ヒュルルルルルルル…
ガッ!!
コプフヴァッフェが大破して暫くすると上空からヤコブエボリューションの残骸が落ちてきて、地面に突き刺さった。
「墓標…か…」
エックスは悲し気に呟く。
「思えば哀れな奴だったのかもしれない…なまじ『力』が、それから人間としての驕りとレプリロイドへの不信があったばかりに…
一歩間違えれば俺も…いや、そんな事は無い…俺には…この信じてくれる友がいるから!!」
周囲を見渡しながら言い放つエックス。
その時だった。
「信じてくれる友がいるから…俺のようにはならん、か?」
上空から声がする。
「「「「!!!!!!!」」」」
皆が目線を上にやるとそこにはパラシュートで宙に浮くヘルシャフトが見下ろしていた。
「いやはや、ガンツェンヴァッフェ、そしてコプフヴァッフェを以ってしても貴様等を倒せんとはな…」
コプフヴァッフェを失い明らかに詰んでいるヘルシャフトだがその口調にはどこか余裕がある。
「ご自慢のマシンはもうお釈迦だぜ?貴様はもう詰みだ!」
ゼロが言い放つがそれを無視してヘルシャフトは続ける。
「人間は力では貴様等レプリロイドに敵わん。肉体面で天才、神童と持てはやされた俺でも、だ。
そこで代わりにサイバーエルフで手懐けたレプリロイド共を戦わせ、それで御せぬなら
機械に乗り込む事で貴様等に挑んだが…駄目だったよ…
やはり人間として貴様等に挑むのは無謀だったようだな…
………………………………」
暫し沈黙した後、ヘルシャフトは声高らかに言い放つ。
「俺は人間を辞めるぞ、レプリロイド共おおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」
カチッ
言い終えるとヘルシャフトは手元のスイッチを押す。
するとヘルシャフトに自身の服に仕込まれた特殊な注射器からエルフ細胞が注入される。
彼が持ち出した貴重品はエルフ細胞だったのだ。
その結果…
「がああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビクン!ビクン!ビクン!
ヘルシャフトは白目を剥き絶叫し激しく痙攣し出した。
そしてそのまま動かなくなった。
「暴投っスね…」
「…自業自得…」
「ハッ、どっちが分不相応だか…」
パラシュートで浮いたままうなだれて沈黙するヘルシャフトを見てトラスト、フラジール、ヴィアを始めこの場の面々は呆れる。
しかし次の瞬間…
カッ!ズズズズズズズズズズズズズ…
ヘルシャフトが全身から強烈な光と突風を放ち大地が震撼した。
そして光と風と震動が収まった時、ヘルシャフトがいた場所には異形の存在が佇んでいた。
その存在は顔と髪型、髭こそヘルシャフトのそれだったがただでさえ大柄な体格が2回りほど肥大化し。
顔は真っ白で耳は長く、黒い眼球に赤い瞳、額からは5本の角が生え金色の全身の至る所に
顔の目と同じ色の目玉があり赤い瞳がギョロギョロと動き背中には6枚の翼を生やしている。
「フフフフフフ…ハァーハッハッハッハッハ!!!!!!素晴らしい!!素晴らしいぞ!!!
俺は…今正に万物の頂点に君臨したのだ!!
人間としてレプリロイドに挑んだヘルシャフトという男は死んだ!!
これより俺は自らをカイゼルシャフトと名乗る!!」
ヘルシャフト、改めカイゼルシャフトは大笑いをして言う。
「おお、何と神々しい…!」
その頃地下シェルターではこの様子をメタシャングリラ構成員達がモニターで見ていた。
尚、本殿のカメラは全て破壊された為映像の受信はハッカー系エルフで代用している。
地上では…
「…言質取ったよ。自分で人間じゃないって認めちゃったね。じゃ遠慮なくイレギュラーとして始末させて貰うね」
気圧されつつアクセルが啖呵を切る。
それにカイゼルシャフトは見下したように言う。
「馬鹿め、今の俺は人間ごときよりも上位の存在よ、貴様等が盾突くなど一層おこがましいわ!!」
「自分には単なる怪物にしか見えないッス…レーザーピッチ!!!」
トラストがカイゼルシャフトにレーザーピッチを繰り出すが…
バシッ!
カイゼルシャフトはニヤつきながらそれを素手で受け止めた。
「野球、か…丁度いい、航空ショーがお気に召さなかったならボール遊びと行こうではないか」
シュッ!
カイゼルシャフトはそう言って手の平に地球の形をした光る球体を出現させた。
「これはサイバーエルフのエネルギーで作った限りなく実体に近いエネルギー体『サイバースフィア』よ。
ともあれ俺は学生時代ありとあらゆるスポーツでタイトルを獲得した実績があってな、今ならそれが戦闘でも応用出来る訳だ。
それでは死合開始と行こうではないか!!」
ビュッ!!
カイゼルシャフトは凄まじい剛速球をトラスト目がけて投げつけた。
「速っ!!」
トラストはこれをスライディングで回避した。
次の瞬間カイゼルシャフトはサイバースフィアの間近にワープして両手でそれを掴んだ。
そして…
「コングダンク!!」
そのままカイゼルシャフトは両手でサイバースフィアをトラストに叩きつけようとした。
ガッ!!
これをトラストはバットで受け止めたがすぐに力負けしそうになる。
そこでトラストが横に移動しサイバースフィアが大地に叩きつけられると…
ドォン!!!!!!!!!!!
