@3f6d3

「どうかしら?」
「うーん、舞台で私たちはこんなに強い気持ちではなかったなー。 じゃあ書き直し」
「そうね、表現を少し変えてみるわ」
書斎では雲龍が飛龍に言われて珍しく手直しの真っ最中。エッセイと違って小説(ノベライズ)ということで畑が違うこともあるからだろうか。

立春の公演は大盛況だった。
グラーフさんを全面に押し出したポスターも大反響だったし、睦月ちゃんや朝霜ちゃんも可愛らしくときめいたし……。
山雲も一生懸命演じていた姿に感動させられた。
天真爛漫なあの子があそこまで演技派だったとは。
もちろん飛龍も着ぐるみ姿で大奮闘だった。
舞台の上の役者一人ひとり、宝箱の中にある数多の宝石のように輝いていたなあ。

陰ながらではあるが僕は照明をやらせてもらい、雲龍は屋台骨となる脚本をやらせて頂いた。
雲龍にとっては初めての脚本にドキドキだったようで、大変だったと公演が終わったあとの夜に呟いていたっけ。
僕は良かったと思うけど、もう少しこうすればと思うことがまま出てきたようだ。
文藝を生業にしている人は常にこう悩んでいる?
……旦那さんを村雨さんはどう支えているんだろう。

そうそう劇の話ではあるが山雲の名演を見ていた朝雲は脱帽だった反面、今度は私も絶対出るんだからと欲望を燃やしている。
僕としては二人とも活躍する姿が見れるならそれは大きな喜びだから良いけれど、蔵の中でいきなり演技の練習を始められると僕の手が止まるから場所は考えてほしかったり。
サラトガはスタンディングオベーションで劇を高評価していたが、彼女もまた劇に出たいと思っているようだ。
写真を見せてもらったがハロウィンの際に向こうで行ったと言う変装はあまりにも迫力が……。
顔の半分が焼け爛れた鬼のようなその姿に度肝を抜かれてしまった。天城と葛城も眉を顰めていたし……。

194
名無しのおんこれ部員@Zawazawa 2017/02/08 (水) 00:31:10 8f50c@618a4

すぴー……
なー……ぐー……
ツェッペリンと妻がすやすやしてる。
「ぐらたん……ぱぱ……」
「マーチ……」
寝言も可愛らしい。
そんな夫妻の寝姿を見て目が冴えてしまった春風であった。

193
村雨 2017/02/05 (日) 23:07:25 修正 112d2@e1a59

ミスって名前が村雨になってますけど、気にしないでください。村雨の夫です。

~~
Juwel des Meeres、立春芸術祭公演も無事終了!
地元の方も遠くから来てくださった方もありがとうございました!
皆さんに楽しんでいただけたなら何よりです。
助演としての参加なのに沢山の応援、差し入れを頂き有難い限り!(他のメンバーは僕の5倍10倍はもらってたみたい)

つづく。
~~
つづき

今回の公演は初めての人とのお仕事がとても多かったのが印象的です。
演劇初挑戦の雲龍さん、謎多きグラーフ伯爵、元気いっぱいの子どもたち。才覚と魅力ある女性たちに圧倒され、刺激を受ける日々でした。ウォースパイト団長もそのひとり。
妻が一番なのは揺るぎないけど。

つづく。
~~
つづき

作品について、タイトルにある「Juwel」…宝石とは?なんてこと、僕からは何も言いません。野暮ですからね。
月並みな表現だけれど、一人一人が見つけた宝石を大切にしてほしいと思います。
僕も宝石を胸に、いい具合に頑張ります。

打ち上げをどこでしようか考えつつおわり。
~~
おまけ

近日発売予定の脚本・演出の雲龍さんのノベライズと助演の僕のサイドストーリー本もよろしくおねがいします。
海に、山に、異国に。「宝石」を探しに行きたくなったら、あの航空社がいいんじゃないかな。

宣伝しつつ今度こそおわり。おやすみなさい。
~~

枕元の携帯を弄れば、千秋楽を迎えた劇や数時間前の感謝の発信への反応は観られるけれど。
そんなもの(と言ってしまうのも問題だ)よりも、今は村雨ちゃん。

「ふたりとも、今夜もぐっすりだったねぇ」
「ほんと、よく頑張ってたもの。さ、私たちも寝ましょう?明日も学校よ」
「そーだね。……半年、支えてくれてありがとね」
「いえいえ、いつものことですから。あ、じゃあお礼に明日のランチ、期待していいかしら?」
「ん、それじゃー鳳翔さんとこ行こっか。感想も聞きたいし」
「うふふ、たのしみ」

これにてひとまず、冬の幕引き。

192
名無しのおんこれ部員@Zawazawa 2017/02/05 (日) 21:09:42 8f50c@4ae60

先週末の公演から一週間。
旦那は相変わらずすやすやしてるし、娘たちは勉強にお絵かき、テレビと休日を満喫している。

冬の終わりを告げる公演。乗り打ち2連続、合計4回の公演は無事に終幕を告げた。子供たちがメインと言いつつも、グラーフや飛龍がいることによって本格的な劇として仕上がった。通しの稽古では大人と子供で噛み合わないところもあったが、さすが伯爵が見込んだキャスト。本番は劇場が変わろうとも誰も動じず。舞台に立つ者に限らず、大道具、小道具、照明、音声と裏方も皆が劇の世界に入り込んだのであった。
カーテンコールが終わったあとの拍手はどの回も1分以上続いたと思う。
航空会社及び出版社の公演は全席招待制にしてみたものの、観覧応募はどちらも殺到、倍率は5倍以上となっていた。
街の芸術祭の方は地域の方に優待はあるものの、あとの半分は先着順で、それも朝早くから列をなしていた。
間違いなくはポスターのメインに採用したグラーフと子どもたちのおかげだ。

昨日の立春の祭りもステージイベントに呼ばれ、歌を披露した街で引っ張りだこの夫と娘二人。なんだか羨ましいなぁと思いつつ、あんなに誇れる娘を持っているんだとちょっぴりの自慢と少しの責任感が生まれたり生まれなかったり。
久々の家族で家に過ごす休日。春眠暁を覚えずというのはまだ早いが、暖房の効いた部屋で思い思いに過ごす心温まる日々はこんなに素晴らしく幸せなものだと感じている。そんな中、伯爵のブラックベリーがベルを鳴らした。主人は寝ぼけた顔で、受話器に耳を当てた。

「もしもし、こちらアレクサンドル・スタニスラヴォヴィチ。」
「……ああ、瑞鳳か。そうだ、私がグラーフ・ツェッペリンだ。貴方と話すのは久しぶりだな。」
「ああ、それか。ちょっと待ってくれ。家内と話す。」
グラーフが受話器から手を話し、彼がいるこたつに自分を呼ぶ。
「瑞鳳から6月のツアーの斡旋を受けたが、休みは大丈夫か?」
今なら有給取れるからと、もちろんオーケーの返事を返した。ちなみに瑞鳳は旅行会社のツアー予約担当。もちろん自分とは仕事の関わりもあるけど、プライベートなところでもお世話になっていることも多い。そんな瑞鳳が彼に電話で斡旋を直接するものだから恐らくはかなり少数か、何かの記念のツアーだろう。返事を返してすぐ、グラーフは受話器を手に取った。
「瑞鳳、お待たせした。家内も付き添えるとのことだ。」
「日時はそれで決まりだな。分かった。ではまたその日に。」
グラーフは受話器を取るとスケジュール帳にすぐさま予定を書き込んだ。
あえて彼に旅の内容は聞かなかったものの、どんな旅なのだろう。彼のシンボルマークのケルト紋が表紙に描かれたスケジュール帳がこたつの上に置かれていたのを私は少し気になってしまった。

191
村雨の夫 2017/01/31 (火) 23:58:24 61018@e1a59

先の土日で、出版社と航空社の協賛公演が行われた。
半年間磨き上げてきただけあって、大きなミスもなく、アドリブまで入れる余裕をもっての終演だ。
昼夕公演を連日は子供たちに負担が大きいかと思い、過保護な父としては当初反対していたのだが、終わってみれば全く杞憂だったようで。エネルギーを余らせてカーテンコールでも大騒ぎ…とはいかないけれど、ちゃんと舞台上では女優であった。

