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【SS】理狂い / 87

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ちゃむです 2018/02/19 (月) 00:35:59

民家からは土埃が上がっておりナイヤガラの安否を確認することはできなかった。
周囲にいた民間人は自体の異常さを察知したのかもう既に人っ子1人いやしなかった。
「なんだ、呆気ないや」
「まさか死んでないよね、一応とどめ刺しておこうっと」
いろの足元に敷き詰められていたレンガがみるみるうちに左手のような形を形成してゆく
「ごめんね、恨みはないけど、君を      
ゆらゆらと浮遊する直径70cmはあろうかという2つの拳はモクモクと土煙の立つ民家の壁にゆっくりと近づいていく
        壞せ、『卍凸凹凸卍(ザ・クラッシャー)』」
次の瞬間、呑気に浮いていた2つの拳は煙の先のナイヤガラがへたばりこんでいると思しき箇所に闇雲に強烈な連撃を叩き込む。
「あははははははッ!」
「大丈夫?というか悲鳴すら聞こえなかったんだけど、もしかして最初の一発で死んでたのかな。」
いろはナイヤガラの惨憺たるやられ様をその眼に焼き付けたいがためだろうか
レンガの拳による連撃によってより一層土煙の立ち込める変わり果てた民家へと歩みを進める。
しかし、いよいよ果て尽きたナイヤガラのご尊顔を拝めるであろう距離まで近づいたときであった。
いろは目を見張った、そこにくたばっているはずのナイヤガラが見当たらないのである。

          僕は今、何を見ている?
          あのとき確かに僕は…。

        轟け、『蒼燦燦(アイオライト)』」
いろの背後から微かに聞こえたその呟きと共にいろの足元がズズズ…と唸り声を上げ始めた、途端にそこから天を衝くような勢いの水柱が噴き上げた。
いろは背後から聞こえた声の主がナイヤガラだとようやく気づいたと同時に水柱に呆気なく吹き飛ばされた。

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