大地が激しく揺れ巨大なクレーターと突風が発生する。
その威力に息を呑むハンター勢。
「バスケットボールだけではないぞ…ツイスターサーブ!!」
次にカイゼルシャフトはサイバースフィアと同じくサイバーエルフのエネルギーで具現化したテニスラケットを出現させてこれを用いてサイバースフィアを打つ。
「む…は…」
この超剛速球をマッシモが喰らってしまい、結果彼はダウンした。
「このサイバースフィアには即死効果があるぞ!尤も、直撃のみの話ではあるが実質防ぎようは無いも同然…
まだまだ行くぞ…ライズインパクト!!!!」
ガッ!!
「ぐはっ…!!」
次にカイゼルシャフトはゴルフクラブを具現化させてサイバースフィアを打ちカーネルをダウンさせた。
「マチネトロワ!!」
キーン!!
アンジュピトールがマチネトロワで突っ込むも…
「デンジャータックル!!!」
ドガッ!!!!
カイゼルシャフトはサイバースフィアを抱えラグビーのタックルで応戦する。
ブリッツ、そしてコプフヴァッフェの体当たりを遥かに凌ぐ威力のこの技を喰らったアンジュピトールは全身が砕けダウン。
「悪夢だ…」
これらは全て瞬く間の出来事でありエックスは戦慄するがすぐに気を取り直す。
そして…
「ファーストアタック!!」
バシッ!!
カイゼルシャフトがバレーのスパイクをエックスに見舞おうとした時だった。
エックスはこれを回避する。
するとカイゼルシャフトがサイバースフィアの位置にワープした。
直後カイゼルシャフトがエックスにサイバースフィアを投げつけようとするも…
「チャージショット!!」
これを読んでいたエックスがダイヴバスターのチャージショットを見舞う。
それと同時にダイヴリングも同時に発動しカイゼルシャフトに連続ダメージを与える。
「う…うう…」
するとリバイブゲージが溜まりこの時点でエックスの一番近くにいたマッシモが復活した。
「アイテムは尽きたが…希望はまだ尽きてはいない!」
「ほんの少し寿命が延びただけに過ぎん!」
エックスはそういい放つもカイゼルシャフトは即座に距離を取って鼻で笑う。
「デッドドッヂ!!」
そしてカイゼルシャフトが再度剛速球を投げつけた時だった。
「ハッ、頭数なら俺がどうにかしてやらあ!こいつ等が犠牲になっても痛くも痒くもないからなあ!!」
ヴゥン…
ヴィアが過去のイレギュラーを大量に召喚した。
「馬鹿め、この投球は跳弾するぞ!!」
ガガガガガガガガガガ!!!!
「わ!」「うお!」「きゃっ!」
カイゼルシャフトの言葉の通りヴィアの召喚したイレギュラーに当たった球が跳ね返り他の召喚イレギュラーや壁や床に滅茶苦茶に跳ね返る。
「まずい!」
ヴィアは召喚イレギュラーを引っ込めるとサイバースフィアをキャッチし、カイゼルシャフトに投げつけるも
カイゼルシャフトはサイバースフィアを手元にワープさせて無効化する。
「躯装破!!」
そんな時ゼロがガンツェンヴァッフェ並びにコプフヴァッフェの残骸で作った大剣で斬りかかるも
カイゼルシャフトは具現化したバットで応戦し激しい打ち合いの果てにゼロを弾き飛ばす。
「チッ、本当に人間捨ててやがる…」
吹っ飛ばされたゼロが起き上がりながら吐き捨てるように言う。
「奴はボールの位置にワープする事とボールを自分の位置にワープさせる事で自分で自分にパスをする事が出来るって事ッスね…ならば…」
トラストはカイゼルシャフトの技の法則を推察し対策を講じ始める。
そして…
「いいッスか…奴はボールの位置にワープしたり逆にボールを自分の手元にワープさせる事で自分で自分にパスをする事が出来る…
即ち各々の位置に奴が配置についていると考えた方がいいッス…
加えて見た限りでは奴がワープや具現化を行う時は集中力が必要で発動まで若干間があるッス。
奴の攻撃を止めたり避けたりは正直キツいッスがこれらを踏まえれば勝機は見えて来るッス…という訳で…」
レジェンドピッチャー発動中で視野が広がったトラストはこの場の一同に声をかけ作戦を立案する。
そして各自を配置につけさせてカイゼルシャフトを迎え撃つ。
するとその結果ハンター勢の被弾率が下がりカイゼルシャフトの被弾率が上がり
リバイブゲージが溜まってカーネルとアンジュピトールも復活する。
デザイアゲージも溜まっておりカーネルとアイリスは再び合体。
「このトラストとかいう小僧…監督としての才能もあるというのか…
エックス、ゼロ、アクセルばかりに目が行っていたがとんだ伏兵が潜んでおったな…ならば!!」
シュッ!
カイゼルシャフトは手元にもう1つのサイバースフィアを出現させた。
「これからは二刀流で行くぞ…貴様等に全て捌ききれるかな…!?」
ビュッ!ビュッ!
カイゼルシャフトはボールを2つにした事で戦いの流れを自分に傾け始める。
その結果一人、また1人とダウンしていくが…
「キルキルキルキルキル…」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!
フラジールが音もなくカイゼルシャフトの背後に現れ激しい連続攻撃を繰り出しリバイブゲージを溜めて仲間を復活させる。
「この小娘もガンツェンヴァッフェの時から感じておったがS級の称号は伊達ではないという事か…!」
多大なリスクを冒して禁断の力を開放したトラストとフラジールにカイゼルシャフトは手を焼き始める。
そんな中…
ドゴッ!!
