ちゃむです
Tyamu_game
2018/02/10 (土) 00:15:33
資料が行き届くと皆、神妙な面持ちで資料に目を凝らし始めた。
すると驚くべきことに冬将軍さんが1分も経たずして満足したような顔を浮かべながら資料から手を離した。
速すぎる、AIもびっくりのスピードだ、もしかして彼自信がAIなのだろうか。
そんな私の馬鹿げた疑念を払うように彼ははっきりとした口調で皆に呼びかけるように話し始めた。
「把握しました、ふむ……この資料は実に素晴らしいですよ。」
彼の口から思わず飛び出した激励の言葉に私は心に秘めていた歓喜を表に出さずにはいられなかった。
私は胸の前で右手をグーにして歓喜を握りしめた。
「ところで、僕に考えがあります❄」
相変わらずなんて切り替えの早い人だろう。
これでは私が意味もなく握り拳を胸の前に突き出す変な女ではないか。
そんなことを頭の片隅で考えながら私は有り触れた選挙ポスターの議員のように握り拳を胸の前でかためながら冬将軍さんの声に耳を傾けた。
「相手は囮作戦でした…ならば、目には目を歯には歯をです。」
そう言い終えると彼は突然「ダンッ!」と机を思い切り叩きつけ、椅子から立ち上がった。
「こちらも囮作戦でいきましょう❄」
冬将軍さんの口から出た思いもよらない言葉に私達アドミニストレータは酷く困惑した。
そんな中、ナイヤガラさんは弱々しく右腕を小刻みに震えさせながら手を挙げた。
「ん?何か質問でも?」
「囮って…………誰ですか?」
「いい質問ですね、ナイヤガラさん」
「 あなたですよ、ナイヤガラさん❄」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
会議室に1人、若い男性の断末魔が響いた。
その断末魔は私のうっかり漏れ出てしまった気品の欠けらも無い笑い声を掻き消すのに都合よく作用してくれた。
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凍結されています。