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【三刀月ユキ&かとうゆか】(第2期)

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myeongsa_chori
作成: 2021/06/01 (火) 00:08:35
最終更新: 2021/06/01 (火) 00:14:54
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45
かとうゆか 2021/06/17 (木) 12:58:26 修正

(とりあえず好きなとこだけ抜粋2/2)
薄く伸びてゆく夢を見た 水色の柔らかな夢を見た そうして相克ははじまった なぁ どこに行くんだい きみはロリポップの海の中 濁ったシーツの河の中 深い深い断裂した カガンシガンの溝の中 クラゲブルーの傘さして うっとり焼かれて行くんじゃないか

ヒガンキガンもタカンなコカン
そうかつっつつー
つーりずむで
ブルルルルーのルートが開け
ケイカン カイカン タイカンカクカク
架空ではない
雪を降らすのが私の役目

ラテックスの人形に
息吹を
吹き込んだ

針を刺して
刺されたところが
きみのおヘソさ

ラテックスの人形に
急所を
作った
口づけをして

痛みがちゃんとわかるように
それでも生きていくように
どこにしたかは ないしょだよ

忘れてしまえ

ギジギジギジジ
ギージーLOVE
軋むシステム
ギージーギジジ

ライク ア ヴァージン
白いゴム手袋を重ねて長い長い翼にして
身に纏って 鳥だ 鳥だ
三層構造の膜を破り
誰でも この世に 生まれてくる

せかいをつくったこともわすれて
だれかのせいにしているかぎり
しっぱいさくだとなげくのでしょう

46
かとうゆか 2021/06/17 (木) 13:34:04

「ゴム」(仮01)

顔が草に覆われて根っこがくすぐったい
私はとっくに土なのか
そしてそれを守るジェシー

薄皮一枚
挟んでいるから
安心です

こちら側に選択肢は一切なくて
懇願するだけの歴史を
今日も強いられる

あなたの夢が私の手で溢れ出して来るとき
侵食から護るそれを
糸を吐いて今日も編まねばならない

薄皮一枚
挟んでいるから
安心ですか

いい加減そっちに引っ張るのはよしてください

その上っ面
引っ張ってあげよう
その奥にある声と息は潜めたままで
急所を隠していれば刺されることはなくて
今日も狙って同じスプレーの匂いを強要し合う
石膏の壁に
後頭部を掴んで押し付けて
どのデスマスクも下半分だけは同じなんだ

薄く伸びてゆく夢を見た 水色の柔らかな夢を見た そうして相克ははじまった なぁ どこに行くんだい きみはロリポップの海の中 濁ったシーツの河の中 深い深い断裂した カガンシガンの溝の中 クラゲブルーの傘さして うっとり焼かれて行くんじゃないか

カイカン タイカンカク カクウカ
ヒガンキガンもタカンなコカン
ブルルルルーのルートが開け
雪を降らすのが私の役目

ギジギジギジジ
ギージーLOVE
軋むシステム
ギジギジギジジ

ライク ア ヴァージン
白いゴム手袋を重ねて長い長い翼にして
身に纏って 鳥だ 鳥だ
三層構造の膜を破り
誰でも この世に 生まれてくる

47

おお…… ありがとうございます
とか言って言い出しっぺの私がまだ追いついていなくて
すみません(´・ω・`)
薄っぺらいことを言ってしまいそうで怖いので、もう少しだけお時間ください……

48

ゴム(前半)

―「THE」を選ぶ「A」には戻れず誤魔化した口に戸を立て群れをはぐれる

in the dream
雪を降らすのが私の仕事

せかいをつくったこともわすれて
だれかのせいにしているかぎり
しっぱいさくだとなげくのでしょう

薄皮一枚
挟んでいるから
安心ですか

ギジギジギジジ
ギージーLOVE
軋むシステム
ギージーギジジ

薄く伸びてゆく夢を見た 水色の柔らかな夢を見た そうして相克ははじまった なぁ どこに行くんだい きみはロリポップの海の中 濁ったシーツの河の中 深い深い断裂した カガンシガンの溝の中 クラゲブルーの傘さして うっとり焼かれて行くんじゃないか

49

(下半分)

オンボロ モクバ キノ ウマ
シッポガ トレテ イル ウマ
ダケド ボクノ トモダチ……

ドロケイ遊びをするならば
泥棒チームのゴーレム達は
「踊ろ踊ろ(オードロオードロ)」
警察チームのゴーレム達は
いつも返事だけは「オーケイオーケイ」
鐘が鳴ったらゲームオーバー

その上っ面
引っ張ってあげよう
その奥にある声と息は潜めたままで
急所を隠していれば刺されることはなくて
今日も狙って同じスプレーの匂いを強要し合う
石膏の壁に
後頭部を掴んで押し付けて
どのデスマスクも下半分だけは同じなんだ

それが顔だと思ってる?

