ミーバネルチャ
それがこの街の名前
ザワザワ国内でも屈指の大都市で、人口はおおよそ225万人
他からは「賑わいのある街」「綺麗な街」なんて評判らしいが私はこの街の寂れて汚れた場所を知っている。
ミーバネルチャ
ここ、ミーバネルチャ
別名『ミーバネルチャの塵箱』
街全体がスラムと化しており
強盗、強姦、殺人、etc…、法律が意味を成さないまさに無法地帯、弱肉強食の世界に私は住んでいる。
私は今日もまた、その痩せこけた体を転ばせぬよう慎重に支えながら空腹を満たす何かを探し回っていた。
ふと、右へ目をやると鉄筋が剥き出しになったコンクリート壁にもたれ掛かるようにして二人の若者が息絶えていた。
ようやく食にあり付ける、そう思った私が二人の死体を仰向けにして地面に横たわらせたそのときだった。
「ハハッ!おい!そこのお嬢ちゃん!一発ヤラセてくれや!爆笑」
威勢のいい甲高い声が蹲っていた私の背をつついた。
民家からは土埃が上がっておりナイヤガラの安否を確認することはできなかった。」壞せ、『卍凸凹凸卍 』」
周囲にいた民間人は自体の異常さを察知したのかもう既に人っ子1人いやしなかった。
「なんだ、呆気ないや」
「まさか死んでないよね、一応とどめ刺しておこうっと」
いろの足元に敷き詰められていたレンガがみるみるうちに左手のような形を形成してゆく
「ごめんね、恨みはないけど、君を
ゆらゆらと浮遊する直径70cmはあろうかという2つの拳はモクモクと土煙の立つ民家の壁にゆっくりと近づいていく
「
次の瞬間、呑気に浮いていた2つの拳は煙の先のナイヤガラがへたばりこんでいると思しき箇所に闇雲に強烈な連撃を叩き込む。
「あははははははッ!」
「大丈夫?というか悲鳴すら聞こえなかったんだけど、もしかして最初の一発で死んでたのかな。」
いろはナイヤガラの惨憺たるやられ様をその眼に焼き付けたいがためだろうか
レンガの拳による連撃によってより一層土煙の立ち込める変わり果てた民家へと歩みを進める。
しかし、いよいよ果て尽きたナイヤガラのご尊顔を拝めるであろう距離まで近づいたときであった。
いろは目を見張った、そこにくたばっているはずのナイヤガラが見当たらないのである。
「轟け、『蒼燦燦 』」
いろの背後から微かに聞こえたその呟きと共にいろの足元がズズズ…と唸り声を上げ始めた、途端にそこから天を衝くような勢いの水柱が噴き上げた。
いろは背後から聞こえた声の主がナイヤガラだとようやく気づいたと同時に水柱に呆気なく吹き飛ばされた。
更新きちゃあああああああああ!
きまし
すごすぎる
ナイヤガラクソザコ路線外れた感じかな?
へぇー
「やっぱ、使わざるを得ないよなぁ…」好機 を伺う。
「最後にこれ使ったのいつだっけな…あぁ、2年前のあの時…か」
ナイヤガラは気怠げそうな表情を浮かべながらひとり呟く。
「ははっ…やっぱり結構腕が鈍っちまった、真下から噴射させてやろうと思ったが少しズレたか、まぁいいか」
「で、どうだ?ミーバネルチャの地下を流れる汚水の味は?」
ナイヤガラの視線の先には沢山のヘドロを被って無残に汚れたいろの姿があった。
「くぅ……はぁ、はぁぁ……あぁ…………」
「………っそが………くそがっ!!」
ヘドロを被った髪の間から覗かせる紅と銀のオッドアイがナイヤガラを射殺すような視線をナイヤガラに向ける。
「……おかしいな、そろそろ来るはずだが………あ、これ俺の独り言だから気にしないで…」
ナイヤガラがへたり込むヘドロに塗れたいろの前でブツブツと独り言を呟く
いろはそんなわかりやすく油断しているナイヤガラをじいっと見つめ攻撃の
その時だった、坂の下の方からザッ、ザッと足音が1人、いや2人最初 から期待しちゃいない東部街 出身、言いたくねぇけど生涯独身」
ナイヤガラは独り言をピタっと止めると足音のする方を向いた。
「YO!汚れたブロンドヘアー、ヘドロを被ったテディベア
惨敗?Oh,Don't mind!
