ミーバネルチャ
それがこの街の名前
ザワザワ国内でも屈指の大都市で、人口はおおよそ225万人
他からは「賑わいのある街」「綺麗な街」なんて評判らしいが私はこの街の寂れて汚れた場所を知っている。
ミーバネルチャ
ここ、ミーバネルチャ
別名『ミーバネルチャの塵箱』
街全体がスラムと化しており
強盗、強姦、殺人、etc…、法律が意味を成さないまさに無法地帯、弱肉強食の世界に私は住んでいる。
私は今日もまた、その痩せこけた体を転ばせぬよう慎重に支えながら空腹を満たす何かを探し回っていた。
ふと、右へ目をやると鉄筋が剥き出しになったコンクリート壁にもたれ掛かるようにして二人の若者が息絶えていた。
ようやく食にあり付ける、そう思った私が二人の死体を仰向けにして地面に横たわらせたそのときだった。
「ハハッ!おい!そこのお嬢ちゃん!一発ヤラセてくれや!爆笑」
威勢のいい甲高い声が蹲っていた私の背をつついた。
ナイヤガラ
ナイヤガラ
ナイヤガラさんは『有益な情報』という言葉が入るや否や、得意気な顔で私にねっとりとした視線を向けた。囮 だったということでした。」中心街 できっと今遂行されていてもおかしくありません。」中心街 からはそれらしき通報は一件も来ていないとのこと。❄」
「はいはい、わかったわかった」と私が心の中で何度唱えても彼の私に対する不快な視線は私に向けられたままだった。
今にも煮え滾ってしまいそうだった怒りを私は押し殺してナイヤガラさんを視界に入らせぬよう少し項垂れながら続ける。
「えぇ…では、その『有益な情報源』にて得た『有益な情報』を簡潔且つわかり易く纏めましたので話します。」
「先程も言いました『金髪な男』ですが、彼は実はナイヤガラさんをおびき出すための
「彼は自身を『いろ』と名乗っていました、能力は目の前にある物質を手の形に形成する能力でその能力で街を破壊し、ナイヤガラさんに応戦していました。」
「いんくさん、何故そのいろという人物が囮だと?陽動作戦ならば
「しかし、不気味なことに
「何故、囮だと考えたのか、詳しい理由を是非お聞きかせ願いたいですね❄」
冬将軍さんが私の胸を抉りとってしまいそうな程、鋭い質問を投げかけてきた。口元を綻ばせ、自然な笑顔を作り出していたが
彼が投げかけた鋭い質問とは何ともそれがミスマッチで不気味な印象を抱かせた。
「はい、私はこの後介入してきた『第三者』といろによる会話でそう判断しました。」
「ナイヤガラさんといろとの戦闘にて、ナイヤガラさんが優勢になり今にも止めを指してしまいそうなときにそれは起こりました。」
「突然、ナイヤガラさんのすぐ後方に先の戦闘で積み上げられたと思しき瓦礫が爆発四散しました。」
「ナイヤガラさんは長年の経験もあってかその爆発を彼の能力を駆使して、爆風と飛び散る瓦礫を最小限に抑えることができました。」
「しかし、安堵したナイヤガラさんの死角から先程のいろと新たにもう1人、新たに現れた謎の人物がナイヤガラさんに攻撃を仕掛けます。」
「その人物は間抜けなのか、せっかく死角にいたというのに『俺の名前はMC 松前』といった感じの手短な自己紹介を韻を踏みながらしていました。」
「しかし、自己紹介を終えると彼は地面に手を当て、ナイヤガラさんの足元に振動が送られたのか地面がリズミカルに揺れ、ナイヤガラさんは足を掬われました、恐らく、松前の能力は振動を与える能力でしょう。」
「勿論、彼らがその一瞬の好機を逃すはずもなく3人は卑怯にも一斉にナイヤガラさんに強烈な一撃を叩き込みました。」
まつまえつよそう
「お、俺はどうなった………………のかな?」
先程までの彼の余裕綽々な表情は既に消え失せ、隠しきれない恐怖と焦りが彼の表情から滲み出していた。
「ナイヤガラさんは……その後、奴らの攻撃を必死に躱そうとしますが、先の一撃が余程響いたのか、されるがままに………あとはもう分かりますよね、ナイヤガラさん?」
私は先程のお返しと言わんばかりに意地の悪い笑みを浮かべながらナイヤガラさんを見下ろす。
「なるほど…❄」
冬将軍さんが私たちの戯れ合いを両断するように重い口を開いた。
「成程、これでようやく合点がいきました、アドミニストレータ屈指の戦闘能力を誇るナイヤガラさんが何故敗北してしまったのか、ようやく分かりました❄」
「相手は複数人、加えて奇襲とは…❄」
「まさかの事態にその時私はしばらく呆気にとられていました…、しかし、気づいたんです。」
「通話はまだ続いていました、そこから微かに何者かが言い争う様子が微かに聞こえたので私はしばし耳を澄ませていました。」
「その後の通話で分かったことをこちらの資料に纏めておきましたので目を通していただけると助かります。」
私は事前に用意していた資料の用紙を皆さんに手渡した。
「あ、それ以前の通話からも分かったこともついでに纏めておきました。」
どうだ?私の決死のできる女アピールは?
