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ロックマンツルギ異聞第2話「虚飾」

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剣が集合場所の乃梓(のあず)公園に向かう道中にて…

タタタタタッ!!
「おっと!」
剣の進行方向の横から切羽詰まった表情を浮かべた女性が突然飛び出してきて、剣はそれを避ける。
女性はそのまま走り去っていった。
「(只事じゃ無さそうだな…)」
剣が女性の来た道に目をやると…

「(あれは…まずい!)」
剣が目にしたのは路地裏で10代前半くらいの少年が柄の悪い二人組の男に絡まれている光景だった。

時は数分前に遡る。

「よう姉ちゃん、これから俺達と良い事しない?」
「悪いようにはしねえからさ、ブへへへへ」
「や、やめてください…!」
二人組の半グレがその場を通りかかった女性に付きまとっていた。

「やめて…!離して…!!」
「素直じゃねぇなあ…ま、そう言ってられんのも今の内だけどなあ!!」
下卑た笑いを浮かべながら強引に女性を連れ去ろうとする半グレ達。
その時。

「やめときな、その姉さん嫌がっているじゃねぇか」
半グレ達の後ろから声がする。
「何だあっ!?」
半グレ達が振り返るとそこには声の主である10代前半ぐらいの少年がいた。
少年は若干長い茶髪で額には十字傷があり、服装は上は黄色い肌着の上に折れ曲がった標識がプリントされた
黒いTシャツを重ね着しており、下はあちこち破けたジーンズとスニーカーといったものだった。
http://ssdrexzzx.starfree.jp/shou1.png
「坊や、ここは大人の場所なんだ…坊やは家帰ってママのミルクでも吸ってな…ブへへへへへへへ!!」
相手が子供と見るや半グレ達は嘲り笑う。

「俺には母親なんて…いやしねぇよ…んな事ぁどうでもいい、嫌がる女性に無理矢理迫るゲスな真似をやめろと言っているんだ」

「何だとぉ~偉そうに…!」
ブンッ!!
半グレの1人が少年に殴り掛かるがその拳は空を切る。

少年は半グレ達と女性の間の位置に一瞬で移動していたのだ。
そして少年は女性に耳打ちした。
「ここは俺が何とかする。姉さんは逃げな」
少年の只ならぬ雰囲気を察知したのか女性は無言で首を何度も縦に振り、この場から走り去った。
「おう糞野郎共、俺の理性がある内に今の姉さんが行った方向と逆方向に消えな。
そうすりゃ見逃してやるよ」
少年はドスを効かせた声で半グレに言い放つ。

「チッ、逃がしちまったか…その代わりに…新しい得物が見つかったけどな…」
少年の言葉を無視する半グレの片方がにやけ面でよだれを流しかけながら自らの頬を舐める。
「ああ、お前もそのつもりか、実は俺もそう思ってた所なんだよ…ブへへへ…」
もう片方の半グレもいやらしい笑みを浮かべて少年をじろじろ見る。
両者とも性欲を包み隠さぬ醜悪そのものの表情である。
「俺達って本当にタチ悪いよな、根っからの半グレのなのに格闘技だけは真面目にやってるから
フィジカルもメンタルも鍛えられててその癖女好き…男もいけるしな…」

自らに性的な視線が向けられている事を察した少年。
「てめえら…性欲丸出しなだけでなく…相手は男でもいいってのか?人の形してりゃ誰でもいいってのかよ…!!
腐れ外道共が…テメエラノイバジョバニンゲンジャガイビベエ…!!!!」
半グレの言葉に応じる少年の顔面は額には血管が浮かび上がってきて眉間には深いしわが刻まれ、同時に滑舌も悪くなっていく。

「何だこの殺気は…!?ええい、二人がかりで押さえつけたらあ!!」
「おう!!」

少年から放たれる只ならぬ殺気に半グレ達は一瞬気圧されそうになるがすぐに戦意を取り戻し少年に襲い掛かるが…

ダンッ!!
「えっ!?」
少年は壁を蹴って跳躍した。その直後。
バキャッ!!
半グレの片方の顔面に少年の飛び蹴りが炸裂した。
「何っ!?」
蹴りをまともに喰らいふらつく半グレを見てもう1人の半グレは呆気にとられる。
ベキッ!!
身をかがめ彼の視界から消えていた少年がその半グレに強烈なアッパーを喰らわせる。

この時点で半グレはグロッキー状態になっていた。
そこに少年は半グレ達に追撃を加える。
「コノアバブベボブブボバーッ!!!!ゾンダビヤビダギャゾボアバブべボガーヂャンボヤビャイイバボーバ!!!!
デギギャギャジネ!!!クソヤドー!!!!ジヌンダ!!!!クドヤドー!!!!!!!!!」
ドガッ!!バキャ!!!ズドッ!!!!

「お願い…もう許じで…」
「俺達が…悪かったからぁ…」
文字通りボコボコになって完全に戦意を喪失した半グレ達に対し少年は奇声を発しながら容赦なく攻撃を浴びせ続ける。

その時だった。
ガシッ!!
少年の拳を後ろから剣が止めたのだ。

「流石にこれ以上やったら死んじまうだろ!」
眉間にしわを寄せ歯を食いしばっていた少年だったがすぐに元の表情に戻った。
「堅気の兄さんかい…確かに…これ以上やる必要は無いだろうな…」
少年が半グレ達に目をやると彼等は地に倒れ伏し顔面はボコボコ、頭はタンコブだらけ、
表情は涙に鼻血、鼻水を垂れ流し戦意の欠片も感じられず服はボロボロで泥だらけといった状態だった。
そして少年は改めて半グレに向き直り圧をかける。
「おうてめぇら、もう一度言うぞ…さっきの姉さんと逆方向に消え失せろ…従わなければ…分かってるな…!?」

「ヒィィィ分かりましたあああああ~!!!!」
「もうじまぜんん~~~~~~~~!!!!」
半グレ達はよろめきながら、そして小便を漏らしながら路地裏の奥へと消えていった。

「兄さん、さっきはみっともねぇ所をみせちまったな…ともかくこの辺はこういう連中が多いから気ぃつけるこった」
少年は顔を赤らめながら剣にそう言うとこの場を去っていく。
どうやら先程の狂乱状態は少年自身にとって恥ずかしいものだったらしい。
「(…何だったんだ今の子は…強さというのもあるが…何で…俺は…奴に…何かを感じているんだ…?
シェリー博士に対する感じとは似てはいるがまた違う…何かを…)」
少年を見送った剣は何かを感じ、頭を抱えた。

「(今の男…堅気とはいえ只者じゃねぇのは確かだな…それに…あの男とはまたいつか会う気がするのは…何でなんだ?)」
一方で少年も剣に対し何かを感じていた。
そして実際にこの少年は後に剣達とデルタ達との戦いに巻き込まれていく事になる…

一方気を取り直した剣は劾と玲の待つ乃梓公園に到着した。
「待たせたな、桜井、沖藍」
「いや、そんなに待ってないよ」
「私達もさっき着いたとこだから」
先程の騒動で若干到着が遅れた剣に対し劾と玲は気にしている様子はなかった。

「人はいないな?」
「うん」
剣は周囲に人がいない事を確認する。

「それじゃあ行くぞ、博士、転送頼む」
剣は左腕に取り付けた腕時計のような装置に向かってそう言うとそれに応じてこの場にいる3人が光に包まれる。
「うわっ!?」
「キャッ!!」
劾達の視界は一瞬光で覆い尽くされた後乃梓公園から全く別の景色に切り替わった。
逆にもし乃梓公園に目撃者がいれば3人がこの場から消滅したように見えた事だろう。
そう、3人は瞬間移動したのであった。
移動した先は中央に6つの座席に囲まれたテーブルがあり、壁際には2つの扉がある。
全体が直線で構成されているその部屋の雰囲気はどこか未来的でオフィスの一室のようでもあり基地の中のようでもある空間であった。

「ここは一体…」
劾が尋ねると剣は応える。
「ここは地下50mで今俺が助けている人がいる所さ、…お、来たようだな」

プシュッ!

剣が言うと部屋の扉の片方が開いた。
これに対し劾は一瞬身構えるが玲は怖がることはない、となだめる。

扉から出て来たのは眼鏡をかけ白衣を着た年齢は40代ぐらいのグラマラスな外国人と思しき女性だった。
特筆すべきはその背の高さで劾と同じぐらいであり、劾が男性でも高い方である事から女性としては極めて長身である。
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「博士、こいつ等が俺の言っていた桜井と沖藍。神崎、沖合、この人が今俺が手助けしているシェリー・ブロッサム博士だ。」
剣はこの場の初対面の者同士を紹介する。

そして劾と玲、シェリーは改めて挨拶する。
「初めまして、桜井劾です」
「初めまして、沖藍玲です」

「初めまして、私はシェリー・ブロッサム。こんな話をして信じて貰えるか分からないけど…
私は2129年から来たの。ここはタイムマシンの中よ」

「2129年?それって今から106年後…ですよね!?」
「それにタイムマシン!?」
シェリーの普通に考えれば突拍子もない自己紹介に思わず面食らう劾と玲。

「でも今までの事を考えると…」
「まあ…納得できる…かもしれないよね…」
劾と玲は先の事件を振り返る。
あまりに信憑性の高いUFO騒ぎ。突如現れた巨大ロボット。変身してそのロボットを撃破した剣。
この時代でも人が乗れるほどの巨大なロボットは作れるがこのサイズであれ程の運動性能を発揮したり
破壊力のある光弾を放ったり出来る機体は作れない。
人間の筋力を増強するパワードスーツもこの時代には既に出来ているがそれは介護や物資の運搬用のものであり
あれ程派手な立ち回りが出来る物は存在しない。
そもそも瞬間移動したりパワードスーツを「着替える」動作の必要なく瞬時に装着したりする技術は
物理の常識を遥かに超越している。

