仏教のお話

Rの会:無量義経 / 19

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ダルマ太郎 2024/03/24 (日) 18:37:17 修正

無量義経 説法品第二

https://www.youtube.com/watch?v=FiUK4GSEdFI&t=1s

~この品は、仏陀の説法について述べられています。仏陀は、悟りを得られてから、こういう目的で、こういう順序によって法をお説きになった、その法というのは、いろいろさまざまに説かれてきたけれども、根本の真理の法は「ただ一つ」である。その一つの法から、無量の(数かぎりない)法が生まれるのである、ということを説かれたのが、この章であります。

無量義経の第二章は、説法品です。無量義経の中心であり、無量義についての教義が説かれています。法華経と通じる内容ですので、合わせて学ぶと理解が深まります。

大衆正に問う分

爾の時に大荘厳菩薩摩訶薩、八万の菩薩摩訶薩と、是の偈を説いて仏を讃めたてまつることを已って、倶に仏に白して言さく、世尊、我等八万の菩薩の衆、今者如来の法の中に於て、諮問する所あらんと欲す。不審、世尊愍聴を垂れたまいなんや不や。

大荘厳菩薩と八万の菩薩たちが世尊の大徳を讃えたあと、世尊に次のように質問をしました。「世尊よ。私ども一同は、仏さまにぜひお伺いをしたいことがございます。如何でしょうか。お聞き下さり、お教えいただけますでしょうか?」

如来 許しを垂る分

仏、大荘厳菩薩及び八万の菩薩に告げたまわく、善哉善哉、善男子、善く是れ時なることを知れり、汝が所問を恣にせよ。如来久しからずして当に般涅槃すべし。涅槃の後も、普く一切をして復余の疑無からしめん。何の所問をか欲する、便ち之を説くべし。

善いかな、善いかな。大事な時に質問をしてくれました。なんでも質問をしなさい。じつは、私はもう少しでこの世を去ろうとしています。私が亡くなった後、疑問が残ることがないよう、何でも聞きなさい。何でも伝えましょう。

すると釈尊は大荘厳菩薩と八万の菩薩たちにお答えになりました。「素晴らしいことです。善男子よ。よくぞ、今、この時に質問をされました。あなたの聞きたい事をぜひ訊いてください。私は間もなく、この世を去ろうとしています。私が亡くなった後に、人々が、教えに対し不信感を抱かない様にしておきたいと思います。どの様な質問でしょうか? 何でも答えしましょう。

菩薩 正に問う分

是に大荘厳菩薩、八万の菩薩と、即ち共に声を同じゅうして仏に白して言さく、世尊、菩薩摩訶薩疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得んと欲せば、応当に何等の法門を修行すべき、何等の法門か能く菩薩摩訶薩をして疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ぜしむるや。

すると大荘厳菩薩と八万の菩薩たちは、声をそろえて申し上げました。「世尊よ。私ども菩薩が、まわり道をせず『真っすぐ』に最高無上の悟りを得るためには、どんな教えを修行したら良いのでしょうか?」

そこで、大荘厳菩薩と多くの菩薩たちは、声を合わせて仏に申し上げました。「世尊。菩薩が速やかに最上の覚りを得ようとするならば、どの様な教えを修行すればよろしいでしょうか? どの様な教えが、菩薩をして、速やかに最高の覚りを得させるでしょうか?」

阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)
アヌッタラー・サムヤック・サンボーディ 
anuttarāṃ-samyak-sambodhiṃ
最も正しい覚りのことで、「正覚」とも訳されます。菩提 ボーディ bodhi とは、目覚めることですので、「さとり」に当てる漢字は、「覚り」のほうがいいように思えます。「悟り」もよく使われますが、悟は自分の心を知ることであり、覚は真理に目覚めることですから意味がことなります。

如来 略して答える分

仏、大荘厳菩薩及び八万の菩薩に告げて言わく、善男子、一の法門あり、能く菩薩をして疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得せしむ。若し菩薩あって是の法門を学せば、則ち能く阿耨多羅三藐三菩提を得ん。世尊、是の法門とは号を何等と字くる、其の義云何、菩薩云何が修行せん。

釈尊はお答えになりました。「みなさん。ここに一つの教えがあります。これこそが、菩薩の皆さんを『真っすぐ』に最高無上の悟りへと導くものです。この教えを学び実践するならば、ただちに『仏の悟り』を得るでしょう」

三疑を問う(名・義・行)

世尊、是の法門とは号を何等と字くる、其の義云何、菩薩云何が修行せん。

大荘厳菩薩は、釈尊のことばを待ちきれずに直ぐにお尋ねします。「世尊。それは何という教えですか? その教えの内容とはどのようなものですか? そして、どのように修行したらよろしいのでしょうか?」

世尊。その法門は何という名称でしょうか? その内容はどの様なものですか? 菩薩は、どの様に修行すればよろしいでしょうか?

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    ダルマ太郎 2024/04/11 (木) 21:14:04 >> 19

    疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ずる

    大荘厳菩薩は、釈尊に、「世尊、菩薩摩訶薩疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得んと欲せば、応当に何等の法門を修行すべき、何等の法門か能く菩薩摩訶薩をして疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ぜしむるや」と問いました。無上の正しい覚りを得る方法を問うたのですが、その時に、「疾く」という条件が入っています。「疾く」とは、速やかに・急いで、という意味ですから、速やかに無上の覚りを得るにはどのような修行をすべきかを質問しています。

    これまでは、歴劫修行が説かれていました。菩薩が覚りを得るには、三阿僧祇劫の修行が必要だというのです。阿僧祇とは、「数えきれない」という意味ですので、非常に長い期間をかけないと成仏できないというのでしょう。それに対して無量義経では、「疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ずる」のですから、歴劫修行の逆です。即身成仏です。法華経にも、「我先仏の所に於て此の経を受持し読誦し、人の為に説きしが故に疾く阿耨多羅三藐三菩提を得たり」という経文がありますから、歴劫修行は否定されています。
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