「あうっ…!!」
遂にシナモンがサイバースフィアの直撃を喰らいダウンしてしまった。
回復アイテムが尽きた今ハンター勢はスポーツ用具や素手による攻撃等サイバースフィアの直撃以外のカイゼルシャフトの攻撃によるダメージを
シナモンの回復技でしのいでいたのだがそれが絶たれると一気に戦況が不利になる。
自らの体力を回復させる技を持たない者は特に窮地に追いやられたのだがその闘志は消えていない。
「負ける…訳には行かない…!」
「絶対勝つ!」
気が付くと一部の者を除きハンター勢の面々もトラストのレジェンドピッチャーが持つ何というか暑苦しい熱気を帯び始める。
「これも…『エックスウイルス』の効果だというのか…俺は万物の頂点だ…他者になんぞ退かぬ!媚びぬ!顧みぬううううう!!!!!!!!!!」
自分もトラスト達と同様のオーラを纏っている事にカイゼルシャフトは気付いていない。
しかしその時予期せぬできごとが…
「うっ…!」
突如カイゼルシャフトが鼻から出血した。
それもハンター勢の攻撃によるダメージではなく、勝手に出た物である。
「間隔を置かぬエルフ細胞の接種による代償か…!?この分だと力を使いすぎるとこの身体は持たんだろう…
しかし!これで一層負ける訳には行かなくなった…!!
肉体の損傷は後でどうにかすればいいが最悪奴等との戦いで俺自身は果てる代わりに確固たる伝説を残すのも一興だろう…!!」
「身を削って戦っているのは…こっちも一緒ッスよ…レーザーピッチ!!」
「バレットライナー!!」
お互いにボロボロの体で渾身の投球を放つトラストとカイゼルシャフト。
それ以降両陣営が消耗すれば消耗する程それに反比例して戦いは白熱していく。
ハンターベースにて…
「ハンター達、そしてエラトネール達も持ち堪えてはくれておるがこの『カイゼルシャフト』は強力過ぎる…
厳しいがこのままでは全滅も時間の問題じゃろう…」
バイルが真剣な様子で言う。
「そんな…このまま指をくわえて見ているしかないんですか!?」
リコが問う。
「打つ手が無い訳ではない…ディープログ、及びウラディープログのデータを攻撃エネルギーに変換したプログラムを現場に送り込む…これがワシ等に残された最後の切り札じゃ。
ほれ、ワシの言う通りに行動するんじゃ!」
バイルは指示を出し始める。
一方メタシャングリラ本拠地にて…
肉体の負担を切っ掛けに一気に勢いづいたカイゼルシャフトの猛攻にハンター勢は1人、また1人とダウンし、
現時点で立っているのはエックス、ゼロ、トラスト、ヴィア、エラトネールのみとなっていた。
その時各々に宿る元メタシャングリラのサイバーエルフが外に姿を現す。
「フッ、こうなったらもうあれをやるしかないようだな…」
ブリッツが意を決して奥の手を使う事を提案。
「俺達の真の能力、自軍のサイバーエルフとの融合、だな」
フランメが頷く。
「自分が自分でなくなるリスクがあるが、敗北よりはまだいい…」
メーアもそれに続く。
「皆、覚悟は出来ているか?」
シャッテンが部下たちに問う。他の4コマンダーもそれに続く。
「オラもやってみたかったズラ!」
「あたぼうですぜ!!」
「一度死んだ身としては怖くありませんわ」
「パステルと一つになれる、これも愛の形ですな」
「奴等に勝てるならこれぐらい平気ですよー」
「ハァハァハァ…不安もありますが、希望もありますぜ…」
「高等な存在にランクアップ出来るって事ですかい!?やるに決まってますよ!」
「団長殿の御心のままに…」
「こぉ~れはじぃ~つに熱い展開じゃあなぁ~いですかぁ~」
「隊長が一緒なら怖くありませんわ」
「いいんですかいホイホイ俺なんかと合体して?」
「既に覚悟の上ですぞ」
「手術にリスクは付き物です!」
「ンモォ~ン!」
「オォォォォン!!!!!」
「ビュオオオオオ!!!!」
「ゴロゴロ!!ゴロゴロ!!」
「ハイ!レグ!ハイ!レグ!」
「ブクブクブクウウウウ!!!!!」
誰も異を唱える者はいなかった。
そして…
「「「「フュージョン!!!!!」」」」
4コマンダーは各自の軍のサイバーエルフと融合を果たした。
そして烈火軍団のサイバーエルフは赤い人魂、氷結軍団のは青い人魂、轟雷軍団のは緑色の人魂、虚無軍団のは紫色の人魂になった。
「君達は…4コマンダーなのかい?」
エックスは恐る恐る問う。
「い~や違うぜ!俺は…そうだ、ファーブニルだファーブニル!」
烈火軍団のサイバーエルフが応じ、自らをファーブニルと名乗る。
その口調は喧嘩っ早い青年のようである。
「何か烈火軍団の皆が交じり合ってる感じね、あら、私はレヴィアタンよ。私はクレーネルが強く出ちゃってるみたい」
氷結軍団のサイバーエルフはレヴィアタンと名乗った。
声と口調は女性のそれである。
「俺は…ハルピュイアだ…俺は轟雷軍団の誰にも似なかったようだな…」
轟雷軍団のサイバーエルフはハルピュイアと名乗った。声色は少年のようである。
「あら、キザな所はブリッツそっくりよ、『キザ坊や』」
レヴィアタンが茶々を入れる。