これらはトリックなどでは到底説明がつかない為この突拍子もないはずの話も納得せざるを得なかったのだ。
結果劾と玲の感情に好奇心が勝り始めてくる。
最初に口を開いたのは劾だった。
「ええと…この時代に来るとき…その…裸…で来たんですか?」
これに対しシェリーは赤面し咳ばらいをした後答える。
「それはフィクションの話でしかも体だけ転送する場合よ。
体だけ転送するにしてもその時点で歴史に干渉しているから服ぐらいは誤差なの。
ただその服が来た時代より後の時代の流行を取り入れている、
とかまだ発表されていないキャラクターがプリントされているとか
特殊な素材で出来ている…とかなら少し拙いかもしれないけど…今私が来ている服はどれにも当てはまらないわ」
暫くして玲が次の質問を投げかける。
「過去に行く際に、雷の力が必要なんですか?」
シェリーは応える。
「それもフィクションの話ね。このタイムマシンは自力で時間移動出来るから天候を気にする必要は無いわね」

その後も暫し質問は続く。
「この時代の貴方の先祖が今死んでしまったら貴方は消えるんですか?」
「下手に歴史を改変しようとしたら元いた時代から警察のような組織が来るんですか?」
これらにシェリーは若干困惑気な表情で答えていく。

「おいおい、博士困ってるだろ?」
「ごめん、ついつい…」
「私もつい、ごめん…」
シェリーに質問攻めをする劾と玲に剣が注意すると両者は赤面しつつ謝る。

「いいのよ。本題に入るけど私がこの時代に来た目的は…この時代に来た『レプリロイド』の『デルタ』を止める事なの」

「「レプリロイド?」」
初めて聞く言葉に対し劾と玲は首を傾げる。
剣がその言葉の意味を説明する。

「レプリロイドというのは、自ら学習し自分の意思を…心を持つロボットの事だ。博士の時代でも『デルタ』1体しかいない」

「タイムマシンの次は意思を持ったロボット…!?」
「確かに信じられないかもしれないけど、飛行機、自動車、テレビ、コンピュータ、ネット、携帯…
これらは皆昔は考えられないものだから100年先にそんなのがあってもおかしくないかも…」
これを聞いた劾と玲は一瞬驚きつつも納得しようとする。

この時代のAIの発展は目覚ましく文章、曲、画像を生成したりと見る者を驚かせる。
ただ画像生成で例えるとAIが生成した画像は人物画の場合指や腕の本数がおかしな事になっていたり、
文字を含む画像を生成しようとするとその文字は既存の文字と似て非なるものだったりと
AIにも依然不完全さも目立ち、既存のAIやロボットは感情があるように振る舞う物はあれど
いずれもそのように見せているだけで実際に感情がある訳ではない。
こうした事実を踏まえ劾と玲は未来の技術に改めて舌を巻く。

そしてシェリーはデルタ誕生の経緯を語り始める。
「デルタは私の造ったレプリロイドで完成直後は言葉も道徳も法律も何もインプットしないで起動したの。
自分で学び成長させる為に…ね。
デルタの成長速度は本当に凄かったわ…人間の何倍もの速さで知識を吸収していくのは勿論…
心の成長の速さも同じぐらいだった…
あっと言う間に私と同等の科学力を身につけ私との信頼関係も築いていったデルタとの日々は
驚きと喜びの連続で…本当に充実していた…
私には夫がいたけど子供は出来なくて…その夫も…実験中の事故で亡くなってしまったから…
デルタは私にとって息子同然だったの…」

シェリーの語る様子はその時は幸せそうでデルタへの愛情を感じられた。
しかしシェリーはこの後デルタの豹変とこの時代に来た経緯を語り始めその表情は曇り始める。
「だけどある日デルタに異変が起こった…
タイムマシンの実験をしている途中でデルタはいきなり何かに絶望したかのように振る舞い始めて…
暫くしたら私の研究所のシステムを乗っ取ってタイムマシンでこの時代に来たの…
日付は7月1日。
私はそれを追って同じ時代の同じ時間に来たのよ」

「7月1日と言えば…」
「UFO騒ぎの日じゃない!」
劾と玲はUFO騒ぎの真相がシェリーとデルタが各々の操縦するタイムマシンで現代に来たことである事を察知した。

シェリーは加えて説明する。
「ツルギ君と出会ったのは私がタイムマシンを地下に隠し地上に降り立ってすぐの事だったわ。
会って間もない私の話を信じてくれて、それどころか色々手助けしてくれている事には感謝しかない」
「彼はそういう奴ですから」
友人を褒められた劾は嬉しそうに言う。

そして次にシェリーは剣と共に剣が装着していたパワードスーツ、「ロックスーツ」の説明を始める。
「この時代に来てからホストクラブが襲撃され始めた時、私はこれがデルタの仕業と確信したわ。
制作者として…親として…デルタを止めなきゃいけないのは私の責任…
出来る事ならデルタを連れ帰りたいけれど、もし取り返しのつかない事になったら…その時は…!」
そのように語るシェリーの様子は今にも胸が張り裂けそうに見えた。
「そんな事は絶対にさせない!」
剣は力強く言い放つ。

「…どうなる事かと思ったけど普段通りの神崎じゃないか」
「私も最初は正直不安だったけどやっている事はいつもの神崎で安心したよ」
劾と玲はタイムマシン、未来人といった信じがたい現実の中にいながらも平常通りの剣に感心すると同時に安心した。

シェリーは落ち着きを取り戻した後説明を再開する。
「デルタが強硬な手段に出た以上ある程度の武力の使用は不可欠…
そこでデルタに対抗する為の手段を講じていたところツルギ君が提案してきたの。
『レプリロイドを造るのでは時間が掛かり過ぎるからパワードスーツならどうだろう』と」
それに続き剣が説明する。

「そこで出来たのがこの『ロックスーツ』という訳だ」
続いて剣は実演を始める。
「この改造スマホで…」
剣はスマホを取り出し、 
「『ROCK SUIT』アプリを起動して…」
スマホのアイコンの1つをタップし、
「コマンドを入力して…」
スマホの画面に表示された上下ともに3列ずつの9つの点を指で
上段右→上段真ん中→上段左→中段真ん中→下段左→下段真ん中→下段右、の順になぞっていき…

パラァン!

剣の操作でスマホから効果音が鳴る。
「そしたらスマホをこの『ロックコマンダー』にセットする」
剣は黄色い腕時計のような通信機器「ロックコマンダー」が付けられた左腕を前に出しながら
スマホをロックコマンダーにセットする。

すると「レディ」という電子音声が聞こえ直後剣の全身がワイヤーフレームのような光に包まれる。
その光は強まっていったかと思うと次に収まり始め光が収まると剣は新宿でギガプライアーと戦った時の姿になっていた。

「「あの時の…」」
実際に目の前で変身した剣を見た劾と玲は息を呑む。
そして剣は変身を解除した。

「だけどな、戦いはあれで終わった訳じゃない、むしろこれからなんだよ…
デルタは言っていたんだ…
あのデカいロボットを通して博士に『次はこうは行かない』『ボクを止めようとしても無駄だ』とな」
剣は深刻な様子で言う。

「次デルタが何か仕掛けてくるのに備えて、私はツルギ君のロックスーツと違うタイプのロックスーツを開発中よ。
使われるような事態にならないのが理想だけど、用心に超したことはないわ」
シェリーは新たなロックスーツの開発を示唆する。
ちなみに剣の使用したロックスーツは攻撃力重視タイプらしい。

「俺はロックスーツに因んで『ロックマン』と名乗り、ネットを通して外部から情報を集める事にしたよ」
そう言って剣は自身のSNSアカウントを劾達に見せる。
直ぐに劾と玲はそのアカウントをフォロー。

「それにしても、本当に氷藤の嘘よりも嘘みたいな話だったね。とにかく僕も何か力になれる事があったら協力するよ」
「私にも何か力になれる事があったら頼っていいよ」
「お前等、恩に着るぜ」

シェリーのこれまでの経緯を聞いた劾と玲は剣に感化された事もあってシェリーの手助けを快諾した。
最終的に劾と玲はシェリーから3つあったスペアのロックコマンダーの内2つを各々が1つずつ受け取って解散となった。

そして次の事件の予兆は翌々日の7月17日の朝に現れ始める。

新橋の路上にて…
「大変だぁ~!!大変だぁ~!!蛙陰減瑠弥流が復活したぞぉ~っ!!しかもここ港区に侵攻してくるぞぉ~っ!!」
大騒ぎしながら一人の少年が駆け回っている。
少年の特徴は背は劾と同じぐらいで髪は長髪のオールバックで後ろ髪は束ねておりサングラスをかけている。
劾達と同じクラスの男子生徒、氷藤狼牙(ろうが)である。
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「ああ、今日も良い天気だね、暑いね、とかそう言う事だね…」
「蛙陰減瑠弥流なんて赤灯会がとっくに全滅させちまったじゃないか、本当だとしてもわざわざ港区に出張る力は残ってないね」
氷藤はいつも通り嘘を吐き散らし、周囲の人々はいつも通り呆れている。
「ボス、蛙陰滅瑠弥流が復活して俺等のシマに攻めてくる…という情報が入りましたが情報の出所はあの法螺吹きのガキです」
「ならば信憑性は0だ、仕事を再開しろ」
港区の半グレグループの一員がボスに氷藤が吹聴していた内容を報告するも
ボスは即答で嘘だと断定し、仕事(悪事)を再開するのであった…
この氷藤は単なる目立ちたがりの構ってちゃんなだけで凶悪という訳ではない。