ライク ア ヴァージン
白いゴム手袋を重ねて長い長い翼にして
身に纏って 鳥だ 鳥だ
三層構造の膜を破り
誰でも この世に 生まれてくる

ヒガンキガンもタカンなコカン
そうかつっつつー
つーりずむで
ブルルルルーのルートが開け
ケイカン カイカン タイカンカクカク
架空ではない

雪を降らすのが私の役目

―顔が草に覆われてくすぐったい
私はとっくに土なのか
そしてそれを守るジェシー

ラテックスの人形に
息吹を
吹き込んだ
針を刺して

刺されたところが
きみのおヘソさ

ラテックスの人形に
急所を
作った
口づけをして

痛みがちゃんとわかるように
それでも生きていくように
どこにしたかは ないしょだよ

まみむめも ご のあとはなにかえらびなさい
どうせ持つなら そんな 自我を

50

途中で言ってくださった詩
ゴーレムが出てくるのはこれです

51

「獅子」

眠れる獅子は寝かしておけ 何を考えてるんだ
寝てる必要があるから わざわざ寝かしてるんだ
起こしてみて眠れる豚だったらどうすると
歴史は言うし 死んでいたらどうする
生きていたとしたって どうなるかわかりゃしない
襲われて食われたら 目も当てられないだろ

そもそいつはどうやって 目覚めると言うんだい
時代の劇薬か 王子様のキスか
君がもし王子様じゃ なかったらどうする
そんなに都合よく ものごとは出来てないぜ

でももしもそれを ホントに信じてるなら
何もいいやしないさ やってみるがいいさ
眠っている獅子なんて 死んでいるも同じ
博物館の剥製と 変わりゃしないんだから
僕はもうやったよ 何も起きなかった
おまけに寝ぼけたやつに 半身を食われた
だから僕はほら 右半分だけ無いだろう
無くした右半分から 夕焼けが見えるだろう

そう僕は幽霊だ 他のやつも同じだ
だって眠って起きないのは 死んでいるも同じだろ

こうして現実という ゴーレムはできてる
夢の死体つなぎ合わせ ビルの影を踏んで

それでも眠れる獅子を 起こしたいのなら
僕は待ってる多分 みんな待ってる多分
君はそのまま行けよ そして背にまたがって
帰ってくるがいいさ もう一度この場所へ

52

タンテイの出てくるやつはこれです

53

「たんてい」(前半分)

我々の中に 犯人がいます

"いろはにほへと ちりぬすと...
いろわかよ たんてい"

路地裏の空き箱に猫を捨てた犯人は
我々の中にいます
教室のヒヤシンスの花瓶を割った犯人は
我々の中にいます
四年A組の金子さんのリコーダーに落書きした犯人は
我々の中にいます
授業中に無数の三角定規で半透明の城を構築しようとした犯人は
我々の中にいます

"いろはにほへと ちりぬすと...
いろわかよ たんてい"

担任教師のパソコンにわいせつ画像を送り込んだ犯人は
我々の中にいます
職員室から鍵を盗んで校舎裏のドアを開けた犯人は
我々の中にいます
校舎裏のドアから続く町の明かりを全て砂糖菓子に変えた犯人は
我々の中にいます
その深い暗がりの中で猛毒の森を培養した犯人は
我々の中にいます

あの老人を石にけつまずかせて転ばせた
私の脳内回路を文書化してSNSで垂れ流した
積乱雲を綿菓子だと偽って無垢な口に詰め込んだ
昨日よりも世界の温度を一度半寒くした
犯人はいつでも必ず
私たちの中にいます

54

(後ろ半分)