「拙者は…ファントム。拙者の性格はシャッテン由来だろう、拙者は男だがな」
虚無軍団のサイバーエルフはファントムと名乗った。
声は渋みを含む男性のそれである。
「さあこっから反撃開始だぜ!行くぞお前等!!」
「だから何で貴方が仕切るのよ『戦闘馬鹿』…」
ファーブニルの号令し、レヴィアタンが不満気に言いながら融合を果たした元メタシャングリラのサイバーエルフ達が出撃する。
ファーブニルは強烈な火球を、レヴィアタンは氷柱で覆われた氷の弾丸を、ハルピュイアは超高電圧の雷の弾を、
ファントムは暗黒エネルギーで出来た鋭利な苦無をひたすら高速連射する。
各々の攻撃力はかなりのもので既に負担の掛かったカイゼルシャフトの肉体に容赦なく襲い掛かる。
「えええい、それがどうしたあああああああああああああ!!!!!!!!」
しかしダメージを負えば負うほどカイゼルシャフトの攻撃は激しくなる。
「こうなったらとことん根競べに付き合うっス!ウオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
「はあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
留まるところを知らず白熱していく戦い。
その時ハンター勢にバイルから通信が入った。
「これよりディープログとウラディープログのデータを攻撃エネルギーに変換したプログラムをそちらに送る…
取得すれば莫大なエネルギーを放ちこの勝負に決着が着くじゃろう。
ただ敵もそれを妨害してくるじゃろうから気を付けるのじゃ!!」
時を同じくしてカイゼルシャフトの眼前にもDr.Vの声を伝えるハッカー系サイバーエルフが現れた。
「これ以上の戦いは危険ですぞ!やはりエルフ細胞の間隔を置かない接種が原因のようですな…
どれ、私も一つ助力致しますぞ…
これからディープログのデータを攻撃エネルギーに変換したプログラムを送ります。
只敵も妨害してくる故注意してくだされ」
各々の通信が終わった後空の彼方から虹色に輝く球体が現れた。
「「これか!!」」
エックスとカイゼルシャフトは同時に動き出した。
「「(ク―クックックック…一世一代の自作自演対決の真骨頂じゃ!どっちが勝つかのう?)」」
バイルとDr.Vはそれぞれ内心嘲りながらそれを見ている。
「負けられない!」
「負けぬ!」
「はああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「があああああああああああああ!!!!!!!!!!」
死に物狂いで球体を奪い合うエックスとカイゼルシャフト。
そしてカイゼルシャフトが球体を手に入れようとした時だった。
「坊や、渾身の一発をかましてやれ!」
ファーブニルがトラストにそう言うとトラストのボールに4体のサイバーエルフが宿る。
「押忍!」
トラストはカイゼルシャフトを真っ直ぐ見据え振りかぶる。
そして…
「レーザーピッチ!!!!!!!!!!!!!!!」
力の限りを尽くした一球を投げ込んだ。
ドゴォ!!!!!!!!
「む…!!!!」
大ダメージを負ったカイゼルシャフトは球体を手放してしまう。
その隙にエックスは球体を手にする。
パァァァァァァァ…
するとエックスの体がオーラに包まれた。
そして彼の周辺に数人の人物の姿が現れる。
前世紀で何度も世界を救った偉大過ぎる自身の「兄」。
姿形の変わった一番の親友。
強者の力を込めた石で変身する人間及びレプリロイドの少年少女。
優しかった亡き主から託された、人間が滅んだ後の世界で生きるより人間に近い人造人間の少年。
異界で生きる「兄」と同じ名と似た姿を持つサイバー・クジャッカーのような疑似人格プログラムの少年。
彼のいる世界の未来の時代を生きる電波生命体と融合した人間の少年。
彼等は一斉にエックスに暖かな眼差しを向ける。
同時にエックスは、この瞬間世界と一つになった感覚を覚え自分が戦う意味を見出す。
時代や種族は違えど彼等と自分の思いは同じである事、そしてそれらの時代や世界は絶望だけしか存在しない、悪人のみがのさばっている訳ではないという事をエックスは悟った。
そして…
「ファイナルスマッシュ!!!!!!!!!!」
シュバアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
エックスは横に並ぶ過去、未来、異界の強者達と共に強烈極まりない光芒を一斉に放った。
「おおおおおおおお!!!!!!!!負けるかああああああああああああ!!!!!!!!!」
カイゼルシャフトはサイバースフィアを最大サイズにして迎え撃つ。
「ガ…ガ…グホアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
暫し粘ったカイゼルシャフトだったが、やがて飲み込まれた。
技の発動が終わるとカイゼルシャフトは膝から崩れ落ちた。
全身の至る所にヒビが入り体もミイラのように干からびている。
そんな中カイゼルシャフトは声を絞り出して言う。