しかし中学時代は違った。
時は2年前、彼と劾達が中学3年の頃の事だった。
当時は汰威超組が赤灯会との抗争に勝利したばかりであり、この出来事は裏社会を震撼させ表社会でも話題に挙がるまでになった。
そこで前の学校で問題を起こして転校してきたばかりの氷藤は「俺のバックには汰威超組がいるんだぜ!」と嘘をついて回った。
しかもその嘘を使って恐喝を始めとした数々の悪さをしていたのだ。
「………」
この事は玲の耳にも入り、やがて玲は氷藤の凶行の現場を目にする。
「なあ、俺と付き合えよ、嫌とは言わせねーぜ、何なら俺のバックには…」
怯える女子生徒に迫る氷藤。

その時背後から玲の声が。
「汰威超組がついてるんでしょ!?」
堂々とした口調で尋ねる玲。

「そうそう、汰威超組が…」
得意気に言い放とうとする氷藤を無視して玲はスマホで何者かに連絡する。

スマホはビデオ通話になっており暫くすると玲のスマホ画面に
整った顔立ちであるものの悪人面である色黒の中年男性が現れる。

「玲か、どうした?何か困りごとか?」
出たのは汰威超組若頭、沖藍強(つよし)だった。
「強伯父さん、いきなりで悪いんだけど、こいつ知ってる?組の名前使って悪さしてるんだけど」
玲は強に尋ねながらスマホの画面を氷藤に向ける。

「いいや、知らねぇなあ」
これを見た氷藤であるが一気に血の気が引いた。
「たたた…汰威超組の若頭…沖藍…強!!!!!?」

強は続けて言う。
「まあカシラの俺が知らねぇってだけで下の奴等は知ってるかもしれねぇな。お前等、ちょっと来い。
このガキを知ってるか?」

強に呼ばれて何人もの「怖いお兄さん」達が氷藤の顔を代わる代わる覗き込む。
「知りませんねぇ」
「俺も知りません」
「一番下っ端の俺でも知りませんぜ」

彼等はスマホ越しからでもその圧が伝わってきて氷藤からして見れば誰も彼も「別世界の人間」である事が本能で分かった。
そして誰も氷藤を知らない事を確認するや強は再び玲のスマホ画面に表れて口だけ笑みを浮かべて言う。

「おいガキ、お前等ぐらいの年齢ならヤンチャするってのは分からなくもねぇ…
だけどな、あんまウチの名前を使って好き勝手していたらな…
『俺達流』の!教育を!受ける事になるかもしれねぇからよ!!覚えとけや…」

「ハハハハイ、わわ分かりましタタタタタタ…」
涙を流し腰を抜かして謝罪する氷藤。

玲が電話を切ると縮こまった氷藤が尋ねて来た。

「あ、あの、つかぬ事をお伺いしますが…汰威超組若頭沖藍強さんは貴方の伯父さま…ですよね…?」
「そうだけど、何か?」
見下した表情で聞き返す玲。
これに氷藤が更に問いかける。

「という事は…お父様は…」
「竜太(りゅうた)だけど、何か?」
またも玲が見下した表情で答えると氷藤は更に戦慄する。

「お、お、おきあい…りゅりゅりゅ…りゅうた……!?」
「へえ、父を知ってるの?」

聞き返す玲に氷藤は震えながら語りだす。
「沖藍竜太…先代汰威超組組長の次男にして組随一の強さと凶暴さを持つ伝説のヤクザ…
強いだけでなくどんな病気や怪我からも必ず生還する生命力と運も併せ持ち裏社会に刻んだ爪痕は数知れず…
ある時女性自衛官と禁断の恋に落ちて組抜けを決めるもその条件は現組長で当時の若頭と決闘して勝つ事…
そして見事勝利して組抜け…
今の汰威超組組長の目の二本傷はその時付けられたという…」

「強おじさんや組の皆から何度も聞かされた話は、本当だったんだねー…」
怯える氷藤を前に何度か首を縦に振る玲。
直後玲は真剣な眼差しで氷藤に告げる。
「私だってこんな事するのは不本意だけどね…お父さんや伯父さんはいつも言ってるの。
『腐れ外道は子供の頃正しい指導を受けたりやり直す機会が与えられなかった奴が多い、
だから外道に堕ちそうな奴がいたらそいつの為にも道を正してやれ、それもまた任侠道だ』、とね。
あんたはこのままだと道を踏み外して取り返しのつかない事になるよ。
そうならない為にこういう事はもうやめる!分かった!?」

「はひ、分かりまひた…」
氷藤は謝罪した後自分と汰威超組との繫がりが嘘であることを皆に打ち明けた。
結果は当然非難轟々。
特に赤灯会傘下のケンカ自慢の不良「猪狩進(いかりすすむ)」は氷藤が汰威超組と何の関係も無いと知るや
これまでの鬱憤から激しいいじめを彼に行うようになった。
更に猪狩の氷藤へのいじめがエスカレートしていくと見かねた玲が同じクラスで汰威超組傘下でしかも
猪狩より喧嘩の強い不良「馬場丁司(ばばていじ)」と共にこれを制した事により
氷藤は完全に玲に頭が上がらなくなる。
加えて気弱な生徒の劾の母親が後に自分も進学する稲舟高の元番長だった事を知るや
氷藤は劾に対してもイキり散らかす事は出来なくなった。
こうして氷藤は虚言壁は治らなかったものの嘘を利用した凶悪な振る舞いは一切しなくなった。
時は流れ氷藤は劾、玲と同じ高校に、猪狩と馬場は別の高校に進学した。
高校に入ってからの氷藤は変わらず普段から分かり易い嘘ばかりついていたがここで剣と出会う。
氷藤は遅刻する際「道で困っている人がいたから助けていた」というベタな言い訳をする事が多かったが 
剣の場合登校中に本当に困っている人がいたら助けており、それでいて遅刻もしないのだ。
「ケッ…」
先述のようにこの時は目立ちたがり屋の構ってちゃんと化していた氷藤は
極自然体のままいい意味で目立ち尚且つ株を上げていく剣の存在を疎ましく思っていた。
かといって以前のような卑劣な行為はとても出来ず結果氷藤は別の手を講じた。
ある日クラスの男子生徒が儲かるバイトの話をしていた時…
「おお、そのバイトはバックにヤクザも半グレもついてないクリーンなバイトだ、
決して詐欺じゃねーからどんどん広めろよ!」
氷藤はその男子生徒にこう告げた。
その結果…
「氷藤がそう言うってこたぁ…ガッチガチの闇バイトじゃねーか!!あっぶね!!!俺降りるわ!」
実際に男子生徒が話題に挙げたバイトは闇バイトで、氷藤がいつも通り嘘を付いていると察した彼はその闇バイトから身を引いたのだ。
またある時クラスの女子生徒が自身の年上の彼氏の話をしていた時…
「その人は誠実で二股も詐欺も絶対しない紳士だぜ、いい人見つけたじゃねーか、幸せになれよ!」
氷藤からこれを聞いた女子生徒であるが…
「という事は…あの人は女癖が悪くて人を騙すクズなのね!?ありがと、あいつとは別れるから!」
やはり氷藤の言ったことの意味を逆に捉えて、結果付き合っていた男と別れた。
実際にその男は遊び感覚で何人もの女性と付き合う浮ついた人物だったのだ。
このように自身が嘘つきで有名である事を自覚しており、同時に悪人や裏社会に詳しい氷藤は
友人知人が悪人から被害を受けそうになると嘘を付く事で未然に防ぐという事を始め、
ちまちま点数を稼いで株を上げていき周囲からの評価は「少し変な奴」に留まった。
この事で氷藤はクラス内外で嘘つきというよりいつも逆のことを言う天邪鬼のような奴と認識されていくようになったのだが今回これが彼を窮地に追いやる事に…

時は現代に戻り…
「何だありゃ…!?」
氷藤は遥か彼方の建物の屋根から屋根へ飛び移る奇妙な存在を目にした。

「地デジラフ…かな?」
氷藤が目にした存在は遠目からはキリンの獣人のような外見をしていた。
この事から氷藤はその存在から地上デジタル放送移行の際に発表されたというキリンのキャラクター、
「地デジラフ」を連想したのだ。

「バズりそうだから投稿しとこ、『#リアル地デジラフ、屋根を駆ける』とな…」
氷藤はその存在について地デジラフの格好をした人が派手なパフォーマンスをしていると思ったようである。
一方その存在は…
「テレビよし、アンテムポールよし、オレジュラファイグだし!」
うっかり目撃されてしまったとは露知らず『任務』を遂行していた。

その存在がもたらした影響はしばらくすると現れ始める。
新橋の民家にて、その家の住人がテレビを見ていると番組が中断し、緊急放送に切り替わる。
「速報です、新型コロナウイルスの新たな変異株『Σ株』が確認されました!
この変異株は極めて毒性が強く短期間で死に至ります!
従って、これより要不要問わず外出を一切禁止致します!
従わない場合は射殺もありますのでご了承ください!!」
画面の中のアナウンサーがけたたましく告げる。
実際はこの報道は嘘であり、画面の中のアナウンサーも作られた映像で実在しない。
「え、え、Σ株?また自粛生活始まるの!!??」
一瞬慌てふためく住人だったが暫くしてこれが嘘だと気付く。

この家に限らず様々な嘘の緊急放送が港区内で同時多発的に流れ始める。
ニュースの内容は様々で、視聴した者の反応も様々であった。

見た人を怒らせるニュースの場合…
「速報です!これからはAIに全ての政権を委ねます。
何故なら人間の作る法律は不完全で人間には寿命があるからです。
AIの開発者は世界的なAI技術者、蝸牛晶(かぎゅうあきら)博士です」
「それはひょっとしてギャグで言っているのか…!?」
視聴者は引くと同時に怒りを覚える。