そんな女優たちも、今は少女としてぐっすり。
自分たちの劇が、自分たちの想像以上に好評なことも、三人娘宛ての手紙やプレゼントが届いていることも知らない。
(自分たちの『芸名』が「雰囲気とやる気を出す」ことは二の次で、本名を出すことに対する僕の過剰な――七光り呼ばわりとか、個人情報とかへの――心配から発案されたことも、もちろん知らない。Senこと川内のラジオでは「知り合いの子が~」と言っていたこともあって、三人ともどこかの事務所所属だと思われているはず)
色んな事があるけれど、そういうのは全てが終わってからでいい。
今はただ、夢を見せて、夢を見ていてくれればいい。

「ね、――くん」
「なに?」
「いい夢、見ましょうね」
「……ん。一緒にね。おやすみ」
「おやすみ。…きゃっ」
ただの気まぐれか、いつかの口説き文句の引用か。偶然にも、娘に願ったことを言い当てられた格好になる。
心を読まれた気がして、気恥ずかしくなって、愛しい彼女を抱き寄せた。

190
村雨の夫 2017/01/25 (水) 01:00:27 61018@fcb0e

「英語を習いたい、ねぇ」
年明けから来るようになったサラトガ先生。聞くところによればアメリカの出身だそうで、ネイティブの英語で勉強できるのは子供たちにとっては素晴らしいことだ。うちの子たちの先生、ウォースパイトの英国英語と違うところがどの程度あるのかはわからない――二人とも日本語ペラペラだから、正直話す英語の差異に気付くタイミングがない――けれど、そこまで支障が出てないなら大丈夫だろうな……と思っていた矢先に、朝霜のお願いである。
「朝雲ちゃん、だったかしら。その子が英語以外もすごくって、対抗心メラメラみたいよ」
「あー……留学してたんだっけ。そりゃ勝てないでしょ」
「あなたに似ないで気が強いものねぇ、朝霜」
「うるしゃい」
辛口の一言を、まろやかなホットミルクで誤魔化す。まぁね、そこばかりは似ないでよかったよ。

「……ただの負けん気ってだけでもないみたい」
「そか。朝霜、この半年で大きくなったもんなぁ」
「劇も、鎮守府訪問も、全部この半年だもの。大きくなるわよ」
「嬉しいような、寂しいような」
「よろこびましょっ」
広い世界で沢山の人と出会うこと。朝霜にも睦月にも、大変な経験だ。
「鎮守府」という場所のこと。軍属時代の僕らのこと、僕ら以外のこと。現役の少女たち。
観客だった劇の世界へ、自分たちが入ること。一つのもののために、色々な人が動くこと。
イギリス、イタリア、アメリカ、ドイツ。海の向こうの国のひとのこと。同じ年ごろでもそこへ行った人のこと。
会う度、話す度、衝撃と感動をもらっているらしい。それは言葉にも、話にも、話さなくても伝わってくる。感受性豊かな年頃に、連れまわした甲斐はあったかな。
「春には6年生……かぁ」
「はやいものねー…」

「それより先に劇だけどね」
「今週末、それこそ『はやいもの』ね。出来は?」
「ばっちり」
「よかった。最近こわかったよ」
「ありゃ、そう?」
「そう。時々急にスイッチ入れるんだもん」
「あちゃー……」
9割完成のところを、最後の研磨としてポイントを伝えただけのつもりだったんだけど、そんなに怖かったか。劇団はともかく、今回初めての皆さんは「通し」での注意点が意外と嵩張ってしまったのは事実である。もっと早くにシーンを繋いだ練習を提案して、各所指摘しなかった僕が悪いといえば悪い。任せていいだろうと思わせる才女たちも悪いのでは?
ともかく、白露家をはじめとした鎮守府の一同、劇に興味ありげの如月ちゃんと運動会で雲龍さんを「借り」てた清霜ちゃん、卒業も近い由良ちゃん鹿島ちゃん。風の鎮守府の面々……声をかけられるところは一通り誘ったけれど、楽しんでいただくのに心配も抜かりもない。みんな同じ公演に来るとは限らないけど。
「ま、今大丈夫だから大丈夫だよ」
「もうあんな顔しないでね」
「しないしないー」

「原稿の締め切りの度にその顔してるってことも、自覚してね」
「……はぁい」
急にトーンと目が変わるのは、お互い様だと思うんだ。額をつついてくる人差し指を、甘んじて受け止めた。

189
お酒作り 2017/01/23 (月) 23:35:20 29bdb@e6d9e

さて暦の上で春になるその日に劇はまもなく本番。
秋からずっと練習してきたこともあり本当に見違えた。子どもたちは可愛らしいし、役者さんらは縦横無尽にその演技力を遺憾なく発揮する。
そして雲龍は動かない。
これ以上、手を加えたら壊れるからと見に徹している。

何を考えているのか分からない雲龍の瞳、しかし一時期よりも柔らかく優しく見守っているのが分かる。

朝雲もサラトガも、天城に葛城にもノビノビと躍動するみんなの集大成を見せたい。
もちろん僕の照明さばきをふくんで。

188
お酒作り 2017/01/23 (月) 23:24:05 29bdb@e6d9e

ピアノを弾きながら英語の歌を歌う。
楽しみながら英語がわかるようにサラトガは授業をしていると山雲と朝雲から聞いた。
生まれて初めての書き初めにチャレンジしたり、休み時間には子供たちとドッジボールをしたりと自分から積極的に子供達の輪に入ろうしていたこともあり、すっかり人気の先生のようだ。

一方で復学(?)した朝雲もクラスの子たちと馴染んできたようで何より。
最近は山雲と仲良くしている睦月ちゃんに嫉妬している素振りを見せているという。
くれぐれもケンカにならないことをヒヤヒヤしている。
「子供たちが曲がりそうになった時に糺すのは必要だけど、無理に真っ直ぐ伸ばすのは成長の阻害を助長すると思うわ」
過保護な僕とは対照的に雲龍は子どもたちの自主性に任せるべきと放任気味。
……いや、口ではそう言いながらも食卓では毎日学校で何をしたから、どんな友達と何して遊んだか会話をしながら聞き出していたっけ。

子どもたちの世界にどのように立ち入るのか、僕にとっての課題はそこかもしれない。
村雨さんの旦那さんみたいに自然に自然に子どもたちと仲良くしないと!

187
村雨の夫 2017/01/15 (日) 23:03:13 61018@fcb0e

土曜日。海がほど近く温暖なこの街で、しっかり雪が降るのは年に数度あるかどうか。
貴重な光景に、子供たちは当然目を輝かせていた。

本当は、結構しっかり練習するつもりだったんだけどな。
ちゃんと練習する!と意気込んでくれた三人の気持ちだけ受け取って、遊びの時間をとりました。せっかくの雪、もったいないし。
楽しむ姿も勿論だけど、それだけはしゃぐ気持ちを抑えての先ほどの申し出には、流石に感動せずにはいられない。
立派に育ってくれてるなぁ。なんて呟いたら、ハンカチいる?って。村雨ちゃん、僕がいつも感涙する前提でしゃべるのやめてくれないかな。変なイメージつくからさ。
……ハンカチはもらう。いい香りだ。

後に少し吹雪いてきたので、ホール内に退散。
そこからは予定通り、厳しめにいきました。本番まではあと少し。ここからはちょいと、ビシッとしめますよ。

186
名無しのおんこれ部員@Zawazawa 2017/01/15 (日) 22:49:32 bd7a7@1c7c0

今日は大雪。平地ながらもある程度積もった。
マンションの近くの公園で娘2人が遊びに出かけていた。
最初は駆け回るだけだったものの、走り疲れると雪合戦が始まった。
春風ちゃんは雪の壁を作るも、村雨ちゃんはそのスキを逃さずに投げていっている。
さすがお姉ちゃんといったところか。
雪合戦というか雪の投げ合いではあるが。

ふと、部屋を見回すとリビングにいたはずの旦那がいない。
主人はというと雪に埋まっていた。春風ちゃんの作った壁にいつの間にか一体化していた。
服装も昔の鎮守府の、それも未改造のときのものを引っ張ってきたらしく、雪にカモフラージュされていて気づくのに時間がかかってしまった。

