そんな中で、遂に勝負が決まろうとしていた。バーサーカーが走り出す。それに反応して、ブラックスミスは迎え撃つべく構える。
そして次の瞬間、両者がぶつかり合った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃあああああああ!?」
「うぎゃああああああ!?」
その衝撃は凄まじいものだった。まるで地震でも起こったかのように地面が大きく揺れたのだ。
ブラックスミスも吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
しかし、バーサーカーの方も、ダメージが大きかったのか、膝をついてしまう。
ブラックスミスは、よろめきながらも立ち上がり、剣を構え直す。だが、もう限界なのか肩が激しく上下に動いている。
「ああっ、これはまずいか……?」
「どうやら決着がついたようですね……」
「そんな……!」
「そんなことってあるんですかっ!」
観客たちは、この結末を受け入れられないようだ。
その時、ブラックスミスが動いた。彼は懐から何かを取り出し、それを天に掲げると、突然光り出した。
それは、とても眩しく、目を開けていられなかった。
光が収まり、目を開けると、そこには、先程まで戦っていたはずの二人の姿は無く、代わりに、二人の男が立っていた。
一人は、全身を黒の衣装に身を包んだ、長身の男。
もう一人は、スーツを着た、金髪の男性。
二人は、互いに睨み合っている。
「な、なんだこれ?」
「え、どういうことだ?」「も、もしかして、今、あの二人が、闘っているんじゃないでしょうか?」
「そ、そういえば、なんか、声が聞こえるような……」
「お、おい、あれって……」
観客たちがざわめく。
そして、ブラックスミスは、スーツ姿のバーサーカーに向かって、宝具である『W.・F.・D(ワールドフェイクデイドリーマー)』 を放つ。
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃー!!」
「な、何だ!?」
「一体、なにが起こってんだよ!!」
「どっちが勝ったんだ!!」
観客が混乱する中、突如、会場が揺れ始めた。
すると、観客席の壁の一部が開き、そこから、巨大な恐竜が現れた。
「ぎゃあああ!!」
「に、逃げろ!!」
「た、助けてくれぇ!!」
「いやぁぁぁ!!」
「ま、待て!! 俺を置いていくな!!」
「ひぃいい!!」
「くっ……! こうなったら、やるしかないか!」
(こいつらは、ただの人間じゃない)
「はああっ!!」
ブラックスミスが叫ぶと、ブラックスミスの周囲に、恐竜や怪獣などの模型が現れる。
「さ、再現完了! 行け!!」