「速報です!
これからはいかなる創作物においても主人公を同性愛者、障がい者、黒人、不細工、オタク、女性の
どれか2つ以上に当てはまらせる事を義務付けます。
違反すると差別主義者と見なし発表した作品を発禁致します」
「んまあ鬱陶しい!こんな権利者、家の権力で叩き潰してくれますわ!!」
「お嬢様ご安心ください、このニュースはフェイクでございます」
大富豪の少女が憤慨するも使用人は彼女にこのニュースが嘘であると教える。

「速報です!
お台場海浜公園の海水浴場に人食いザメの大群が現れましたが利益を優先した
イベント主産者が同日のイベントを中止しなかった為多数の観光客がサメの餌食になりました」
「何それひっどーい!」
拝金主義で人の命を軽視する(とされる)イベント主催者に対し視聴者は憤慨する。

見た人を悲しませるニュースの場合…
「速報です!
人気音楽ユニットのTHREE-MIXが突如解散を発表しました」
「えぇ~そんな素振り一切見せてなかったのに…!」
ショックを受けるファン。

「速報です!
上野動物園に引き取られる予定だった白い巨大ワニ『ギュスタービー』が
人間の管理下におけるストレスで亡くなりました」
「畜生!身勝手な人間の所為でまた罪もねぇ動物が犠牲になるなんて…許せねぇ…許せねぇぞ…!」
柄の悪い男が怒りと悲しみで拳を限界まで握りしめ肩を震わせ歯を軋ませる。

「速報です!
人気アイドルの陽咲紫安(ひさかしあん)さんが本日ストーカーに刺されてお亡くなりになりました。
尚、紫安さんの自宅から隠し子と思われる幼児が保護されたとの事で…」
「嘘だ!俺達の推しが…!あの完璧で究極のアイドルが…!」
「あの娘の星占い楽しみにしてたのに…!」
「しかもファン裏切って子作りしていたなんて…!」
トップアイドルの紫安の突然の訃報とスキャンダルに打ちひしがれるファン達だったが…
「私は紫安です、本物です。私が死んだという話も隠し子がいるという話も全部デタラメですのでご安心ください!最後にファンの皆、愛してるよーっ!!」
http://ssdrexzzx.starfree.jp/shian.png
紫安とスタッフ達の尽力によりニュースが流れてそれほど経っていない頃に紫安本人がファンの前に生きている姿を現しファンを安堵させる。

見た人を喜ばせるニュースの場合…
「速報です!
医学の発展の末に…遂に秒で生える育毛剤と秒で抜ける脱毛剤が完成いたしました!」
「これでワシも薄毛とはおさらばじゃ!」
「私はムダ毛とおさらばね!」
頭頂部のたった1本の髪と後頭部以外髪が全滅した中年男性とムダ毛に悩む女性がそれぞれ歓喜する。

「速報です!長年続編の出ていなかったカフコン社の人気アクションゲーム『ギガマンシリーズ』の完全新作が本日発表されました!」
「よっしゃ、20年待った甲斐があったぜ!!」
歓声を上げるファン達。

「速報です!現在戦争を展開している全ての国家及び武装勢力が一斉に各々の戦争を終結させる宣言を致しました。
このような事態になった背景は各勢力の指導者があらゆる媒体から反戦メッセージを受け取り
戦争が如何に愚かか、平和が如何に尊いかを理解したとの事です」
「やっと…分かってくれたか…そう、戦争は本当に虚しいものなんじゃ…繰り返してはいけないんじゃ…」
戦争経験者の高齢者が感涙にむせぶ。

このようにニュースの内容は荒唐無稽なものからリアルなものまで千差万別で大体はすぐ見破られるが中には信じる者もいる。
しかも時が経つにつれて嘘のニュースが報道される地域は港区のみならず同区に隣接する
渋谷区、新宿区、品川区、中央区、江東区、千代田区、目黒区でも確認されるようになっていく。
それに伴い騒ぎも大きくなっていく。
この間「地デジラフ」こと「ジュラファイグ」は任務遂行の為ビルの上から上へと跳び回っていたがこの時「彼」に通信が入った。
「…デルタか」
ジュラファイグが応答する。通信を入れたのはデルタのようである。
「任務中失礼するがどうやらお前の事を嗅ぎまわっている人間がいるようでね…
今からネットの情報を送るよ」
そしてジュラファイグはデルタの送ったメッセージを受け取る。
するとジュラファイグの視界の片隅に先程氷藤が発信した自身の映像の映った記事が現れる。
「発信源を探索開始…特定完了」
ジュラファイグは一瞬でアカウント主の氷藤を特定した。
「オレ達の邪魔をするとどうなるか…思い知るがいい…」
ジュラファイグは不敵に笑う。

7月18日、剣のアカウントに連絡があった。
「あんたは…あの時の…」
連絡主は剣が助けた赤灯会幹部、五里石だった。
「先日は世話になった。早速今回の要件であるが都内の虚偽の報道は知っておろうな?」
「ああ、知っている」
五里石の問いに剣は応える。
「件の虚偽の報道が流れた建物の上には奇妙な物体が設置されておってな…
その物体が設置されておらぬ建物でも近くの建物にそれが設置されておったらやはり影響を受けてしまう。
物体は頑丈で高圧電流を放つが故我等の力でも破壊は手に余る。
加えて広き範囲に数多く設置されている故、今一度貴殿の力を頼りたく思い連絡奉った。
貴殿があの時見せたかの信じ難き力、此度も貸してはくれぬか」
五里石はその報道に関する情報を提供し始め、ロックマンに、剣に物体の破壊を依頼する。
「了解した、任せてくれ」

依頼を受け付けた剣は暫くして劾、玲と共に基地(タイムマシン)に集結。
「怖いニュースばかりで心臓に悪かったよ…」
「人々の心をかき乱して何がしたいっていうの!?」
劾と玲も嘘のニュースを見たようである。
「とにかくその物体とやらを壊す以外にもいつ嘘のニュースが流れ始めたか住人に聞いてくる必要があるな…という事でミッションスタートだ!」
「無理しすぎないでね、ツルギくん…」
剣はロックスーツを起動させ物体が設置されたという建物に転送された。
建物の屋上には能面の狐面のような顔の付いた円柱形の物体が聳え立っていた。
先述のジュラファイグが言っていたアンテムポールである。
剣はアンテムポールを難なく撃破した後、建物の住人に事情を説明して最初に嘘のニュースが流れた時間を聞き、嘘の報道が収まった事を確認後、アンテムポールの残骸を伴って基地に帰投した。

「やはりこれは、デルタの仕業ね…」
アンテムポールの残骸を調べ息を呑むシェリー。
「情報が不十分な以上、今は片っ端から壊していくしかないな…ミッションを再開する!」
剣は再度出撃し、建物の屋上のアンテムポールを破壊していく。
アンテムポールは狐面に限らず鬼、猿、ひょっとこ、天狗等様々な能面の姿をしていたが性能に違いは無いらしい。
この間剣は建物の利用者から、シェリーは偵察ロボットと五里石を始めとする赤灯会から、
劾はネットから、玲は強を通して汰威超組から情報を集めていく。

7月19日。
ある程度情報が集まった時、シェリーは剣に帰投するように指示を出す。
剣が帰投するとモニターに表示された地図を背にシェリーが説明を始める。
「これまでに嘘のニュースが発信された地点と時刻から発信源を検証してみたけど…恐らくここよ!」
モニターの地図上にはアンテムポールの確認された地点にポイントが表示され、
ポイントの真下には設置された推定時刻が表示されている。
ポイントは港区の方が隣接する区より時刻が古く、港区内でもある地点に近付けば近づくほど時刻が古くなっていく。
シェリーは最も古い時刻のポイントに囲まれた地点を指差した。

その地点は檜町(ひのきちょう)公園だった。
さらにポイントのど真ん中に焦点を当てると公園内に建造された1つの巨大オブジェに行き着いた。
「これは…ソクホーテム!?」
劾が思わず驚愕する。
ソクホーテムと呼ばれたそのオブジェは一見トーテムポールのような外観だが
顔の形状は能面を模しており上から赤い般若面、黄色い翁面、青い女面の3つの顔で構成されている。
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「ソクホーテムですって!?」
「今月新進気鋭の芸術家『桐野雷電(きりのらいでん)』が寄贈したオブジェだそうです。
人間の様々な感情や異なる文化の融合を現してるそうですが僕にもよく分かりません」
ソクホーテムを知らない素振りをするシェリーに劾が説明する。

檜町公園にて…
「シンゴー!シンゴー!」
小さな子供がソクホーテムを指差し叫んでいる。
「そうね、信号機みたいね」
子供の母親はそう言ってほほ笑む。

「ソクホーテムが発信源と見て間違いないようだな、博士、転送してくれ」
そして剣は檜町公園の人目につかない地点に転送されたが、次の瞬間遠くから叫びながら走って来る人物を目にした。
「あ、ロックマンじゃねーか!!!助けてくれぇ~~~~~っ!!!!!!」
「(氷藤!!)な、何があった!?」
必死の形相で何かから逃げて来た氷藤。

事の顛末はこうであった。
剣がアンテムポールを破壊し続けている間、ジュラファイグは港区に戻って氷藤宅周辺にアンテムポールを設置。
そこで氷藤に濡れ衣を着せる数々の映像を流したのだ。