3人が戻ってくる頃を見計らってコーヒーを淹れる。今回は伯爵お気に入りのダルマイヤー。
3人共砂糖マシマシが好きなので用意。特に伯爵には砂糖3倍増し。
村雨ちゃんと春風ちゃんはいい感じに戻ってきたが、旦那は戻ってこず。
しばらく待っていたらちっちゃくなったグラーフが戻ってきた。
コーヒーを少しティースプーンであげると眠ってしまったのであまりは冷蔵庫へ。起きたら電子レンジで温めてあげよう。

しかし小さくなった旦那はとてもかわいいなぁ。ころんと突っ伏してしあわせそうにしている。
こっちまで幸せな気分になりそうだ。

3人で旦那を見つめていたらいつの間にか眠ってしまった。
起きるといつの間にか自分の頬を背もたれにしていてまったりしていたグラーフがいた。
相変わらずかわいいので指でほっぺたをつんつん。
なーぐーと鳴いたのもかわいい。

さてさて、もうすぐ劇の本番だが、これで大丈夫なものなのか……。
主人いわく、「パーフェクト。」という評だからあまり気にはかけないではおこう。

185
村雨の夫 2017/01/10 (火) 09:46:11 61018@fcb0e

二泊三日ほど、某家の招待を受けて行っていた山間の別荘より帰ってきて、今日は一日家で過ごしていた。
ウィンタースポーツ、温泉、ダンスレッスンと盛りだくさんの三日間は大変有意義ではあったけど、そこから息つく暇なく新学期は問題ありだろう。ということで、一応ちゃんとした「お休み」として設定していたつもりなんだけど、そもそもが子供の無尽蔵の体力。今日も一日遊んで、いつも通りぐっすりだ。
宿題のやり忘れも見落としもない。ランドセルの中身は入念にチェック済み。憂うところはなく、村雨ちゃんと労をねぎらう。
「冬休み、おつかれさまでした」
「おつかれさまでした。あなたはこれから劇の追い込みね」
「あとひと月前後。立春のお祭りと、その前に航空会社と出版社の共同出資講演……かぁ」
「……不安?」
今回は大きく分けて二つ。グラーフと飛龍さんのコンビが主導になる興行としての公演と、街の芸術祭で公演するライト版。2種類あるとはいえ、照明機材や効果が劇場の関係上違うだけで、ほぼほぼ同じである。濃厚な二日間を2回で、合計4日だ。ツアー講演もお手の物なアイドル那珂ちゃんじゃあるまいし、僕らにとっては特殊な形態となる。
「正直、子供たちがねぇ。通し練習は出来たけど、本番なんて何が起きるやら。それを何度もだよ」
「あなたの初舞台も、私の初出撃も、大変なことしかなかったじゃない。悲観してもしょうがないわ」
「……ごもっともで」
「大丈夫。朝霜も睦月も、山雲ちゃんも、不安がるほど弱くないわ」
なんてことない調子でおつまみのチーズをつまむ。あとひとつ。こういうとき困るんだよな、と思いつつワイングラスを傾ける。
「それもそうだ。立派になったもんだよ」
「……あなたも、だよ。弱くないよ」
最後の1ピースを僕の口に差し出して、悪戯っぽく微笑む。またこの少女(ひと)は、何の気なしに核心を突いてくる。突かれてから図星と分かる僕も大概だけれど。
「ありがと。元気出た」
「好きだもんね、チーズ」
「好きだからね、村雨ちゃん」
「もう」

冬休みも終わり。春は近い、はず。花(たち)を愛でていられるように、尽力せねば。

184
お酒作り 2017/01/09 (月) 23:03:22 29bdb@4d896

「あーあー、初めましてサラトガともうしまふ」

いよいよ冬休みも終わり、明日から学校。
緊張の面持ちのサラトガが居る。
引き攣った笑顔でひたすら自己紹介の練習中。
「明日は始業式だけだから何も怖がることは無いと思うわ」
サラッと伝える雲龍の言葉は彼女なりの心配の現れだと思うが、もう少しこう言い方というものを……。

一方で赤いランドセルを背負い合って見せあっているのは山雲と朝雲。
うん、子供たちは何も心配なさそうだ。
ニコニコ笑いながらお話している姿を見ると子供って順応性が高いなあと感心させられる。

1月は行く、2月は逃げる、3月は去る。
あっという間の年度末の頃だけどどうなることか……。

183
村雨の夫 2017/01/08 (日) 20:01:19 61018@fcb0e

1月4日。世間的には仕事始めということで、青葉お衣と打ち合わせを行う。
締め切りの詰めでもないのに我が家でしているのは、新年のあいさつだとしても特殊な例だろう。待ち合わせ、というか来訪のアポは15時で、会社にはそのまま直帰と伝えているそうだ。要するに、打ち合わせが終わればそのまま新年会である。毎年恒例とはいえ、それでいいのか敏腕編集者。
……もちろんそれでいいわけもなく、各種予定、展望、進捗について詰めていたら食卓に遅れることとなった。村雨ちゃんに呼び出されなけりゃもっと話し合っていただろうな。
酒もあまり入れられないし、新年会にしては小ぢんまりしたことになったけれど、みんな楽しそうだったからよし。
睦月、朝霜とお姉ちゃんらがお風呂に入っている間に、読者の皆様からの年賀状を眺める。昔からの人、今年初めての人。観劇から入った人、講演から入った人、もちろん小説からも。結婚した人も、子供が生まれた人も、何の因果か軍に入る人もいる。当たり前だけど、いろんな人がいる。ありがたいことだ。今年はもっとしっかり新作出せるといいなぁ。

1月5日。
青葉と衣笠が寝坊ギリギリ。慌てて出版社へ向かう準備をする。
結局、お衣が出発直前に定例会議がないことを思い出してクールダウンし、差し引き余裕を持った出発。
どうせ出かける準備をしたのだから、と新年の挨拶に行っておこうということになり、車に乗る。運転席に僕。二列目に青葉、三列目にお衣。助手席に村雨ちゃん、青葉の隣に睦月、お衣の隣に朝霜。
おかしいだろ。
どうも遊びに行くもんだと勘違いしたらしく、ご丁寧にニット帽まで被ってめかしこんでいる。いずれ見せたいとは思っていたが、いくらなんでも、アポなしで社会科見学はまずい。作家一人、編集者二人で即時にどうこうできるレベルじゃなくまずいが、二人とも乗り込んでしまっている。これを下ろすのは一苦労しそうだし、うきうきを妨げたくはない。預けるにしても義姉さんの家には三が日顔を出したばかりだ。
……よし。

「ごめんなぁ、新年早々急に頼んじゃって」
「いいのいいの~。はたらきものはだいかんげ~」
「まだお客さんも少ないからね。三人とも人気だったわ」
「…そりゃよかった」
「……独占欲強すぎるの、ほんと治した方がいいわよ」
「……はい」
「まぁ~まぁ~、それくらいで~。ぱぁ~っと新年会しましょ~?」
「ノンアルコールでな。あ、そうだ新年といえば」
「わかってます。お年玉はあげない、でしょ?」
「ありがとね。あいさつ回りしちゃうと総額がおかしなことになるし……」
「おかたいんだから~、も~」
「堅くていいの。普段甘やかしてるんだからさ」
急なお願いながら、イタリア喫茶のもとでお仕事体験ということに着地した本日。ちょうどいいので、僕もコーヒーを頂きながらお年賀のお返しを書いて、一日ゆっくり。あんまり追加注文できないのは二人に悪いな…。早く立派になろう。
「あなた、ショートケーキはいかが?」
「あれ、美人さんが三人も」
「きゅうけいのおじかんにゃ」
「イチゴの日、だぜ」
家族と友達がいれば、ご立派じゃなくてもいいか。ここでケーキ食べたならしばらくはいいだろう。天城さんにも、悪いねぇ。

182
名無しのおんこれ部員@Zawazawa 2017/01/05 (木) 01:00:37 bd7a7@1c7c0

あるアーケードの筐体で野分が演奏しようとしていたとき、インバネスコートを着た人物が野分の右隣のターンテーブルにやってきた。
「野分、隣失礼していいか?」
「は、はい、大丈夫ですけど」
「Danke.プレイ代金は私が持とう」
「え、いいんですか?」
「もちろんだとも」