名前:いろ
容姿・特徴:金髪、赤眼と白眼のオッドアイ、黒いニット帽、一人称は僕
能力:目の前にある物質を手の形に形成する能力?
・今回の件での囮の役割
→うろついていたナイヤガラさんを発見後に突然暴れ回る。
・ナイヤガラさんを殺害後、他の二人に対して「2度と僕の後をつけるな」と発言、真相は不明
→他の二人とは一時的な協定を結んでいた?
名前:MC 松前
容姿・特徴:青いチャラついた格好、褐色の肌、自称ラッパー?、常に韻を踏んで会話をする。
能力:物体を振動させる能力、振動は地面を伝っていた?
・爆発を操る能力者の仲間と思われる。
・ナイヤガラさん殺害後、「ミッキーが来た方が早く済んだんじゃねぇのか?」と発言
名前:不明
容姿・特徴:黒髪、一人称は「俺」、いろを嫌っている?
能力:爆発を操作する能力、どのように爆発させるのかは不明
・いろと別れた後に「関係ないけどえまちゃんかわいい」と発言
レオかな
資料が行き届くと皆、神妙な面持ちで資料に目を凝らし始めた。
あなたですよ、ナイヤガラさん❄」
すると驚くべきことに冬将軍さんが1分も経たずして満足したような顔を浮かべながら資料から手を離した。
速すぎる、AIもびっくりのスピードだ、もしかして彼自信がAIなのだろうか。
そんな私の馬鹿げた疑念を払うように彼ははっきりとした口調で皆に呼びかけるように話し始めた。
「把握しました、ふむ……この資料は実に素晴らしいですよ。」
彼の口から思わず飛び出した激励の言葉に私は心に秘めていた歓喜を表に出さずにはいられなかった。
私は胸の前で右手をグーにして歓喜を握りしめた。
「ところで、僕に考えがあります❄」
相変わらずなんて切り替えの早い人だろう。
これでは私が意味もなく握り拳を胸の前に突き出す変な女ではないか。
そんなことを頭の片隅で考えながら私は有り触れた選挙ポスターの議員のように握り拳を胸の前でかためながら冬将軍さんの声に耳を傾けた。
「相手は囮作戦でした…ならば、目には目を歯には歯をです。」
そう言い終えると彼は突然「ダンッ!」と机を思い切り叩きつけ、椅子から立ち上がった。
「こちらも囮作戦でいきましょう❄」
冬将軍さんの口から出た思いもよらない言葉に私達アドミニストレータは酷く困惑した。
そんな中、ナイヤガラさんは弱々しく右腕を小刻みに震えさせながら手を挙げた。
「ん?何か質問でも?」
「囮って…………誰ですか?」
「いい質問ですね、ナイヤガラさん」
「
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
会議室に1人、若い男性の断末魔が響いた。
その断末魔は私のうっかり漏れ出てしまった気品の欠けらも無い笑い声を掻き消すのに都合よく作用してくれた。
今日はここまでです、ねむい
明日から違うパートのとこ書きます、おやすみ
笑ったわごめん
えっ
なんか俺が出なさそうなのでこのSSは0点ですね
だってお前スライムにも劣る雑魚やん
ナイヤガラ
無いや殻
暖色の壁で造られたこの街並みをゆったりとした午後のうららかな空気が漂っていた。。
犬を散歩させながら優雅に歩く貴婦人、少しばかり年季の入った手すりに寄りかかり新聞を広げる年配の男性
余暇の過ごし方は十人十色だが、道を往く誰も彼も、その顔に不安や困惑といった曇りを見せる者はいなかった。
だが、彼らの表情一つ一つを注意深く観察しながら慣れないコーヒーの味に苦闘の表情を浮かべる彼だけは例外だった
僕出なさそう
テラス席から道行く人々を眺める彼は金髪でその上にニット帽を被っており。
サンセットカラーのサングラスで覆い隠された眼でウォーリーを探せを読む赤子のように用心深く、彼がいるカフェの前を通り過ぎていく人々の顔を観察していた。
ウォーリー宜しく誰か特定の人物を探しているのだろうか。