お前は囮、籠の中の鳥、俺達の言うとおり
にするだけの役回り だぜYeah」
ピリピリとしたこの場にそぐわない陽気な韻律が響いた。
「うわぁ!負けてね?wwwwwなんかきたないしWWww」
次に聞こえてきたのはいろを貶す心無い声だった。
その声は先程の陽気な声より低い調子でどこか暗い印象を与えるような声だった。
「来たか……」
ナイヤガラは肩に力を込めると体全体をやって来た2人の刺客達の方へと向けた。
「YO!俺の名前はMC 松前、
「はじめましてーどうもWWwwやっぱいいや、どうせキミ死ぬんでわら」
「そうか、それはつまり俺を『殺す』ってことか」
「なら、俺に『殺される』覚悟もできてるんだろな」
気づけばナイヤガラの糸のように細かった目は別人のように見開いていた。
「は?www厨二病おつ」
「プッ、ナイヤガラ 頭がパー Yeah」
「…安心した、これで心置き無く力を使うことができる」
ナイヤガラのその言葉に刺客たちは余裕綽々とした笑みを浮かべながら身構える。
しかし、一触即発の彼らを息を殺して様子を伺う人物が1人、ボロボロになった民家の陰に身を潜めていることはこのときの彼らには知る由もなかった。
ナイヤガラ氏ブチャラティ説
いんくちゃんのおしっこ飲みたいから飲ませて
はいどうぞ
ありがと💕ぎゅー💕💕💕
「それじゃサヨウナラWWwwwww」逆滝 』ッ!!」
先に動き出したのは、招かれざる刺客たちだった。
自身を松前と名乗った男の隣にいた彼は両手をかざすと
手のひらから球状の物体をナイヤガラに向け高速で発射した。
「これ以上寒い決めゼリフ聞きたくないんでもう死んでいいっすよ?ばくわら。」
ナイヤガラはすんでのところで2つの球を回避したものの球はナイヤガラの背後、7メートルに着弾し
爆発した。
「…っ!『
ナイヤガラは自身の背後のすぐ足元から幾つもの水柱を爆風を防ぐ盾を作るように発生させた。
爆風によって弾けた大量の水飛沫がナイヤガラに降りかかった。
「Hmmmm……水柱を防御に使うとは見事だNA」Check it out !『地鳴唄 』ッ!」
「へへっ、どうも…」
「…けどYO、足元がお留守ちゃんだぜ兄ちゃん」
「へっ…?」
「
突如、ナイヤガラの足元だけがまるでそこだけに稀代の大地震が来たかのようにグラグラと揺れだした。
「っんな!?」
堪らずナイヤガラは膝をついた。
「YO!呆気ねぇ、ここで見せ場は終了
味気ねぇ、手も足も出ず御退場
泣けるねぇ、じゃあなあばよご愁傷」
「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!wwww」
彼がナイヤガラを憐れむように笑いながら再び手をかざしたそのときだった。
「させないよ、『不自由 』」
きた
ミーバネルチャ中心街 ダイスイモ区ウオズマ3丁目付近にけたたましい爆音が鳴り響いたのと同刻
「はぁ…流石にここまで静かだと気持ちが悪いな(笑)」
「ったく、客が来ないっつうのに律儀にカップ洗いやがってよ、お前は本当に不気味な奴だな(笑)、星野」
星野と呼ばれたその男は名前を呼ばれると蛇口を捻り水を止めると、手元のコーヒーカップを念入りに拭き始めた。
「そうかな?僕からすればフクナガくんの方が充分不気味だと思うけどな、例えばその髪型とかメガネとか、あとは個性的なファッションセンスとか……………」
「…黙れ、殺すぞ(笑)」