野分がまず1曲目を選択する。
「あれ?最高難易度でいいのですか?野分は一番下にしますけど」
「ああ、大丈夫だ」
野分がまず選んだのは、冬のイメージのバイオリンの曲。階段を降りていくムービーが特徴的らしい。
最高難易度を選んでいたグラーフは余裕綽々の表情。これには後ろでまじまじと見ていた嵐と萩風と舞風も黙って見ているしかなかった。

2曲目も野分が選び、日本風でSEが特徴的な曲。タイトルが野分の好みらしい。
グラーフは依然笑顔のままであった。なお野分はクリアに失敗した模様。

「あぁ、3曲目は私が選ばせてくれ」
「ん?何にします?」
「そうだなぁ……」
といってグラーフが選曲した曲はときどき猫の鳴き声がするとても愉快な曲だった。
もとは別のアーケードからの曲らしい。
野分はクリアに失敗したがもう一度やってみたいとも思っていた。

これにてあっという間に2人プレーの時間は終わった。
「突然で申し訳なかったな。有難う」
「こちらこそ、素晴らしい腕前を見せていただいて感謝します」
「いやいや、例には及ばない。助言の何一つもしなかったのだから」

颯爽と現れた伯爵はこうして去っていった。
グラーフのプレイに見とれていた第四駆逐隊の皆はまたそれぞれのゲームを遊び始めた。

181
村雨の夫 2017/01/04 (水) 01:05:51 61018@fcb0e >> 180

おめでとうございます。
穏やかな家庭をいつも楽しませていただいております。
末永くお幸せに。

180
お酒作り 2017/01/03 (火) 23:11:02 29bdb@08f35

いつもお世話になっております。
大安吉日の今朝ゲーム内でケッコンしました。
ここの人を始め、読んでくださっている方々に感謝申し上げます。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

179
お酒作り 2017/01/03 (火) 23:06:54 29bdb@08f35

羽根つき、福笑い、凧揚げ、こま回し……。
お正月の遊びというのは多々ある。

そんなまま有る遊びの中で山雲と朝雲、サラトガがしているのは羽根つき。 カンカンと羽子板で羽根を打つ音が笑い声とともに酒蔵にいる僕にも聞こえてくる。

(本当なら旅行に連れて行ってあげたいんだけどごめん……!)

テレビのニュースでは帰省ラッシュや行楽地に出かける渋滞など出かける人が珍しくない御時世。 海が穏やかになって何年も経つ今年は海外に行く人が増えたとか減ったとか聞いたのを思い出す。
そんな中、いよいよ今年の酒が完成する間際の今は酒蔵から離れることは出来ない。
(ウチで働いてる職人さんたちはみんな帰省中だし……)
しかし、それに不満を言わない家族たちには感謝しかない。 去年は売り込みで放浪してたけど、今年の夏こそは出かけよう、連れて行ってあげようと決心しながら、僕は樽の中の酒をかき混ぜる。

そうそう、雲龍も書斎に籠って仕事中。
出版社に届いたファンからの年賀状を飛龍に持ってきてもらい、読んでは返事の年賀状を書いている。
サイン会のようなファンと直接会う機会を設けないことに対する彼女なりのケジメであるらしい。
連載始めた頃から読んでくださっている熱心なファンの方や友だちに勧められて読みはじめた方まで筆まめに『返事』を書くことを毎年欠かしていない。
(飛龍が年賀状の束を持ってきたらすぐスイッチが入るのが1番凄いと思うけど……)
真面目さ、スイッチの切り替えの速さ、僕にとってはとても良い目標だ。
到底追いつけないだろうが、近づくことは意味があるはずだ。

僕の新年の抱負、彼女に近づくこと。
そうだ、家族の抱負も聞かないと……。

178
村雨の夫 2017/01/01 (日) 19:03:05

なんだかんだ言って、冬は炬燵に緑茶が王道だと思う。普段も飲まないわけではないけれど、なんというか、苦みがまた格別だ。実家だからだろうか。それとも、新年だからだろうか。この空気はかなりすきだ。
「おじいちゃんおばあちゃんにおとしだまもらったー!」
「おー、ちゃんとお礼言った?」
「ちゃんと言ったって。てか見てただろ」
「パパは今年も心配性ってことねぇ」
挨拶は大事、心配性にもなりますよ、とは言い返さない。今更言わなくてもわかってるだろう。ずずず、とまた茶を頂く。おじいちゃんおばあちゃん…父さん母さんから受け取った少なくない教えのひとつは、ちゃんと継げているだろうか。大丈夫だろうな。信じるほかあるまい。
適当にテレビのチャンネルを変えながら、面白いものを探す。あっちもこっちも特番。正月からSen、神通さん、那珂ちゃんは忙しそうだ。映像がそのまま無事の便りとは、ありがたい平和の時代。
便りといえば、帰ったら年賀状が来ているんだろうなぁ。少しだけど、出版社宛にも毎年頂いているし、早めに受け取りに行かなきゃ。青葉とお衣は年末まで即売会?とやらで忙しかったらしいし、労いを兼ねて食事会でもするか。割り勘だけど。
父さん母さんと睦月朝霜にとって、テレビの内容は実際あまり興味は関係ないようで、適当に話題を膨らませる材料程度のようだ。学校の話、元艦娘のお姉さんの話、外国のお話、昔の話、なんでもない話。劇の話になったら僕の方にお鉢が回ってくるだろう、とぼんやりだらけていると、村雨ちゃんに写真を撮られた。なにしてんのさと言い返すのも野暮な気がして、穏やかな色の髪をもてあそぶ。今年も村雨ちゃんはかわいい。
「今年の…ほうふ?」
「目標のことよ」
「目標…そうだなぁ。ママのお手伝い、かにゃ?」
「あら。ありがとうね」
「じゃああたいは父さんの手伝いか?何すればいい?」
「元気でいてくれればそいでいいよ。睦月もね」
「私はなににしようかしら。パパに厳しく?」
「うぇ……」
ここ数ヵ月新しい人と知り合って、また色々と思ってるんだろう。あの劇に関わる皆さんが特別優秀すぎるだけだと思うんだよな!と思う反面、実際気を引き締めていかねばならんとも思う。先の即売会でも雲龍さんの筆が光ったと聞き及んでいる。切り替えの早さ、鋭さを見習うべきだなぁ。
「ねぇ、パパは?」
「抱負、ばしっとたのむよ」
「んー、ほどほどにがんばります」
「雑!」
思うところは多いけど、口にしたらこんがらがる。年の初めはこんなもんでいきましょう。

177
お酒作り 2017/01/01 (日) 00:05:16 29bdb@19462

そして31日。

こたつに入ってぐっすり眠っているのは愛娘の山雲と朝雲。 日付が変わるまで起きているといったが、二人とも22時にはウトウトしていた。
「風邪ひくわよ」と言いつつも大人しく、娘達の頭を撫でる雲龍。 慣れないおせちの支度に悪戦苦闘したためか、少し疲れているのがわかる。

「提督、日本のお酒は美味しいですね……」
ホッコリ顔を赤くして僕の作ったお酒を堪能しているのはサラトガ。4月からこっちの大学院で日本の勉強をしながら、愛娘らの英語を教えることになっているらしい。奇遇にも僕らの母校の院なので色々手助けは出来るかもしれない。

(しかし僕の家から通勤しますって……)

本来であれば学校近くの賃貸物件を借りれば良いものをと思ったが、日本文化が勉強できるからと僕の家を選んだとか。
この提案には驚いたが雲龍が快諾した事の方が大きな驚きだった。 アメリカの艦載機のプラモデルを貰ったからと言うのもあるだろうけど、それより信頼があったからなのかな。

(サラトガと雲龍のスロットで補い合うことが多かったしね)
ふと昔を思い出してしまったり。

さておせち作りを終えて、そばも食べ終えて除夜の鐘も聞こえたしそろそろ。
まもなく来年だ。
来年はどうなるのか、それは分からないが子供たちや出会った人々の幸せを祈って新しい年を迎えたい。

「明けましておめでとう!」

176
お酒作り 2017/01/01 (日) 00:03:32 29bdb@19462

26日から28日にかけては大掃除を敢行。
昔ながらの古い家は普段から使っていない部屋も有る。 しまわれていた家財道具に日の光を浴びせて、箒や雑巾で掃除。 サラトガは大掃除の習慣に驚いていたが、雲龍からの説明にフムフムも頷き参加してくれた。 掃除はみんなでするもの、大掃除は一年の穢を清めて、新年を迎える大事な儀式。