「…俺を…倒した…ところで…この流れは…止まらん…レプリロイドが…イレギュラーが…いる限り…
俺の遺志を受け継ぐ者は…現れる…それまで…束の間の…勝利に…酔いしれて…おるが…いい…」
サラサラサラサラサラ…
そしてカイゼルシャフトの肉体は灰になって空気中に散っていった…
人類至上主義…というより自分至上主義の恐怖の独裁者の最期である。
「そこに希望がある限り俺は諦めないし、この世界は俺がいなくなっても後世の者に託す価値はある!」
エックスは空を見上げ言い放った。
「エ…エックス…先輩…ちょっと…休ませて…貰うッス…」
トラストは声を絞り出して腰掛ける。
「ああ、今は休むといい…トラスト…トラスト!?」
エックスがトラストの方に目をやると彼は笑顔のまま真っ白に燃え尽きた灰のような状態になり全く動かなくなった。
「今回の戦いも…犠牲が…多過ぎるぜ…畜生…畜生…!!」
トラストの他にも既に倒れた面々を見ながらゼロが怒りを爆発させる。
そんな時だった。
「ああ、この少年はただ眠っているだけじゃ。回復アイテムで十分じゃろう」
そこにはいつの間にかゲリールが現れていた。
「ゲリール!」
エックスが応じる。
「さて、他の者じゃがこれは復活アイテムでも難しいぞい。ただ方法はある。ワシの命を使えばええ。
サイバーエルフの役割を考えればお安いもんじゃ」
「…チッ」
皆が申し訳なさそうにする中サイバーエルフの用途を忌み嫌うヴィアが舌打ちする。
そしてゲリールはこの場に倒れている者を一斉に復活させた。
「ワシの…力が…役に…立てるなら…本望じゃ…」
力を使ったゲリールは笑顔のまま目を閉じ、真っ白に燃え尽きた灰のようにうなだれて座り込んだ。
「ゲリール!…すまない…!」
エックスが悲しんでいると…
「あー、悲しんでいる所悪いんだけどそいつ生きてるぞ」
ヴィアが横から口をはさむ。
「え?」
「そもそもサイバーエルフは死んだら消えるからな」
疑問符を浮かべるエックスにヴィアが付け加えて説明するとゲリールは確かに消えていない。
「「「「「もうええわ!!」」」」」
いつの間にか合体が解除された元メタシャングリラのサイバーエルフ達も含めたこの場の何人かが突っ込む。
一方地下シェルターでは…
「総帥殿が負けてしまわれた!!!!!」
「どうしよう!!どうしよう!!」
「もう終わりだああああ!!!!!」
カイゼルシャフトの敗北を知ったメタシャングリラ構成員達はパニックに陥っていた。
というのもエルフ細胞で半端に想像力が向上したお陰で「自分達が」助かる未来がどうしても見えなくなっていたからだ。
今の彼等は悲惨な未来を回避する為のいくつかの道を見出す事は出来たがそれらの中で自分達が破滅しない未来はない。
どんな手を講じてもどこかで足がつき惨たらしい最期を迎えているのだ。
「Dr.Vは…最初にエルフ細胞を接種したガキは…いない!!!!!」
いつの間にかDr.V並びに最初にエルフ細胞を接種した少年達はこの場から姿を消していた。
「こうなったら…こうなったら…やるぞ!我々も…エルフ細胞の追加接種を!!
先程の総帥の力で束になってかかれば奴等も終わりだ!ハハハハハハハ!!!!!!」
「そして明るい未来に一直線だ!!クヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!」
この場の構成員達は一斉にエルフ細胞を接種し始め中には他者のエルフ細胞を奪おうとする者も。
その結果…
「ぎゃああああああああああああぐるじいぐるじいぐるじいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!
お母さん!お母さん!!おかあさ~ん!!!!!!!!!!!!」
エルフ細胞を接種した構成員達は全身に蕁麻疹が出来、眼が血走り目、鼻、口から血を出して苦しみのたうち回り始めた。
彼等の周辺にはエルフ細胞争奪戦に巻き込まれ銃殺された構成員の躯も転がっている。
この様子を見て拳銃自殺をする構成員も出始めた…
一方地上にて…
ウイーン…
突如地下シェルターへのシャッターが開いた。
「そうだ、まだメタシャングリラそのものとの決着はついていないんだった」
エックスがそう言うとハンター勢は地下シェルターに降りていく。
彼等を出迎えたのはDr.Vだった。
「「「「Dr.V!!」」」」
この場の一同が思わず怒りの表情で身構える。
するとDr.Vは両手を上げ降参のポーズをする。
「参った、参った、降参じゃ。」
そしてDr.Vは頭に被った覆面を脱ぐ。
覆面の下は長い鼻と鹿の角やクワガタのアゴを思わせる髪型が特徴の中年男性だった。
「ワシは連邦政府に反感を抱く科学者として連中を利用してお前さん達と戦わせることで
悲惨な未来を回避する道を見極めようとしたんじゃがこの戦いはお前さん達の勝ちじゃ。
『エルフ細胞』を接種した少年達も解放しておこう。
ワシの事は好きなだけ尋問するといい」
そう言ってDr.Vは両手を差し出すが、次の瞬間…
「なぁ~んちゃって、のう!!!」
ビヨヨ~ン!!ビヨヨ~ン!!
