【NY為替オープニング】市場FRBのピーク金利5%台再び織り込みドル買い、労働市場強く(フィスコ)
●ポイント
・米・12月ADP雇用統計:+23.5万人(予想:+15.0万人、11月:+18.2万人←+12.7万人)
・米・11月貿易収支:—615億ドル(予想:-630億ドル、10月:-778億ドル←-782億ドル)
・米・先週分新規失業保険申請件数:20.4万件(予想:22.5万件、前回:22.3万件←22.5万件)
・米・失業保険継続受給者数:169.4万人(予想:172.8万人、前回:171.8万人←171.0万人)
・ボスティック米アトランタ連銀総裁「インフレは高過ぎ」(金融市場関連会議)
・米・12月サービス業PMI改定値:44.7(予想:44.4、速報値:44.4)
・米・12月総合PMI改定値:45.0(速報値:44.6)
5日のニューヨーク外為市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化観測にドル買いが優勢となった。
民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の12月分は+23.5万人と、11月+18.2万人から予想以上に伸びが拡大。先週分新規失業保険申請件数は前週比-1.9万件減の20.4万件と予想外に22.3万件から減少し昨年9月来で最低となった。米失業保険継続受給者数は169.4万人と、前回171.8万人から増加予想に反し減少。労働市場の強さが確認された。
4日に発表された11月JOLT求人件数も1045.8万件と予想を上回ったほか、10月分も上方修正された。また、2カ月連続で総失業者数を440万超上回る状況となった。1人の失業者に対し1.74の求人があることになり、この水準はコロナ前の1.2の水準に戻していない。ウォールストリートジャーナル紙のFedウォッチャーによるとFRBはこの水準を1前後で均衡させたいようだ、と指摘。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した12月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でもFRBのメンバーが労働市場が均衡したら失業率が上昇すると指摘している。
米商務省が同時に発表した11月貿易収支は—615億ドルとなった。赤字幅は10月778億ドルから予想以上に縮小し、10-12月期の国内総生産(GDP)の成長にプラス寄与する。
強い雇用関連指標は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化計画を正当化。米2年債利回りも4.38%から4.47%まで上昇した。
消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化傾向を示し、さらに、本年の景気後退懸念に短期金融市場はFRBの利上げ継続が間違いであるとの見方からFRBの予想にもかかわらずピーク金利が5%に満たないと見てドル売りを強めた。しかし、最新の雇用関連指標が依然強く予想を上回り、減速の兆候が見られず、FRBの利上げ継続計画が正当化するとの観測が再燃。市場も再びピーク金利5%を織り込んだ。このため、ドルの買戻しが加速した。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁もインフレがピークに達したと言及するのは時期尚早で本年の金利が5.4%に達するとの予想を示した。
・ドル・円は、200日移動平均水準の136円42銭を下回る限り下落基調。
・ユーロ・ドルは、200日移動平均水準の1.0316ドルを上回っている限り上昇基調。
ドル・円132円73銭、ユーロ・ドル1.0600ドル、ユーロ・円140円80銭、ポンド1.1990ドル、ドル・スイスは0.9280フランで寄り付いた。