29日は雲龍が即売会の方へ足を運んだ。 あまりの人の多さに驚き、疲れた様子だったが某出版社の出展スペースへ足を運んで本が売れていく姿を見て、エネルギーを貰えたと言っていた。 顔が紅潮して居るのは寒さよりも喜び。 あまり人の多い所へは行かせたくなかったが、喜んでいたので何よりだ。 この夜に飛龍が青葉さんと衣笠さんを連れて打ち上げをやったのには圧倒されたが、今日が仕事納めだったらしい。 仕方ない、しっかり飲んで労をねぎらってもらおう。

30日は餅つき。
最近はノロウイルス等の蔓延を防ぐために餅つき会を無くす動きがあるが、我が家はどこふく風。 しっかり自宅に杵と臼、モチ米も用意してあるから家で作れる。 例年は餅つき機を使って餅を作っていたが、今年はサラトガがいる。 杵と臼を使って家庭内餅つき大会だ。 僕が餅をつき、雲龍がこねていたが、山雲と朝雲もやりたいと言ってきたので手を添えて手伝ってもらった。 出来立ての餅のさわり心地を知って娘たちは驚きと喜びが混ざった様子で、粒の集まりだった蒸した米が餅になっていく姿にサラトガはとても驚いている。 お雑煮に入れる分と、鏡餅を作ったらあとは出来立てのお餅を食べるだけ。 あんころ餅と醤油と砂糖で和えた甘辛餅を食べた。 伸びる餅に驚くサラトガの顔は忘れないだろうな。 雲龍と写真に収めて成功だった。

175
お酒作り 2017/01/01 (日) 00:02:41 29bdb@19462

24日はクリスマスイブ!
練習が入っていたとのことだが、朝雲はサラトガとお留守番。 この劇のことは朝雲に秘密だったので、サラトガに無理を言って冬休みの宿題をするようにお願いしてしまった。 安心してくれ、夜には必ず二人を連れて行くから!
村雨さんの旦那さん曰く帰省等の予定を考えてのことだそう。 グラーフさんの所とか忙しそうだし、飛龍も即売会の方に行くらしいしこれは賢明かな。
年明けに本番を迎えるこの劇。 ド素人の僕も要領がやっとわかってきた。 照明器具の使い方もこなれて来たし、観客としての意見も言えるようになってきた。 いや、本当にド素人丸出しなんだけど……。 それを取り入れてくれる村雨さんご夫妻には感謝と恐縮。 雲龍も演劇の本を買って読んでいたけれど、そのかいがあったのか初めの頃より的を得た意見を行っているように見える。 細かい修正に関して具体的に人を指定して、こうしてみて欲しいと言えるようになっていた。 こういうコツコツ勉強して、すぐに生かせる技術。 泊地にいた頃も新しい艦載機を渡すとすぐに練習して熟練度をあげていたなあと昔をついつい思い出す。
さて、主催者のグラーフさん。 立ち回りから声の出し方から指導が的確で舞台の出演者からは好評だ。 僕はあまり指導を受けないので残念なのだが、きっとそれなりの評価は得ているのだろうきっと! そうそう村雨さんは博識。 グラーフさんと雲龍が作った台本で難しい言葉を子供たちへ分かりやすく噛み砕いて教えている。 僕もよく分からない言葉に村雨さんの解説を聞いて「なるほど」と学ばせて貰った。 こういう自分たちをきちんと見て、教え諭してくれるお母さんがいるから睦月ちゃんたちも良い子なんだなあと納得しかない。 ……羨ましいのは、たまに旦那さんと笑顔を向けあっていること。 仕事とプライベートを切り離す雲龍だとこの練習の時に笑顔を全く向けてくれない。 そういう切り替えの早さがきっと執筆の速度に反映しているのだろうけれど。
そして今度は鳳翔さん達の料亭で親睦会を兼ねたクリスマス会。 村雨さんの旦那さんからの提案でサンタクロースに扮して現れた僕。 妻は吹いていたが、この会から来た朝雲からは好評だった、お菓子の靴を渡した時に目をキラキラさせていたし。 そうそう、サラトガがトナカイとサンタクロースの衣装を山雲と朝雲に用意していた。 睦月ちゃんや朝霜ちゃんが喜んでいたのにはビックリだが、さすがアメリカ育ち、クリスマスの楽しみ方を知っていたなと唸ってしまった。 雲龍は娘二人の激写に夢中、そのせいか村雨さんの旦那さんから受けた質問を要点が少し抜けているように思える。 プライベートのスイッチ入ると一気にそっちに触れるのは少し気をつけないとな……。 サラトガはグラーフ・ツェッペリンさんとお話の真っ只中、朝霜ちゃんとともに朝雲も話に入るタイミングを探っていた。
そして旦那さんたちへ僕からのクリスマス・プレゼントとして日本酒を渡せた。
お二人からはなんと紅茶とコーヒー! これは嬉しい。
イタリアの紅茶とはお墨付きを受けたブランドを貰うような気分だった。コーヒーも良い香りがする、両方楽しめるのは贅沢だなあ。
奥さんたちの方もプレゼントを交換していたようで、雲龍は頂いた眼鏡を早速かけていた。 ……メガネ好きではないが、これは良いギャップ。 さて雲龍からはと言うと葛城と選んだペアのマグカップを村雨さんへ、グラーフさんの奥さんにはペアのワイングラスを渡していた。 最初は作ったプラモデルで良いかしらと言っていたので止めてアドバイスを受けたのは正解だったかな。
そして今日は『本物』のサンタさんが家に来るし子供たちも早く寝なければならないので、僕らの会は終わった。また参加したいなあ。
そして家へ帰ると、子供たちはお風呂に入り、歯を磨いて速やかにお布団へ入った。 ふとリビングのテーブルにはビスケットが。 サラトガ曰く、朝雲がサンタさんが食べるからと作ってくれたらしい。 冬の夜長、紅茶とコーヒーにピッタリな甘味、ありがとう朝雲。

25日クリスマス。
枕元に置かれたサンタさんからのプレゼント。山雲には小物入れ、朝雲にはマフラーが届いたと喜んでいた。 その小物入れは酒樽を廃棄するときに削って作ったもの、そしてそのマフラーは雲龍がこっそり夜に作ったもの、2つとも僕らのお手製だ。実用性とオシャレ、対極的なプレゼントになってしまったが、娘達が喜んでくれたなら何より。
「Wow!」
ふふふ、子供部屋の隣の寝室からも英語で驚く声が聞こえた。 サラトガには雲龍が使っているものと同じ万年筆、そして髪留めを送った。 バタンとドアを開いて子供たちに負けず劣らずキラキラ喜ぶ姿は可愛らしいなと僕と雲龍はホカホカ。 なんとも可愛らしい先生だ。
朝の食卓は普段と違い洋食、デザートに天城の特製ケーキを出した。 濃厚なクリームと生地、そして瑞々しい果実の酸味……。 また腕を上げたなと僕は唸るしかなかった。

174
お酒作り 2017/01/01 (日) 00:01:45 29bdb@19462

さてさて冬休みに入った。
他の家だと帰省だとか旅行とか有るけれど僕の家の場合だとそういうことはそもそも縁がなかったり。
家族には申し訳ないが仕事もあるし、家でのお正月だ。

22日、終業式。
本来であれば雲龍が運転手だけど、今日は僕が運転手。なぜなら今日は特別な日だから!
さて終業式から少しして、山雲は高評価の通知票を持ってきた。体育と理科系の科目が特になかなか。 畑や野山を毎日走り回ってれば体力も付くし、観察力も高まるか。 一方で国語の科目は普通。後で雲龍が少し寂しそうだったのは、文書を書き囲んでいる環境で育てていたのにという残念な感情からだろう。 まだまだ分からないし、焦らなくていいのに。 演劇だって励んでいるのだから、きっと文系の方の力もグイッと来るよ。パソコンや外国語の授業があると聞いてどちらも苦手な僕は固まってしまったが。 最近の子供たちは僕の遙か未来へ進んでいる……。
さて、僕らは空港へ。
駐車場に車を停めて飛行機の到着を待つ。
しばらく。
時計を見れば30分位だったけど、僕には長く長く感じたその時間。
『ただいま!』
キャスターバックを引いた愛娘の朝雲が帰ってきた。
山雲は朝雲の手を嬉しそうに握っていたし、朝雲もニコニコ。微笑ましいこと限りなし、無事に帰ってきてくれて良かった。
CAとして同じ飛行機で様子を見ていた葛城曰く、落ち着いていて安心して見れたそうだ。
僕がこの子らくらいの年の頃だとテンションが上がって騒いだなーと反省。
そして新しい家族(?)のサラトガもやってきた。
向こうの学校で教鞭を執っていたが、日本について色々と勉強したかったらしい。
わざわざウチに住み込んでと言う選択肢を取るのにはビックリだが、来る者は拒まずの精神だ。 朝雲もお世話になったし、これくらいは朝飯前!
そんな感じで終業式の日は特別な1日として家族が更に広がった日だった。