台所の天ぷらをつまみ食いした
犯人はおまえだ
ひとしれず私の頬を殴った
犯人はおまえだ
箱庭を囲う青い壁を破壊した
犯人はおまえだ
静寂の中で歌を歌った
犯人はおまえだ
太陽を磔にした
犯人はおまえだ

犯人はおまえだ
私はなんの犯人なのでしょう?
澄んだ眼をしたあなた
あなたは何の犯人ですか

"いろはにほへと ちり ぬすと...
いろわかよ たんてい"

色若(いろわか)は かつての殿御の
愛人だった少年たち
色は匂へど 散りぬるを
美しさと若さをもてあそばれ捨てられた
彼らの思いが
籠った恨み歌なのだ

というのは間違いで
るをわかよ が言いにくいから
いろわかよ になったに過ぎない

"あさきゆめみじ えひもせず..."

閉店したはずのバーの奥から
ひっそりとオルデイズ ムジカが聞こえてきた
犯人はこの中にいます
古い名の刻まれた黒い格子の城門に
一陣の夏の風を吹かせた犯人は
この中にいます

この中って
一体どこの中ですか?

胸に拳を押し当てて
タータンチェックの帽子の鍔を深く下げて
暗号を傍受して

犯人はいつでも
この中にいます

いろはにほへと ちりぬすと...
いろわかよ たんてい"

55

もちろん「ごむ」とは関係ないのですが……

56
かとうゆか 2021/06/18 (金) 08:04:27 >> 55

ありがとうございます!
「獅子」も「たんてい」も面白いです!

57
かとうゆか 2021/06/18 (金) 09:12:18

「獅子」が特に面白いので、これをゴムっぽくアレンジできたり、しないかと探ってみます。

58
かとうゆか 2021/06/18 (金) 15:18:02 >> 57

やっぱ脳内から棚上げしておきます。

59
かとうゆか 2021/06/18 (金) 15:21:31

48,49 短歌で挟むの良いですね。

こうして現実という ゴーレムはできてる
夢の死体つなぎ合わせ ビルの影を踏んで

あと、この2行が特に好きです。

60
かとうゆか 2021/06/19 (土) 05:38:19

寝ても寝ても眠れない
寝ているゴーレム
眠れぬゴーレム
レムレムゴーレム
眠れない

ブレてもブレてもブレてない
群れないゴーレム
無駄ないゴーレム
ないないゴーレム
ブレてない

書いても書いても書けてない
書けないゴーレム
買えないゴーレム
カイカイゴーレム
書けてない

泣いても泣いても泣けてない
泣いてるゴーレム
泣かないゴーレム
なかなかゴーレム
泣けてない

しても強いても詩にならない
しがないゴーレム
死んだかゴーレム
したいのゴーレム
詩にならない

61
かとうゆか 2021/06/19 (土) 05:45:20 修正 >> 60

おはようございます。↑ゴーレムのはオマケ。
カステラで言うところの切れ端みたいなの。
ゴーレム+レム睡眠=ゴム
「レ」が無だから
という屁理屈にすらなってない理由が
はじめに浮かんじゃったから
ゴムに戻ってこれてなくてごめんなさい。

62
かとうゆか 2021/06/19 (土) 06:58:39

「ゴム」(仮02)

ラテックスの人形に
息吹を
吹き込んだ

針を刺して
刺されたところが
きみのおヘソさ

ラテックスの人形に
急所を
作った

口づけをして
痛みがちゃんとわかるように
それでも生きていくように
どこにしたかは ないしょだよ

薄皮一枚
挟んでいるから
安心です

ギジギジギジジ
ギージーLOVE
軋むシステム
ギジギジギジジ

その上っ面
引っ張ってあげよう
その奥にある声と息は潜めたまま
急所を隠していれば刺されることはなくて
今日も狙って同じ匂いを強要し合う
石膏の壁に
後頭部を掴んで押し付ける
どのデスマスクも下半分だけは同じなんだ