「ごめんごめん言い過ぎたねw、あはは」
星野は拭き終えたコーヒーカップを皿立てに立て掛けた。
「ミッキーとホーモォは『宝探し』つってどっかに行っちまうし、レオと松前は『遊び』に行っていねーし、困ったもんだな。」
「そうだね、僕も寂しいな」
「ほかの人達は相変わらず帰ってこないし、今ここに居るのは僕とフクナガくんと安倍くんの3人かな」
星野のその言葉にフクナガが一瞬、ハッとしたような表情を一瞬浮かべた。
「おいアホ(笑)、一応もう一人いるだろうがよ(笑)」
「いっけねー、僕としたことが…うっかり」
「馬鹿が(笑)、にしても暇だな、テレビでも着けるか。」
フクナガが客席のテーブルに置いてあったリモコンを手に取ると壁に備え付けられたテレビに向け電源ボタンを押す。
ピッ
『はい、ということではじまりましたー、『眼鏡の数学講座』ー!』
『今日の講師は勿論、私メガネ兄貴です。(メガネクイッ)』
「あ?なんだこの陰気臭ぇメガネは?ブチ殺すぞ?(笑)」
「ふーん、数学講座なんて面白そうじゃないか、見ようよ」
「勝手に見てろよ、俺は見ないぞ(笑)」
『今日、学習する内容は……ザアッ………解の公式n………ザアッ………』
テレビに映し出された教育番組を妨害するように突如画面上に幾つかのノイズが走った。
「ん?なんだこの音?このクソメガネのせいでテレビが壊れたのか?(笑)」
「おかしいね、いろくんに前のが壊されたから買い換えたばかりなんだけどな」
「っざけんなよ、もう壊れちまったのかよ、おい、今からクレーム言いにいく…」
「フクナガくん、待つんだ、ノイズが変だ…」
「だからんなもん知ってん…………なんだよこれ……」
目を凝らすとそのノイズはどこか別の部屋を映し出しているように見えた。
その部屋は恐らく打ちっ放しのコンクリート壁の部屋だろう、明かりがついていないのか薄暗い部屋だった。
がんばれ、止まるんじゃねぇぞ...
メガネ…👓
「おいこれ……嘘だろ………」
フクナガの顔はみるみるうちに蒼白としていった。
「いわゆる…心霊現象、かもね、あははは」
「なんでお前は平然としてられんだよ、死ねよ…。」
「買ったテレビが呪われてたのかも、これはまずいね、このままだと僕が貞子とイケない関係になってしまう」
「お前もうマジで死ね……………っておいおいおいこれやべぇぞ…。」
『やはr………ザアッ………論r………………ザアッ……ザアッ………』
気づけば小さかったノイズは画面全体にまで及んでおりもはや『眼鏡の数学講座』をまともに視聴することすらままならない状況へと変貌していた。
「なるほど、もしかして電波ジャックかな」
呆気にとられていた2人だったが先に口を再び開いたのは星野だった。
「ふぅ、そうっぽいな、つーか誰だこいつ(笑)」
教育番組に代わってテレビに映し出されたのは薄暗いコンクリート壁の部屋とそこに佇む赤いフードを身に纏った女。
いつの間にかあれ程激しかったノイズは面影も残さないほど静かに鳴り止んでおり画面には鮮明にそれらが映っていた。
「誰だこの女(笑)」
「不気味だなぁ、何がしたいんだろ」
2人が画面に映し出されたその不気味な光景に対して口々に見解を漏らしたそのときだった。
『…え、ジャック終わった?んじゃあ喋るよ?』
「うわ、喋ったよ」
「…ビビらせんなよこのアバズレが」
『はい、ミーバネルチャの皆さん…はじめまして!✌✌』
『わたしの名前はTyamu_gameでーす、こんにちは🤧』
