二人ともお疲れ様。
さて。判定するゾ。
結論から言うと梱煉の勝利です。
話の流れとしては…
>> 7で陰陽ボーイから議題提示。
1. 最強は1人しか存在しえないか
そこからお互い自分の立場の根拠を提示することなく、>> 12でようやく陰陽ボーイから持論を展開。
限られた時間の中で、もっと早い段階からお互いが立論していれば、このテーマはより深みを増したのではないかと思う。
お互いの主張はこうだ。
- 陰陽ボーイ「最強は1人しか存在しえない」
- 梱煉「最強は複数存在しえる」
では、「最強」とはそもそもどういう意味だろうか?
コトバンク先生によると、下記のように記されている。
もっとも強いこと。もっとも強いもの。「日本最強の野球チーム」
この例文を見てもわかるように、最強の対象は特に限定されておらず、それゆえに「野球」に限定して「最強」という言葉を使用しても問題なさそうだ。
致命的だったのは、>> 12で陰陽ボーイが
限定された範囲内でしか最強じゃないの
と、「限定された範囲内であれば最強と言える」ということをすでに認めてしまっている点だ。
梱煉の>> 13はまさしく「限定された範囲内であれば最強と言える」ということを指し示すための例文で、辞書に頼らず自分の言葉で表現したという点においても、その内容についても説得力がある持論として十分と言える。
以降、>> 14から論点が変わる。
2. 最強の対象は限定されるべきか否か
議論提示した段階で、陰陽ボーイが「最強の対象は限定されないものとする」という条件付けをしていたのなら話は別だが、実際にはそのような制約がなかったので逆に言えば「限定して立論してもよい」ということになってしまう。
これをこの時点で実現させるためには、「最強の対象は限定してはならない」という立論をすべきだった。
>> 17では陰陽ボーイ自身が
最初に言質とって話題進行すればよかったね。
と、自分の凡ミスを認めてしまっている。
3. 最強の対象が限定されている場合に、最強が複数存在しえるか否か
>> 13の表では、梱煉が「2人ともが最強」が成立すると主張している。
これに対し、陰陽ボーイは>> 14で
それは測定不能か二強でしょ。
と指摘しているが、仮定として、表を見てもわかるとおり測定はされているというのがひとつ。
そして、「二強」であることが「最強ではない」ことに直結する説明がどこにも書かれていないというのがひとつ。
この2点より陰陽ボーイの反論は無効と言える。
さらに陰陽ボーイの>> 17では
数学と国語の2科目だけのテストで、Aくん数学最強でBくん国語最強ならどっこいどっこいってなるのが自然な流れで、どっちも最強なんじゃなくて互角にもつれ込むと思うんだけど。
と言っているが、はっきり言って意味不明である。
最強の対象が違う場合に「互角」と言える理由がわからないうえにその説明も書かれていない。
しかも、ここでもまた「Aくん数学最強」「Bくん国語最強」と梱煉の意見を肯定する形になってしまっている。
まとめ
陰陽ボーイは、「最強の対象を限定してはいけない」ということの説明がまったく足りておらず、「最強の対象を限定していいのか限定してはならないのか」という問題が不明瞭であることをいいことに「限定して立論した」梱煉のポジショントークが完全に上回った結果になったように思う。
俺は>> 9を見たとき、何か奥の手があっての捨石だと思ってたんだけど、最後の最後まで劣勢な状況をひっくり返す兆候もなく、>> 18でそのまま「判定待ち」で締め括ってしまったのでちょっとびっくりしました。
陰陽ボーイは事前に最強の対象を限定してはならないと条件付けを行っていれば、立場は逆転できていたのかな、と思いますが、もっともその場合でもすぐに勘付かれていた可能性は否めません。
少し厳しい言い方になりますが、これはさすがに準備不足としか言いようがないでしょう。
しかしこの大会を通して誰が見ても回を重ねるごとに成長していたように思います。
かなりいい経験になったのではないでしょうか。
梱煉は終始冷静に布石だけを打ち続けてたって印象です。
1回戦、2回戦、そして準決ときて梱煉の天性とも言える駆け引きの上手さはまぐれでもないってことが垣間見えた試合でした。
正直に言うと、梱煉が決勝にいくのは想定外です。
内容には関係ないけど、俺の判定文から引用したり、語尾を拾ってオチをつけたり、2回戦の恋愛劇場から「口説き落としてみるなりしたら?」なんてテイストを交えたりするあたりも高評価です。
その調子で決勝では最大限のパフォーマンスをしてくれよな。
以上、改めてお疲れ様でした。
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