23日。家でのんびり。
年賀状を印刷し、お世話になった人へのメッセージを僕と娘たちで書いていたら、飛龍がやってきていつも通りの推敲作業。
これもいつも通り早く仕上がっていたので、余計なお仕事を足された雲龍。
バチバチ怒っていたが、即売会で出す本の原稿が落ちそうなので代わりに何か書いてと無茶振り。
黙々と3時間で少女漫画チックなファンタジーを書き上げたのには驚かされた。 どんだけ文才あるのか、頭の中を覗きたい。
飛龍としてはサラトガとのお話にも関心が有ったらしく、かなり会話していた。 後で聞いたが物怖じすることなく話しかけて語る飛龍にサラトガは驚いていたらしい。 大丈夫、あんなに気さくなお話をするのは村雨さんくらいだ。 雲龍は人見知りがすごいし。
ちなみにこの後、雲龍に報酬としてクリスマス・プレゼントを要求されて飛龍が唸っていた。  編集さんもお疲れ様。

173
村雨の夫 2016/12/27 (火) 21:08:30

26日。クリスマスお泊り翌日。
結局長いマフラーを二人で巻くことはかなわなかった。二人きりで聖夜ってのも、出来なかった。
それでいいんです。家族や友達と一緒で、笑えてればいいんです……だなんて。正直、そんな大人になり切れないけれど、頑張って少年の自分を御して生きる。愛も恋もあってよかろ。

昼とはいえ真冬。寒さに頬を染めた彼女をつい見つめてしまう。気付かれて、微笑まれて、ドキドキ。

その僕たちを見るや否や、割って入るのは朝霜と睦月。わかった、わかった。手を繋いで帰ろう。朝霜の手は、まだ小さいけれど、確かに暖かく、しっかりしてきた。睦月はお姉ちゃんとママに挟まれてご機嫌。

奥さんは素敵で、娘たちは元気。幸せ者だなぁ。

172
村雨の夫 2016/12/27 (火) 17:56:48

冬休み。イベントの多い季節だ。
家族との生活はいつだって色とりどりで、語ることのない日なんてそもそもないのかもしれないけれど。

22日、終業式。
持ち帰る荷物はたくさんだけど、車を出したりはしない。本当のことを言うと出したいんだけど、過保護でもいけない。と数年前たしなめられた。村雨ちゃんの言い分曰く、艦娘だって能力が完全に目覚める前から訓練してたんだし、とのことである。あの子たちは艦娘になるわけじゃないんだけど、何かにつけて保護してもカッコ悪い気もする。
お楽しみの通知表は、なかなかの高評価。ここ数か月は劇の練習もあって正直不安ではあったけど、逆に文系科目にいい作用を及ぼしているようだ。算数、理科も、パズルとかと同じようにイメージに落とし込んで出来ているらしい。
体育は僕に似ず抜群、図工もよし。難関となってくるのは社会科か?覚えること多いもんな。
親になって驚いたのが、今の子は英語もパソコンの扱いもバリバリやるんだと。英語はウォースパイトに頼って、実際会話は問題ないと思ってたんだが、朝霜の授業内容になると筆記が追い付いていないらしい。あと、睦月はまだたまにイタリア語が混ざる。朝霜も通った道なのでこれは心配していない。
総合して、今年も文句なし!お年玉弾まないといけないかもなぁ。村雨ちゃんと要相談。

23日。年賀状戦線。
娘たちは友達数人。そして祖父母と白露家へ。僕は知己、仕事関係の人。村雨ちゃんもご友人へ。鎮守府時代の元艦娘たちには、それぞれが一言ずつ書く形で。
娘たちは聞いてないけど、夜のラジオでモデル・タレントのSenちゃんが僕らの劇の宣伝をしてくれていた。……川内のやつ、毎週毎週好き勝手やってまた怒られても知らないぞ。それがウリといえばウリなんだから、いいのかね。

24日!クリスマスイブ!!
好きで無慈悲な練習計画を入れたのではなく、26日(月)以降になると帰省込み、遠出レベルで各人で予定があるだろうなぁと思ったんです。逆に24,25なんて遠出しても地獄めいて混んでるんだろうなと思ったんです。その上でちゃんと許可を頂いて開催です。
段々出来上がっては来ている。年が明けしてしばらくすれば本番を迎えるこの劇は、各自の協力もあって順調に進んでいる。時に全体のバランスを見て調整や修正を行いはするけれど、これからがらりと変わることはないだろう。まさしく軌道が安定したわけで、少しずつ余裕はできている。
子供たちも僕ら親だけでなく、劇団の役者たちにも積極的に話を聞いている。うちの二人はともかく山雲ちゃんは初顔合わせばかりのはずだったけれど、かれこれ数か月もすれば慣れるものか。大したものだ。
慣れると言えばご両親もなかなかのもの。パパさんは照明機器の扱いのコツをつかみ、また時に観客目線で目の覚めることを言ってくれる。雲龍さんは逆に専門的な部分をどんどん吸収し、世界を作っている。勉強熱心さにつけて頭の上がるところはなく、盗もうとしていた速筆のコツとは、結局性根の部分の話になりそうだ。村雨ちゃんや青葉お衣に助けられてギリギリの僕には耳の痛い話で、直視したくないな…。
グラーフは特に言うことなし。いや、本当に言うことがない。技の切れは増し、舞台演劇の間合いもつかみ、発声方法も適応させてきた。何を言えというのか。全く恐ろしい。
村雨ちゃんはそんな僕らを見ながら、陰に日向にお手伝いをしてくれている。専門としてやっているわけでなくても、流石に僕の妻を長らくしているだけのことはある。いつの間にかいろいろと覚えて、簡単なケアやサポートが立派にできる自慢の奥さんだ。子供にセリフの意味を教えたり、衣装の具合を確認したり、これが結構八面六臂。表だって僕を助けることはあまりしないけど、目が合った瞬間微笑んでくれる、それだけでいいのだ。

聖なる前夜は、そのまま料亭での親睦会へ。鳳翔さん、龍驤との約束を年内に果たせてよかった。
「少し練習場の片付けと打ち合わせがある」といって到着の時間をずらし、赤服白髭で入店。毎年恒例のサンタ装束が、今年は父三人でうちの子たちにも衝撃を与えられただろうか。ここでの共通プレゼントは所謂お菓子入りのブーツ。鳳翔さんも龍驤も欲しがらないでほしい。
一通りのオープニングを終えてからは、和洋折衷、古今東西のお料理が並ぶ大賑わいのパーティへ。途中から合流したご家族含め、皆さん楽しんでいただけたようだ。子供たちははしゃぎ、空母たちは昔話に花を咲かせ、妻同士、夫同士もまた日々の話をする。料理の話題には睦月が首を突っ込み、朝霜は異国に思いを馳せている。僕は速筆のコツを聞き出すことに失敗。なんとなく通じるものはある気がするんだけど、肝心なところを今一歩つかみきれなかった。はぐらかされた感じはしないけれど、話の広がり方、回し方が不思議な人だ。旦那さんも日々楽しいんだろうねぇ。村雨ちゃんは何の話をしていたかわからないけれど、上機嫌だったのでよし。自分の姿に似た少女に何を話していたのやら。
今夜は運転手だけにお酒を入れなかったけれど、ご自慢の日本酒を頂いた。グラーフからはコーヒーを頂いて、僕はザラの紅茶を贈る。なぜか飲み物で三角形が出来上がった。イタリア娘の紅茶ということで少し驚かれたようだけど、味はもちろん各方面のお墨付き。「コーヒーだけっていうのもなんだものね。せっかく日本にいるし、本場の人とも会えたし」と言っていた日が懐かしい。
村雨ちゃんは、確か雲龍さんに眼鏡と、グラーフのとこの奥さんに手袋だったかな。子供たちは事前に雑貨屋で小物類を選ばせている。チェックはしていないけど、義姉妹の助けもあって予算内でいいものが選べたはずだ。どうやら各々、満足していたようでなにより。
そして、あまり遅くなりすぎないうちに解散、解散。星は満天、寒空に祝福の光。