「お前の彼女横取りしてやったぜ~、悔しいか、悔しいだろぉ~」「氷藤君最高~」
クラスメイトの彼女とイチャつく氷藤。

「後から来る客め、これでも喰らえ!!」
行きつけの飲食店の水やトッピングの具材に唾液やハナクソを混入する氷藤。

「うートイレトイレ…あった!」ジョボボボボボボボボ!!!!!!
ヤクザの事務所の前で立小便をする氷藤。

「裸だったら何が悪い!」
路上を全裸で走り回る氷藤。

「ククク…そうだ、もっとやれ、我が僕(しもべ)共よ…」
ホストクラブを破壊するロボットを陰から見てほくそ笑む氷藤。

「俺には8000人の部下がいる!俺はその部下共を率いてまずは近隣のヤクザ・半グレを吸収し
行く行くは東京都を、日本を掌握してやるぜぇ!ヤクザ共、半グレ共、首洗って待ってろやぁーっ!!」
反社相手に堂々と宣戦布告する氷藤。

映像を見た人々の一部はこれらの映像を信じてしまい氷藤に迫ったのだ。

「おい氷藤!これはどういう事だ!!」
「お前いつもこんな事やってたのか!!?」
「やはり人は簡単に変われねぇって事か、中学の頃の腐れ外道に戻りやがって!!」
「変態!変態!変態!変態!」

それに対して氷藤は…
「し、知らねぇ!俺はやってねぇ!!」
映像の中の自身の悪事を否定した。
だが氷藤に迫ったのは彼をよく知る者ばかり。

「『やってない』だぁ!?自白しやがったぞこいつ!皆で吊し上げろぉーっ!!」
「「「「「「おぉーっ!!」」」」」」
ドドドドドドドドドドド…
「ヒィ~、助けてくれぇ~っ!!」
逃げ回った氷藤はやがてロックスーツを起動した剣に出くわした。

「博士、知り合いがピンチなんだ、転送頼む!」
「分かったわ、ツルギ君!」
氷藤の様子を見て嘘をついてないと確信した剣はシェリーに氷藤の転送を要請する。
すると氷藤は檜町公園から姿を消し基地内に現れた。

暫くすると氷藤を追い回す人々が剣の前に現れた。
「あっ、ロックマンだ!!」
「こいつ見ませんでしたか!?こいつが今回の騒ぎの元凶なんですよ!」
彼等は氷藤が逃げた先にいた剣に問いかける。

「彼なら、あっちに行きましたよ」
咄嗟に剣はデタラメの方向を指差す。
氷藤を庇う目的もあったが、これからの戦いに備えて彼等を現場から引き離す意図もあったのだ。
「ありがとう…行くぞ!」
ドドドドドドドド…
再度氷藤を追い続ける人々だったが…
ドカッ!
「うっ…!」
先頭で走っていた者が巨大な何かにぶつかって倒れた。

基地内では…
「あれ?ここは…!?」
目の前の景色が一変した事に戸惑う氷藤。
「安全な場所だよ」
最初に氷藤に声をかけたのは劾だった。
「ここならあの人達は追って来ないわ」
次に玲が声を掛ける。
「へ…桜井…沖藍…!?」
視界が一変した事に加えこれまでとは異なる顔見知りが現れた事に氷藤は更に当惑する。
「僕達はロックマンの仲間なんだよ」
「一部始終は見ていたよ、早速だけどここにいる間はスマホを預からせて」
劾が一言言った後玲は撮影をされないようにスマホを貸すように氷藤に言う。
「あ、ああ…」
氷藤はスマホを預けた。
玲は続けて氷藤に言う。
「あんたが嘘を付く事で人を助けた事も知ってたけど、いつもいつも嘘ばかりついていたら
人から信用されなくなっちゃうよ。時と場合を考えなさい。
さっきかん…ロックマンがあんたの本当の行き先を伝えなかったみたいにね」
「う…うう…俺はただ目立ちたかっただけなんだ…構って欲しかっただけなんだ…
それがこんな…自分の首を絞める事になるなんて…」
肩を震わせ涙ぐむ氷藤。
「無理強いはしないけどさ、嘘ばかりつくその癖、やめた方がいいと思うよ」
劾も氷藤を諭す。

その頃檜町公園では剣はソクホーテムと対峙していた。

「さてと、元を絶つと…するか!」
ヴィィィィィィィ…
剣はロックブレードのエネルギーをチャージし始める。
その時だった。
「ソクホォ!!」
ズドドドドッ!!
ソクホーテムの上段の赤い顔の目が光り、怒鳴るような声が発せられると共に
下顎のパーツが腹話術の人形のようにスライドし、口の中から雷の弾丸が高速で射出された。

「こりゃ黒だな、見た目は信号機みたいだけどな…」
剣は皮肉を言いつつロックブレードを連続で振りかぶって敵の弾を跳ね返す。
すると跳ね返された弾がソクホーテムに返ってきてダメージを与える。

「おお、ロックマンが戦ってるぞ!」
「何何、ソクホーテムは新宿のロボットの仲間だったのか!!」
そこに野次馬が集まって来る。

「(奴は固定タイプのようだが、どうやって野次馬を引き離すか…?)」
野次馬が戦いに巻き込まれないように気を張り始める剣。
そこに突如怒声が響く。

「お前等ぁ!!こんな所にいたらロックマンの戦いの邪魔になるだろうが!!巻き込まれて死にたくなかったんなら公園から避難しろぉ!!」
声の主は赤灯会組員達だった。

「ヒッ、何でここに赤灯会が…!!」
「に、逃げます逃げます…!」ピューッ!

赤灯会組員達は野次馬を退けた後、自らも剣と距離を取った。
「これで戦いに集中できるな…有難う…!」
剣はソクホーテムとの戦いに集中できるようになり、弾を跳ね返してダメージを与えていく。

するとある時…
「ソォ~クホォ~♪」
ソクホーテムの中段の黄色い翁面の口からにやけたような、歌うような声とレーザーのような一直線の雷が同時に放たれる。
「(赤い顔とは違う攻撃か!?)」
剣は横っ飛びでこれを回避したがソクホーテムの黄色い顔は雷の向きを懐中電灯を持つ手を動かす要領で変え始め、剣を追い始める。
「ならこのスーツの得意分野、接近戦で勝負だ!!」
ソクホーテムの中段の顔は人間の身長より遥かに高い位置にあり、剣はそれを踏まえて懐に潜り込み
一気に畳みかけようとする。

その時だった。
「ソクホォ…ソクホォ…」
ソクホーテムの下段の青い女面の口から遅い速度で迫る弾が呟くような声と同時に放たれた。
弾は遅いものの短い間隔で次々と放たれ剣を追うように迫って来る。

「鬱陶しいんだよ!」
ブンッ!
剣が弾をまとめて撃ち返し同時に青い顔にロックブレードの直撃を叩き込もうとした時だった。
「ソクホォ…」
グルングルングルン…ビュオッ!!
突如青い顔が回転したかと思うと分離して体当たりを繰り出してきたのだ。

そして青い顔が戻る前に赤い顔と黄色い顔が分離し、青い顔は赤い顔と黄色い顔の間に挟まった。
「(タイプの違う攻撃に、ポジションのチェンジ、か…なら『あの機能』を試すいい機会だな!)」
剣は周囲の木々を見渡し何かを思いつく。
そして木に駆け寄ったかと思うと跳び上がって木の幹を蹴った。
直後剣の体は蹴った地点の真上に吸い寄せられるように近付き足が再度幹に接触すると同時に同じ動作を繰り返す。
これは「壁蹴り」と言って胸部アーマーの背面と足裏のパーツから放たれる推進力によって垂直の壁を登る事を可能にしているのだ。
また一定期間ではあるが壁に掴まることも可能で剣は時に地上から、時に木の幹からソクホーテムの攻撃に対処する。
「段々読めてきたな…」
戦いの中剣はいくつかの事に気付く。
それは赤い顔からの攻撃はあまりに狙いが正確すぎて、それ故狙いを定めた地点から離れてしまえば簡単に避けられる事と
青い顔からの攻撃は弾が飛んでいく事にもエネルギーを消費しているのかある程度の距離を進むと消滅する事と
上段及び中段からの攻撃は下方向へ向ける角度に限界がある為距離を詰めれば当たらない事と
体当たりは事前に顔が回転する事だった。
これらを理解した剣は相手の攻撃は避けつつこちらからは確実にダメージを与えていく。
やがて青い顔と黄色い顔はひび割れて煙を噴き動かなくなる。
「ソクホォ!!!!!」
赤い顔が最大の怒声を放ちつつ体当たりを繰り出した時だった。
剣はロックブレードを真横に構え待ち受ける。
そして…
「終わりだ!」
ズバシュ!!!
「ソク…ホォ…」
剣はチャージブレードの一撃を赤い顔に叩き込み、結果赤い顔は大破した。

するとその時…
タタタタタタタタ…
「!?」
剣は遥か彼方のビルの屋上を駆ける何かを目にする。
次の瞬間…

ピョー――――――――――ン!!!!!!!!!!スタッ!!

