かんぽ生命不正販売問題で金融庁9月中旬にも立ち入り検査 自粛の営業は10月再開を発表
8/30(金) 21:00配信 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190830-00000085-mai-bus_all
日本郵政グループは30日、不正販売問題を受けて自粛しているかんぽ生命保険の商品の営業について、10月1日から段階的に再開すると発表した。積極的な勧誘を禁止する年齢層を広げるなど再発防止策も公表した。一方、金融庁はかんぽ生命と販売を担う日本郵便に対し、9月中旬にも保険業法に基づく立ち入り検査に着手する方針を固めた。
まだ不正の全容は判明しておらず、再発防止策が営業の現場に反映されていない段階で営業再開の時期を決めた日本郵政グループに対して、関係者から批判の声も上がっている。
かんぽ生命と日本郵便は7月中旬、保険契約を乗り換える際に二重契約を強いるなど、郵便局で顧客に不利益を与えた可能性がある契約が9万3000件見つかったことを受け、訪問や電話による営業を8月末まで自粛することを決めた。不利益が疑われる契約はその後、18万3000件まで膨らんだ。
両社は3000万件に上る全契約について顧客の意向確認を進めており、関連する作業を優先するため、自粛を9月末まで延長。この間に再発防止策の充実を図ることにした。積極的な勧誘を禁止する対象を従来の80歳以上から70歳以上に拡大。契約する内容については、郵便局とかんぽ生命本社がそれぞれ顧客に電話で確認するといった管理体制を強化する。両社が実施している内部調査の中間報告が9月末に出るため、その段階で販売を再開できるだけの環境が整うと判断した。
金融庁は商品を販売する際の説明などを両社に確認し、保険業法に抵触していれば業務改善命令など行政処分を検討する。
また両社は30日、郵便局で販売しているアフラック生命保険のがん保険で、新旧契約を乗り換える際に生じる保険料の二重払いや無保険状態を解消するための制度を9月2日に導入すると発表した。当初は10月の予定だったが、1カ月前倒しした。かねてアフラック側が要求してきたが、対応が遅れていた。【加藤明子、古屋敷尚子】