ごきげんよう。確かにМиГ-21УПГ(MiG-21-93)はMiG-21シリーズに於ける完成形と申して宜しうございませうか。されど、此の機體は本國に於いて採用されし事實は御座いませぬ。確たる事を申し上げ得るほどの知識も持ち合はせぬ私めが語るといふのは、インテリゲンチアの皆さまに對する侮辱と取られてしまふやもしれませぬし、理由としても些か證據を缺くやうな憶測混じりのものになつてしまひますが、少しばかり語らせていただけませんでせうか。MiG-21UPGがロシア軍には配備されなかつた理由として、先づ第一にソ聯崩壞、さうして第二に後繼であるMiG-29、Su-27などといつた後繼機の存在が擧げられませうか。御存じの通りMiG-21には当時既に様々なバリアントが存在致して居りましたが、基礎設計は古く陳腐化しつつ御座いました(此の機體に至りましては九十四年初飛行で御座います)。それに加へて末期のソ聯やロシアは財政難に喘いで居りましたから、一刻も早く外貨を獲得する必要に迫られて居りました。さやうな状態で新鋭機が存在して居るともなれば、時代遅れとなりし舊型をわざわざアップグレードする意味は薄かつたのではないかと存じます。
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