仏教のお話

無量義経:説法品第二 / 9

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ダルマ太郎 2024/06/04 (火) 11:33:49 >> 6

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六道輪廻について
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六趣輪廻ともいいます。真理を知らない人々は、悪業を積んで、死後、迷いの世界を輪廻するといいます。輪廻はバラモン教の時代に浸透した思想ですが、六道輪廻は仏教からです。六道とは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天のことで、苦しみの度合いが最も重いのが地獄であり、最も軽いのが天上界です。地獄・餓鬼・畜生は、三悪道といわれます。

地獄とは、罪人の牢獄だといわれます。地中深くに八つの熱地獄と八つの寒地獄があり、生前の罪によって堕ちる地獄が異なります。獄卒として鬼がおり、罪人を様々なやりかたで苦しめます。針山、釜、炎、溶けた金属、煮え湯などで痛めつけられますから罪人はすぐに死んでしまいます。死んでもすぐに生まれ変わり、何度も何度も地獄で苦しみます。しかし、キリスト教の地獄と違って、いつかは地獄から他の境地に生まれ変わることができます。つまり、永遠に地獄にいるわけではありません。

餓鬼とは、飢餓に苦しむ鬼です。インドで鬼というのは、日本でいう幽霊のようなものです。喉が渇き、お腹がへっても、水や食料を口に入れると燃えてしまうので飢えた状態がずっと続きます。餓鬼は、地獄の近くにある餓鬼界や人間界、天上界に住むと言います。

畜生とは、動物のことです。人間界と同じ場所に住み、人間が認識することができます。本能のままに生きていますから、食べたいときには他の動物を殺してでも食べ、交尾をしたいときは、相手が親兄弟でもします。弱肉強食なので、いつも死が間近にあります。智慧のない状態です。

修羅とは、阿修羅のことで、もとは天上界に居た神です。争いを好み、帝釈天と戦って負け、海中に落とされました。修羅界とは、争いの世界です。

人間とは、私たち人類のことです。人間界に住んでいます。六道の中では、天上界の次に苦しみの少ない世界です。心が散乱で落ち着かず、まわりの変化に惑わされます。影響を受けやすいので倫理・道徳を学べば善を行いますが、誘惑によって悪をする傾向があります。善い縁があれば、成仏への道を進みます。

天とは、天上界のことであり、そこに住む神々のことです。バラモン教では、天上界は輪廻から解脱してから趣くところだといわれていましたが、仏教では迷いの世界だといわれています。神であっても、寿命があるために、死ぬ前には苦しむからです。死後は、六道を輪廻しますからゴールではありません。
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六道輪廻について
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