薄皮一枚
挟んでいるから
安心ですか

顔が草に覆われて根っこがくすぐったい
私はとっくに土なのか
そしてそれを守るジェシー

64
かとうゆか 2021/06/19 (土) 13:18:08 修正

(オマケ、書いてみた)
ゴムみたいでゴムじゃないのは
盛岡冷麺
ニットのセーター
ゴールデンベアのハードグミ
五目そばのキグラゲ
見舞えぬ父の骨と皮

なまえをよんだところで
それはただの吐息にすぎないから
記憶を召喚するのは止そう

誰にも何も命じられずに
ひがな1日過ごすだなんて
きっと暇人なんだろね

お家をピカピカにするなんて
手間暇かけたご馳走をつくるなんて
他人のつまらない話を聴くなんて
集ってお茶をするなんて
芝居や映画を観に行くなんて
本を読んだり教養だなんて
ネットでゲームをするなんて
売れないものを育てるなんて
画面の向こうに友達をつくるなんて
そんな暇はなかったと振り返るほどの
充実した労働の日々を誇る

誰もが誰かに命じられ
がんじがらめのチンパンジー
誰かじゃないのはオラだって
オランウータン 居らん歌
命に飢えた夢たちが命を削って
命に成り代わる

削っちゃいけないのは
歯磨きをする時間

雨がわんさか降る町で節水に励んだところで
乾涸びた町へ水を贈ることはできない

熟すのを待ちきれずに
摘んでしまおうなんて
よほどの暇人なんだろか

交わせていない

自由さが窮屈にならないよう
薄ぺらい背中が空回りしないよう
内容がないようでも
あるようにあるように

65

そうか、ゴーレムというのはそういうことですね。レムの魔力ですね。

66

ゴムみたいでゴムじゃないのは
盛岡冷麺
ニットのセーター
ゴールデンベアのハードグミ
五目そばのキグラゲ
見舞えぬ父の骨と皮

誰もが誰かに命じられ
がんじがらめのチンパンジー
誰かじゃないのはオラだって
オランウータン 居らん歌
命に飢えた夢たちが命を削って
命に成り代わる

削っちゃいけないのは
歯磨きをする時間

雨がわんさか降る町で節水に励んだところで
乾涸びた町へ水を贈ることはできない

ここんとこがまた好きです
最終、どう、まとめましょうか??

67

もしかしたら、かとうさんが前半分、私が後ろ半分(逆もあり)を、今までの素材から作って一本に組み立てるといい……のかも??

これって行数制限なかったでしたっけ?

71
かとうゆか 2021/06/19 (土) 21:55:15 >> 67

行数制限なさそうですよ〜
■詩
 タイトルを必須とします。
 字数は、使用予定のBBSサービスの一投稿あたりの分量以内とします。小説ではないため「〇〇字以内」とおしらせできずすみません……。と書きましたが、模擬戦をやった結果、おもった以上に短かったため、複数投稿にわたるのもOKとします。
 文字装飾や画像埋め込み等は可能ですが、必然性がなければあまりお勧めはしません。

68

私もゴーレムをもう一度遣ってみますか
本編とはずれますが

はねっかえりのげんじつとうひ
あの揺らめいている陽炎の街を越えたら
私のスメル場所があるだろうか

かつてそこには道があった
思考の地平の果につながる海底の道
断絶したアソコとココとを繋ぐ回路
眼鏡をかけた猿〈レムレース〉どもが列をなして渡っていった
レムリア レムリア

レイミィ 雨の降る日は海に卵を産み落として
ガラスの小瓶の手紙よろしく返事を待つのさ

広告塔のピンク色の唇は言う (そんなものはない)と
電波塔の経済学者は言う (そんなものはない)と
象牙塔の禿げた学者は言う (そんなものはなかった)と
世界塔の狂った時計番は言う (そんなものはなかった)と

かつてそこには道があった
月の裏側の文明に繋がる水晶の道
断絶したワレとカレとを繋ぐ回路
返事をなくしたゴーレムどもが列をなして渡っていった
レムリア レムリア

レィミィ 雨の降る日にどんなにメッセージを送っても
Re:〈レ〉 は ないのさ 〈レス〉は ないのさ
〈レス〉をなくした眼鏡の猿は ただのレム
〈レ〉をなくしたゴーレムは ただのゴム
アイ ル ゴー トゥー レムリア
ありもせぬレムリアにゴーすることを
奴らはレミング〈集団自決〉と言う

否定され落ちたものはもう生きられないのか
それでもどこかにあるんじゃないのか
例えば限りなく薄く伸びてさ
生命と快楽の境目に横たわってさ

レイミィ 雨の降る日は海に卵を産み落としてさ……
月の裏側からの返事を待ってもいいかい いいだろ?
列をなした猿とゴムがその道を渡り向かっていく
レムリア レムリア

69

かとうさんのアイデアを自分も使ってみたくなって ごめんなさい(´゚д゚`)

70
かとうゆか 2021/06/19 (土) 21:48:47 >> 69

ありがとうございます!すごい!
面白いです!