その存在はビルの屋上から凄まじい跳躍力で飛び降り、剣の眼前に現れた。
「氷藤のアカウントの『地デジラフ』か!!」
剣の前に現れたのはジュラファイグだった。
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ちなみに剣は氷藤のアカウントのジュラファイグの映像を記憶の片隅に置いてはいたが
噓のニュースの供給を絶つ事を優先し敢えてソクホーテムの破壊に向かったのである。
そしてジュラファイグは剣の言葉に対し答える。
「違うな、オレは『桐野雷電』ことライデン・ジュラファイグ!!
桐野雷電という芸術家など最初から存在しない…オレが任務で流しているニュースと
それに惑わされる人々は芸術だけどなぁ!!
それよりよくも任務の邪魔をしてくれたな、ロックマンとやら…」
「…?…」
ジュラファイグの言った事に剣も、モニター越しで見ていた劾、玲、シェリーも違和感を覚える。
ちなみに氷藤は別室に隔離されている。
「何を言ってるんだ、お前デルタだろ!?新宿のデカブツの時みたいに遠くからこのロボットを…」
ジュラファイグをギガプライアーと同列のロボットと見なした剣はジュラファイグに問うも…
「あんな命令に従うだけの機械と一緒にするな。オレはデルタが造ったレプリロイド『デルタナンバーズ』の一員だ!」

「「「「!!!!!!!!」」」」
剣も、そして基地の劾、玲、シェリーもこの言葉に戦慄する。
無理もない、レプリロイドは彼等の知る限りではシェリーが苦労に苦労を重ねて造った唯一無二の存在だからだ。
それをデルタは短期間で造り上げ、更には同じような存在がまだまだいる事を匂わせてきたのである。
「じゃあジュラファイグ、お前は何で嘘のニュースを流してパニックを起こすようなふざけた真似をしたんだ!?」
改めて問う剣にジュラファイグは応える。
「聞くまでもない…利益、保身、加虐心、同調圧力、痴情…動機は様々であれ人間は常日頃から平気で嘘を付く…
それどころか正直者が馬鹿を見る事すらある…
そんな愚かな存在に真実を知る権利などない…!オレがもたらす嘘の舞台で踊り続けてりゃいいのさ!」
「確かに嘘が必要な場合もあるだろう…だけどな…悪意のある嘘が肯定される理由などどこにもない!
ましてや不特定多数の人々の心を弄ぶなど嘘の中でも最悪の嘘だ!
それにソクホーテムはご覧の有り様だ。お前は、負けたんだ。
ここは大人しく身を引いてはどうなんだ!?」
剣は異議を唱えつつ降伏を促す。
「フン、出来れば戦いたくない、そういう顔をしているな…」
「ああ、その通りだ、お前が『死んだ』ら…悲しむ人がいるからだ」
相手をレプリロイドと見なすや剣は明ジュラファイグに確な敵意が無い事を告げる。

「どうやらお前はとんだ甘ちゃんのようだな…だったら大人しく果てるがいい…甘ったれた理想を抱いたまま…な!!」

ジュラファイグのエネルギーが急激に高まっていく。
「仕方ない…来るなら来い!!」
剣も臨戦態勢に入る。

「スパークスマッシュ!!」
ジュラファイグの片脚の膝から下が青白く発光したかと思うと直後ジュラファイグはその状態で飛び蹴りを繰り出す。

ガッ!!
その速度はあまりに速く咄嗟に剣はロックブレードでガードするも吹っ飛ばされる。
攻撃はそれに留まらなかった。
バチッ!!「うっ!!」
ガードした瞬間剣の体に高圧電流が流れたのだ。
この高圧電流は生身なら命に係わるレベルだがロックスーツを起動している今
ダメージこそ受けるものの剣の肉体と戦意を破壊するに至らない。

「はあっ!!」
ザシュッ!
剣は返しの斬撃を繰り出す。
ジュラファイグは咄嗟に身を引くもボディにそれなりに大きな切り傷が走る。

「それが…どうした!!」
グルンッ!
「うおっ!?」
ジュラファイグは跳躍すると空中で宙返りをし、その体勢で踵落としを繰り出した。
剣はカウンターを返すも自身も電流を浴びてしまう。

一方氷藤を追う人々の先頭を走る者がぶつかった相手は五里石だった。
「ヒッ…!!赤灯会の…五里石さん…!!」
「どうする…!?ここは…引き返す…か!?」
怒り心頭だった彼等が思わず恐れおののく。
その時五里石が口を開いた。
「汝等が追っているのは…氷藤狼牙であろうか!?」
「そそそそうですそうです!!俺達奴等に舐めた真似をされましてですね…」
氷藤を追う人々は必死に説明する。
これに対し五里石は真相を述べる。
「汝等が目にした氷藤の悪事は今ロックマンが戦っているロボットが設置した奇怪なるアンテナよりもたらされし偽りの報道に過ぎぬ。
奴は先日ここ港区でアンテナを設置して虚偽の報道を流させておったが一度アンテナはロックマンに壊された。
その後再度ここに戻りアンテナを設置した際に氷藤を貶める報道を流させたのよ」
すると中には異議を唱える者が。
「でもでも、あいつはいつも逆の事ばかり言っていて…今回だって…」
これに五里石は反論し圧を掛ける。
「突然自身の身に覚えなき悪事を大勢の者に向けて報道されたならば大抵の者は平常心など消え失せよう。
それとも汝…我が嘘を申しているとでも言うのか…!?」
「「「「「「「スススすみませんでしたーっ」」」」」」」
彼等は五里石に謝った。
「謝るべき相手を間違えておるぞ」
そう言って五里石はスマホをかざした。
スマホはビデオ通話になっていて画面には氷藤が映っていた。

「氷藤、すまん…そりゃ誰だって焦るよな…」
「日頃の法螺吹きはともかく…お前が昔の腐れ外道に戻ったと思っちまったことは悪かった…」
「よくよく考えてみたら昨日の今日であんな嘘っ八の映像を信じた俺達が…馬鹿だったんだよ…」

対する氷藤は身を震わせながら謝罪し返す。
「そもそも俺が…普段から嘘ばかりついてたのが悪かったんだ…
自分を大きく見せたくて…関心を持って欲しくて…
でも嘘ばかりついてると…本当に…信用…無くすんだな…
俺はもう…嘘をつくのは…なるべく…やめるよ…」
暫くすると氷藤は自宅の前に転送されたのであった。

その頃公園内では剣技と足技の激しい応酬が展開されていた。
剣はロックブレードを自在に操り様々な型でジュラファイグに斬りかかり、
ジュラファイグも負けじと様々な型の足技を電流を織り交ぜて剣に見舞う。
また木を利用して剣は壁蹴りを行いジュラファイグも驚異的な脚力を持つため
この戦闘は縦横無尽どころか様々な高度で繰り広げられていく。
互いが互いの身を削り合っていきどれぐらいの時が経ったかの事だった。

「ロックマン、オレが設置したアンテムポールは全部壊したか?」
ジュラファイグは剣に問いかける。
「アンテムポール…あの能面アンテナの事か…
あんなの全部壊していたらキリが無い…だからソクホーテムを壊して元を絶った訳だが、それがどうした?」
剣の返答に、ジュラファイグは暫し沈黙した後見下した口調で言う。
「…お目出度い奴だな…一体いつから、アンテムポールと連動しているのがソクホーテムだけだと、
『錯覚していた』?」
ジュラファイグが言い終わった次の瞬間、残存するアンテムポールから電流が放たれ
ジュラファイグに集まっていく。
これに伴いジュラファイグの両脚の膝から下が強烈に輝き、アンテムポールの周辺の地域に停電が発生した。
「チッ、奥の手か…!」
「そうさ、アンテムポールは周辺から奪った電力をオレの攻撃エネルギーに変換する機能もあるのさ!!」
歯噛みする剣にジュラファイグは得意気に言い放つ。
今の状態でジュラファイグの攻撃を喰らえばロックスーツ越しでも只では済まないだろう。

「いいだろう、迎え撃ってやる…!」
ジリ…ジリ…ジリ…
剣は真剣に攻撃のタイミングを見極めんとする。
電力の落ちた暗闇の公園の中で剣のロックブレードとジュラファイグの両脚が一際輝きを放っている。
そして…
「そこだっ!!」
ダッ!
剣はジュラファイグにジャンプ斬りを叩き込もうとする。
「ダブルスパークスマッシュ!!!」
ピョー―――――――ン!!!!!!!!
対するジュラファイグは光る両脚で渾身の跳び蹴りを繰り出す。
しかし…
「なんてな!」
ビュッ!!!
剣は空中で真横にエアダッシュしてこれを回避。
そしてジュラファイグの跳び蹴りが直撃したのは…滑り台だった。
結果、ジュラファイグが両脚に纏った電流は全て流されてしまったのだ。

流星のD-REX=ZZX(管理人)
作成: 2024/05/14 (火) 01:09:33
履歴通報 ...
2
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2024/05/14 (火) 01:54:41

「絶妙なタイミングだったぜ…さあ、今度こそ、終わりだ!!」
ザシュッ!!
撃ち終わりの隙を突き剣はジュラファイグにチャージブレードの直撃を叩き込んだ。
「何…だと…」
ジュラファイグはそう言い残し機能停止した。

「終わったよ、博士。この後は…?」
「ジュラファイグを回収して、調べてみる事にするわ…」
剣が報告すると彼はジュラファイグの残骸と共に基地内へと転送された。

基地内にて。
「レプリロイドの集団、デルタナンバーズか…これは思ったより厳しい戦いになりそうだな…」
剣が呟く。
その意味は単にレプリロイドが強敵だからというだけではなく精神的な意味も含まれている。
「私が…レプリロイドを造ったばっかりに…こんな事に…」
罪悪感に苛まれつつあるシェリー。
基地内は暫し重苦しい雰囲気が流れるが…
「…デルタは言わば問題を起こした家出少年みたいなものじゃないか。
家出少年を説得してお母さんの元に返してあげる…今まで神崎がやってきた事と何も変わりはしないよ。
ちょっとスケールが大きいだけだって…」
劾がそっと剣に声を掛ける。
そして玲がそれに続くが…
「そうそう、悪いのはデルタなんだから!『お母さん』を悲しませるデルタにも…
『おばあちゃん』を悲しませるデルタナンバーズにも…きちんと誤って貰わないと!!」
「「お、おばあちゃん…」」
「こ、コラ!何てこと言うの!!私はまだ49よ!!」
シェリーが口では怒りつつもこれまで重苦しかった空気は幾らか和んだのであった。

