【第二回】
サーヴァントバトルコロッセオ!それは英霊たちの戦いの場である!!
この闘技場では英霊たちが日夜戦いを繰り広げている。どの試合も相手が消滅するまで戦い合うことだろう。
その決死の戦いを見て観客たちは盛り上がるのだ。
さて、どうやら次の試合が始まるようだ。
出てきたのは筋骨隆々のバーサーカー。対するのはエクストラクラスであるブラックスミス。
彼もなかなかの身長だがバーサーカーと比べては子供も同然だ。
観客たちもこれはどう見てもバーサーカーが勝つと思っているようでブラックスミスへの声援は少ない。
そして試合のゴングが鳴った。
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まず仕掛けたのはバーサーカー、手近にあった鉄柱を持ち上げるとそのまま振り下ろす。
対してブラックスミスはそれを難なく避ける。
さらにバーサーカーの攻撃が続く、今度は壁を破壊して瓦礫を飛ばしてきた。
これには流石のブラックスミスも避けきれずいくつか食らう。しかし、致命傷には至らない。
次にブラックスミスは何かを取り出した。それは一冊の古びた本。表紙の文字を見る限り魔術書の類だろうか。
それを開き、呪文のようなものを唱え始めた。すると、黒い炎のような物が吹き出し、バーサーカーに襲いかかる。
「おおっと! ここでブラックスミス選手の攻撃が決まったァ!」
確かに決まったように見えたのだが、当のバーサーカーは全く効いていない様子。
逆にバーサーカーの方からも反撃が来る。巨大な拳が繰り出され、それをまともに受けたブラックスミスは大きく飛ばされ、地面に叩きつけられる。「ぐっ……!?」
かなりのダメージを負ったのか、ブラックスミスはそのまま動かなくなる。
どうやら気絶してしまったようだ。
「ああっ、これはまずいぞ! バーサーカーの勝利かと思われたその時、なんとブラックスミスが意識を取り戻したああ!!」
そしてそのまま立ち上がり、再び戦闘態勢に入る。
「まだやる気なのか、あいつ……」
「そのようですね」
しかし、そんな状況でも、ブラックスミスは戦い続ける。今度は剣を構え、果敢に攻めていく。
対するバーサーカーも応戦し、両者の攻防が続く。
そして、一瞬の隙を突いて、ブラックスミスの攻撃が決まる。
それは、今までで一番大きいダメージを与えた一撃であった。
「おおっと、ここでついにブラックスミスの攻撃が決まったああ!」
「すげぇ、やるじゃねぇかアイツ!!」
「いけえ、ぶっ殺せ!!」
「あのバーサーカーに勝てるかも!!」
「頑張ってください!!」
観客たちからの声が飛ぶ。
だが、それでもバーサーカーはまだ倒れない。
バーサーカーが手に持っていた武器を構える。それは大ぶりの剣だった。
「お、おいあれってまさか……」
「そう、彼が持っているのは不毀の極刃。その名の通りの宝具です!!」
「不毀の極刃、だと?」
ブラックスミスは、それが何を意味するか理解しているらしく、少し焦っているようにも見える。
「なぁ、アレやばくね?」
「だよなぁ……。あんなの食らったら死ぬんじゃねぇの?」
「だな……」
「いいから黙って見てろよ。面白いからよぉ!!」
観客たちも不安を感じているらしい。
そんな中で、遂に勝負が決まろうとしていた。バーサーカーが走り出す。それに反応して、ブラックスミスは迎え撃つべく構える。
そして次の瞬間、両者がぶつかり合った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃあああああああ!?」
「うぎゃああああああ!?」
その衝撃は凄まじいものだった。まるで地震でも起こったかのように地面が大きく揺れたのだ。
ブラックスミスも吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
しかし、バーサーカーの方も、ダメージが大きかったのか、膝をついてしまう。
ブラックスミスは、よろめきながらも立ち上がり、剣を構え直す。だが、もう限界なのか肩が激しく上下に動いている。
「ああっ、これはまずいか……?」
「どうやら決着がついたようですね……」
「そんな……!」
「そんなことってあるんですかっ!」
観客たちは、この結末を受け入れられないようだ。
その時、ブラックスミスが動いた。彼は懐から何かを取り出し、それを天に掲げると、突然光り出した。
それは、とても眩しく、目を開けていられなかった。
光が収まり、目を開けると、そこには、先程まで戦っていたはずの二人の姿は無く、代わりに、二人の男が立っていた。
一人は、全身を黒の衣装に身を包んだ、長身の男。
もう一人は、スーツを着た、金髪の男性。
二人は、互いに睨み合っている。
「な、なんだこれ?」
「え、どういうことだ?」「も、もしかして、今、あの二人が、闘っているんじゃないでしょうか?」