25日。白露家でのどんちゃかクリスマス。
枕元に置かれたサンタさんからのプレゼントのニット帽を被り、新作のパーティゲームを持って、いざ白露家へ。ぱっぱらー。今日は歩きだからお酒も飲める、ということで僕ら夫婦も何気なくワクワクしている。ちなみにお互いに贈りあった手編みのマフラーをしているので、村雨ちゃんの方が不格好だったりする。それでも手編みは娘たちにとっていいものらしく、来年はお菓子ブーツじゃなくマフラーがいいと早くも予約が入っている。ふむ……どうしたもんか。
ゲームあり料理あり、手作りケーキありの大騒ぎ。天城さんのところも大忙しだったんだろうかね。
プレゼント交換もまた、いい具合にごちゃごちゃであった。姉妹10人に僕、睦月に朝霜で13人もいれば嬉々交々。いやまったく、いい日であった。

ここから大みそか、帰省、あの鎮守府からの招待もいただいている。さぁて何が起きるやら。冬、冬、冬だ。

171
お酒作り 2016/12/21 (水) 23:50:16 29bdb@9ef70

さて、今日は冬至。
家の湯船には黄色い柚子が浮いている。

家になっている柚子を風呂へ入れただけの簡単なゆず湯だが、強い香りがお風呂場を超えて台所まで漂ってきた。
邪気を払うために香りの強い柚子を入れて禊を行っていたというが、ここまで漂ってくるとは恐るべし柚子の力……!

「大きいの選んできたわ〜、あま〜いなんきんね〜」
女性陣がゆず湯を堪能している間、僕は台所で夕飯の支度中。大きな大きな緑色の皮の南瓜と格闘中だ。

冬至に『ん』がつくものを食べると運気が上がるんだよと説明したら、南瓜(なんきん)をどこからともなく持ってきたのは愛娘の山雲。
あとで畑を見せてもらったが、冬のお野菜を育てているとは……。
親バカではあるが行く末が恐ろしい。

さて圧力鍋で一気に煮込みシチューにしたが、それでもまだ半分残る。

これは天城に渡してスイーツにでも家の食事でも生かしてもらおうか……。

今日の夕飯は南瓜(なんきん)のシチュー。
野菜の甘みと牛乳のコクがよく出たとても美味しいものになった。

いよいよ本番も近い、頑張ろう!

170
お酒作り 2016/12/21 (水) 23:34:35 29bdb@9ef70

師匠(せんせい)が走るくらい忙しい時期の師走。
実際は当て字とか、師匠ではなく坊主だとか諸説あるが、僕としては師匠は面白いんじゃないかなと思っているのでそういうことにしよう。

昨年まではのほほんとどこ吹く風だったうちの先生(妻)だが、今年はそうも言ってられないようだ。グラーフさんからの要望が多く、それを反映させようと考えているらしい。

「それでも本業のエッセイに全く支障が出てないから大したものよ! 担当として鼻が高いわ〜」と気楽な言葉を放つ飛龍も体重が落ちたとか言っている。
民間の即売会に某出版社が出展するということでその作品の推敲で慌ただしいらしい。

ああもういよいよ年末かぁ。

僕の仕事も忙しい。
麹が出来ていよいよタンクの中では酵母たちが発行してる最中。
その様子を常日頃記録、おかしかったら蔵の温度を調整するなど、鼻と目と耳、それに手。
五感をフル活用。
(他の職人さんには頭が上がらないなあ……)
ただ僕の小さな蔵ですら、お酒作りは一人ではとてもやりきれない仕事。僕の家でのお仕事に連れ添ってくれている職人さんたちには感謝の2文字に尽きる。
年が明けたら新酒、ひやおろしと出荷の時期。
火落ちの心配も無いし、今年はどんな味になるのかなと作り手ながら楽しみだ。

各々の事情を抱えながらも演劇の練習も大詰めだ。

雲龍は立ち上がって色々言うことも少なくなった、山雲も響く発声をしているし、飛龍も着ぐるみを着ながらも熱演している。

もう一人の愛娘と僕たちとともに戦ったアメリカの空母がいよいよ帰ってくるのだ。

僕も大道具の作成や照明の操作も慣れてきた、素晴らしい家族と仲間に恵まれているとアピールしたい。

そんな冬の日の夜。

169
村雨の夫 2016/12/13 (火) 21:16:11

「クリスマス対策会議をします!」
「おーっ!」
「……なんでうちでやるんですかね、義姉さん」
ついつい疑問をこぼしつつ、昼時のゲストの白露義姉さんと夕立ちゃん、そして村雨ちゃんと僕の分、四人分のミルクティの用意をする。させられていると言ってもいい。
「ごめんね、騒がしくって……」
「まぁまぁ、いいじゃないの?私たちも子供たちのプレゼント、考えなきゃいけないでしょ」
「まーそうだけども」
「今年も一緒にパーティするんだから、これが一番効率がいい!」
「睦月ちゃんや朝霜ちゃんの分のお菓子も持ってきてるっぽい!」
「もちろんあの子たちが来るまでに会議は終わらせるよ?ほら座った座った!」
言いくるめられて言う通り。これでもこの人たちの上司だった過去があると自分でも信じられない。否、あの頃も給仕くらいはさせられて、もとい、していた気もする。ともかく、今は義姉と義妹と愛妻である。炬燵を囲んで、パーティの準備を始めよう。

「……これでどうでしょう、夕立さん」
議長の真剣な声が、クリスマス会議会計担当に問う。静寂の中、電卓を叩き、メモ帳をペンが走り、本職会計から受け取った資料と見比べて、そして。
「……予算内!大丈夫っぽい!」
無事、認可され、緊張の糸が解ける。会議を始めて数時間、これにて決着。白露義姉さんは寝転がり、村雨ちゃんは息をつく。夕立ちゃんも同じく安心した様子で、手早く会計道具を片付ける。「いつ帰ってきてもおかしくないっぽい」とは、気の利いたことで。
そしてその予見通り……と言うほどではないけど、息抜きもそこそこに睦月が帰ってきた。お姉ちゃん二人に喜んでいるところ悪いが、先に宿題をしてもらおう。僕がそう言わずとも提案し、その上監督役を買って出てくれるあたり、義姉さんも大人になったものだとしみじみしてしまう。全く、誰目線なんだか。村雨ちゃんも同じことを考えていたのか、二人を見て優しい目をしていた。

「……あのさ、おじさんいつも5時には解散しましょうって言ってるよね。暗くて危なくなるからって」
「うぅ」
「…ごめんなさい」
「そんなこと言っても、冬なんだから仕方ないじゃーん!いっちばん早く暗くなる季節って知らないのぉ?」
「白露義姉さんが口答えしない!」
17時をしばらく回って、遊びに来ていた如月ちゃんと清霜ちゃんの送迎をしている。いくら同じ小学校区の近所だからって、子供の足なら時間がかかる暗い道を、女の子だけで帰すわけにはいかない。自転車を荷台に詰め込んで、今日「も」楽しいロスタイム……そう、「今日も」である。恒例になりつつあるのはあまりよくない傾向なので、厳しめの口調で釘をさすが、まさか助手席からの反撃が雨あられとは思わなかった。
「だいたい、もっと早く注意すればよかったんじゃないの?お・じ・さ・ん?」
「お前がいつまでもこの子たちを放さなかったせいだろ!」
「あーお前って言った~!お義姉ちゃんにそういう言葉遣いいけないんだ!」
「うるさい!お前はお前だ!」
「……なんだか、懐かしいっぽい」
前言撤回、こいつはいくつになっても一番の悪戯娘。よそ見をできないからわからないけれど、わかる。白露はあの頃と同じ顔で笑っている。僕も、あの頃に戻っているのだろうか。
なんだ、かんだと言い合っている間にくすくす、と背後から押し殺した笑い声が聞こえてくる。少女三人、特にちょっと叱ってしまった二人が楽しいならそれでいいかもしれない。清霜ちゃんはちょっと大笑いしすぎな気がするけど、咎めるほどではない。…というか、朝霜ほどではない。
「なぁに笑ってるの、おじさん」
「なんでもない。あと白露、お前はそう呼ぶな」
そして、送り慣れた家に着く。しかして、すこし見慣れない姿。自転車を下ろして、つい見惚れてしまう。
「すごい……」
「うふふ、もうすぐクリスマスですもの。父が張り切っちゃって」
「イルミネーションか。いいお父さんだね」
「いいなぁ、わたしもパパにお願いしようかなぁ」
「それじゃね、如月ちゃん!」
「はい、また今度。今日はありがとうございました」
彼女はドアから踊るように降りて、一礼。光を浴びて、髪が、髪飾りが輝く。最後に一言、「舞台のこと、また連絡するね」と付け加えると、「楽しみにしていますね」と微笑んで応えた。迎えに出てきたお母様は、如月ちゃんに似て美しい。彼女も旦那様の一番なんだろう。僕の村雨ちゃんと同じように。