いよいよ明日には仕上がるといいですね。
おやすみなさい、よい眠りを。

72
かとうゆか 2021/06/20 (日) 17:00:20

今日が最終日なのにアクセス環境が限られており
日が暮れてから再度また詩作に取り組めそうではありますが、
以下のを組み込んでいただいて
組み立てられるようでしたら、お願いします。

ゴムみたいでゴムじゃないのは
盛岡冷麺
ニットのセーター
ゴールデンベアのハードグミ
五目そばのキグラゲ
見舞えぬ父の骨と皮

誰もが誰かに命じられ
がんじがらめのチンパンジー
誰かじゃないのはオラだって
オランウータン 居らん歌

命に飢えた夢たちが
削った命に成り代わる
削っちゃいけないのは
歯磨きをする時間

雨がわんさか降る町で節水に励んだところで
乾涸びた町へ水を贈ることはできない

73

ありがとうございます
やってみます

74

〈ゴムみたいで ゴムみたいな〉 

―「THE」を選ぶ「A」には戻れず誤魔化した口に戸を立て群れをはぐれる

in the dream
雪を降らすのが私の仕事

ゴムみたいでゴムじゃないのは
盛岡冷麺
ニットのセーター
ゴールデンベアのハードグミ
五目そばのキグラゲ
見舞えぬ父の骨と皮

薄皮一枚
挟んでいるから
安心です
こちら側に選択肢は一切なくて
懇願するだけの歴史を
今日も強いられる

その上っ面
引っ張ってあげよう
口元さえ隠せばそれを顔だと思ってるだろ
同じものを選んで分け合える
何万時間 その顔をしてても楽なように
超快適とか それなら耳が痛くならないでしょとか
耳が痛くならなければいつまでもこの顔で
その奥にある声と息は潜めたままで
急所を隠していれば刺されることはなくて
今日も狙って同じスプレーの匂いを強要し合う
石膏の壁に
後頭部を掴んで押し付けて
どのデスマスクも下半分だけは同じなんだ

―見えぬようバリアを張って小鳥の目 酸っぱい苺は匂いで分かる

誰もが誰かに命じられ
がんじがらめのチンパンジー
誰かじゃないのはオラだって
オランウータン 居らん歌
命に飢えた夢たちが
削った命に成り代わる
削っちゃいけないのは
歯磨きをする時間

ヒガンキガンもタカンなコカン
そうかつっつつー
つーりずむで
ブルルルルーのルートが開け
ケイカン カイカン タイカンカクカク
架空ではない
ライク ア ヴァージン
白いゴム手袋を重ねて長い長い翼にして
身に纏って 鳥だ 鳥だ
三層構造の膜を破り
誰でも この世に 生まれてくる

75

雨がわんさか降る町で節水に励んだところで
乾涸びた町へ水を贈ることはできない

―ラテックスの人形に
息吹を
吹き込んだ
針を刺して
刺されたところが
きみのおヘソさ
ラテックスの人形に
急所を
作った
口づけをして
痛みがちゃんとわかるように
それでも生きていくように
どこにしたかは ないしょだよ

ギジギジギジジ
ギージーLOVE
軋むシステム
ギジギジギジジ
顔が草に覆われてくすぐったい
私はとっくに土なのか
そしてそれを守るジェシー
薄く伸びてゆく夢を見た 水色の柔らかな夢を見た そうして相克ははじまった なぁ どこに行くんだい きみはロリポップの海の中 濁ったシーツの河の中 深い深い断裂した カガンシガンの溝の中 クラゲブルーの傘さして うっとり焼かれて行くんじゃないか

お家をピカピカにするなんて
手間暇かけたご馳走をつくるなんて
他人のつまらない話を聴くなんて
集ってお茶をするなんて
なまえをよんだところで
それはただの吐息にすぎないから
雪を降らすのが私の仕事

ゴムみたいでゴムじゃないのは?
交わせていない
交わせていない

―まみむめも ご のあとはなにかえらびなさい
どうせ持つなら
そんな自我を