「そ、そういえば、なんか、声が聞こえるような……」
「お、おい、あれって……」
観客たちがざわめく。
そして、ブラックスミスは、スーツ姿のバーサーカーに向かって、宝具である『W.・F.・D(ワールドフェイクデイドリーマー)』 を放つ。
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃー!!」
「な、何だ!?」
「一体、なにが起こってんだよ!!」
「どっちが勝ったんだ!!」
観客が混乱する中、突如、会場が揺れ始めた。
すると、観客席の壁の一部が開き、そこから、巨大な恐竜が現れた。
「ぎゃあああ!!」
「に、逃げろ!!」
「た、助けてくれぇ!!」
「いやぁぁぁ!!」
「ま、待て!! 俺を置いていくな!!」
「ひぃいい!!」
「くっ……! こうなったら、やるしかないか!」
(こいつらは、ただの人間じゃない)
「はああっ!!」
ブラックスミスが叫ぶと、ブラックスミスの周囲に、恐竜や怪獣などの模型が現れる。
「さ、再現完了! 行け!!」
ブラックスミスが指示を出すと、恐竜達は一斉にバーサーカーへと襲いかかる。しかし、恐竜達の攻撃は全てかわされてしまい、逆に反撃されてしまう。
「うぐぅ……」
「ブラックスミスさん!!」
「そんな……」
「うおおおっ!!」
バーサーカーは恐竜達に気を取られている隙にブラックスミスに近づき、彼の腹に拳を叩き込む。「がふッ!?」
「ブラックスミス!!」
「ブラックスミス!!」
「ブラックスミス!!」
「ブラックスミス!!」
ブラックスミスは吹っ飛ばされ、壁に激突し、そのまま気絶してしまった。
そして、バーサーカーはブラックスミスの方を向いた。
ブラックスミスは、スーツのポケットから、小さな瓶を取り出し、その蓋を開ける。
すると、中から、白い煙のようなものが出てくる。「な、なんですか? あれ……」
「さ、さあ……?」
「む? なにか、様子が変だぞ?」
「た、確かに」
「どうしたんでしょうか?」
「……?」
観客が不思議に思っていると、突然、黒い霧のような物がブラックスミスを包み込み始める。
「なんだこれは!? き、消えていく!? どういうことだ!!」
「うおっ!!」
「な、なんじゃありゃ!!」
「お、おい、まさか、あいつ消えるのか!?」
「おい、嘘だろう? まだ決着ついてないじゃないかよぉ!!」
観客が騒いでいると、ブラックスミスの姿が変わっていき、やがて完全に消えた。
「ど、どこに行ったんだ?」
「も、もう終わりなのか……?」
「………………?」
「ああ……なんて素晴らしい戦いだったのだ……」
「え……」
「な、何言ってるんですか……?」
「すげぇ……あんな化け物相手に一歩も引かずに戦ってたぜ……」
「ブラックスミスさん、凄かったなぁ……」観客達が感動していると、「いいや、まだまだだね」と誰かが言った。
声がした方を見ると、そこにはブラックスミスが立っていた。「な、なにぃ!?」
「ば、馬鹿な!!」
「い、一体、どうやって復活したんだ!!」
「なにを言っている。私は最初からここにいるが?」
「なにを言っているのはこっちのセリフだ!!」
「そうですよ!!」
「そうだ、そうだ!!」
観客達は口々に言う。しかし、ブラックスミスには通じていない。
ブラックスミスは自分の手を見た後、自分の腕の皮膚を剥がしてみせた。
「な、なにをしている!?」
「ちょ、ちょっと、グロすぎますよ!!」
「血だらけじゃねぇか!!」
「ほら、見てくれ。この傷を。痛々しいだろ。だから、お前達の心に訴えかけているんだよ。お前達を楽しませるために、あえてこんなことをしたんだ。どうか許してくれないか。お前達を喜ばせるためなら、どんなことでもするから。なぁ、頼むよ。なぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁ」
「な、なにがお前をそこまでさせるんだ……!?」
「俺を楽しませてどうするつもりだ!!」
「ひいっ!!」
「こ、怖い!!」
観客は悲鳴をあげる。ブラックスミスは笑顔のまま、無言で彼らの顔を見ている。
「た、助けて!!」
「た、たすけてー!!」
彼らは泣きながら逃げ出した。
「待ってくれよぉ!!」
「置いてかないでくれよぉ!!」
「俺はお前らに最高のエンターテイメントを提供するぞぉ!!」
「嫌だぁあああ!!」
「たすけてぇえええ!!」
「俺を置いていかないでくれよぉ!!」
こうなってはもはや試合どころではない。観客は皆逃げていき、残っているのはブラックスミスとバーサーカーだけになった。
「おい、バーサーカー。あいつらを追っかけようぜ。俺が連れてきてやるからよ。なに、簡単さ。追いかけっこだよ。お前が逃げる連中を追いかければいい。そして全員捕まえたら勝ちだ。簡単だろ? なぁ、やろうぜ?やらないのか? あ? やれよ。なぁ。俺と遊ぼうぜ。なぁ、なぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁ!!」