突如バネで繋がったDr.Vの頭が胴体から切り離され、瞳が互い違いの方向を向き舌を出した表情で左右に激しく揺れ出したのだった。
「く…また遠隔操作のロボットか…!」
「本体をとっちめない限りゲームセットではないッスね…」
エックスとトラストはサイバーエルフ研究所の出来事を思い出し悔し気に言う。
同じ頃バイルは
「うっ…!」
バイルがよろめく。
「大丈夫ですか?」
オリジナルシエルが思わず声をかけバイルは応じる。
「ああ、大丈夫じゃ、これまでの心労が祟ったようじゃな…
(エヴィルの時もそうじゃったが生体パーツを使ったロボットに入っておったワシの人格をコピーしたサイバーエルフがワシの脳に入り込みこれまでの記憶が入り混じる時の感覚はやはりキツいのう…)」
しばらくしてハンター勢はエルフ細胞を最初に接種した少年達を目にする。
「エーン、怖かったよー!!」
少年達は怯えた様子でありハンター達を視認すると彼等にしがみつく。
「もう大丈夫だ」
「さあ、こっちだよ」
エックスが優しく少年達を諭しアンジュピトールが空間に扉を出現させ少年達を避難させる。
避難先にて少年達は…
「エルフ細胞をあんな短期間で連続接種など、愚かな事を…」
「所詮奴等は世界を統べる器ではなかったという事だ」
「十分に間隔を開けてエルフ細胞を接種している我々ならこの世界を掌中に収める事が出来る…」
「だが、今はまだその時ではない…」
知的な本性を露わにし世界の行く末について話し合い始める。
ハンター達がさらに進むと彼等は地獄以上の地獄を目にする事となる。
地下シェルター最深部で彼等が目にしたのは床に這いつくばり不気味な呻き声を上げる人間と似たようで異なる外見の生物達と銃殺又は拳銃自殺で死亡した人間の亡骸だった。
生物の外見は腐乱死体のようなぶよぶよとした感触の青黒い肌に歪な形の目の中にある互い違いを向いた瞳、
そして軟体動物やクラゲのような柔らかく立つ事すらままならない手足である。
生物はそのぐにゃりとした両腕で頭を抱え上半身を起こして弱弱しく声を絞り出す。
「おかーさーん…おか…おか…おかーさーん…」
これらの生物はヘルシャフトと異なる変異を遂げた元メタシャングリラ構成員達で
幹部であるフィースィー、プーパー、タードも含まれていた。
彼等はヘルシャフトとは対照的に生命力ばかりが無駄に高くなり知能は著しく低下、移動力もほぼ0という
醜悪かつ無害な生物となり果ててしまっていた。
「彼等のした事は許されないが、こうなってしまうと怒る気もなくなるよ…
その力をもっと別の事に使っていれば違う未来もあっただろうに…」
エックスは悲し気に呟き他の者もそれに賛同する。
その後彼等はアンジュピトールの扉でバイルの指定した場所に送り込まれた。
粗方地下シェルターの捜査が終わった後…
「それではお出口はこちらになりまーす」
アンジュピトールが空間に複数の扉を出現させた。
これらの扉は各々の帰路に続いている。
「メタシャングリラとの戦いは終わったが、まだまだやる事は山積みだな」
エックスはこれからの戦いへの覚悟を決め、そしてハンター勢はそれぞれの扉の中へと消えていった…
続く
これまでの小説でもあった恒例のアンケートです。
因みに前作の時は回答者0人でした。
答えられる範囲でのみどうぞ。
1:今作で登場するオリキャラの中では誰が一番好きですか?
2:5モンスターの中でどれが一番好きですか?
3:5ガーディアンの中で誰が一番好きですか?因みに8エージェントはZZZさん原案ですのでここでは割愛します。
4:4コマンダーの中では誰が一番好きですか?
5:僕のオリキャラの内女性キャラは第3作番外編のシュクレールと今作のフラジール、セント―ラ、パステル、シャッテンの計5名ですが彼女達の中では誰が一番好きですか?
6:以下は過去作のキャラも含めての話です。これまでの僕のオリキャラの内見た目が最も美しいと思うキャラは誰ですか?
7:〃見た目が最も醜いと思うキャラは誰ですか?
8:〃心が最も美しいと思うキャラは誰ですか?
9:〃心が最も醜いと思うキャラは誰ですか?
10:Xシリーズの二次創作をされた方へ。敵側の人間が有人機などに乗って戦いを挑んできたら主人公はどんなリアクションをしますか?
以下はZZZさんへ。
11:8エージェントの身長、体重は設定していますか?
これから作るキャラデータページの必須項目ですので設定されていない場合身長は比較図より算出する事といたします。
体重は公式のボスと照らし合わせて考えておきます。
12:実は当初はZZZさんの第2弾オリ8ボスが8ボスでマーシャルがラスボス、パステル、ウェルド、シンドロームがスぺボスの第6作を構想してはいたのですが
「ツルギ」の執筆を受けこれは没になりました。
そこで僕が改めて第6作を書くとするとX世界でZZZさんの第2弾オリ8ボスが出てきて中ボスとスぺボスは新たに設定し直す「A案」と
曲で言う所のカバーで、かつて零夢さんが僕の小説の第1作のリメイク版を書いたように僕が「ツルギ」のリメイク版を書く「B案」のどちらかという事になります。
A案とB案で共通しているのは「ツルギ世界」「X世界」が作中でどちらも存在しているという事とOPボスがギガプライアー、
ラスボスがデルタ、という事です。
A案の場合は悪役がツルギ世界のレプリロイドを何らかの方法で観測して造ったという設定でお送りいたします。
B案の場合主要なストーリーはなぞりつつもチョイ役のオリキャラや多少の改変を加えてお送りするつもりです。
その場合「この設定、展開は駄目!」というものがあれば教えて下さると助かります。
そして描く場合はZZZさんの許可を得てからにしようと思うのですが如何いたしましょう?
