仏教のお話

無量義経:徳行品第一 / 18

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ダルマ太郎 2024/05/30 (木) 10:18:23 >> 11

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菩薩による教化
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ここには、菩薩の教化の仕方が書かれています。まず、菩薩は人々の根性欲を知って、それに合わせて教えを説きます。根性欲とは、機根・性質・欲望の略で、機根とは、教えを理解し実践する能力のことです。対機説法の「機」とは、機根のことをいいます。しっかりと記憶している教えを何の妨げも作らず、巧みに話して聞かせます。諸仏に倣って、教えを説くのです。

まず、ほこりだらけの場所に水滴を垂らして、塵をおさえるように、小さな教えから入って、欲望を抑え、涅槃への門を開き、解脱へと導く縁となりました。そうして、苦悩を除き、教えを学ぶことの喜びを与えました。次に十二因縁の法門を説き、苦の原因が無明(無智)であり、無智による意志によって、苦悩することを伝え、照り付ける太陽の熱から救う夕立のような恵みを与えました。

このように初期仏教の教えを説いた後は、大乗の教えを説いて善の心を芽生えさせ、実践させ、功徳を感じさせました。そうして人々に菩提心を起さしめました。菩提心は、成仏を求める心のことで、菩薩にとっては必要不可欠です。

菩薩の智慧は、人々の煩悩を滅す縁となり、方便として、よく人々を導きます。そのことで、人々の仏道修行を援助し、人々が素早く無上の覚りを得られるようにし、慈悲の心で苦悩する民衆を救済できるように関わりました。

このように、人々を成仏へと導くためには、低い教えから徐々に高い教えを説くようにします。教団の中には、法華経以前の教えは必要ない、と言うところもありますが、学校教育がそうであるように、相手のことを思えば順々に高い教えを説くようにしたほうがいいでしょう。
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菩薩による教化
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