雪が降りそうで、降らない夜。清霜ちゃんに舞台の話をしながら、闇を照らして進んでいく。最愛の家族のもとへ、早く帰してあげなければ。

167
名無しのおんこれ部員@Zawazawa 2016/12/11 (日) 22:27:42 8f50c@1c7c0

コマンダンテストともテーブルを共にしてからしばらく経ち、パーティーも終盤に差し掛かり、デザートのケーキを取ってきた春風は朝風に質問する。
「ところで、シュミット家と朝風ちゃんのところはどういう関わりなのでしょうか?」
村雨は妹を気にかけている。
「私にはよくわからないわ。お母さんに聞けばわかると思うけど」
「あら、ちょっと突っ込みすぎたかしら。ごめんなさい」
コマンダンテストが説明に加わる。
「イイノヨ。私達は十年と少し前にシュミット家の人に助けられたの。春風ちゃんも知っていると思うけど、当時は深海棲艦の脅威がすぐそばに迫っていました。私達は船でBrestからDunkerqueまで移動しているとき、深海棲艦に襲われました。艦娘たちが深海棲艦を撃退したのですが、私達のが乗った船を探し、助けてくださったのがシュミット家の人でした。名前は確か……スタニスラス・シュミット。ドイツからフランスに渡った貴族でスタニスラス本人は伯爵と聞いていますわ。」
「あの、ロマネ・コンティも彼から頂いたものなんですか?」
「実は違うのです。シュミット家は一家が離れ離れで今やロシアのサンクトペテルブルクに施設が少しあるだけのようです。どうやら、フランスの他にもロシアでも活動していたみたいです」
「そのワインはロシアからということですか?」
「そうです。あのワインはシュミット家の施設を管理している代理人の許可を頂いて貰ったものなのです」
「ということは、その家族はもしかして……」
「いえ、私は一族はいると信じています。特にスタニスラス・シュミットは生きていると信じています。私は、彼に恩返しをしなければなりません。私も、私の夫も彼に助けられたのですから……」
「そうでしたか……。なんか、申し訳ありませんでした」
「ふむふむ、そうでしたか!私たちもスタニスラスさんを探すお手伝いはできませんか?」
「お姉ちゃん……?私もささやかながら手伝えたらと思います」
「でも、Japonにいる可能性は低いわ。なにせ欧州で活動していたみたいだから。私は艦娘になって日本に派遣されて来たけど、今もヨーロッパで探したい気持ちは山々なの」
「でもね、お母さん。日本には神風ちゃんも春風ちゃんもいるの。大切な仲間がいるの。日本にいながら探したらいいと思うわ」
「そうね、朝風。私達は一人じゃない。もしかしたら彼は日本にいるのかもしれないわ」
「少しずつ手がかりを探すことならできそうですね」
「協力します!」
「村雨ちゃん、春風ちゃん、ありがとう。必ず恩人を探してみせます。せめて、スタニスラス・シュミットが残した一人息子の手がかりでも……!」

春風はハンカチをコマンダンテストに渡した。
「せっかくの朝風ちゃんのためのパーティですもの。残りの時間は短いですが、楽しみましょう」
「Merci」

こうしてパーティーは大盛況の中終幕を迎えた。迎えの車からグラーフ・ツェッペリンが現れ、娘二人を連れて帰るときであった。
「Bonsoir, Commandant Teste」
「貴方は?」
「グラーフ・ツェッペリンだ。村雨と春風の父親を、している」
「わざわざ、送るのですね」
「夜も遅いからな。こちらこそ、娘を招待していただき、感謝する」
コマンダンテストは『Graf Zeppelin』の名刺を受け取り、車が闇夜に消えるのを見つめていた。

166
名無しのおんこれ部員@Zawazawa 2016/12/11 (日) 22:27:03 8f50c@1c7c0

朝風の誕生日会。
朝風の母親のコマンダンテストが挨拶し、パーティーの幕が開ける。
「本日は、ムスメの誕生日にお越しいただいて、ありがとうございます」
「早速ですが、シュミット家より頂きましたロマネ・コンティで乾杯しましょう!カンパイ!」

春風と村雨は朝風と同じ机に招かれた。春風は朝風のグラスにシャンメリーを注いだ。
「誕生日、おめでとうございます。」
「ありがと、二人なら来てくれると思ったよ」
あれよあれよと白いテーブルクロスの上に食べきれない量の料理が運ばれてくる。
「バイキングだからね、村雨、春風。じゃんじゃん食べてもらっていいけど、無理はしちゃダメよ」
「もちろんですとも。朝風もハメを外しちゃだめですよ?」
「わかってるって!」
お腹が空いたのか、三人はつくね団子、カルパッチョ、ミニグラタン、パスタ、鮪のステーキ、手羽先と1品は少しの量だが、多くの料理を食べていった。
シャンメリーの瓶が空いた頃、コマンダンテストがおかわりの瓶とともに朝風と春風のテーブルにやってきた。
「元気で良かった、春風ちゃん。それに村雨さん」
「ありがとうございます、おかげでたくさん食べています」
「いいのかな?私ももーっと食べても」
「いいのよ、じゃんじゃん食べてもらって。まだまだ楽しみましょ」

165
村雨の夫 2016/12/11 (日) 12:02:28

~レヴュー「Juwel des Meeres(仮題)」~
【演出】
・大筋のイメージ合意OK
・舞台特有の演出、制限について アドバイス進行中→実際にみせる←去年の公演?
・そろそろタイトルを正式なものに!→キャスト、スタッフにも聞く
【キャスト】
・劇団:問題なし
・小学生:立ちは〇 通しの緊張に慣らす必要あり←冬休み?←宿題は?
・飛:不安←覚えはいいけど仕事優先←出番調整の必要あり?
・グラ:大体OK 発声基礎 仕事もあるので仕上げは早めに
●要:発声の見直し 殺陣 小学生の息抜き
【音 照明】
・第六次案で完成? ←全体通しを見ながら修正
・通しで最終確認(山パパのケア大事に)
【大道具】
・進行中 年内に完成
・転換の練習はいつも以上に入念に(事故厳禁!)
【衣装 小道具】
・そろそろ本物の道具でいいかも
・衣装合わせと製作ははやめに(今回は対外交渉もあり)
【広報】
・青衣にたのむ ←僕、雲龍さんの連載
→ラジオ、テレビなど? ←テレビは無理では? ←航空社のスポンサー番組とかで…こう…?
 →ラジオの場合誰が出る?→ウォースパイト 僕
  →グラーフさん なくはないが多忙
  →雲龍さん 難しい?
 →川内がラジオで宣伝するとか言ってたけど大丈夫かな…
 →いつもの劇団の宣伝路
【財務】
・がんばる
【その他】
・通しの日付とシーンごとのスケジュール見直し
 →親睦会と忘年会(新年会?)の設定
――――――
「ノートよし、と」
「あなた、準備はいい?みんなは大丈夫よ」
「ん、行きますか」
空は青、風は強く、駆け抜ける空気はまさに冬。
今日は貴重な休日練習。頑張っていこう。

225
製麺大将@ブルネイ提督 2016/12/10 (土) 20:04:53 >> 223

じゃぁ…その価格で(服を脱ぎながら)

そのワードで検索してみま!