どちらでも構わない場合は僕はB案を選択します。
どちらも駄目、もしくは回答いただけない場合はZZZさんの第2弾オリ8ボスの絵だけを気が向いた時だけ描く事に致します。
第20話後書きです。
今回もロックマン内外で様々なネタを入れたのですがその中でロックマンネタの解説を致します。
まずカイゼルシャフトですがこれは本家2のマシンが破壊された後搭乗者のワイリー自らが変身して戦う、という流れから着想を得ております。
尤も本家2のエイリアンは立体映像でしたがこちらは実際に変身していますが。
メタシャングリラの各軍のボス達が合体して四天王になるという展開はオリジナル設定でどんなに足掻いても予言の通りになるというよくある皮肉のようなネタです。
今作では肉体を持たずサイバーエルフとしての登場となりましたがそれは次回触れます。
Dr.Vの素顔と正体に関してですがまず素顔の元ネタはバイルの没案のおっさんバージョンです。
ついでにエヴィルの素顔の元ネタは同じく少年バージョンです。
Dr.VとエヴィルはZXAで言う所のマスターアルバートのダミーボディで頭が飛び出すのは本家ネタですね。
そして次回最終回です。
あけましておめでとうございます。
まだ小説の感想文は書けていませんが、アンケート解答等を取り急ぎ投下します。
【アンケート解答】
1:セントーラ
2:ブリザディオン
3:ウェルド
4:ブリッツ
5:フラジール
6:アモール
7:ヴェルト
8:シュクレール(『ある意味』とても真っ直ぐで美しい)
9:未回答
10:武装も手足も通信機も破壊してダルマにした上で放置、あるいは乗員を引きずり出して捕縛
11:身長・体重に関しては特に考えていない
【項目12について】
A案とB案のどちらでもOKです。
もしB案を採用し、なおかつメインキャラ回りの家族構成に大きな変更が無い場合、桜井家のモチーフは
・エックス風のキャラ(父)
・「エックスと絡みのあった女性キャラの誰か」風のキャラ(母)
・息子(劾)
という形に変更して頂きたいと思います。
そこ以外は展開や設定についての要望は特に無く、またストーリーの大幅な変更もして頂いて構いません。
極端な話、元の話が名残程度にしか残っていなかったり、舞台が架空の国・架空の都市であったり、敵側が全く可愛げの無いクズの集まりと化していてもOKです。(必ずそうしてほしいという事ではなく、そこまでやってもOKということです)
こんばんは、ZZZさん。
ご回答ありがとうございます。
回答内容は納得のものもあれば意外性のあるものもありますね。
第10問についてですがこれは結局戦う、という事ですね。
本家、ロクゼロでもやった事ですし状況によってはXシリーズだけ相手が人間だから黙ってやられるという方が不自然でしょう。
第12問についてですがまずはその寛大さに驚きました。
これは例えるなら漫画や小説の実写化、日本作品の海外版とその逆に見られる程の大幅な改変でもいいという事ですね。
ロックマンで言うとロクゼロ・流星のコミカライズがそれに当てはまります。
B案を選ぶとき「あまりに元の雰囲気を壊したらどうしよう」という気持ちと「単なる原文のコピペに僕のオリジナルの要素を多少追加しただけ同然なのもどうかな…」という気持ちがありましたが
前者に関して問題がないとの事でその分書きやすくなりました。
というより後者の方がまずい気がしてきましたので如何に上手くアレンジするか試行錯誤していこうと思います…
【カイゼルシャフト】
奥の手のさらに奥の手を出してきたヘルシャフト、何話か前で持ち出していた「貴重品」とは追加のエルフ細胞だったわけですね。
メタシャングリラ構成員からは神々しいと言われていますが、なかなか醜悪というか、トラストの言うように怪物にしか見えません。
カプコン作品で言うと「バイオハザード2」のウイリアムを思い出します(アレとは違って自我を保ってますが)。
【死合開始〜ヘルシャフトの鼻血】
人間をやめるだの人間ごときよりも上位だの言いつつ、人間として(学生時代)の経験を存分に活かしていく姿勢にやや滑稽さが漂いますが、その力は驚異的。
トラスト“監督”の采配により優勢になり始めたときは「これはいけるか?」と思ったのですが、直後のシナモンが倒れたシーンで「まずい」と思わされました。
長丁場のボス戦のさなかで回復アイテム、あるいはサブタンクが底を突いた時の事を想起させられます。
そして鼻血。
そうなるだろうなとは思っていましたが案の定、パワーアップの代償がヘルシャフトの体にのしかかって来ます。
しかし肉体のダメージを厭わず戦いを続行するあたり、怪物と成り果てても妙な主人公臭さは健在ですね。
【サイバーエルフ融合】
ここに来て遂に元ネタ同様の力と名を得る4コマンダー。
あくまでサイバーエルフということで姿に関しては人魂状であるようですが、ロクゼロ本編でサイバーエルフエックスが時折人型をとっていたように、この“四天王”も時折元ネタのような形のオーラを発していそうです。
【バイルの指示、プログラム送信】
普通に考えれば、状況打開をかけた一手…しかしやっているのはバイルです。
完全に面白がっていますね。
【ファイナルスマッシュ】
聞くところによるとスマブラでのロックマンの必殺技がこんな感じだったようですが、もしかすると実際にそれが元ネタなのでしょうか?
おそらく歴代のロックマンであろう、数人の姿と共に放つ一撃。
ヘルシャフトもついに撃破と相成りましたが、その今際の捨て台詞は只の負け惜しみと切って捨てることはできないかもしれません。
【トラスト回復】
レジェンドピッチャーの力を使うとマズいのだと再三言っていただけに、トラストが動かなくなった際には「やはりこうなるか」と思ってしまいました。
しかし結局はトラストを始めとして、大ダメージを負っていた者も皆回復することができ、全員が生存することができましたね。
ただ問題はメタシャングリラ陣営のほうで……
【シェルター内部】
まんまと逃げおおせたDr.Vもといバイル(実際は思いっきりハンター陣営の懐に居る…)とは対照的に、メタシャングリラ構成員の末路は酷いものですね。
この有様を見ると、ヘルシャフトの散り際がだいぶ幸せに思えます。
結局負けたとはいえやりたい放題やって、エルフ細胞の力を存分に振るってみせた彼は、能力的にも肉体的にもそれなりの器だったと言えるでしょう。
こんにちは、ZZZさん。感想の方も有難うございます!
