第三四半期の決算発表が近づいていますが、銀行株の決算発表の内容を分析する上での注意をいくつか書いておきます。(気が向いたら追加分を後日書き足します)
1.純利益額の増減だけを見てはいけません。
多数の金融機関でコロナ禍による元金返済の減免や金利の棚上げを行いましたが、コロナ禍以前に正常先であった先については、正常先に査定しても差し支えないとされていた事です。
しかし、それらの先がすべて正常先に分類されているかというと、そうではありません。
要注意先以下の区分にランクダウンさせて引当金を積むか否かは各行の判断によっています。言い換えれば、収益に余裕のある銀行は先行して与信費用として貸倒引当金等を積み増す形で損失処理を行っています。
ですから純利益に与信費用を加減算した上で不良債権の動向も考慮して判断する必要があります。
2.長期金利の上昇による収益の改善にはおよそ3か月~6か月程度の時間が必要で、その効果が全部決算に反映されるには1年程度の時間が必要。
これは変動金利貸出の金利更改周期と関係しています。年1度の変更としている先も多数ありますから当然です。
ちなみに金利が上がった後にその効果が財務諸表に現れるのは3月期を超えた第1四半期から第2四半期である事に留意して下さい。
つまり金利が上がっても3月期決算には多くの場合、極く少ししか反映されていないという事です。
重要な点は貸倒引当金の繰入額の増減度合いと総資金利鞘の改善度合、近未来の利鞘動向に先行する資金運用勘定と資金調達勘定の残高と利回の動向です。
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凍結されています。
ちみなにメガバンクでは、みずほと三井住友の買いが有望と見ています。特にみずほFGは最小投資単位が20万円程度と小さいうえに流動性が高いので個人から機関までの買いが期待できます。システムの不具合からダメダメ銀行のイメージが強かった為、株価も割安で配当も良い事から短期から長期まで、個人から機関までの全員参加型の相場に発展する事も期待できるのではないかと見ています。
三井住友も良いのですが、最小投資単位が50万円を超えてしまう事、優良銀行のイメージが強く他の銀行に比べた相対的な株価の割安度が高くない事もあって、投資対象として見た場合は3行の中ではみずほFGに次ぐ位置と見ています。
三菱UFJも悪くありませんが前記の2行に比べると投資妙味はやや劣ります。しかし株価の下方硬直性は一番高いと見ています。
地銀の中では、コンコルディアを一押しで考えています。
それでは、また・・・
1/30以降に銀行の決算発表が相次いで発表されますが、先の投稿でも述べた通り長期金利の上昇分が完全に決算利益に反映されるには相応のタイムラグがあるという事を理解して行動して頂けたら良いと思います。
実は、これが銀行株にボラティリティを作る可能性があるからです。
分かり易く言えば、決算への期待が高すぎて期待値に届かず、落胆した売りが出て来る可能性があるという事です。
しかし、IRRBBの係数等を見ても分かるように金利上昇により収益改善が進む体質の銀行については、その事に疑いはないので「押し目は買い」という判断になります。
これは、すべての銀行に対して言える訳ではありませんが、長期投資ならば押し目を買い下がるのも一つの妙案かと思います。
では、では・・・