ちゃむさん登場\\\デデーン////
「…誰?」
呆然とテレビを眺めていた星野は無意識のうちに率直な疑問を投げかけていた。
しかし、フクナガは信じられないと言わんばかりの様子で限界まで開ききった目をテレビに向けていた。
『えーっと…あの、なんかその……恥ずかしい…///』
『わたしテレビに出るのはじめてなんで……🙈』
「いいからさっさと喋れよビッチ」
星野は画面の女に対する苛立ちからだろうか、いつもの様子からは考えられないほど語気を荒げ女を酷く痛罵した。
だがそんな星野の変貌ぶりをフクナガは気にもとめず相変わらずテレビに映し出されている女を不思議そうな様子で眺めていた。
『あ、ごめんなさい笑笑🙏』
『それじゃあ単刀直入に言いたいと思います🤔🤔』
『今日から1週間後、革命を起こしちゃいます🤘😝🤘』
「なん…だと…」
唐突に女の口から出た革命の二文字に星野は動揺を隠しきれなかった。
「…何言ってんだこいつ」
フクナガは我を取り戻したのか開いて塞がらなかった口をようやく開閉させた。
『まぁ恐らくみなさんは「何言ってんだこいつ」とでも画面の前で言ってるのかもしれないけど…』
『とりあえずわたしの演説を聞け🖕』
『断片者 、いわゆる特殊能力を持つ者をこの国ではそう呼びます。☝🧐』断片者 の中の1人』
『その力は千差万別、ですがどれもこれも人智を超えたものばかり🙌、そしてわたしもそんな
女はそういうと腰元からナイフを取り出しそのまま自らの胸元に勢いよく突き立てた。
幾度となく血腥い地獄を目にしてきた二人は目を逸らすことなく画面を見張っていたもののその直後に起きた光景には驚きを禁じ得ないようであった。
『刮目しろ』
突き刺したナイフを女はすぐさま引き抜き放り投げた。
彼女の着ている縦セーターの胸元にはくっきりと引き裂かれた後が残っており、そこから覗く皮膚には痛々しい傷がしかと見て取れた。
しかし、驚くべきことにその傷はみるみるうちに塞がっていき、ついには先刻の傷跡の名残を一切感じさせないほどに修復された。
『…ね🤷♀️』
「再生能力かな」
「あぁ…」
星野の冷静な分析にはフクナガはコクリと静かに頷いた。
\支援/
(´˘`♥)
これは僕が強キャラですね、間違いないですね
支援✌
『あはは、お見苦しくてごめんなさい🙏』人間 より優れた能力を持つわたしたちが人間 の一方的な事情により生み出された法で制限されなければならないのでしょうか🤔』』一週間後、血溜まりのミーバネルチャで会いましょう。』
『えぇーと、まぁそんなわたしたちですが』
『周知の事実ではあると思いますがおかしなことに法律で能力の自発的な使用が禁止されています、えぇ、は?ふざけんなよ!😡と』
『なぜ
『何故神から賜ったこの力を使わずして生涯を終えなければならないのでしょうか🤞😠』
『ならば…!人間共に嫌という程思い知らせて差し上げましょう!!我々の力💪🏻を、真髄🔥を、恐怖👻を…!!!』
『あっ、ごめんなさーい、もう時間がないのでそろそろおしゃべりもこの辺で終わろうと思います………🤷🏻♀️💦』
『それでは
『
『それじゃあさよならー!ばいばーい👋』
女が別れを告げると画面は砂嵐に切り替わった。
砂嵐に切り替わってもなお画面を茫然とした様子で見ているフクナガと星野は気持ちの切り替えが未だ出来ていないようであった。
お、更新来てる。シエンネ
おつかり〜♡