人の通りが途切れると彼は諦めたような顔をしながらまだ半分と少しのコーヒーの入ったカップを口につけ、カップの底を虚空を向くまで傾けて残っていたコーヒーを口の中に思い切り流し込んだ。
コーヒーを飲み干すと彼はカップをゆっくりと皿の上に戻し
苦虫を噛み潰したような顔を浮かべながら席を立った。
その時、席を立った途端、彼はまるで獲物の姿を捉えた獅子のように目を見開いた。
彼の視線の先には糸目の特徴的な青年が1人、キョロキョロと落ち着かない様子でこちらの方へと歩いているだけだ。
糸目の青年の方から視線を逸らすと、彼はテラスの柵の方へと歩み寄りながらポケットからしわくちゃになった写真と思しき紙を取り出した。
その写真にはなんと、その糸目の青年と同一と思われる男の顔
彼はその写真をぐしゃぐしゃに丸め込むと、先程まで口をつけていたコーヒカップの中に放り込み
テラスの柵をひょいっと飛び越えた。
ダイスイモ区ウオズマ3丁目……って、ウオズマ3丁目は確実にアズマオウさんだろうけど、ダイスイモ区って?ダイスさんかな
淫ぱいもみもみ…
わたしがずっと「大水木」の読み方をだいすいもくって勘違いしてたからね………
「やぁ」
頭上から降ってくるように突然現れ、現在数メートル程先から気さくな挨拶をかける彼に
糸目の青年はやはり驚きを隠せないようだった。
「きみがナイヤガラ、かな?」
彼の問いに、糸目の青年………いや、ナイヤガラは重い口を開いた。
「…………………そうだ。」
「そっか」
「きみに恨みはないけど、しょうがないんだよね、ごめん」
「死んでもらうよ」
突然声に深みが増した彼のチンケな脅し文句に反してナイヤガラは全く怯む様子がなく、ただ煌々とした目で彼を見据えていた。
「あれ?僕がこわくないのかな?」
「あぁ………。いや、ちょっとこわいかな。」
「あはは、なんだそりゃ、きみおもしろいな」
そう言うと彼は表情を少し綻ばせてみたものの
逆光でやや陰る目元からは嬉々としたような感情を感じ取ることはできなかった。
「ははっ、そりゃあどうも…。ところで」
ナイヤガラがやや強引に会話の話題を転換させる。
「んんっ?」
「お前が、『いろ』だな」
「……ッな!?」
突然予想もしなかった言葉をぶつけられた彼は銃にでも撃ち抜かれたみたいに蹌踉めいた。
「そして……能力は目の前の物体で手を形成する能力、違うか?」
「………なんで、知ってる?」
ギリギリと歯ぎしりを立てながら彼はナイヤガラを鬼の形相で睨みつける。
「なんでかって?それは、俺には未来が見えるからさ。」
ナイヤガラは腕組みをしながら得意気な表情でいろを見やる。
「ふざけるな……。」
「もしかして『アイツら』が……………。クソが…………。」
「ん?おいおい『アイツら』って誰のことだ?今すぐここで詳しく聞かせてもらおうか?ww」
ナイヤガラの口から発せられる一語一句がどんどん調子づいていく
「……………クッ……ははっ……あはは……」
突如俯きながら不気味に笑ういろに先ほどまでのナイヤガラの勢いは衰えた。
「((└(:D」┌)┘))アヒャヒャヒャヒャ………!!!」
「んなっ!?」
「きみおもしろいな、きみに色々と興味が沸いてきたよ、アヒャヒャ」
どこか不気味にはにかんだ彼の顔にナイヤガラは一抹の恐怖を感じていた。
「さぁ、そろそろお喋りも終わりにして」
そう言うと彼の顔からは、すうっとあっという間にはにかみが消えた。
「…遊ぼうよッ!!」
刹那、彼は目の前の見えない何かを払い除けるように右手を左から右に勢いよく払った。
直後、突っ立っていたナイヤガラの体をレンガで形成された歪な『手』がナイヤガラの体をそばにあった民家の壁へと弾き飛ばした。
ドガシャァ!
すっごい面白いです!!
((└(:D」┌)┘))アヒャヒャ
戦闘シーンキター!
ドガシャァって民家にぶつかる俺