後日…
「それでよ、ロックマンが合図すると俺は秘密基地に瞬間移動したんだよ!
しかも基地の中には知り合いがいたんだぜ!!」
檜町公園での出来事を知人に言いふらす氷藤だったが…
「え?瞬間移動?ロックマンの仲間の知り合い?まーたいつもの嘘が始まったよ…」
「いや本当だって!信じてくれよ!!」
誰も「本当の事」を話しても信じて貰えなかった。
尤も、これは氷藤だけでなく誰が言っても信じては貰えないだろうが。

そして一方、紫安に迫る怪しい影が…
「ハァハァ…紫安ちゃん…皆を愛するとか言うなら…僕だけを愛してくれないなら…
いっそ死んで永遠に僕だけのものになってくれよおおおおおお~っ」
凶悪なストーカーが紫安を襲撃するも…
ガブッ!!
「ギャーッ!!」
何と紫安は噛みつきでストーカーを撃退したのであった。
この件に関しての「噛むタイプのアイドルです」という彼女のコメントはその年の流行語の1つになったという。

かくしてジュラファイグによる「嘘ニュース事件」は幕を閉じた。
しかしジュラファイグを始めとするデルタナンバーズもまた、制作者デルタによって
極めて残酷な嘘で騙されている事をこの時は誰も知る由も無かった…     

続く

3
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2024/05/14 (火) 01:55:44

遅れに遅れて遅れまくりました。
まず今作の追加キャラの内、黒いロックマン並びにゲストキャラはZZZさんがアンケートのB案のみ却下した場合、
そして中ボス+αはA案とB案のどちらも却下された場合お蔵入りになっていた存在ですが結果としていずれもお蔵入りを回避出来ました。
今回遂に黒いロックマンの変身者が登場しました。
結論を言うと人間で男です。
言うまでもなくモチーフはアクセルですが顔の十字傷が×ではなく+になっておりヘルメットを被れば分かりにくくなってしまいます。
彼は非常に血の気が多くキレると滑舌が悪くなる傾向がありますが作中でキレて半グレを痛めつけるシーンでは一応日本語を喋っております(かなり下品な言葉です)。
その半グレが彼をいやらしい目で見たのはとある格闘漫画が元ネタなのですが実際に可愛ければ男でもいけてしまう、という男性は一定数いるようで「人の形をしていれば誰でもいい」というのは大きな間違いです。
僕のオリキャラではその半グレの他にはファートが当てはまり、ファートはアンジュピトールならいけるがエックスやゼロではいけないのと同様この半グレも劾や剣ではいけません。
氷藤ですがモチーフはヴォルファングでした。
彼はモチーフとは全く異なる性格のキャラの一例です。
強が汰威超組の若頭になっているのはワイリー軍団をシグマ軍団の前身に見立てた他、
他の方のXシリーズの二次創作でXシリーズの時代まで生き延びたフォルテが敵幹部をやっているというものがあり
そこから影響を受けています。
竜太が不死身キャラになっているのはモチーフのゼロが死ぬ死ぬ詐欺常習犯だというのもありますが
バグ大にもこう言った死ぬ死ぬ詐欺常習犯のキャラがいてそれも元ネタです(グロイので調べるのは自己責任で)。
紫安はモチーフはラフレシアンですが裏モチーフは推しの子の星野アイとバグ大の須永陽咲也です。
前回今作のゲストキャラは原則的に非美形の男キャラばかりですがこのように全員ではありません。
男キャラの中にも美形(のつもりで描いている)キャラはわずかながら存在します。
ソクホーテムですが今作初のオリ中ボスです。
赤青黄の三色ですがいずれも雷属性でエンシェンタスよりサーゲスタンクに近いです。
赤い顔は怒りを与えるニュースを、黄色い顔は喜びを与えるニュースを、青い顔は恐怖や悲しみを与えるニュースを発信します。
色の由来は赤は「真っ赤になる」、青は「真っ青になる」「ブルーになる」、ですが黄色は喜→き→黄です。
また仮面である能面を模す事で嘘偽りという事も現しております。
今回もロックマン内外から様々なネタを入れた他、今後の伏線もいくつか入れました。
次回はレディバイド回です。 

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【柄の悪い二人組の男】
これは「TOUGH 龍を継ぐ男」に登場する不良三人組ですね。
元ネタと違い“未遂”に終わっているのは十字傷の少年のお手柄といえます(ただ、剣が制止しなかったらホントに撲殺されていたかもしれません)

あの漫画はネタにされる部分も多々ありますが心に残る場面もあって、何より画の迫力がすごいので…私も単行本派ながら割と毎巻楽しみにしています。

【十字傷の少年】
これがアクセル枠かな?と思いましたが後書きを読むにその通りでした。
正義感はありつつもかなり凶暴で、ここからいかにしてスーツを纏うようになるのか?シェリー博士たちとどう絡んでいくのか?
予想が難しいですね。

あと、滑舌が悪くなっている時に結構とんでもないことを口走っています(汗)

【シェリー・ブロッサム】

イラストの背景がドラえもんの時空間(タイムマシン使用時に通るあの空間)っぽいですが、シェリー博士は要素だけ抜き出すと「青色」で「22世紀」から「タイムマシン」で来ているので…
結構ドラえもん度が高いような気がします(?)

「裸で来たんですか?」の下りでは、周囲の物が焼き切れたり燃えたりしている中で全裸の博士がしゃがみ込んでいる光景を想像してしまい笑ってしまいました。

【レプリロイド】
作中では生成AIのことに触れていますが、AIも介護のような物理的な仕事に関してはまだまだ人間を代替できないようです。

「鉄腕アトム」ではロボットをわざわざ人型に作る理由について「人間の形をしていると人間の仕事がしやすいから」と説明されていましたが、現実でももしかしたら、色々な物が人間の形状に合わせて形づくられている事が足枷になっているのかもしれません。

危険な製造現場、レスキュー、介護といった所にレプリロイドのようなものが居てくれると、きっと大助かりだろうと思えます。

【氷藤狼牙】
想像していたよりも結構オラついた風貌でちょっと驚きました。

元ネタであるヴォルファングの「他人の嘘に嵌められて処分された」過去を考えると、「自身の“嘘吐き”の評判を利用して曲がりなりにも人助けを行う」氷藤の行動は元ネタとうまいこと対になっていると思います。

また彼のモチーフについて私は「ウソつき+氷」という事でイナラビッタが元ネタではないかと予想しましたが、見事外しました。残念。

【氷藤をシメる玲】

玲の服装が赤いこともあって「ごくせん」を彷彿とさせる一幕です。

氷藤もヤクザを脅しに使うからにはヤクザに対して“優しい人たち”などというイメージは持っている筈がなく、玲からビデオ通話の画面を向けられた際には自身の名字のごとく凍りついたことでしょう。

馬場丁司の手を借りて氷藤へのイジメを収める場面では
「『共に』これを制した」
と書かれているあたり、もしかして玲自身も腕っぷしを振るっていたりして…?

氷藤は作中でも言われたように、道を踏み外して取り返しのつかない事になる未来も大いにありえた訳ですし、彼にとって玲や汰威超組の人々は(威圧によって)軌道修正してくれた存在と言えるでしょう。

【沖藍竜太】
元ネタからしてXシリーズ中だけで2度も破壊されている上に、ロクゼロ1→2の間ではパワーアップが失われるほどボロボロになっていて、それでも戦い抜いているので
「どんな病気や怪我からも必ず生還する生命力と運も併せ持ち裏社会に刻んだ爪痕は数知れず」
となるのも頷けます。

組随一の強さと凶暴さを持つ男…から生まれたにしては玲はかなり穏当と言えますが、母親と思われる女性自衛官がきっとうまい具合に中和したのでしょう。

現・汰威超組組長との決闘の際はさすがに相手の片腕をもぐまでは行っていないでしょうが、それでもかなり激しい闘いを演じたことは想像にかたくありません。
それに決闘は廃工場とか倉庫とか、そういった場所で行われていそうです。

【劾の母親】
稲舟高の元番長ということで、Xシリーズの女性キャラで番長と言われそうな人物となると、パッと思いつくところでは2名程いますが…
果たして誰が来るか?

【地デジラフの任務】

マスコットキャラ・地デジラフの誕生経緯がいかなるものか、こちらの世界の地デジカ同様に本来の宣伝担当が何かやらかしたのか初めからPRキャラとして生み出されたのか…

嘘ニュースで街を混乱と糠喜びに陥れるジュラファイグ。
我々の現実でもAIを用いたフェイクニュースがネットでばら撒かれたりしていますが、テレビでまでこういうことをやられると大混乱は必至ですね。

【嘘ニュースの内容】
いろいろとネタが散りばめられていますが、読んでいて分かった範囲では…

・新型コロナウイルスΣ株
→お馴染みのシグマウイルス。
現実の方では「Σ」まで行く前になにやら命名規則が変わったようですが、そのへんはよく分かりません。

・AI技術者、蝸牛晶
→「X2」のクリスター・マイマインでしょうか。
視聴者のリアクションは「魁!!クロマティ高校」の有名なセリフからですね。

・人気音楽ユニットのTHREE-MIX
→アクセル役の高山みなみさんの音楽ユニット、TWO-MIXですね。
個人的には「新機動戦記ガンダムW」のイメージです。

・陽咲紫安
→あとがきにも有ったように「推しの子」の星野アイ。
ただ元ネタ的に子供がいるのはウソではなさそうな…

・ギガマンシリーズ
→ロックマンシリーズ。
どうやらこの世界では無印「9」「10」「11」に相当するものがリリースされていない模様です。

【剣VSソクホーテム】

小さな子供がソクホーテムを指差し、危険なワードを叫んでいます(汗)
しかも場所も檜町公園。

濡れ衣映像を流され、窮地に陥る氷藤。
嘘つきの評判を払拭せずに有効利用し人助けをしてきた彼ですが、その行動がここに至ってピンチを招くのがつらい所ですね。

そして剣とソクホーテムの戦い。
パターン読みと、安全地帯や攻撃の予備動作を覚えることはロックマン(そしてアクションゲーム全般)において必須ですが、落ち着いてそれらをこなす剣の実力が光っています。

【剣VSジュラファイグ】

剣とジュラファイグが戦闘を繰り広げる中、
五里石の計らいで追手の人々と和解を果たす氷藤ですが、彼も劾・玲の言葉を受けて反省をしたのだろうと思います。このシーンにそれが現れていますね。

そしてジュラファイグの奥の手。
ゲームにおいてボスキャラとの戦闘には「追い詰められたボスが本気を出す」がつきものですが、このジュラファイグもそういう物をきっちり用意していたという訳です。

ジュラファイグから剣への
「ロックマン、オレが設置したアンテムポールは全部壊したか?」
という問いかけは、アンテムポールが残っていることを把握した上で言っていそうだな…と、個人的になんとなく思います。

【後日、氷藤】
珍しい体験は人に聞かせたくなってしまうものですが、内容が内容だけに信じては貰えない模様。
それに言っているのが氷藤なので尚更です。

それでも氷藤の「嘘はなるべくやめるという」決意は確かだろうと思います。これから信じてもらえるようになるかは、彼のがんばり次第…でしょうか。

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流星のD-REX=ZZX(管理人) 2024/05/25 (土) 13:49:25

※誤字脱字が見受けられましたので再投稿です。

レスが若干遅れました。
感想有難うございます!