「Astolfoooooooooooo!!!!」
バーサーカーが走り出した。ブラックスミスは剣を構える。
「ふんぬぅうううううう!!」
バーサーカーがブラックスミスをぶん殴った。吹っ飛ばされる。
「なにやってんだよぉおおお!! もっと俺を楽しませろよぉ!!俺は……俺の作った物を楽しんでくれる観客が好きなだけだ!!」
「Astolfoooooo!!!!」
「うるせぇよ!! 俺が楽しむには観客が必要なんだよ!! 俺が満足するためにお前らは存在するんだ!! そうだろぉお!?」
「Astolfo!!」
「なに言ってるか分かんねぇよぉおお!! 黙って殴られやがれ!!」
「Astorfooooooooo!!」
「ぐわぁああ!!」
ブラックスミスがぶっ飛んだ。
「もういい。飽きた」
「Astolfo?」
「なぁんか、面白くねぇよなぁ。俺が作ればもっと面白いはずなのによ。なにがいけねぇんだ? もっと観客を沸かせられるはずだ。もっと観客を喜ばせてやりゃあ俺も嬉しい。俺が楽しい。お前らも楽しい。それで良いじゃねぇか。なんでそれができねぇ?」
「Astorfoooo!」
「なにを怒ってるのか知らねぇけど、俺が気に食わないなら、殴り返してみろよ。ほぉら、どうした。来いよ! なぁ!!」
「Asto-」
「遅いッ!!」ブラックスミスが腹パンをぶち込んだ。
バーサーカーが膝をつく。
その頭を踏みつける。ぐりぐりと、踏み躙るように。
バーサーカーの目が見開かれる。
そこに映るのは怒りではない。
憎しみでもない。
ただ、退屈。それだけだ。
つまらない。ただひたすらにつまらん。
そう感じている。
この男の本性は、おそらくこちらだろう。観客を、作品を、己自身を、愛している。
だからこそ、それらを傷つけられることを何よりも嫌う。
だが、同時に、彼は、自分自身もまた、作品の一つなのだと考えている。
彼の作品は、彼自身。
そして、彼の作品に傷をつけることは、彼にとって、自分を傷付けられることに等しい。
だから、許せないのだ。自分の作品が、他人によって汚されることを。
「俺は、俺の作品は完璧であるべきだ。それは、俺自身が最高傑作であるという証明でもあるからだ。それを、否定する奴がいる。ふざけるんじゃねぇぞ。誰であろうと、絶対に許さん。俺が、俺の作品を侮辱することは……俺自身を否定することだ。俺が俺を殺せば、作品は完成しなくなる。俺が俺の作品を殺すということは、俺を俺が殺すのと同義だ」
「…………」
「お前は、俺を怒らせた。俺の作品に泥を塗った。お前のようなクズには死すら生温い。俺の怒りを知れ。悔い改めよ。それが、お前にできる唯一の贖罪であり救済だ」
「Astorfooooooooooo!!!!!!!!」
「お前に、俺の最高傑作をくれてやる。ありがたく思え。お前に相応しい舞台を用意してやった。お前が俺と戦うのに相応しくない場所だと? 馬鹿を言うな。俺の戦いにふさわしい場所はここしかない。さあ、戦おうぜ。最高の演者同士による、最高の舞台で、最高に楽しく、最高に派手に、最高に盛り上がって、最高に、最高に、最高に、最高に、最高に、最高に、最高に、最高に、最高に、最高に!最高な戦いを始めようじゃねぇか!」
「Astolfooo!!! Fooooaaahhh!!!」
「俺が憎いか。俺が殺したいか。いいとも! 来いよベネット! その怒り、憎悪、殺意、全て受け止めてやろう! お前はそこで見ていればいい! お前のために用意した、最高に楽しい余興を、とくと味わってくれ!!」
「Astorfoooooooooo!!!」
「行くぞオラァアアッッ! 俺の最高傑作を、テメェに叩き込んでやるよォオオオオッ!!」
「Astolffu!!! Astoldouf!(アストルフォ!!!ああ、素晴らしい!)」バーサーカーは、手にした剣を振り上げた。
まるで、獣のように。
そして、彼は叫んだ。
それは、まさに。
獣の雄叫びだった。
バーサーカーの宝具、『不毀の極刃(ドゥリンダナ)』が振り下ろされる。ブラックスミスは、避けない。
そのまま立ち尽くしている。
直撃すれば、間違いなく即死だろう。だがブラックスミスは、微動だにせずそれを待ち構えている。
「FuOooooooo!!!!」
「…………」
そして、ついに。
彼の脳天目掛けて『不毀の極刃(ドゥリンダナ)』が落下し。
その瞬間、ブラックスミスの姿が消えた。
「!?」
「Astolfooooohh!!」
直後、バーサーカーの背後から、声が響いた。
「──────────」
「………………あ?」
それは、何かの詠唱だった。
だが、何の呪文かわからない。理解できない言葉だった。
「………………」
「……!」
「………………」
「ッ──────!!」だが、それがどうしたと言うのか。
「Gaaaaahhaaaaahhh!!!」
