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FRB、年間1.1兆ドルのペースでバランスシート圧縮計画-議事要旨
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-07/R9YHUYT0G1KW01?utm_source=yjp&utm_medium=bd&utm_campaign=yjp
2022年4月7日 16:00 JST ブルームバーグ
➞ 月間では米国債保有を600億ドル、MBSは350億ドル上限に減らす
➞ 1回以上の0.5ポイント利上げが適切になる可能性と「多く」が想定
米金融当局は新型コロナウイルス禍対策の量的緩和(QE)で膨らんだバランスシートについて、年間約1兆1000億ドル(約136兆円)のペースで圧縮する方針を打ち出した。また、40年ぶりの高インフレの抑制に向けて「迅速」に利上げを進める。
6日公表された3月15、16両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨で示された。また、当局者はゼロ金利解除に当たって0.5ポイントの大幅利上げを議論したものの、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う不確実性の高まりを考慮し、用心のため0.25ポイントの利上げ幅としたことも分かった。
さらに、物価上昇圧力が緩和に向かわない場合、1回もしくはそれ以上の回数の0.5ポイント利上げが先行き適切になる可能性があるとFOMC参加者の「多く」がみていたことも明らかとなった。
アナリストはこうした内容について、もっと早くインフレ対策を講じるべきであったと案じる当局者が、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを現行の0.25-0.5%から中立水準に引き上げようと急いでいる証拠と受け止めている。
アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「あまりにも長い期間、過度の緩和を維持していたFOMCは、遅ればせながら誤りを認識した」とし、「彼らは今、できる限り早急に政策を中立に戻そうと慌てている。いったん中立に近付けば、インフレ退治のためにどの程度景気抑制的な領域に踏み込むか、やがて解明しなければならないだろう」と話した。
FOMCは5月3、4両日の次回会合でバランスシート圧縮を承認する見通しだ。計画は米国債保有を月間600億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)保有は同350億ドルを上限とするペースで減らしていくもので、状況に応じて3カ月もしくはそれよりやや長い期間を設けて段階的に上限を導入する。
当局が2017-19年に実施した前回の量的引き締め(QT)の月間計500億ドルに比べ、ほぼ倍のペースだが、市場の予想とおおむね合致している。
金利先物市場は、5月のFOMC会合での0.5ポイント利上げの可能性を高い確率で織り込んでいる。一方、バランスシート圧縮が金融情勢に与える影響については、当局として今年下期(7-12月)に注意深く観察するものと考えられる。
ウクライナでの戦争の結果、食料品価格やエネルギー相場が高止まりし、賃金や物価のさらなる上昇につながれば、リスクは増大して政策課題も増す。金融当局がインフレを抑制することができるかどうか期待が揺らぎ始めれば、一段と積極的な政策対応が求められることになるだろう。
ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「極めて不確実性が高く、急速に変化する経済環境の下で、金融当局は議論から行動に移った。これに伴い、向こう半年間の大部分はボラティリティーの高い金融環境が続く」との見通しを示した。