>カイゼルシャフト
カイゼルシャフトの外観は額当てに見える部分、全身金ピカのボディ、6枚の翼で神々しさを、
顔のみならず全身の所々にある黒い眼球と赤い瞳の目、怪物の顔のような手足、剥き出しの血管に見える首と脇腹の管で禍々しさを表したつもりで
要は「神様気取りの悪党」を意識しましたので禍々しさの方が勝って醜悪で怪物にしか見えないのはある意味当然かもしれません。
メタシャングリラ構成員はヘルシャフトの事を何でもかんでもプラスに捉えますので彼等には神々しさの方が勝っていたようですが。
ともあれ表面は綺麗に取り繕おうとしても内面の邪悪さが出てしまっているのは変身前及びガンツェンヴァッフェと共通してますね。
バイオハザードのクリーチャーで元は人間だった敵の中には自我を保った者もおりますのでそれらにも似ていると言えるでしょう。
>死合開始~ヘルシャフトの鼻血
トラストの影響か否かカイゼルシャフトになってからはヘルシャフトはスポーツマン魂に火がついてしまったようで
技は彼が得意とするありとあらゆる球技に因んでおります。
シナモンが倒されたシーンですがゲームでも実際にシナモンが倒された時を含めボス戦で回復アイテムが尽きてしまうのは精神的に追い詰められるものがありますね。
この出来事に端を発したピンチが4コマンダーに奥の手を使わせる決断をさせる訳ですが…
そしてカイゼルシャフトになった状態は言わば物凄いドーピングをしているようなもので急激な体の変化が肉体の負荷に繋がっています。
彼と同じくトラストも肉体に甚大な負荷をかける力を使っておりその負荷に耐えつつ戦っているのでヘルシャフトも精神力の
強さという面では主人公らしさがあるかもしれませんね。
やった事と性格はアレですが…
>サイバーエルフ融合
この時点の「四天王」は「魂」の収まる「器」がまだ定まっておりませんので常に人魂形態です。
ちなみに最終回での台詞にもあるようにそんじょそこらの「器」では彼等が入ると負荷がかかってしまい使い物になりませんので
彼等が入って自在に使いこなす「器」は極めて強靭である必要があります。
>バイルの指示、プログラムの送信
Dr.Vの台詞にもあるようにバイルは両陣営を戦わせてどちらが未来を切り開くのに相応しいか見極めようとしていました。
Dr.Vはバイルの分身ですので言うなればゲームの一人対戦のような感覚で楽しんでいますね。
彼にとっては自身の掌で踊る両陣営が面白おかしかったという感覚もありました。
>ファイナルスマッシュ
仰る通りこの技の元ネタはスマブラのロックマンの最後の切り札です。
元ネタではロックマンが呼び出すのはエックス、ロック・ヴォルナット、EXEロックマン、流星ロックマンのみで
ロクゼロ・ZXのインティ組はハブられており、ここでは彼等もいます。
しかしX overのOver-1、ロクアビのロックマン、海外アニメのロックマンはここでもハブられています。
ヘルシャフトの今際の台詞はウラディープログの的中率を鑑みればそう簡単に見過ごすことはできませんね。
>トラスト回復
死亡フラグ回収と見せかけたトラストですがゼロ直伝(?)の死ぬ死ぬ詐欺でこのフラグはへし折りました。
主要キャラだけあって彼にも相応の補正とポテンシャルはあった訳です。
最終的にゲリールの力もあって決戦前のトラストの「完封」は有言実行となりました。
>シェルター内部
まず「バネで繋がったDr.Vの本体が胴体から切り離され」の部分ですがこれは誤植でして正しくは
本体→頭です。
今はもう本文でもギャラリーでも直しておきました。
さて前にも言った通りメタシャングリラ構成員達はガチのマジで酷い目に遭いました。
これは実はとある悪名高いゲームのパロディでありアレな性格の人物が盛大にやらかしてしまい、その報いを受けるという点が共通しています。
彼等とヘルシャフトの最期でどちらがまだマシかは議論の余地がありませんね。
エルフ細胞の短期間連続接種、と条件は同じものの肉体及び精神力の違いが変異の違いとなって現れたと言えるでしょう。
執筆お疲れ様です。
マシンが破壊された後搭乗者が接種して変身して戦う展開は相当な覚悟が感じられて熱いですね。
サイバースフィアでの球技のような死合は異色の展開で面白かったです。
ボス達が合体して四天王になる展開は驚きました。
トラストが回復したのは一安心でした。
Dr.Vの頭が飛び出すなどの展開はロックマンではお馴染みですね。
【アンケート解答】
1.トラスト、
2.ウォーターデビル
3.パステル
4.シャッテン
5.フラジール
6.リュミエール
7.ヴェルト
8.リュミエール
9.ヴェルト
10。有人機だけ破壊する。
おはようございます、うお~さん。
まずは感想有難うございます!
ヘルシャフトの変身は本当の最終手段であり、勝利の為にリスクを厭わない真剣さを表しました。
サイバースフィアを使った球技に因んだ技はヘルシャフトがカイゼルシャフトになってから
スポーツマン魂に火が付いた事によると思われ、ロックマンのキャラでもスポーツに因んだキャラや技が
ちらほら存在する事にも由来しています。
各軍団のサイバーエルフ達が合体して四天王になる展開はこの小説でも特に意外性を出そうとした所です。
トラストですが上記にもあるように死ぬ死ぬ詐欺を発動し死亡フラグをへし折りました。
Dr.Vの頭が飛び出すのは完全に本家が元ネタですが
ギャラリーに掲載したDr.V紹介ページにもあるようにロボットの構造は人体に近いものの
正体を現すときあのようになるのはバイルが相手を馬鹿にする為にわざわざ工夫を凝らしたからです。
アンケートの回答も有難うございます!
回答内容はやはり、と思うものもあれば意外性のあるものもありました。
7問目ですがZZZさんの回答と同じヴェルトでしたね。
通常時のにやけ面といい号泣する時の醜態といい納得の回答です。
10問目ですがやはり戦うという事ですね。
上記でも言いましたが本家とロクゼロでも普通に主人公は戦う道を選びましたので
仮に公式で人間キャラが有人機などでエックス達に挑んだとしても何らかの形で戦う流れになりそうな気がします。