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名門・群馬銀行を襲う「佐野SA」と「大東建託」2つの爆弾
公開日:2019/10/05 06:00 日刊ゲンダイ
地元の名門・群馬銀行が思わぬ2つのつまずきに苦悩している。ひとつは東北自動車道上り線の佐野サービスエリア(SA)を舞台にしたストライキと、その主因となった主力取引先の乱脈経営。もうひとつは、やはり主力取引先である大手建設会社「大東建託」の消費税転嫁違反問題だ。いずれも一過性とかたづけられない問題が残るとの指摘もあり、頭を悩ませている。
佐野SAのストライキは6月中旬、群馬銀行が取引先である片柳建設に対し、乱脈経営から同社向け融資を凍結したことが発端だった。片柳建設は公共工事を受注する有力企業で、同社の岸敏夫前社長が経営権を握っていたのが佐野SAの運営会社ケイセイ・フーズだった。
「片柳建設は中央政界とも接点を持つ建設会社で、群馬銀行は関連グループ向けを含め20億円を超す融資があった。しかし、乱脈経営を知った群馬銀行が急きょ融資凍結に動いた」(地銀関係者)という。
ここまではよくある融資凍結話だが、何を血迷ったか岸氏は、同じく経営権を握るケイセイ・フーズの従業員全員の解雇に動いたのだ。これがストライキに発展、佐野SAの灯が消える事態に。
この騒動はメディアにも取り上げられ、大きな社会問題化した。最後は従業員側の勝利となり全員が現場復帰し、騒動は40日弱で収束したが、発端となった群馬銀行の片柳建設向け融資の凍結と、その背景となった乱脈経営の深層は残ったままとなっている。
もうひとつの大東建託の件は、同社が主力とするサブリースのオーナーに対し支払う賃料に2014年以降の消費増税分を上乗せしていなかったというもの。その未払い分は過去最高の約30億円にのぼり、公正取引委員会から再発防止の勧告を受けた。
「10月1日からの10%への消費増税を踏まえ一罰百戒の事案としてやり玉に挙げられたのだろうが、サブリース業界ではオーナーとのトラブルが問題化している中だけにタイミングは最悪」(メガバンク幹部)と受け止められている。
その大東建託に対し主力銀行として多額の融資をしているのが群馬銀行だ。
「経営難にあえぐ地銀が多い中、群馬銀行は積極経営で関東一円に勢力を拡大しているが、無理な営業がたたらなければいいのだが……」(地銀幹部)と心配されている。
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【SAS999コメント】
群馬銀行は、大東建託の物件にそれなりの融資をしていた、ということで最近ちょっとした注目を集めている。(当掲示板でも話題になっている。)
その大東建託は、ただでさえブラック企業と批判され(『大東建託の内幕』という本を見よ)、さらにレオパレスと同じくサブリース業であり世間から白い眼で見られた上に(何とかして自社株買いで株価を支えてきたが)、このたびはNHK「クローズアップ現代」で「ランドセット」という悪質手法を暴露され(宅建業法違反の疑いもある)、いよいよ経営がピンチになりつつある。
さらに、佐野SAで悪名が知れ渡ったあの会社、あの経営者に...そうか、そうか。群馬銀行、要チェックだな。