仏教のお話

Rの会:無量義経 / 71

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ダルマ太郎 2024/04/17 (水) 22:20:02 修正 >> 3

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宗教の本義とは
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英語のリリジョン religion の訳語として、宗教という言葉が当てられました。宗教とは、もともと仏教用語で、「重要な教え」という意味です。華厳経(けごんぎょう)などに出てくる言葉です。キリスト教と仏教とでは、思想が違うし、儀礼・儀式、習慣が違いますから、宗教という言葉でくくることはできないのですが、キリスト教的な宗教の概念が広く伝わってしまい、仏教に大きな影響を与えています。
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広辞苑によれば、「宗教とは、神または何らかの超越的絶対者あるいは神聖なものに関する信仰・行事」だと定義されています。この定義は、キリスト教的であって、仏教には当てはまりません。少なくとも、釈尊の仏教とは異なります。インドでは、思想を三つのタイプに分けてとらえました。信仰タイプ・儀礼儀式タイプ・覚りを目指すタイプです。信仰タイプはヒンドゥー教、儀礼儀式タイプはバラモン教、覚りを目指すタイプは仏教です。仏教は、神への信仰はせず、儀礼儀式をしません。覚りを目指して道を進みます。キリスト教は、神への信仰のタイプでしょうから、仏教とはタイプが違います。
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現在の日本の仏教をみると、如来・菩薩・明王・神への信仰をするし、葬式などの儀式を中心にしているので、本来の仏教とは大きく異なります。しかも、覚りを目指すという大事な目的を失っていますので、果たして仏教と呼べるのかも疑問です。仏教の道は、(かい)(じょう)()という三学、八正道、六波羅蜜などが有名ですが、その最も基本となる持戒を日本仏教は捨てています。在家であれば、五戒を持ちますが、五戒とは何かを記憶している人は少ないでしょう。殺生(せっしょう)や窃盗はしなくても、邪淫(じゃいん)・嘘・飲酒は平気でしているように思えます。新興宗教であっても、仏教系ならば、五戒は守る必要がありますが、忘年会などの宴会でお酒を楽しみ、会員同士で不倫をしている人もいます。戒律の無い宗教ってどうなのでしょう?
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宗教の本義を明らかにしたいのなら、まずは戒を守ることから始めるのがいいと思います。持戒によって心を浄めれば禅定(ぜんじょう)に入りやすくなるし、禅定に入ることで智慧(ちえ)を求めやすくなり、智慧を得れば成仏に近づきます。仏教の本義は、智慧を完成させ、成仏することなのですから、まずは、持戒からでしょう。
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大乗仏教の修行者である菩薩は、菩薩戒を受持します。それは、三聚浄戒(さんじゅじょうかい)と呼ばれるもので、止悪・修善・利他という三つの戒です。つまり、悪をとどめ、善を修め、人々のために尽くすというものです。止悪とは、すべての戒を守ることですから、菩薩戒を受持する者が五戒を破ることはありえません。
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