そんなものは、関係ない。
「────────────」
バーサーカーは、振り向かずにそのまま突っ込んだ。
「Astolfooooonnn!!!」
そして、ブラックスミスの姿を捉えた瞬間、彼は叫んだ。
「────────────」
だが。
その時既に、勝敗は決していた。
「────────────」
バーサーカーが、自分の首に刺さっている短刀を見た。
「…………」
だが、何も言わない。
何故なら、もう終わっているからだ。
「───」
ブラックスミスの手には、先程までなかったはずの一冊の本があった。
そしてその表紙を、黒い光が覆っていた。
「……」
だが、バーサーカーは何も言わずに崩れ落ちた。
「───」
その後頭部に、ぽつりと血の花が咲いた。
バーサーカーは、倒れ伏した。
「……………………ふぅ」
ブラックスミスの勝利だ。「…………」
ブラックスミスが、ゆっくりと息を吐いて、構えを解く。
「勝った」
そして、そう言った。
「……」
だが。
「──────────」
バーサーカーが、立ち上がった。
「え?」
「Astolfooooohh!!」
「なっ───」
「うおおおおぉおああぁアァアアアッ!!」
「くっ…………」
「Astol!!」
バーサーカーが、再び突進してくる。
だが、ブラックスミスの表情に変化はない。
「……」
そして、またあの詠唱を始める。
「───」
「Gaaaahh!!」
だが、今度は止まらない。
「…………」
「Astol!!」
「……仕方ないか……」
「Ga!?」
ブラックスミスが、右手を前に出す。すると、彼の目の前に巨大な盾が現れた。
「……!」
「Astol!!」
「───ッ!!」
「Astolfooooohhh!!!」
そして、激突。
だが、今回は拮抗しなかった。
「うああっ───」「Gyaaaaaahh───」
押し切られたのは、ブラックスミスの方だった。
「───」
だが、まだ終わらない。
「Astol!!」
「───ッ!!」
「Astolfooooohhh!!」
「─────」
「Astolfooooohhh!!」
「─────」
「Astolfooooohhh!!」
「─────」
「Astolfooooohhh!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
ブラックスミスが膝をつく。その体には無数の切り傷があり、血を流している。
対して、バーサーカーはほとんど無傷。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
ブラックスミスはもう、限界だ。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
もはや、立っていることすら奇跡に等しい。だがそれでも、彼は立ち上がる。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
ついに、ブラックスミスは倒れ伏す。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」
バーサーカーは、その巨体を震わせ、天へと叫ぶ。
「Astolfooooohhh!!!!」
そして、その拳を、振り下ろす。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
ブラックスミスだったものは、もはや原形を留めていなかった。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」
試合が終わってもバーサーカーは叫び続ける。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
それは、正に、嵐。荒れ狂う、猛威の化身。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
だが、それ故に、その一撃は、必殺となる。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
彼は、バーサーカーなのだから。
彼の前に、敵など、存在しない。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
ゆえに、彼は、無敵。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
勝者はバーサーカー。
「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」「Astolfooooohhh!!」「───」
だが、この結末は当然だろう。
彼は最強。最強のバーサーカー。
彼は、決して負けない。
たとえ相手が神であろうとも。
彼は、最強だからだ。