「やぁ」
頭上から降ってくるように突然現れ、現在数メートル程先から気さくな挨拶をかける彼に
糸目の青年はやはり驚きを隠せないようだった。
「きみがナイヤガラ、かな?」
彼の問いに、糸目の青年………いや、ナイヤガラは重い口を開いた。
「…………………そうだ。」
「そっか」
「きみに恨みはないけど、しょうがないんだよね、ごめん」
「死んでもらうよ」
突然声に深みが増した彼のチンケな脅し文句に反してナイヤガラは全く怯む様子がなく、ただ煌々とした目で彼を見据えていた。
「あれ?僕がこわくないのかな?」
「あぁ………。いや、ちょっとこわいかな。」
「あはは、なんだそりゃ、きみおもしろいな」
そう言うと彼は表情を少し綻ばせてみたものの
逆光でやや陰る目元からは嬉々としたような感情を感じ取ることはできなかった。
「ははっ、そりゃあどうも…。ところで」
ナイヤガラがやや強引に会話の話題を転換させる。
「んんっ?」
「お前が、『いろ』だな」
「……ッな!?」
突然予想もしなかった言葉をぶつけられた彼は銃にでも撃ち抜かれたみたいに蹌踉めいた。
「そして……能力は目の前の物体で手を形成する能力、違うか?」
「………なんで、知ってる?」
ギリギリと歯ぎしりを立てながら彼はナイヤガラを鬼の形相で睨みつける。
「なんでかって?それは、俺には未来が見えるからさ。」
ナイヤガラは腕組みをしながら得意気な表情でいろを見やる。
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凍結されています。