「チョコレート戦争は一週間で終結したって、それ、嘘ってこと」←2013年8月20日にウクライナとロシアの双方が終結を発表していますから、それ自体は嘘ではございません。その後の関税に関する似たような出来事は”第二次チョコレート戦争”か”終結宣言は一時的なもの”とでも表現するべきでしょう。 「関税なかったとか言ってたけど、ちゃんとプーチンそれに該当すること制裁としてやらかしてる」←関税が無かったのはウクライナとロシアの緊張が高まる前のことです(94年の協定により双方の貿易の関税が免除される取り決めがされました)。2012年にヤヌコビッチはEU加盟の草案を承認しますが、ロシア側からそれは97年の条約に違反する旨を伝えらます。貿易に関して緊張感が高まったのはこの時期からでしょう。 「守るべき国益って、結局はロシア側の利益」←それはロシア側からすればある意味で当然です。97年の条約を無視されウクライナがEUに加盟した場合、ウクライナを経由し欧州製品がロシア市場に大量に流れ込むことになりますから、ロシアとしては放置できません(EU加盟とは関係ありませんが過去にウクライナによるパイプラインからガスを抜き取る行為やガス代金の未払い等がありました)。ウクライナがEUに加盟する話が出た時、ロシアは(ウクライナもですが)EU側に3者協議を申し入れてますが、EU側はそれを拒否します。この協議はロシアだけの利益ではなく、ウクライナの利益も考慮したものです。何故かと申しますと当時のウクライナにとって主要な貿易相手国はCISであり、もしEUに加盟した場合はその貿易による利益は失われ、EUがどのようにしてその補償をするのかが明確でなかった為です。EUがその協議を拒否するのですから”いじめる側”はEU側だと思います。 「プーチンに、札束で頬を叩かれて」←融資を申し出たのはロシアだけではありません。EUも融資を申し出ましたが8億3800万ドルです(ただし、その見返りとしてウクライナ側に法律改正等を要求しましたが)。ロシアは150億ドルの提供とガス価格の引き下げを表明しています(ロシアはEUのような見返りは要求していません)。この当時のウクライナは270億ドルの融資を必要としておりました。また、この前にもウクライナはIMFに債務再編を申し出ますが、IMF側はそれを拒否しています。このような状況においては、ロシアの融資を受けるのは当然の選択であると考えます。 「あの革命ってここまでヘイト稼ぎまくったプーチンの自爆でしかないんだ。ウクライナを取り込まなきゃいけないのに、その逆のことばかりやらかしてた。まじでプーチンってNATOのスパイなんじゃと疑いたくなるレベルで、対ウクライナ外交を致命的にミスってる。そしてその自分のミスをアメリカに責任転嫁」←それについては異存がございます。マイダン革命の遠因は、ベーカー国務長官とゴルバチョフ大統領の間で交わされた「東方へのNATO拡大はしない」という約束を西側が破ったことであると考えます。また近因としては、米国や他の協力国によるマイダン革命への関与(資金提供や軍事訓練等)であると考えます。