>柄の悪い二人組の男
元ネタは仰る通りです。
タフシリーズを含む猿渡先生の漫画はツッコミ所満載でありながら独自の味わい深い魅力がありますね。
今作にヤクザネタが出てくるのは予告で挙げた動画達の他に猿渡作品からの影響もあり、今回では序盤のほんの1シーンでしたが
この先のとある回でタフネタがてんこ盛りな回があります。
十字傷の少年に対し「未遂」で終わった分彼等も剣の制止もあってボコられただけ、という元ネタと比べれば何ぼかマシな結末を迎えました。

>十字傷の少年
今作の追加キャラの中で最も重要な人物でありますが現状では何というかロックスーツを身に着けてはいけない人間のような気がしてきます。
その為どういう経緯でスーツを着用するようになるかは今でも試行錯誤を繰り返し中です。
そして彼が狂乱時に叫んでいた言葉は、訳せたようですね…
彼の「母親はいない」発言ならびにこの時の台詞から彼がどんな幼少期を辿ったかは想像に難しくないのではないでしょうか。

>シェリー・ブロッサム
彼女のイラストの背景は仰る通りドラえもんネタです。
そして仰る通りの共通点からこのネタを起用いたしました。

>>「裸で来たんですか?」の下りでは、周囲の物が焼き切れたり燃えたりしている中で全裸の博士がしゃがみ込んでいる光景を想像してしまい笑ってしまいました。

人間とロボットが同時期に未来からやって来るという点では第1作に近いですね。

>レプリロイド
物理的な仕事となると確かにAIよりも人型のロボットの方が活躍の場がありそうですね。
それに加えて感情があったりより外観が人間に近ければ精神的な支えにもなると思います。

>氷藤狼牙
オラついた外見は彼の自分を飾ろうとする性格から来ております。
モチーフとの対比は言われてみればそうですね。
ヴォルファング、ルナエッジ、イナラビッタの中ではイナラビッタが最も不誠実で意地悪そうなイメージがありますのでこの予想も頷けますね。

>氷藤をシメる玲
ごくせんに関してはその発想はありませんでしたが主人公ヤンクミを仲間由紀恵さんが演じられてたのでヤクザネタにもX4ネタにもなりますね。
ヤクザを騙っていた者の前に本物が現れてしまうのは所謂スカッとする話や予告で僕が挙げた動画達でよくある話であり、
氷藤もこれらの偽ヤクザみたく凍り付きました。
玲が猪狩を止める際腕っぷしを振るったかはご想像にお任せいたします…
この件で氷藤は腐れ外道ではなくなったのですが…

>沖藍竜太
今作ではモチーフの死ぬ死ぬ詐欺を継承しております。
玲が凶暴な性格ではないのは母親と中和したというのもあり、竜太が組抜けした後はその凶暴性を封じたからというのもあります。
彼が本編で出るとしたら原作同様凶暴性を感じさせない人柄として描きますが、家族に何かあれば昔の自分が出てしまいます。
これは覚醒ゼロのオマージュですね。

>劾の母親
よりエックスに近しい人物がモチーフですが、果たして…

>地デジラフの任務
地デジラフが生まれた背景は特に設定してませんが前者だと思います。実は僕はあのネタも大好きです。
嘘ニュースですが現実でもディープフェイクといった科学の進歩の弊害がありますね…
岸田総理が「何か」の内容のスピーチをする映像は本当に物議を醸しだしました。
これをテレビでやられたら悪い嘘ニュースは要らぬ精神的ダメージを視聴者にもたらし良い嘘ニュースは真実を知った視聴者が落胆するのでパニックは必至でしょう。

>嘘ニュースの内容
>>新型コロナウイルスΣ株
これはXシリーズを知る者は誰もが思いつくネタですね。
現実ではオミクロン株に様々な亜種が生まれていき、さらには呼称も神話の怪物から訳の分からない名前に移行していってます。
>>AI技術者・蝸牛晶
蝸牛(カタツムリ)に水晶のですのでモチーフはマイマイン一択ですね。
彼はかなり先の回のゲストキャラとして登場します。
クロ高の台詞は機械による支配繫がりですね。

>>人気音楽ユニットのTHREE-MIX
これの元ネタも言わずもがな、ですね。
僕はコナンの印象が強いです。

>>陽咲紫安
子供の存在に関してはご想像にお任せしますとしか言えません(何)。
いたとしたらモチーフはベラドンナ―ですね。あれも2体いましたし。

>>ギガマンシリーズ
これはロックマンの海外名「メガマン」から来ております。
そう言えば本家8発表から既に20年以上の月日が流れており、もしこのタイミングで9が発表されたら
その際のファンの喜びとそれが嘘と知った時の悲しみと怒りは察するに余りありますね。

>剣VSソクホーテム
ソクホーテムを指差して危険なワードを叫んでいた子供ですが当然ながらちゃんと服を着ており泥酔もしていません。
濡れ衣映像で周囲から責められる氷藤は場合によっては恩を仇で返される格好になっておりますが
これは「オオカミ少年」と同じく嘘ばかりついて信用を無くした結果でもあり、中学時代外道行為をしでかした結果でもあります。
敵の攻撃の予備動作や安全地帯を見極めるのはロックマンシリーズ含めアクションゲームでは必須であり、集中力や反射神経が問われますね。
剣はその点は申し分ないのですが敵の弾を打ち返すのはX7のゼロが元ネタです。

>剣VSジュラファイグ
氷藤は中学時代玲にシメられ道を踏み外しかけた事を反省し、この件で嘘ばかりついていたことを反省しました。
追い詰められたボスが奥の手を繰り出すのはロックマンあるあるですがその際発生した停電は原作準拠です。
ジュラファイグは至る所に無数のアンテムポールを設置しており、その割に早くソクホーテムが破壊された事である程度アンテムポールが残っていた事は察していました。

>後日、氷藤
「本当の事」を言ってその内容、そして言ったのが氷藤なら信じる人はいる訳がないですね。
しかし撮影されていた場合は流石に事情が異なると思われる為、玲は氷藤のスマホを一時的に預かったという訳です。
中学時代の件以来「外道」と認識されなくなった氷藤ですが「嘘つき」と認識されなくなるのも多少時間はかかるものの
確実ではないかと思われます。

7

執筆お疲れ様です。
十字傷の少年は制御不能なほどの秘めた力があるようですね。
今後どう関わっていくのかが気になるところです。

剣は普段から人助けをしていて、未来の人の手助けも躊躇なくこなしていて、すごい勇敢ですね。

偽ニュースは現実になったら嫌なものから、かなってほしいものまで様々ありますね。
コロナのΣ株は現実に出たら、公式のXシリーズにも影響が出そうな予感がします。
SNSのXは現実に出ましたので、少しややこしいです。

現実でもAI生成の画像からフェイクが大量に作れてしまうのは厄介だと思いました。
真実を見極めて、振り回されないようにする力が必要になってきました。

氷藤はニセ情報で濡れ衣を着せられ、振り回されて大変でしたが、改心されたようですね。
戦闘では剣が壁蹴りもさっそく使いこなしていてさすがですね。

ジュラファイグ戦では剣のフェイントが見事に決まりました。
今後の展開も楽しみにしています。
それでは。

8
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2024/06/02 (日) 01:25:13

レスが若干遅れました。
感想有難うございま
十字傷の少年ですがご覧の通り凶暴極まりない側面があり、どのような過程でロックマンの一員になるのか
今も試行錯誤を繰り返しております。
剣の人助けは原作準拠です。
嘘ニュースですが嘘だと分かった時の事を考えると良いニュースの方がタチ悪い気がします…
もしΣ株が出てきたとしたら間違いなくXシリーズは風評被害を受けるでしょう。
更に今はXと改名した(←僕は未だに慣れません)Twitterも二次的に風評被害を受けると思われます。
現実でもAI生成の画像やディープフェイクが問題になってますがよりリアルになったら厄介でありサイバー攻撃に続く技術の進歩の弊害ですね。
氷藤ですが中学時代ではヤクザとの関係を騙った報いを受け、今回の事件では日常的に嘘ばかりついていた事の報いを受けましたが
これは嘘つきはよくないというメッセージを含むと同時に所謂ショック療法的な要素も入っています。
ジュラファイグ戦の決着ですがここでは二段ジャンプと同様エアダッシュも装備していたという設定でお送りいたしました。